子ども・若者育成支援推進点検・評価会議(第12回)議事要旨

議事次第

  1. 日時:平成26年7月4日(金) 10:00~12:00
  2. 場所:中央合同庁舎第4号館4階 共用第2特別会議室
  3. 出席者:
    (構成員(敬称略))
    明石伸子、植山起佐子、奥山眞紀子、川邉譲、古賀正義、定本ゆきこ、嶋崎政男、谷口仁史、福田里香、原田謙介、花井圭子、松原康雄、宮本みち子
    (事務局)
    安田貴彦大臣官房審議官、加藤弘樹参事官(青少年企画担当/青少年支援担当)、山岸一生参事官(青少年環境整備担当)、小山浩紀調査官
  4. 概要:

(1) 報告書(案)

事務局より、報告書(案)(資料1)について説明した後、以下のとおり議論を行った。

  • 川邉座長代理(資料2)

    前回、全体の一本筋を通してほしいとか、総論部分をもう少し充実してほしいということをお願いしたところ、本当に上手にまとめていただいてありがとうございました。より精緻に、より具体的にという形での御要望はまだまだ出てくるのかもしれませんけれども、基本的には過不足なくまとまっているのではないかと感じています。

    前回申し上げればよかったことを追加していただきたいと思い、資料2として提出させていただきました。

    20ページの「多機関連携や様々な社会資源の更なる活用」という部分につきまして、今年6月4日にそれまでなかった少年鑑別所法ができ、条文は確認してほしいのですけれども多分131条だと思うのですが、少年鑑別所の業務の中に非行及び犯罪の防止に関する援助が本来業務であると規定されました。これまでもそういった業務はしていたわけですが、法定されておらず、収容や鑑別といった業務に支障のない範囲でやるということになっていました。それが、今般、この業務を積極的に行うという形で法律がつくられました。少年鑑別所は非行少年に関する知見を一番多く重ねているところでございますので、少年鑑別所というのは1つの社会資源として活用できるような状態になっており、これを十分に活用すべきだという趣旨のことを追加してほしいという意見でございます。

  • 古賀構成員

    川邉構成員のおっしゃるとおりだと思います。

    同時に、少年院法も変わりまして、いわゆる矯正施設全体が非常に有機的に法的な裏づけを持った施設に変わりますので、少年院について今ある施設の柔軟な活用という点を少し入れていただけるといいかなということを資料で出させていただいています。

    今までのネガティブなイメージではなくて、積極的に見直そうとしていますので、そこを踏まえて書き加えてもいいかなという印象を持ちました。

  • 花井構成員(資料3)

    たくさん意見を出したものですから、これらを全部というよりも、特にお願いしたい点だけを述べさせていただきたいと思います。

    まず、子ども・若者育成支援に関する財源が大変重要だと考えておりまして、とても難しいこともわかりますが、総論のところにぜひとも財源が必要だという趣旨のことを書けないだろうかということが1点でございます。

    次に、14ページの経済的支援のところです。大学進学については記載がありますが、「経済的支援の更なる充実」といったときには、大学の前に経済的な理由で高校中退しないで済むようにすることが必要ではないかと考えておりまして、そのことをぜひ入れていただきたいと思います。

    15ページ、「社会の仕組みに関する教育の更なる充実」というところで、「政治や行政、最低賃金や雇用保険等」というふうに書かれてあります。私どもが様々な労働相談を行っている中で、若い人たちが働く上での知識をほとんど持っていない、労働契約がどうなっているのか全くわからない、自分の賃金がどのように契約されているのかもわからない、残業がどうなっているのかもわからないというような相談が大変多くあります。その意味で、労働基準法を含めた労働法制であるとか、将来の生活の安定に向けて非常に重要な社会保障制度などのセーフティネットということが文言として入らないだろうかというふうに考えます。

    18ページ、「支援の拠点としての地域若者サポートステーションの更なる活用」というところで、以前も意見書を出させていただきましたが、サポステは、ひきこもりの若者を就労まで結びつけるなどの活動をしており、その役割が大変重要だと記載いただいたことに対しては、感謝申し上げたいと思います。これについても、財源の確保ということが大変重要でありますが、ここに具体的に記載できないとすれば、総論で全体に係る形で記載していただきたいということを改めて要望しておきたいと思います。

    最後に26ページの「第3 おわりに」のところですが、今回この会議で意見交換された中身が重要であると考えておりまして、ぜひともメッセージが若者、子供たちに届くような形で、この報告書の内容を発信していただきたいという要望です。

  • 嶋崎構成員

    これから退席しなければならないため、先に発言させていただきます。

    ただいまの最後のお話のところにかかわりまして、こんなにすばらしい取組がいろいろされているということは教育の現場でもほとんど知られておりません。

    中身はこれで十分で、とても素敵なものができていますので、ぜひ広報、周知徹底をしていただければありがたいと思います。

  • 事務局

    事務局から1点、花井構成員からいただきました総論(1)の財源確保の必要性は、事前に提出いただいた資料で子ども・子育て支援新制度に関するものとして御意見をいただいております。先ほど若干説明いたしましたが、報告書案1ページ目の注に記載しておりますとおり、内閣府で別途行われている子ども・子育て新制度などは棲み分けをしてございます。

    なお、6月24日に閣議決定されたいわゆる骨太の方針において、少子化対策として、「結婚・妊娠・出産・育児の『切れ目のない支援』を行うため、財源を確保した上で子どもへの資源配分を大胆に拡充し」であるとか、新制度に基づく幼児教育、保育、子育て支援の量的拡充及び質の向上を図るための財源の確保について着実に進めるということが、盛り込まれています。

  • 古賀構成員(資料4)

    まず、大変よい総論があったと思いますが、各論が列記的になっています。事務局の御説明で、具体的に発言の趣旨を生かすためにできるだけ列記しているということがわかりましたが、13ページの前段に列記の趣旨を示していただくといいのかなと思いました。やや羅列的に見えてしまうので、工夫していただければと思います。

    あと、3点、私なりに気になるところをまとめて言います。

    1つは、家族支援が必要だということは間違いないのですが、全体を読んでいるうちに、今の家族を機能させるのかそれとも理想的な家族イメージを取り戻すのかという区別が頭の中でつかなくなっていくような感じがありました。私は個人的には、多様な家族像があるということを認知しつつ支援するということなのだろうと思っています。どういう言い回しがいいのかはわかりにくいところなのですが、何らかの形で書き加えられたらというのが1点です。

    もう1点は、ネット依存という言葉が出てくるのですが、依存は、心理的、医学的な問題というよりは、いわゆる仲間集団への非常に狭隘な関係性の追求の結果として起きてしまうケースが多いように思います。社会的な環境として同輩集団への傾倒で電脳コミュニティに入ってしまうということの問題もあるという趣旨の文章を加えていただけないか。

    3点目なのですけれども、11ページに「心や身体を守る力」というものが出てきます。説明をお聞きしていて、おそらく心や身体を社会的なさまざまな被害から守る力なのだろうというイメージが具体的にわかったのですけれども、子供の「権利」と並列的に出てくるものですから、次元が違うように見えてしまいました。意図はわかってきましたので、権利とうまくバランスがとれるように加筆していただけると非常にわかりやすいのかなと思います。

    このほか細かい点を幾つかたくさん書かせていただきましたけれども、これら3点が気になっているということでお話させていただきました。

  • 宮本座長

    ありがとうございます。これも大事な御指摘だと思いますが、この件についていかがでございましょうか。

    家族に関するあたりは、かなり重要な点であり、かつ、しばしば家族支援と言いながら前提としている点についてかなり異なっていることがよくありますので、このあたりは心して表現する必要があると思います。

  • 谷口構成員

    アウトリーチで家庭に入っていくときには、価値観の押しつけになってはいけない。実際にどのような環境、文化を持った家庭であっても、否定することなく受け入れた上で、子供が自立に向かっていくためにはどういった調整が必要かという限定的な観点で臨んでいくことが大事だと思っています。先ほど古賀構成員が御指摘された点は非常に重要だと思います。

  • 宮本座長

    ネット依存に関しても、心理的、医学的な依存問題というよりも、むしろ電脳コミュニティへの傾倒というあたり、大変重要な御指摘だと思います。

  • 事務局(資料5今村構成員提出資料の代読)

    代読いたします。P17 キャリア教育を担う者への対応。

    「キャリア教育が意欲喚起を中心に実施されており、そのために自信を喪失する若者も出てくる。意欲を涵養させる方策や意欲を失わせない方策も併せて必要。」という記述に関してご意見申し上げます。

    • キャリア教育として語られているものの中には、就学・就職直前の進路決定に影響する段階における取り組みもあれば、まずは日常の取り組みに関する動機付け段階にキャリア教育を手段として活用する取り組みもあります。
    • 後者に関しては、その手段として「意欲換気」することが効果的なケースもありますので、意欲喚起自体が自信喪失になるわけではないように感じます。「意欲換気」の取り組みを行った後に、教員間、並びにそれをサポートした学校外組織(地域団体やNPOなど)との間で、生徒の状況から見る早期リスク発見などの情報共有などの取り組みが「意欲喚起」を効果的に日常の指導の中で生かしていくことになり、結果的に「意欲を涵養」していくことになります。
    • ただ、前者の「就学・就職直前の進路決定に影響する段階における取り組み」において、自己分析をベースにしたキャリア教育は、子ども若者の想い(思い込みの場合もある)が果たせなかった際の自信喪失につながり、就職前のドロップアウトや就職後の早期離職にもつながります。「『やりたいと思えること」が自分の中から湧き出てくる」ことを軸に指導するのではなく、「やる気が起きないことも、とりあえず始めたら視野が広がりやる気が出てくるものだ」というスタンスで指導にあたることを、指導者に認識させることが重要と思います。

    P17(若者の視点に立って適切な支援に繋ぐ必要)と項目の中に下記の内容について追記をご検討ください。

    • 多くの学生が就職活動に活用する民間の就職活動WEBのシステムの裏側でかけている条件フィルタリングの開示を義務付けるべき。学生は自らが事前フィルタに当てはまらないことに気づかずエントリーをするため、エントリー段階で数十社の落選を経験し、その時点で深く傷つき自殺に至ったケースも起きている。
  • 宮本座長

    キャリア教育における意欲喚起という点に関して、意欲喚起そのものが間違えているわけではない。しかし、やりたいと思えることが自分の中から湧き出てくるようなキャリア教育というやり方が妥当でないことがあるということで、やる気が起きないということを前提にしながら、とりあえず始めてみるというようなスタンスが重要ではないかという御指摘ですけれども、このあたりについていかがでしょうか。

  • 古賀構成員

    個人のやる気があるかないかというところに特化してキャリア教育の課題を設定してしまいがちだけれども、やる気が起きる環境をつくることのほうが重要です。かつて構成員でいらした貴戸先生の御指摘で言えば、個人化された形での意欲論というものが強くなってしまうことの問題があると思うのです。ですから、意欲喚起は大事だけれども、その意欲喚起を図る環境や場を整えていくというような加筆をするのがよいと思います。

  • 定本構成員

    本当にいろいろな若者がいまして、例えばひきこもりの子たちは、今まで散々傷ついた失敗経験の中で本当に低くハードルを下げて意欲につなげていくという感じなので、そこでどこかに紹介をしたときに普通のハードルを言われても、そこで残念な結果になることもあります。だから、関係者で場をつくっていくときには、すごく慎重に、丁寧に根回しをして、その人のレベルに応じた意欲をつないでいくとともに、ケース・バイ・ケースというか、個別に見る視点が必要だと思います。

  • 谷口構成員

    キャリア教育については、とにかく好きなことを追いかけて努力すれば必ず夢がかなうという論調だけだと非現実的な夢追い人を生む。以前の会議でもその危険性を指摘させていただいたかと思います。今、有効求人倍率も1を超えて、選ばなければ職があるという状況が見えてきましたが、その「選ばなければ」というところにまた1つの問題があって、例えば建設系の求人は結構あるのだけれども実際は人が来ないという実態があります。きつい、大変だということで敬遠されているところもあるのですが、キャリア教育の中で語られる仕事イメージの偏りが原因という場合もある。それはあくまで指導者側の職業観もあると思いますが、いずれの仕事も誰かのためになっているからこそ、それが職業として成り立っているわけで、しっかりと世の中に役立っているという原点を忘れてはいけない。勝ち組負け組的なイメージ、職に対する考え方を見直していかないと、優遇措置だけでは、必要な分野に人材を集めることはできない。キャリア教育の中でもしっかりと考えて必要があるだろうと思います。

    次に、各論だけ見ていくと内容としてこれまでの議論がうまく見えてこないイメージがあります。総論の中に出てくる各論的な話は重複を避けるために公判では割愛いただいているのだと思いますけれども、例えば、人材育成の部分に関して、総論の中では教育、医療、福祉の分野の学生たちを、自立支援の分野でうまく経験を積ませてという具体的な話が出てくるのですが、各論の中ではそれが出てきません。各論の中にもそれを組み込むほうが、どちらかというと伝わりやすいのかなと思いました。

    次に、言葉の問題になってくるのですが、23ページの「(エ)いじめ被害、いじめ・暴力対策」というところで、いじめは弱者に対する人権侵害という表現があるのですが、弱者とは限りませんし、被害者にとってみれば非常につらい言葉に聞こえてしまうので、弱者という表現は変えたほうがいいだろうと思います。

    もう一つ、23ページの「いじめ加害者への支援」について、被害者側にとってみるとここの表現はデリケートな部分がありますから、加害者の行動改善に対する支援という感じで記載してはどうでしょうか。被害者支援と加害者支援を同列に書いてしまうと、被害を受けた側にとってみると非常につらい言葉に聞こえがちなので、観点としては支援というのが重要ですけれども、表現に留意をいただくとありがたいと思います。

  • 宮本座長

    ありがとうございました。

    それでは、先ほどの今村構成員の提出された文書の意見については、古賀構成員から発言されましたけれども、やる気の喚起に関してはむしろやる気が起きるような環境整備が重要ではないか、やる気というものが余りにも個人化されたやる気論になるキャリア教育は適切ではないというあたりを反映させていただき、それから、定本構成員からありました、ケース・バイ・ケースというを反映させていただくということです。それから、今、谷口構成員からいただいた御意見、特にいじめ問題については23ページ。このあたりのところはよろしいかと思います。

    資料5、今村構成員の御意見の一番下に、就職活動におけるフィルタリングについての御指摘があるのですが、この件について何か御意見があればお願いします。

  • 谷口構成員

    求人の案内を出すとき、年齢や性別については合理的な理由がない限り条件を出してはならないという指導が行われています。現実的には企業側に限定的なターゲット層があるにもかかわらず、それを表に出せない状況が実際にある。それを開示することはこれらの指導に抵触する部分が出てくるのかなと思いますので、そこは慎重に検討しなければいけない点があると思います。

    指導の意味は理解できる部分もあるのですが、今村構成員の御指摘の通り、現実的に応募する側にもデメリットがあるというところはしっかりと考えた上で、運用面での見直しが必要だというふうに表現していく必要があるのかもしれません。

  • 明石構成員

    今村構成員の御指摘のように、大半の学生が民間の就職活動のウェブサイトに登録をして、そこでエントリーシートが受け付けられなければ、次のステップに行かれないというのが現実なのです。

    すごく時間をかけて一生懸命エントリーシートを作成しても、受け付けられないことがあるのであれば、それはきちんと開示をすべきではないかと思います。それが、学生の無駄な労力を使わずに済むし、無駄な喪失感に陥らないようにさせるためには必要な配慮だと思います。私は法律関係のことは判断できかねますけれども、ただ、学生にとっては非常に酷なシステムであることは確かだと思います。

  • 福田構成員

    この部分については、各企業でスタンスがかなり異なると思います。エントリーシートがたくさん入ってきても、書いてあるべきことが書いていない場合のみ受け付けないというところも多くあります。一律的にフィルターをかけていると断定的に書くのは非常に難しいのかなと感じます。

  • 植山構成員

    キャリア教育をなさる方のやり方の問題とも関係すると思います。こうした状況であることを前提としてサポートして、バーンアウトや自殺に至るような重大な事態に陥らないよう、指導ができるのではないかなと思います。

  • 古賀構成員

    大学に籍を置くものとして、深刻さはよくわかります。今は「全身就活」という言葉がよく雑誌でも出できます。安定志向が強くなっているのですが、この背後には、失敗すると非正規雇用の中へ落ち込んでいってしまう就業の難しさということがあるのだろうなという印象を持ちます。

    就職エントリーのフィルターという個別の議論ではなく、もう少し、就職する環境について適切な情報や対応の方法についてのアドバイスを得られるような支援を検討するということではないでしょうか。個別にフィルターがいいかどうかというよりは、安定を求めてしまうがゆえにかえって不安定になっている子供たち、学生たちの姿を念頭に置いたような表現があるのかなというふうにお聞きしながら思いました。

  • 奥山構成員

    学生にとって不利益なことが起きていないかどうかをウォッチするようなことが必要なのではないかと思いました。

  • 福田構成員

    先ほどの古賀構成員のお話や、今のウォッチすることが必要だという大局的な考え方は、理解できます。

    もう一つ、先ほど出てきました、やる気が起きないこともとりあえず始めたら視野が広がりやる気が出てくるというスタンスでの指導という点について、非常にここはよく御指摘していただいたなと感じています。仕事に関して思いますのは、企業に入った場合、必ずしもやりたいことばかりできるということはないと思います。やってみないと仕事はわからないところもありますから、仕事に対してとりあえずトライしてみようということを促進するようなことをどこかで表現していただくと非常にいいのではないでしょうか。例えば報告書の16ページから17ページにある「子供・若者の人生全体を見渡したキャリア教育の必要性」という項目で、仕事の捉え方を教育していくということを入れていただくのもいいのかなと感じたところでございます。

    違う観点のこともまとめて申し上げてもよろしいでしょうか。

    その2つ下ぐらいにインターンシップの更なる充実という項目があります。その中で企業などの出前授業やインターンシップの受入先の開拓を促進する必要があるということを書いていただいているのですが、企業による出前授業などの活動はかなりいろいろな企業で行われています。私も最近本当に再認識したのですけれども、いろいろな企業がいろいろな取り組みをしているのですけれども、企業側からするとやってもやっても砂の中に水を撒いていくような感覚もあるぐらい、どこまでどのようにやったらいいのかなと思いながらやっている部分もあります。こういった企業の活動についても、これから促進するというトーンに加えまして、今かなり行われているものの活用や連携というトーンも少し加えていただけるといいのかなと思います。

    企業が独自にやっていることですので、強制的にやりなさいという連携の仕方は非常に難しいと思うのですが、どこにターゲットを打ったらいいのかなというのは企業も悩みながらやっているところもございます。そういったところを効果的に取り組めるような連携ですとか、求められていることを訴えていくことも必要かと感じました。

    少し長くなりましたが、御提案とさせていただきます。

  • 宮本座長

    今のキャリア教育に関するところ、大分御指摘をいただいているのですけれども、16ページの一番下の「子供・若者の人生全体を見通したキャリア教育の必要性」に、広い意味での働くことはどういうことかとか、仕事というものはどういうものであるのかというような認識を深めるような記述が必要だという御指摘、これは適切かなというふうに思います。

    次のページのあたりのところは、先ほど既に指摘していただいたキャリア教育を担う者への対応のあたりの意欲については先ほど出ました。今のインターンシップに関して、企業での取り組みもかなり進んではいるが、これをより効果的な取組とするためのいろいろな工夫が必要だろうというあたりを加えていただくということでしょうか。

  • 定本構成員

    障害者職業センターの嘱託をしていますが、大学には、多様な若者、ある能力は際立っているけれども対人系は苦手というような若者もいっぱいいます。例えば若干の発達障害傾向のある人には障害者雇用も見通して支援していくなど、労働行政と大学がもっとタイアップしてほしいということを感じています。

  • 宮本座長

    高校もそうですけれども、教育機関と労働市場のより密接な連携ですね。出口のところでぽんと出すというようなことでは対応できない。どのような形で出せば現在の労働市場の状況に対してヒットするのか。それを外すとどんなに努力しても全然ヒットしていないという状態ですね。そこらはどこかに反映させていただくということにします。これは障害だけではなく、一般的な就労に関してもかなり同じことが言えます。

  • 川邉座長代理

    あるところで君はきっと認知に偏りがあるから、障害者枠での就職を考えたほうがよいと指導され、手帳を取得するために心理検査受検を希望して専門機関に足を向けたという例を経験しました。そこでは、障害者手帳を持つことにより就職はできるかもれないけれども、不都合もあるかもしれないということを伝え、よく考えてそれでもというのであればもう一回来なさいというアドバイスをしたのですが、結局、家族と相談した結果、検査受検をやめたということになりました。

    書き方は難しいところですけれども、グレーゾーンの若者に障害者雇用制度を使うことを積極的に勧めるというように読めてしまう書き方にならないほうがいいと思います。一面的な強調にならないような書きぶりにしないと、グレーゾーンの人に障害者手帳をとらせて障害者枠で採用されることを変に促進してしまうのではないかと危惧します。

  • 谷口構成員

    制度があるととりあえず当てはめようと考えてしまう方々がいるということです。本来であれば、手帳をとらずとも、専門性を持ってしっかり支えていくことで自立ができる子に関しても、最初から制度を活用する目的で意図的に障害として限界を設定してしまう。これは、本人が持つ可能性やその先の成長を阻害する行為で制度上も本来の趣旨とは異なる使い方です。グレーゾーンの対応については、複数の専門家と一緒に協議をしながら、慎重に判断していく。その人の人生を左右することでもありますから、そこはしっかりと選択していくことだと思います。

    あわせて、労働行政では、ハローワークがかなり力を入れて、大学に早期に入って就職支援をしていく取組が展開されています。そこで1つ問題点となっているのは、既に書いていただいておりますけれども、相談員の多くが非常勤、非正規で、単年度や数年間の嘱託として雇われた方々であり、全体を見通すだけの就職支援がどこまでが可能になっているのかという点です。そういった方々にもしっかりとした専門性を持っていただく、それだけの労働条件にする、という考え方でないと、結局のところ絵に描いた餅となってはもったいないと思います。

  • 定本構成員

    本当にいろいろなケースがあって、いろいろな選択肢があります。現場の人たちはきめ細かにすごく熱心にしてくれますので、専門家と相談しながら、手段や選択肢を増やすということを大学も認識してほしいというイメージです。

  • 宮本座長

    地域若者サポートステーションでも、なかなか就職が厳しいグレーゾーンの人たちに対応することがかなり多いわけですけれども、その人たちがどうやって生計を維持できるかということに関しては、本当に悩ましい課題が山積しているような感じがいたします。障害者雇用という制度をどう位置づけて使うかに関しても、これは簡単には結論が出ない話ですね。最終的に何とか生活していくためには、どういうものを利用していったらいいのか。日本では障害者給付を利用している率は諸外国と比べ低く、グレーゾーンの子供を親が養っているという現実がありますので、これは今後たくさんの議論をし、研究しながら考えていくテーマだと思っています。

  • 奥山構成員

    障害者については、ジョブコーチなども不足していますし、グレーゾーンの方についてはさらに不足している部分があるかもしれません。その辺は少し強調しておいてもいいのかなと思いました。

    全体については、すごくうまくまとめていただいて、私は非常に感激しました。ありがとうございました。

    細かい点で幾つかお願いをしたいことがあります。3ページで、児童養護施設のくだりで、18歳以上、20歳未満に限ってしまうところとか、特に女子と言うとわけがわからなくなってしまうので、児童養護施設を退所した若者をカバーする社会資源が乏しいだけでもいいのではないかと思いました。

    それから、16ページなのですけれども、健康と安心の確保のための体制整備のところに、心身の健康教育ですとか、自分の健康の記録を見られるような健康手帳のような制度を充実させるということを入れておいていただきたいと思いました。

    もう一つ、22ページの社会的養護のところが少し薄い気がするのです。社会的養護は、最低基準が少し改正されて少しだけ進んだのですけれども、私は焼け石に水ぐらいに思っています。少しずつ充実が目指されているのは評価できますが、子供たちのニーズにはまだまだ到底追いついていないということを明確にしていただきたいということと、虐待やネグレクトや親からの暴力で傷ついた子供の治療的ケアを充実するということを入れ込んでほしいというふうに思います。また、「児童養護施設」などの職員というより「児童福祉施設」のほうがいいのではないか。児童養護施設の他に、情緒障害児短期治療施設や児童自立支援施設もあります。

    もう一つは、子供・若者支援として、児童養護施設を出た若者たちの支援をもっと充実すべきというところを強調していいと思います。1つはここに書いていただいている児童自立生活支援事業もそうなのですけれども、子ども・若者支援地域協議会の活用ももう少し進めていくべきではないかと思います。施設を出た後に社会生活に困ってしまってから支援するというだけではなくて、児童福祉施設がいろいろな連携をしてもよいと思います。児童福祉施設を出た後の状況把握が全くできていないのが現状です。児童福祉施設を出た後の状況把握をきちんとして、その状況が支援にフィードバックされるようなシステムをつくるべきということが挙げられるのではないかと思います。

    その下の親子再統合のための保護者支援なのですけれども、子供に対してはきめ細やかに専門家がケアをしているというくだりがありますが、これは言い過ぎではないかと思いました。

  • 定本構成員

    社会的養護の問題と非行の問題というのは余り一緒に語られないのですけれども、実際に臨床場面で見ていますと、児童養護施設を出た子供たちが鑑別所に入ってくるなど重なるケースもあります。非行少年になるとそのための機関が利用できるけれども、非行は実際にしていないけれども非行に行ってもおかしくないような困難さを抱えた子もいます。

    少年鑑別所法が成立し、再非行抑止に向けた活発な連携が進んでいますので、これらが活用されるとより層の厚い支援ができるように思います。省庁を超えた連携も視野に入れていただきたいと思います。

  • 松原構成員

    全体としてはよくまとめていただいていると思います。

    気になったのは9ページのところの民間協力者等の確保のところです。確かに児童委員のなり手が少ないなどの点は議論があったかと思うのですが、今後とも継続的な制度であることを担保できるかが課題と書くと、民生児童委員制度や保護司制度そのものが今、存続の検討をしているというふうに読めてしまいます。そういう御報告は厚生労働省や法務省からなかったし、ここでも議論しなかった。この会議でこの2つの制度はもう要らないかもしれないという議論をしたようになってしまうので、修正していただけたらと思います。

  • 谷口構成員

    全体として非常によくまとめていただいていると思っています。これまでにはなかなか書けなかったような具体的な提案も一歩踏み込んで書いていただいており非常にありがたいと思います。

    地域で実行する段階を考えると、やはり一定程度の整理、統合を促すような観点も必要になってくる。ここで書いていただいたものでいくと、例えば、子ども・若者育成支援推進法に基づく協議会と要保護児童対策協議会との協働・連携などがそうです。

    親和性の高いもの、共通性が高いものは一定程度集約をしていって、機能をさらに強化するという流れは非常に大事だと思うところです。

    ただ、それを言うと、将来、予算を切るための意見として使われてしまう可能性があるので補足しておくと、花井構成員がおっしゃったように、子供・若者関連分野の予算が諸外国に比べると少ない。全体として拡充すべき段階にあることはいうまでもなく、この点に関してはすでに、政府の骨太の方針でも予算を拡充する方向で謳っていただいているので共感するところであります。

    もう一つ、整理・統合する過程の中で考えとして入れておかなければいけないのは、必ずシナジー効果を生むということです。単なる切り捨ての論理ではなく、整理・統合することによってより多くの子供・若者に支援が行き届いて、さらにはその質が高まる、シナジー効果が生まれるというところを目指した整理・統合という観点が必要なのだろうと思います。

  • 宮本座長

    これも大事なことで、適切な言葉で言っていただきましたけれども、重複があれば効率的に運営をしながら、そのことによってシナジー効果が発揮できるというようなことを盛り込むということでしょうか。

  • 花井構成員

    今日提出させていただきました資料の1枚目のところに、今、谷口構成員がおっしゃったような内容を書いたのですが、例えばさまざまな悩みを抱えている若者に対し、「この悩みはこちらの機関で」、「その悩みはそちらの機関で」というようなことはあり得ません。予算を削る目的ではなくて、もっと効率的に若者にとって見えやすい相談支援体制のあり方として、集約化する必要があるのではないかというふうに考えて書かせていただいております。今の谷口構成員の意向もうまくここに入るとよいのではないかということを要望しておきたいと思います。

    もう1つ、17ページの「若者の視点に立って適切な支援に繋ぐ必要」という項で、「若者をいかに拾い上げていくか」という表現がありますが、「若者をいかに支援していくか」というような文言に修正されたほうがよいのではないかというのが1点です。

    それから、「子ども」と「子供」と、平仮名と漢字の使い方について、固有名詞は平仮名に、文章は漢字にしているとは思うのですが、どういう使い分けをされているのかというのが質問です。また、普通、文書の区切りは読点ではないかと思うのですけれども、カンマで区切られていて違和感があります。

  • 事務局

    公用文の表記におきましては常用漢字を使用することということとカンマを使うという決まりがございます。一般のビジネス文書とは少し違っているところがございまして、御理解いただければと思います。

  • 原田構成員

    11ページの当事者である子供・若者の参画の部分で、最初の前段では、社会を構成する重要な主体として子供・若者の社会への参画支援を行うことと書かれていますが、その下の当事者性の部分の中身を読むと、子供・若者が同世代の困難を抱えた子供・若者に対する支援などに対して効果を発揮するということが中心に書かれています。もちろんこの側面もあると思うのですが、同世代に対してだけではなくて、社会全体あるいは地域に対してもっと力を発揮できることがあるという部分をどこかに盛り込んでいただければ嬉しいです。

    もう一点、21ページの(オ)外国人等特に配慮が必要な子ども・若者の支援の2つ目の日本人への啓発というところの中に、性同一性障害が入っていて、さらにその下に受け入れる側の日本の子供たちと書いてあります。定住外国人に対しては日本の子供たちは受け入れるというのはわからない部分もないとは思うのですが、性同一性障害の子供たちを普通の子供たちが受け入れるというような関係でもないと思うので、外国人とは別に性同一性障害という部分の章立てをつくっていただいたほうがわかりやすいのかなと思います。

  • 定本構成員

    21ページの非行をめぐる諸課題のところの、3番目の薬物乱用について、子供・若者にとって「よいことが1つもない」とありますが、「極めて有害なものであり」という表現がいいのかなと思います。

    もう一つ、14ページ(ウ)学力の向上のところで、高校のことは書かれているのですが、日ごろ思っているのは、小中学生段階で基礎学力がついていない子がすごく多いことです。例えば不登校になってしばらくは休んでも、そのうちいずれ社会に出るときがきますから、そのときに学力の低さというものが足を引っ張ることが多い。今は貧困の家庭でも学力の問題がありますし、そういうところは補習ということも課題になっています。学力偏重もいけませんけれども学力をおざなりにしてもいけないので、基礎学力を定着させるということが大事なことだということを明記しておいたほうがいいのかと思います。

  • 宮本座長

    本当にそうですね。子どもの貧困対策法に基づく大綱に関する議論の中でも基礎学力を全ての子に保障するための環境整備ということが出ていたと思います。

  • 奥山構成員

    7ページの家族のところで、例えば愛情やコミュニケーションを十分に感じて育てられた子供には多少の困難があっても乗り越えられる力がつくと言いきられてしまうと、そうではない子供は全て愛がなかったというような話になりかねないので、表現を少し変えていただいたほうがいいのかなと思いました。また、愛情やコミュニケーションを十分にと言われると、過干渉もすごくいいことのようにみえてしまいます。適切な愛情とかコミュニケーションということなのだろうと思いますし、困難があっても乗り越えられる力が高まる傾向があるぐらいのほうがいいのかなと思いました。

  • 古賀構成員

    18歳以降の支援が足りないということを書いてくださっているのですけれども、早い段階できちんとした支援がないと、負のスパイラルに巻き込まれていってしまい、抜け出せなくなってしまいます。現実に今、青年期はとても長くなっており、ひきこもりの問題でも聞きとりさせていただくと、40代でも若者なのです。なかなかここまで来ると抜け出す支援は難しくなっています。18歳以降が大事であることはそうなのですが、18歳以降の初期段階でいろいろな支援がより充実し、重点的に行われてほしいと思います。

    こうしたライフサイクルの観点を、どこかで短くて結構なのですが、入れていただけないか。強調してもらうことはできないかなと思います。

  • 宮本座長

    どのように、どこに入れるかという判断がなかなか難しいかもしれませんけれども、青年期から成人期への移行期の長期化という問題をいかに断ち切るかという問題があるかと思います。ひきこもりも長期化ですし、ひきこもりでなくてもジグザグな職業上の移行が長くなり過ぎるような、40歳になっても落ち着かないような長期化する移行期を、いかに適切な長さで安定の状態に持っていくか、そのための支援が大きな見方としては重要だと思います。

  • 谷口構成員

    6ページの関係機関の連携のルールといったところにかかわってくると思いますけれども、委託事業の報告様式などがやたら煩雑になり、事務負担が大幅に増える傾向があります。危機管理上の問題や検証の問題もあると思うので、一定の範囲までは徹底することも重要ですが、行き過ぎてしまうと形式主義的になってしまって、実際の現場のかかわりが削られてしまうといった事業も一部では出てきています。運用面での配慮というところも1つ入れておいてかないと、やたら報告とかだけに力を注いでしまって、実質、子供たちのために支援が充実できない場合も出てくると思うので、そこに触れていただくとありがたいと思います。

  • 宮本座長

    この報告書案自体、大変たくさんの内容を適切にまとめていただいた上に、今日さらに重要なポイントについてたくさん意見をいただいたので、事務局にてさらに手を入れていただくことになるかと思います。

    それでは、事務局から今後のことについて御説明いただきたいと思います。

  • 事務局

    本日いただいた意見を報告書に盛り込む方向で精査させていただいて、また構成員の先生方に見ていただくなり座長とも相談させていただいて、取りまとめさせていただこうかと考えております。

  • 宮本座長

    それでは、最後に事務局を代表して、安田審議官から御挨拶いただきたいと思います。

  • 内閣府 安田審議官

    昨年来、本日までの間、御熱心な御議論あるいは多方面からの御提言をいただきまして、誠にありがとうございます。お陰様で、子ども・若者育成支援推進大綱の総点検にふさわしい充実した検討をいただいたものと思います。

    本日はまとめの案を持ってきたつもりでございますけれども、非常に本質的な議論を幾つもいただいて、それを受けて報告書としてまとめる作業をさせていただきたいと思います。

    今後の取りまとめにつきましては、座長に御一任をいただいた上で、事務局で本日の意見を踏まえまして加筆修正させていただいた後、座長にお諮りをし、御了承いただいた上で、報告書として完成をさせて、スケジュール的にはできる限り早くと思っておりますが7月中旬ぐらいを目途に公表させていただければと考えております。

    今回取りまとめいただいた報告書をベースにいたしまして、本年度中には大綱の見直しの検討に入ることになろうかと思っております。

    今回をもちましては、この構成員の方々によります会議は最後ということになりますけれども、構成員の皆様におかれましては、今後とも、次世代を担う子ども・若者育成支援に向けての御研究あるいは諸活動、実践活動におかれまして、ますます御活躍をいただくことをとお願い申し上げると同時に、あわせて私ども内閣府の諸施策につきましても、引き続き御指導、御助言を賜りますことをお願い申し上げまして、御礼の御挨拶に代えたいと思います。どうもありがとうございました。

  • 宮本座長

    私のほうからも最後に一言、御挨拶させていただきます。

    何回にもわたるこの会議で、構成員の皆さんもそれぞれ本当に豊富な現場の経験と強い問題意識を持っている方々ばかりで、毎回の審議は私にとっても大変目を開かされて、たくさんの勉強をさせていただいたと思いますし、何よりもとにかく点検評価にふさわしい会議だったのではないかと思います。

    私はこの作業と同時並行で子どもの貧困対策法にかかわる検討会にもかかわらせていただいたのですけれども、そちらで出た議論とこの会議で出た議論は非常に重なることがあり、子供・若者に関する日本の今の課題というものが非常によく出たように思い、それを生かしてこれからの新しいステップにつなげていくことが大変重要だというふうに改めて思った次第でございます。

    本当に、何回にもわたる会議に御協力いただきましてありがとうございました。また、これを機に今後ともよろしくお願いいたします。

    それでは、本日の会合はこれで終了したいと思います。ありがとうございました。


以上