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各地域における実施結果
第2章 各地域における実施結果
  2−5.立川市  

2−5.立川市

1.事業計画

(1)現状

ア.現在の支援の状況

イ.昨年度のモデル事業をきっかけとした新しい取り組み

昨年度のモデル事業にて検討した事例が、生活福祉課からサポートステーションへの適切な紹介によって支援が進捗した。改めて、今年度事業でももっと積極的に実際に困難を抱えているケースを検討しようという方向になった。

(2)課題と目指す状態

ア.支援員に関する課題と目指す状態

ネットワークの構築、基礎知識の共有といった「土台作り」ではなく、実際に支援している若者を数ケース挙げ、ネットワークを活用して、定期的に確認しながら具体的に支援をし、何が充足し、何が不足しているのかを明確化しなければならない。

イ.連携に関する課題と目指す状態

連携の「構築」から「維持」の段階への移行に際し、具体的に何が必要なのかを、実際のケースから明確化し、不足した資源をネットワークに組み入れていく。つまり、より発展的な「連携」構築のために、既存の「連携」の中で何ができ、何ができないのかを明確にすることから、新たなる資源の開拓を行わなければならない。

(3)実行計画

ア.今年度の実行計画のポイント

今年度は、昨年度の事業によって構築したネットワークによって、実際に困難を抱えるケースをどこまで支援できるのかを試行する。その際に、定例的に確認する以外でケース支援を続けるチームが、下図のサポートステーションを中心としたたちかわユースアドバイザーチームである。

図 img2-5_1


イ.地方企画委員会

年3回実施予定。事業開始にあたって、今年度の事業の進め方の確認、事業報告等を行う。

ウ.ユースアドバイザー定例会議

年3回実施予定。実際に困難を抱えているケースを定点的に確認する。

エ.ユースアドバイザー養成講習会

年3回実施予定。新法・制度、ケース検討、面接技法の3つに時間をとって実施する。

2.実施事項

(1)参加主体

22の機関・個人が参加。今年度から新たに8つの機関・個人が参加した。

図表 26 立川市における参加主体一覧
教育 福祉 保健・医療 矯正・更生保護 雇用 その他
機関
・NPO法人CEP子どもひろば
・立川市教育委員会
・NPO Hope Scoop Asia
・自立援助ホームあすなろ荘
・LALALA柏
・障害福祉課
・生活福祉課
・社会福祉法人 つるかわ学園
・曙クリニック
・東京保護観察所
・八王子少年鑑別所
・たちかわ若者サポートステーション
・産業振興課
・東京障害者職業センター
・ハローワーク立川
・東京しごとセンター多摩
・NPO法人「育て上げ」ネット
・立川青年会議所
・市民活動センターたちかわ
個人
・東京聖栄大学
・立川PTA連合会会長
-
-
-
・日本産業カウンセラー協会
-
  ※下線は平成 21 年度からの参加機関

(2) 地方企画委員会/定例会議

全3回実施した。主にモデル事業の内容説明と、実際に困難をかかえたケースを継続的に検討した。

図表 27 立川市における地方企画委員会/定例会議 実施内容
日程
議題
議論結果・決定事項
1
10/1
1.各関係機関の事業説明
2.今年度の事業説明
・各関係機関の業務について理解
・今年度のモデル事業の内容について示唆を得た。
2
10/16
1.ケース検討<1>.、<2>
・継続検討するケースの概要を共有
・ケースについて示唆を得た。
3
12/4
1. ケース検討<3>、<4>
・新規に検討するケースについて概要を共有
・ケースについて示唆を得た。
4 2/9
1.今年度事業のまとめ
2.ケース検討のまとめ
・今年度の成果と課題を共有

(3) ユースアドバイザー養成講習会

全3回、12コマを実施。今年度は、ケース検討と面接技法に注力をした養成講習会を実施。

図表 28  立川市ユースアドバイザー養成講習会実施事項
日程
講習内容
手法 時間
講師
1
10/1
ユースアドバイザー制度と役割/若者の自立支援の必要性
講義
60 分
内閣府
青少年育成担当参事官補佐
久保田崇

子ども・若者育成支援推進法『立案担当者が語る新法の本質』
講義
15 分
法律に関しての質疑応答
- 60 分 内閣府
青少年育成担当参事官補佐
久保田崇

NPO法人「育て上げ」ネット
理事長  工藤啓
2
10/16
ケース検討の在り方/やり方
講義
100 分
東京聖栄大学健康栄養学部
准教授  長須正明
3
12/4
面接技法のあり方・やり方
講義
100 分
東京聖栄大学健康栄養学部
准教授  長須正明

3.成果

(1) 連携体制整備に関して

ア.中核機関における成果

イ.地方企画委員会における成果

地方企画委員会への参画機関が会を追うごとに増加していき、町田市障がい者就労・生活支援センターりんく、NPO Hope Scoop Asiaなど広範囲の地域や多様な支援団体の参画が得られた。

ウ.定例会議における成果

明確な支援対象が共有化されていないが、今年度は10代後半の若者へのネットワークによる予防的支援の成功例がたちかわサポステを中心に見られた。各参画機関からも有用な情報を得たり、つながりをもつことができた。

(2)ユースアドバイザー養成に関して

昨年度、インテーク、ケース検討、訪問などの実務的な能力の取得も必要との指摘があった。そこで今年度は、面接技法とケース検討について講習会を行った。ケース検討のあり方については、ケースを定期的に確認する中でケース検討の視点等も参考となった。

図表 29  ユースアドバイザー養成講習会の満足度
(とても満足5、満足4、普通3、不満足2、とても不満足1)
分類 番号 アンケート項目 1-1 2-1 3-1 平均
総合満足度 1 1_総合満足度 4.23 4.86 4.75 4.61
研修テーマ・内容について 2 2_直面する課題、知りたい内容などニーズへの合致度 3.86 4.57 4.50 4.31
3 3_社会的トレンド、問題意識の高まりへの合致度 3.92 4.71 4.50 4.38
4 4_内容の専門性の程度 4.50 4.86 4.75 4.70
5 5_内容のわかりやすさ 4.50 4.86 4.75 4.70
6 6_内容の新しさ(※新たな知識の修得ができたか) 4.57 4.86 4.50 4.64
研修の実施方法 7 7_講師の知識の豊富さ、ノウハウ熟知の程度 4.64 4.86 4.88 4.79
8 8_講師の教え方のうまさ 4.64 4.86 4.88 4.79
9 9_教材のわかりやすさ、見やすさ 4.50 4.86 4.75 4.70
10 10_研修手法の適切さ 4.43 4.71 4.50 4.55
11 11_講義時間の適当さ 4.43 4.86 4.13 4.47

図表 30  ユースアドバイザー養成講習会受講前後の知識・スキルの変化
講習内容 チェック項目 受講後 受講前 受講後に伸びた割合
制度の内容及び業務の内容 1 ユースアドバイザーの役割や若者支援ネットワーク構想の経緯を理解している 4.20 3.67 0.53
2 対象者の早期発見による支援開始の意義を理解している 4.60 4.33 0.27
3 生活訓練、就労体験、職業体験の効果を理解している 4.40 4.11 0.29
4 個別のニーズに対応した包括的で継続的な支援の意義を理解している 4.40 4.22 0.18
5 海外での若者支援における関係機関の連携の状況やその意義を理解している 2.60 3.22 (0.62)
6 支援者の実態を理解している 3.80 3.33 0.47
7 研修・養成プログラムの定型化の重要性を理解している 3.40 3.00 0.40
8 海外(イギリス・オーストラリア・フランス)における若者自立支援の概要とそのしくみを理解している 2.20 2.78 (0.58)
9 社会的排除に対する海外の経験について理解し、若者自立支援の今後の課題を理解している 2.80 2.56 0.24
若者をめぐる状況と自立支援の現状 10 若者の人口・世帯構造の変化(少子化、晩婚・非婚化)について理解している 4.17 4.44 (0.28)
11 若者の自立支援の現状について理解している 4.00 3.89 0.11
学校から職業生活への移行、雇用・就労をめぐる状況 12 学校から職業生活への移行過程の現状について理解している 3.80 4.00 (0.20)
13 不登校、高校中退について、その特徴と対応の在り方について理解している 4.20 4.00 0.20
労働環境について(職業紹介も含む)、就労支援について 14 不就労・早期離職を含めた雇用・就労をめぐる全般的な現状について理解している 3.75 4.22 (0.47)
15 労働環境(職業紹介を含む)の仕組みを理解し、支援する際に活用できる 3.50 3.56 (0.06)
不登校、高校中退について、若者のひきこもりについて 16 不登校、高校中退について、その特徴と対応の在り方について理解している 3.80 3.89 (0.09)
17 若者のひきこもりについて、その特徴と対応の在り方について理解している 4.20 3.67 0.53
若者のメンタルヘルスについて(知的障害、発達障害、精神障害を含む) 18 知的障害、発達障害について、その特徴と対応の在り方について理解している 4.00 3.89 0.11
19 精神障害(社会不安障害を含む)について、その特徴と対応の在り方について理解している 3.80 3.44 0.36
若者の非行、犯罪について、少年司法の仕組について 20 非行、犯罪について、その特徴と対応の在り方について理解している 3.20 3.33 (0.13)
21 少年司法の仕組みを理解し、支援する際に活用できる 2.60 2.67 (0.07)
薬物依存(麻薬、覚せい剤、向精神薬、アルコール等)について 22 薬物乱用(麻薬、覚せい剤、向精神薬、アルコール等)について、その特徴を理解している 3.40 2.89 0.51
23 薬物乱用(麻薬、覚せい剤、向精神薬、アルコール等)について、対応の在り方について理解している 3.40 2.78 0.62
公的扶助、障害者福祉の仕組み 24 公的付与の仕組みを理解し、支援する際に活用できる 4.00 3.11 0.89
25 障害者福祉の仕組みを理解し、支援する際に活用できる 4.40 3.00 1.40
ネットワークの構築と個人情報保護について 26 ネットワークを構築する意味を理解している 4.80 4.11 0.69
27 個人情報の保護・管理に関する基礎的な知識を持っている 4.00 4.33 (0.33)
28 個人情報を関係機関内において共有するために必要な方策について理解し、実行できる 4.20 3.89 0.31
29 若者支援ネットワークにおける個人情報の共有の考え方について理解し、実行できる 4.00 3.89 0.11
30 生活保護ソーシャルワーカーの関係機関・関連専門職との連携、協働の意義について理解している 4.60 3.44 1.16
31 子どもの心の問題をめぐるネットワーク構築の必要性についてその意義を理解している 4.60 3.78 0.82
32 若者支援ネットワークに望まれる特性について、その意義を理解している 4.20 3.63 0.58
アセスメントと支援計画 33 アセスメント(対象者の現状・問題点等の査定)のための面接の方法を理解し、実行できる 4.20 3.44 0.76
34 アセスメント(対象者の現状・問題点等の査定)のための心理検査における留意点や主な心理検査について、理解している 3.40 3.11 0.29
35 アセスメント(対象者の現状・問題点等の査定)のまとめ方を理解し、実行できる 4.20 3.33 0.87
36 ニーズにあった支援計画の作成及び評価方法を理解した上で支援計画を作成できる 4.00 3.22 0.78
ケース検討会のあり方 37 ケース検討会、担当者レベルでの会合の進め方について理解している 4.00 3.00 1.00
「動機付け面接」など効果的な面接方法の実習 38 動機付け面接の意義を理解している 3.33 2.67 0.67
39 動機付け面接の基礎知識を理解し、支援する際に活用できる 3.33 2.56 0.78
SSTなどグループワーク実習 40 グループワーク(グループを用いた支援)の意義やその概要を理解している 4.00 3.78 0.22
41 若者の発達課題とそれに対応したグループワーク(グループを用いた支援)のもつ効果について理解している 3.80 3.78 0.02
42 グループワーク(グループを用いた支援)の方法、技法について理解し、実行できる 4.20 3.33 0.87
43 認知行動療法の内容・原則や活用場面などについて理解している 3.40 2.89 0.51
44 SST(ソーシャル・スキルズ・トレーニング)の内容・流れについて理解している 3.20 2.78 0.42
アウトリーチ(訪問支援)について 45 アウトリーチ(訪問支援)の目的や概要を理解している 4.20 3.44 0.76
46 アウトリーチ(訪問支援)におけるユースアドバイザーの役割を理解し、実行できる 3.60 3.22 0.38
47 相談室対応とは異なるアウトリーチの特殊性を理解している 3.80 3.22 0.58
48 アウトリーチ(訪問支援)の様々な形式や支援過程について理解し、実行できる 3.00 2.78 0.22

※実施地域によっては、養成講習会にて未実施の項目もあるが、本事業全体の成果として成果を測定した。


4.今後の課題

(1)連携体制整備に関して

ア.中核機関における課題

子育て育成課が中核機関であり、たちかわ若者サポートステーション、NPO法人「育て上げネット」が支援を行なってきた。今年度までは、具体的に以下の役割分担で業務を進めていた。しかし今後、協議会設置を見据えた際には、どの程度、行政機関の関与が必要かは検討が必要である。

○立川市。

*事業計画案の承認

*会議への出席

*立川市の関係機関への呼び掛け支援

○「育て上げ」ネット

*事業計画案の作成

*養成講習会の項目、定例会議における議題の設定

*講師や委員との日程・講義内容等の調整

*各種会議の運営事務

イ.地方企画委員会における課題

地方企画委員会で議論されたことは、今年度の事業説明や事業報告が中心であった。今後、追加してどのような課題を検討すべきかを明確化する必要がある。

ウ.定例会議における課題

たちかわ若者サポートステーションでの困難事例を中心にケース検討を行ったが、助言だけでなく対象者の発見・誘導や、実際の支援において協力できるような有機的なネットワーク化が必要となる。

エ.協議会設置に向けた課題

立川市は平成23年度末までに、協議会設置の意向を持っている。しかし、協議会を立川市で単独設置する場合、市域内に協議会設置にいたるまでの十分なニーズがあるのかについては疑問が残っており、今後検証が必要となる。

(2) ユースアドバイザー養成に関して



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