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各地域における実施結果
第2章 各地域における実施結果
  2−15.那覇市  

2−15.那覇市

1.事業計画

(1) 現状

ア.現在の支援の状況

那覇市では、教育委員会学校教育部内に平成19年4月から遊び・非行型の不登校対策を進める「やる気元気サポート室」、心因性の不登校への対応をする「青少年センター」、青年団体の支援も含め幅広く青少年健全育成にかかわる事業を展開する「健全育成室」の3つを統合し「総合青少年課」を新設した。「総合青少年課」は、青少年の抱える問題に対する業務を一元化するもので、不登校児童生徒の支援や相談活動、学校への支援員の派遣、家庭教育の支援、青少年活動の促進などを担っている。しかし、現在那覇市の大きな課題である過卒生を側面からフォローする組織がなく、学校や支援機関等の関係機関同士の情報共有もうまくいっておらず、他機関に引き継ぐ際にも各組織で支援できる範囲が不明確なために、引き継ぎが難しい。

イ.昨年度のモデル事業をきっかけとした新しい取り組み

昨年度のモデル事業の実施によって、那覇市における喫緊の課題は中学校卒業後に進学も就職もしない、いわゆる「過卒生」対策であると改めて認識した。今年度のモデル事業も過卒生を対象としたケース検討の実施を試みたが、これ以外にも、総合青少年課独自で過卒生のための学習支援をはじめた。

(2) 課題と目指す状態

ア.支援員に関する課題と目指す状態

<1>課題

<2>目指す状態

イ.連携に関する課題と目指す状態

<1>課題

<2>目指す状態

(3) 実行計画

ア.今年度の実行計画のポイント

昨年度の定例会議では、過去のモデルケースを検討することによって、ケース検討の方法や視点等を学んだ。今年度は、実際に現在、困難を抱えている若者(特に過卒生を中心)に対して、現状のネットワークでどこまで支援ができるかを試みる。そして、そのために必要な実習を養成講習会にて充実させたいと考えている。

イ.地方企画委員会

全2回、9月と3月を予定している。各所属機関の責任者への事業説明と次年度以降の取組みのあり方について議論をすることを予定している。

ウ.ユースアドバイザー定例会議

全6回、養成講習会と同日に実施を予定している。昨年度と比較して、今年度はモデルケースではなく、実際に今困難を抱えている事例を定点観測し、現状のネットワークでどこまで支援が行えるかを検討する。

エ.ユースアドバイザー養成講習会

全6回を予定している。昨年度と比べて、今年度はケース検討のあり方や面接技法などの実習を充実させている。

2.実施事項

(1)参加主体

今年度より、7団体が新たに参加した。サポートセンターほのぼのすぺーすは、昨年度定例会議に事例提供をしたことがきっかけで、今年度参画している。


図表 84 那覇市における参加主体一覧
  教育 福祉 保健・医療 矯正・更生保護 雇用 その他
機関 ・総合青少年課
・高等学校就学支援センター
・那覇市青少年健全育成市民会議
・障害者就学支援センター さわやか
・障がい福祉課
・支援センターなんくる
・中央保健所
サポートセンターほのぼのすぺーす
・那覇少年鑑別所
・那覇警察署
・民生・児童委員会
・那覇保護区保護司会
・なはし就職なんでも相談センター
・地域若者サポートステーションなは
・那覇市地域雇用創出促進協議会
・那覇市中央公民館
・那覇市青年団体連絡会
・那覇市ファミリー・サポート・センター
個人 ・沖縄国際大学
・沖縄大学
- - - - -

(2) 地方企画委員会

今年度は、全2回実施。


図表 85 那覇市における地方企画委員会実施内容
日程 議題 議論結果・決定事項
1 9/11 1.前年度の振り返り・今年度の事業概要 ・今年度の進め方について議論
2 3/15 1.今年度の振り返り、来年度以降の取り組みについて ・今年度の反省と来年度以降に取り組むべきことについて議論

(3) ユースアドバイザー定例会議

全4回実施。その後、個別ケース検討会議として3回会議を実施。


図表 86 那覇市におけるユースアドバイザー定例会議実施内容
日程 議題 議論結果・決定事項
1 10/15 各機関の取組紹介
ケース検討<1>
・各機関の取り組みを紹介
・サポートステーションなはより事例提供
2 10/30 ケース検討<2> ・サポートステーションなはより事例提供
3 11/17 ケース検討<2> ・総合青少年課より事例提供
・サポートステーションなはより事例提供
4 11/25 ケース検討<3> ・サポートステーションなはより事例提供

(4) ユースアドバイザー養成講習会

全6回、16コマ実施。


図表 87 那覇市ユースアドバイザー養成講習会実施事項
日程 講習内容 手法 時間 講師
1 9/11 那覇市の現状と課題 - 20分 総合青少年課 山田 宏
NPO法人「育て上げ」ネット
理事長  工藤啓
制度の概要・若者を巡る現状と支援の現況 講義 100分
2 9/18 少年法について 講義 70分 那覇少年鑑別所 主席専門員
松田盛雄
若者の雇用問題について 講義 35分 沖縄県雇用労政課
雇用企画推進 主査
島袋啄司
沖縄県における若者支援について 講義 35分 沖縄県キャリアセンター 主査
高橋賢也
若者のメンタルヘルスについて 講義 70分 NPO法人思春期青年期心理サポートセンターほのぼのすぺーす
臨床心理士
沖縄国際大学非常勤講師
伊是名聡
3 10/15 アセスメントと支援計画 講義・
演習
60分 沖縄大学
人文学部福祉文化学科 准教授
名城健二
ケース検討会のあり方 演習 60分
4 10/30 ネットワーク構築と個人情報保護について 講義・
演習
60分 沖縄大学
人文学部福祉文化学科 准教授
名城健二
個人情報保護法の概要 - 75分
アウトリーチ - 75分
5 11/17 動機付け面接の方法について 講義・
演習
90分 沖縄国際大学
総合文化学部 准教授
井村弘子
カウンセリングの基本的応答 - 50分
カウンセリングの基本的応答(2) - 40分
6 11/25 若者に望むこと
〜職親の立場から〜
講義 60分 グランドボディー代表
奥原宗喜
グループ討議 演習 50分 -
子ども・若者自立支援法について 講義 30分 内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)付青少年支援担当調査官
塩島かおり

3.成果

(1) 連携体制整備に関して

ア.中核機関における成果

イ.地方企画委員会における成果

昨年度と同様、各参画機関の責任者に今年度の事業計画と進捗報告、次年度以降の取組について事務局案を提示し、議論をすることができた。

ウ.定例会議における成果

(2) ユースアドバイザー養成に関して

図表 88  ユースアドバイザー養成講習会の満足度
(とても満足5、満足4、普通3、不満足2、とても不満足1)
分類 番号 アンケート項目 1-1 2-1 2-2 2-3 3-1 3-2 4-1 5-1 6-1 平均
総合満足度 1 1_総合満足度 4.62 4.24 3.59 4.13 4.61 4.38 4.45 4.53 4.43 4.33
研修テーマ・内容について 2 2_直面する課題、知りたい内容などニーズへの合致度 4.38 4.12 3.76 4.18 4.56 4.36 4.55 4.53 4.33 4.31
3 3_社会的トレンド、問題意識の高まりへの合致度 4.46 4.24 3.82 4.12 4.56 4.36 4.55 4.60 4.33 4.34
4 4_内容の専門性の程度 4.31 4.41 3.53 4.18 4.61 4.36 4.64 4.60 4.33 4.33
5 5_内容のわかりやすさ 4.54 4.41 3.71 4.06 4.67 4.36 4.64 4.60 4.40 4.38
6 6_内容の新しさ(※新たな知識の修得ができたか) 4.46 4.47 3.65 4.06 4.33 4.36 4.27 4.40 4.14 4.24
研修の実施方法 7 7_講師の知識の豊富さ、ノウハウ熟知の程度 4.62 4.53 3.47 4.18 4.67 4.50 4.64 4.80 4.43 4.42
8 8_講師の教え方のうまさ 4.62 4.24 3.47 3.76 4.61 4.43 4.73 4.80 4.36 4.33
9 9_教材のわかりやすさ、見やすさ 4.08 4.25 3.71 3.71 4.56 4.29 4.55 4.80 4.29 4.25
10 10_研修手法の適切さ 4.15 4.18 3.47 3.88 4.50 4.14 4.64 4.67 4.29 4.21
11 11_講義時間の適当さ 4.38 4.29 3.65 3.59 4.50 4.07 4.73 4.64 4.36 4.25

図表 89  ユースアドバイザー養成講習会受講前後の知識・スキルの変化
講習内容 チェック項目 受講後 受講前 受講後に伸びた割合
制度の内容及び業務の内容 1 ユースアドバイザーの役割や若者支援ネットワーク構想の経緯を理解している 4.40 3.86 0.54
2 対象者の早期発見による支援開始の意義を理解している 4.73 4.21 0.52
3 生活訓練、就労体験、職業体験の効果を理解している 4.80 4.07 0.73
4 個別のニーズに対応した包括的で継続的な支援の意義を理解している 4.73 4.29 0.45
5 海外での若者支援における関係機関の連携の状況やその意義を理解している 3.57 3.07 0.50
6 支援者の実態を理解している 4.07 3.57 0.50
7 研修・養成プログラムの定型化の重要性を理解している 4.53 4.00 0.53
8 海外(イギリス・オーストラリア・フランス)における若者自立支援の概要とそのしくみを理解している 3.43 2.86 0.57
9 社会的排除に対する海外の経験について理解し、若者自立支援の今後の課題を理解している 3.64 3.07 0.57
若者をめぐる状況と自立支援の現状 10 若者の人口・世帯構造の変化(少子化、晩婚・非婚化)について理解している 4.20 3.93 0.27
11 若者の自立支援の現状について理解している 4.27 4.00 0.27
学校から職業生活への移行、雇用・就労をめぐる状況 12 学校から職業生活への移行過程の現状について理解している 4.13 3.79 0.35
13 不登校、高校中退について、その特徴と対応の在り方について理解している 4.21 3.71 0.50
労働環境について(職業紹介も含む)、就労支援について 14 不就労・早期離職を含めた雇用・就労をめぐる全般的な現状について理解している 4.29 3.86 0.43
15 労働環境(職業紹介を含む)の仕組みを理解し、支援する際に活用できる 4.29 3.64 0.64
不登校、高校中退について、若者のひきこもりについて 16 不登校、高校中退について、その特徴と対応の在り方について理解している 4.13 3.71 0.42
17 若者のひきこもりについて、その特徴と対応の在り方について理解している 4.20 3.79 0.41
若者のメンタルヘルスについて(知的障害、発達障害、精神障害を含む) 18 知的障害、発達障害について、その特徴と対応の在り方について理解している 4.13 3.86 0.28
19 精神障害(社会不安障害を含む)について、その特徴と対応の在り方について理解している 4.13 3.79 0.35
若者の非行、犯罪について、少年司法の仕組について 20 非行、犯罪について、その特徴と対応の在り方について理解している 4.13 3.64 0.49
21 少年司法の仕組みを理解し、支援する際に活用できる 3.67 3.50 0.17
薬物依存(麻薬、覚せい剤、向精神薬、アルコール等)について 22 薬物乱用(麻薬、覚せい剤、向精神薬、アルコール等)について、その特徴を理解している 3.93 3.43 0.50
23 薬物乱用(麻薬、覚せい剤、向精神薬、アルコール等)について、対応の在り方について理解している 3.73 3.21 0.52
公的扶助、障害者福祉の仕組み 24 公的付与の仕組みを理解し、支援する際に活用できる 4.00 3.50 0.50
25 障害者福祉の仕組みを理解し、支援する際に活用できる 3.87 3.36 0.51
ネットワークの構築と個人情報保護について 26 ネットワークを構築する意味を理解している 4.87 4.21 0.65
27 個人情報の保護・管理に関する基礎的な知識を持っている 4.73 4.29 0.45
28 個人情報を関係機関内において共有するために必要な方策について理解し、実行できる 4.71 3.93 0.79
29 若者支援ネットワークにおける個人情報の共有の考え方について理解し、実行できる 4.71 4.23 0.48
30 生活保護ソーシャルワーカーの関係機関・関連専門職との連携、協働の意義について理解している 4.64 4.00 0.64
31 子どもの心の問題をめぐるネットワーク構築の必要性についてその意義を理解している 4.67 4.07 0.60
32 若者支援ネットワークに望まれる特性について、その意義を理解している 4.60 4.23 0.37
アセスメントと支援計画 33 アセスメント(対象者の現状・問題点等の査定)のための面接の方法を理解し、実行できる 4.33 4.31 0.03
34 アセスメント(対象者の現状・問題点等の査定)のための心理検査における留意点や主な心理検査について、理解している 3.87 4.00 (0.13)
35 アセスメント(対象者の現状・問題点等の査定)のまとめ方を理解し、実行できる 4.33 4.31 0.03
36 ニーズにあった支援計画の作成及び評価方法を理解した上で支援計画を作成できる 4.27 4.00 0.27
ケース検討会のあり方 37 ケース検討会、担当者レベルでの会合の進め方について理解している 4.33 4.07 0.26
「動機付け面接」など効果的な面接方法の実習 38 動機付け面接の意義を理解している 4.53 3.86 0.68
39 動機付け面接の基礎知識を理解し、支援する際に活用できる 4.43 3.93 0.50
SSTなどグループワーク実習 40 グループワーク(グループを用いた支援)の意義やその概要を理解している 4.73 3.93 0.80
41 若者の発達課題とそれに対応したグループワーク(グループを用いた支援)のもつ効果について理解している 4.80 3.50 1.30
42 グループワーク(グループを用いた支援)の方法、技法について理解し、実行できる 4.27 3.86 0.41
43 認知行動療法の内容・原則や活用場面などについて理解している 4.07 3.57 0.50
44 SST(ソーシャル・スキルズ・トレーニング)の内容・流れについて理解している 4.07 3.57 0.50
アウトリーチ(訪問支援)について 45 アウトリーチ(訪問支援)の目的や概要を理解している 4.60 3.43 1.17
46 アウトリーチ(訪問支援)におけるユースアドバイザーの役割を理解し、実行できる 4.14 3.14 1.00
47 相談室対応とは異なるアウトリーチの特殊性を理解している 4.53 3.43 1.10
48 アウトリーチ(訪問支援)の様々な形式や支援過程について理解し、実行できる 4.00 3.07 0.93

4.今後の課題

(1) 連携体制整備に関して

ア.中核機関における課題

イ.地方企画委員会における課題

地方企画委員会は、昨年度と同様に開催したものの、事業計画の検討、事業計画以外に検討すべき内容を明確にすることができなかった。

ウ.定例会議における課題

エ.協議会設置に向けた課題

那覇市では、協議会を設置しこれを機能させるためには、協議会の事務・有識者との会議・調整、参画機関との調整等を専属的に行う人員が必要であると考えている。この人員を確保するためには、那覇市内での合意を得る必要があり、そのためには相当の時間を有すると思われる。

(2) ユースアドバイザー養成に関して


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