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各地域における実施結果
第2章 各地域における実施結果
  2−9.焼津市  

2−9.焼津市

1.事業計画

(1)現状

ア.現在の支援の状況

イ.昨年度のモデル事業をきっかけとした新しい取り組み

昨年度のモデル事業実施の際に、事業開始まであまり時間を確保することができなかった。しかし、昨年度末の焼津市青少年問題協議会にてモデル事業の取り組みを内閣府の担当者とともに説明することによって、福祉部局の参画必要性を関係者から指摘された。これを受けて、今年度はモデル事業内に福祉部局を積極的に巻き込むといった動きが見られた。

(2)課題と目指す状態

ア.支援員に関する課題と目指す状態

<1>課題

非行を代表する反社会的な若者やニート、ひきこもりなど非社会化傾向の若者や発達障害を抱える若者等、現代の若者が抱えている問題が多様化する中で、若者支援員が、その問題や専門知識を学ぶ機会や研修は、ほとんど準備されていない。

<2>目指す状態

イ.連携に関する課題と目指す状態

<1>課題

各機関における役割や情報共有の仕組みなど若者支援のためのネットワーク化はほとんど出来ていない。

<2>目指す状態

(3)実行計画

ア.今年度の実行計画のポイント

今年度、新たに参画機関を大幅に見直した。その際には、まず行政機関の福祉部局等焼津市庁内の協力体制を築くこと、実際に支援を行っている機関が参画することを狙った。また、実際に参画機関によるケース検討を実施することを目標とした。

イ.地方企画委員会

今年度は、全2回実施予定。1回目は、多くは今年度から参画である各関係機関の代表者を集めて、事業の説明と新法の内容を説明。第2回目は年度末に今年度の事業報告と次年度の事業計画について議論する予定。

ウ.ユースアドバイザー定例会議

今年度は、全3回実施予定。第1回は、各機関の業務内容について議論。その際には、支援機関の情報を整理して、現状の参画機関の資源の可視化を行う予定。

エ.ユースアドバイザー養成講習会

今年度は、全4回16コマを実施予定。昨年度と比較して、ケース検討など実習を充実した形にしたいと考えている。

2.実施事項

(1)参加主体

図表 50 焼津市における参加主体一覧
教育 福祉 保健・医療 矯正・更生保護 雇用 その他
機関
・県社会教育課
・青少年交流スペース「アンダンテ」

・社会教育課
・焼津高等学校
・青少年教育相談センター
学校教育課
適応指導教室
・社会教育委員
・焼津市教育相談センター補導員
・地域福祉課
・児童課
・家庭児童相談室
・静岡県こども家庭相談センター
・支援センターわおん

・焼津地区保護司
・焼津市民生委員児童委員協議会
・少年鑑別所
・公共職業安定所
・商工観光課
・焼津地区労働者福祉協議会
-
個人
-
-
・児童精神科医
-
-
-
  ※下線は平成 21 年度からの参加機関

(2) 地方企画委員会

今年度は、10月と3月に2回実施した。

図表 51 焼津市における地方企画委員会実施内容
日程
議題
議論結果・決定事項
1
10/29
1.各参画機関の業務内容紹介
2.モデル事業の概要説明
・各関係機関の業務内容について理解
・本モデル事業の事業内容について理解
2
3/24
1.本年度の事業報告について
2.次年度の事業計画について
・若者支援の課題の共有化 ・本年度の事業報告を受け、次年度の事業について示唆を得た。

(3) ユースアドバイザー定例会議

全3回実施。第2回には、民生委員から実際に今抱えている困難事例の提供を受けた。

図表 52 焼津市におけるユースアドバイザー定例会議実施内容
日程
議題
議論結果・決定事項
1
12/17
1.定例会議の位置づけ説明
2.各参画機関の業務説明
・各関係機関の業務内容について理解。
・関係機関の業務内容と体制等を記載したシートを作成。

2 1/28
1. ケース検討
・民生委員の抱える困難ケースについて実際にグループ討議、全体発表にて検討内容を共有。
3 2/18
1. 今年度のまとめと次年度以降の事業について
・定例会議の継続
・次年度の協議会設置(地方企画委員会母体)
・今年度の反省を踏まえて、今後の本事業への期待等を議論。

(4) ユースアドバイザー養成講習会

今年度は、基礎的な新法と制度への理解、就労状況に加えて、SSTとケース検討に重点を置いた構成となった。

図表 53 焼津市ユースアドバイザー養成講習会実施事項
日程
講習内容
手法 時間
講師
1
11/6
若者をめぐる状況と自立支援の現状
講義
50 分
内閣府
青少年育成担当参事官補佐
久保田崇

焼津職業安定所
統括職業指導官 
大橋寛二
子ども・若者育成支援法について
講義 50 分
若者を取り巻く労働環境、就労支援について 講義 50 分
焼津市における就業の現状 講義 60 分
2 11/17
公的扶助、障害者支援の状況
講義
60 分 障害児・者支援センター「わおん」所長
多々良正英
若者のメンタルヘルスについて
講義 60 分 やきつべの径診療所
児童精神科医
夏苅郁子
3
11/24
ネットワーク構築について
講義
50 分 NPO法人「育て上げネット」
若年支援事業部
就労支援担当第二係長
堀内和彦
アセスメントと支援計画について
講義 50 分
SST などグループ実習
演習 90 分
4
12/15
多職種(機関)協働が求められる現場におけるケース検討会の必要性
講義
90 分 静岡大学大学院
人文社会科学研究科
江口昌克
モデルケース検討
演習 50 分
モデルケース検討(2)
演習 90 分

3.成果

(1) 連携体制整備に関して

ア.中核機関における成果

社会教育課では、今年度はネットワークの再編成を重視し、参画機関の了解を得ることに時間を費やした。その成果もあって、行政機関から実際に支援を行っているNPO、現状既に何らかの問題を抱えている生徒を支援している適応指導教室、発達障害の領域では連携が必要となってくる障害・福祉支援機関との連携を構築することができた。

イ.地方企画委員会における成果

昨年度は地方企画委員会を設置できなかったが、今年度は、行政機関を中心に、県の担当課にも参画をいただき、今後の方向性について検討することができた。

ウ.定例会議における成果

(2)ユースアドバイザー養成に関して

今年度からの参画機関には、基本的な知識の提供はできた。また、非常に高い出席率であったこともあり、新しいメンバーではあるものの、顔の見える関係はできあがってきつつある。

図表 54  ユースアドバイザー養成講習会の満足度
(とても満足5、満足4、普通3、不満足2、とても不満足1)
分類 番号 アンケート項目 1-1 1-2 2-1 2-2 3-1 4-1 平均
総合満足度 1 1_総合満足度 4.05 4.10 - - 4.35 4.13 4.16
研修テーマ・内容について 2 2_直面する課題、知りたい内容などニーズへの合致度 3.86 3.95 3.77 4.38 4.20 4.08 4.04
3 3_社会的トレンド、問題意識の高まりへの合致度 3.91 3.90 3.91 4.29 4.00 4.00 4.00
4 4_内容の専門性の程度 4.00 3.95 3.95 4.57 4.20 3.96 4.11
5 5_内容のわかりやすさ 3.81 4.05 3.91 4.38 4.50 3.76 4.07
6 6_内容の新しさ(※新たな知識の修得ができたか) 4.21 3.80 3.95 4.24 3.84 3.60 3.94
研修の実施方法 7 7_講師の知識の豊富さ、ノウハウ熟知の程度 4.43 4.15 4.23 4.60 4.35 4.28 4.34
8 8_講師の教え方のうまさ 4.00 3.90 3.77 4.33 4.45 3.80 4.04
9 9_教材のわかりやすさ、見やすさ 4.05 3.71 3.86 4.05 4.15 3.84 3.94
10 10_研修手法の適切さ 3.82 3.62 3.80 4.05 4.30 3.88 3.91
11 11_講義時間の適当さ 3.55 3.81 3.82 4.05 4.15 3.76 3.86

図表 55  ユースアドバイザー養成講習会受講前後の知識・スキルの変化
講習内容 チェック項目 受講後 受講前 受講後に伸びた割合
制度の内容及び業務の内容 1 ユースアドバイザーの役割や若者支援ネットワーク構想の経緯を理解している 3.80 3.33 0.47
2 対象者の早期発見による支援開始の意義を理解している 4.24 4.00 0.24
3 生活訓練、就労体験、職業体験の効果を理解している 3.96 3.67 0.29
4 個別のニーズに対応した包括的で継続的な支援の意義を理解している 4.12 3.67 0.45
5 海外での若者支援における関係機関の連携の状況やその意義を理解している 2.88 3.00 (0.12)
6 支援者の実態を理解している 3.28 3.33 (0.05)
7 研修・養成プログラムの定型化の重要性を理解している 3.72 3.00 0.72
8 海外(イギリス・オーストラリア・フランス)における若者自立支援の概要とそのしくみを理解している 2.56 2.33 0.23
9 社会的排除に対する海外の経験について理解し、若者自立支援の今後の課題を理解している 2.68 2.33 0.35
若者をめぐる状況と自立支援の現状 10 若者の人口・世帯構造の変化(少子化、晩婚・非婚化)について理解している 3.96 3.00 0.96
11 若者の自立支援の現状について理解している 3.68 3.33 0.35
学校から職業生活への移行、雇用・就労をめぐる状況 12 学校から職業生活への移行過程の現状について理解している 3.50 3.00 0.50
13 不登校、高校中退について、その特徴と対応の在り方について理解している 3.67 3.00 0.67
労働環境について(職業紹介も含む)、就労支援について 14 不就労・早期離職を含めた雇用・就労をめぐる全般的な現状について理解している 3.60 2.67 0.93
15 労働環境(職業紹介を含む)の仕組みを理解し、支援する際に活用できる 3.54 2.33 1.21
不登校、高校中退について、若者のひきこもりについて 16 不登校、高校中退について、その特徴と対応の在り方について理解している 3.84 3.00 0.84
17 若者のひきこもりについて、その特徴と対応の在り方について理解している 3.68 3.00 0.68
若者のメンタルヘルスについて(知的障害、発達障害、精神障害を含む) 18 知的障害、発達障害について、その特徴と対応の在り方について理解している 3.80 3.00 0.80
19 精神障害(社会不安障害を含む)について、その特徴と対応の在り方について理解している 3.52 3.00 0.52
若者の非行、犯罪について、少年司法の仕組について 20 非行、犯罪について、その特徴と対応の在り方について理解している 3.16 3.00 0.16
21 少年司法の仕組みを理解し、支援する際に活用できる 2.88 2.67 0.21
薬物依存(麻薬、覚せい剤、向精神薬、アルコール等)について 22 薬物乱用(麻薬、覚せい剤、向精神薬、アルコール等)について、その特徴を理解している 3.24 3.00 0.24
23 薬物乱用(麻薬、覚せい剤、向精神薬、アルコール等)について、対応の在り方について理解している 3.16 3.00 0.16
公的扶助、障害者福祉の仕組み 24 公的付与の仕組みを理解し、支援する際に活用できる 3.36 3.33 0.03
25 障害者福祉の仕組みを理解し、支援する際に活用できる 3.44 3.67 (0.23)
ネットワークの構築と個人情報保護について 26 ネットワークを構築する意味を理解している 4.12 3.67 0.45
27 個人情報の保護・管理に関する基礎的な知識を持っている 4.16 3.67 0.49
28 個人情報を関係機関内において共有するために必要な方策について理解し、実行できる 3.84 3.67 0.17
29 若者支援ネットワークにおける個人情報の共有の考え方について理解し、実行できる 3.88 3.33 0.55
30 生活保護ソーシャルワーカーの関係機関・関連専門職との連携、協働の意義について理解している 3.96 4.00 (0.04)
31 子どもの心の問題をめぐるネットワーク構築の必要性についてその意義を理解している 4.24 4.00 0.24
32 若者支援ネットワークに望まれる特性について、その意義を理解している 4.04 3.67 0.37
アセスメントと支援計画 33 アセスメント(対象者の現状・問題点等の査定)のための面接の方法を理解し、実行できる 3.63 3.33 0.29
34 アセスメント(対象者の現状・問題点等の査定)のための心理検査における留意点や主な心理検査について、理解している 3.46 2.67 0.79
35 アセスメント(対象者の現状・問題点等の査定)のまとめ方を理解し、実行できる 3.42 3.00 0.42
36 ニーズにあった支援計画の作成及び評価方法を理解した上で支援計画を作成できる 3.35 3.33 0.01
ケース検討会のあり方 37 ケース検討会、担当者レベルでの会合の進め方について理解している 3.83 3.67 0.17
「動機付け面接」など効果的な面接方法の実習 38 動機付け面接の意義を理解している 3.46 3.00 0.46
39 動機付け面接の基礎知識を理解し、支援する際に活用できる 3.33 3.00 0.33
SSTなどグループワーク実習 40 グループワーク(グループを用いた支援)の意義やその概要を理解している 3.88 3.67 0.21
41 若者の発達課題とそれに対応したグループワーク(グループを用いた支援)のもつ効果について理解している 3.75 3.33 0.42
42 グループワーク(グループを用いた支援)の方法、技法について理解し、実行できる 3.46 3.33 0.13
43 認知行動療法の内容・原則や活用場面などについて理解している 3.25 2.67 0.58
44 SST(ソーシャル・スキルズ・トレーニング)の内容・流れについて理解している 3.38 3.00 0.38
アウトリーチ(訪問支援)について 45 アウトリーチ(訪問支援)の目的や概要を理解している 3.54 3.67 (0.13)
46 アウトリーチ(訪問支援)におけるユースアドバイザーの役割を理解し、実行できる 3.13 3.00 0.13
47 相談室対応とは異なるアウトリーチの特殊性を理解している 3.17 3.33 (0.17)
48 アウトリーチ(訪問支援)の様々な形式や支援過程について理解し、実行できる 3.13 2.67 0.46

4.今後の課題

(1)連携体制整備に関して

ア.中核機関における課題

社会教育課、青少年教育相談センターともに今年度から、人員が1名削減されていた(年度途中に増員)。今後も、人員削減の可能性は常にあるため、安定的な運用のためにも、本事業の成果や若者支援の必要性について庁内で醸成する必要がある。

イ.地方企画委員会における課題

今年度初めて地方企画委員会を実施することができたが、県や所属長が参加する中で、事業計画や事業報告以外にどのようなことを議論すべきかがわからなかった。

ウ.定例会議における課題

今年度は、民生委員からの事例提供を受けた。しかし、今後協議会設置も視野にいれながら、どのようなケースをどのように提供してもらうかは対策を打つ必要がある。

エ.協議会設置に向けた課題

(2) ユースアドバイザー養成に関して

今年度の枠組みでのユースアドバイザーの養成は、役割を終えていると考えている。今後は、まだ不十分であるニートやひきこもりへの理解のために、一般市民向けにシンポジウムを行う等、支援の現状や必要性について訴える必要がある。



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