子ども・若者育成支援推進点検・評価会議(第4回)議事要旨

議事次第

  1. 日時:平成25年12月6日(金) 16:00~18:00
  2. 場所:中央合同庁舎4号館4階 共用第2特別会議室
  3. 出席者:
    (構成員(敬称略))
    相原佳子、明石伸子、植山起佐子、奥山眞紀子、古賀正義、川邉譲、定本ゆきこ、嶋﨑政男、高塚雄介、谷口仁史、花井圭子、松原康雄、宮本みち子
    (ヒアリング対応府省)
    1. 社会形成・社会参加支援
      • <1> 社会形成への参画支援
        川又竹男 文部科学省スポーツ・青少年局青少年課長
        倉見昇一 文部科学省初等中等教育局教育課程課学校教育官
      • <2> 社会参加の促進
        小山浩紀 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付調査官
        河上淳一 外務省アジア大洋州局地域政策課アジア青少年交流室長
        川又竹男 文部科学省スポーツ・青少年局青少年課長
        美濃亮 文部科学省初等中等教育局教育課程課学校教育官
    2. 職業的自立、就労等支援
      川又竹男 文部科学省スポーツ・青少年局青少年課長
      春山浩康 文部科学省初等中等教育局児童生徒課進路指導調査官
      牛島聡 厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部企画課若年者雇用対策室長
      塚本勝利 厚生労働省職業能力開発局実習併用職業訓練推進室長
      (ほか1名)
      奈須野太 経済産業省経済産業政策局産業人材政策室参事官
      石井芳明 経済産業省経済産業政策局新規産業室新規事業調整官
      佐藤二三男 中小企業庁経営支援課企画官
    (事務局)
    岩渕豊大臣官房少子化・青少年対策審議官、加藤弘樹参事官(青少年企画担当/青少年支援担当)、小山浩紀調査官
  4. 概要:

(1) 社会形成・社会参加支援

「社会形成への参画支援」と「社会参加の促進」について、大綱の記載や関係データを事務局から説明(資料1-1)した後、以下のとおり議論を行った。

ア 社会形成への参画支援

<1> 文部科学省からの説明(資料1-2)

  • 文部科学省
    文部科学省の青少年課長の川又と申します。
    資料1-2の1ページ目に文部科学省のシートがございます。社会形成への参加支援に関しては、「学校教育における取組」ということですけれども、改正されました教育基本法及び学校教育法に「公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと」、いわゆるシティズンシップ教育が掲げられました。
    これを受けまして、平成20年、21年に改訂されました新しい学習指導要領におきまして、社会科、公民、特別活動という様々な学科におきまして、子どもたちが社会の一員として自立し、社会に積極的にかかわろうとする態度を身につけられるよう、政治・経済・法・租税・労働・消費等についての教育が行われているところでございます。これらを通じまして、指導していく。あわせて、教員の研修の充実に取り組んでいるところでございます。また、社会教育等におきましても、特に消費者教育につきまして、親子を対象としたワークショップでありますとか、多様な主体が課題について意見交換を行う「消費者教育フェスタ」の開催などを通じまして、学習機会の提供を促進しているところでございます。
    (2)(3)ですけれども、引き続きこの新しい学習指導要領に基づいた教育を推進していくということでございます。課題としては、消費者教育に関して、地域における取り組み、地域との連携、教育体制ということをさらに充実させる必要があるということでございます。
    (4)「今後の方向性」でございますけれども、引き続き新しい学習指導要領の趣旨を踏まえた教育を推進する。消費者教育につきましては、「消費者教育の推進に関する法律」というものが昨年12月に施行されております。これに基づいて、本年6月に「消費者教育の推進に関する基本的な方針」が決定されたところでございますので、これに基づいて推進していくということでございます。
    めくっていただきますと、若干の参考資料がついております。2ページ目は「中・高生の社会参画に係る実践力育成のための調査研究」です。右側にありますような様々な地域の課題というものを念頭に置きながら、左側にありますような社会との接点にかかわる教育の重視ということで、キャリア教育、法教育、租税教育、社会保障教育、金融経済教育、選挙や政治に関する教育といったものを進めていくため、未来の主権者育成プログラムということで、幾つかの例を掲げてございます。
    3ページ目は「学校教育における消費者教育の推進」ということで、消費者教育に関する協議会を通じた成果の普及を図るということを通じまして、学校における消費者教育の推進を図っていく。そのフローチャートでございます。4ページ目は、消費者教育推進に関する事業の御紹介ですが、指針や教員の手引きなどの教材の御紹介でございます。5ページ目は、昨年12月に施行されました消費者教育の推進法の概要でございます。この消費者教育の推進法には、右下の「義務付け(国・地方)」というところにございますように、学校における消費者教育の推進や、大学等における消費者教育の推進、地域における消費者教育の推進、人材の育成などが規定されています。6ページ、7ページ目に、本年6月に決定されました基本方針、ちょっと細かくなりますけれども、御紹介をさせていただいております。6ページ目の右側の上の「III 消費者教育の推進の内容」というところにございますが、1番として、様々な場での教育、様々な場での推進ということで、学校、地域社会。2番目として、人材(担い手)の育成・活用。3番目として資源ということで、教材や調査研究などが記載されております。7ページ目はより細かく図示したもので、説明は省略させていただきます。

<2> 原田構成員からのプレゼンテーション(資料1-3 事務局代読)

今日は東京にいないため欠席させていただきます。
シティズンシップ教育について、自分の考えをまとめました。学術的なものではありませんが、議論の助けになればと思います。
社会参画や政治参画は、未成年や義務教育の年代からの積み重ねが重要です。20歳になっていきなり選挙に行こうと言われても行く意思もなく、行く必要も感じない人も多いです。
大きく2つの分類分けをしました。1つは、実際の政治にかかわるもの。もう一つは、実際の生活にかかわるものです。
前者に関して、配付資料を補足します。国・都道府県・市町村の実際の政治にかかわるものです。これらの仕組みを知り、実際に議論されている内容や状況を知り、そこにかかわろうとする意識を持ってもらうことが重要です。日本の政治教育は、議会の定数や任期など、仕組みしか習わないとよく言われますが、実際は仕組みもほとんど習っていません。法案が通る過程や地方議会、地方政治の権限の範囲など、もっと教える必要があります。また、日本では投票は義務ではなく権利なのですが、それでも投票に行くことの大事さをもっと伝えるべきです。
後者の実際の生活にかかわるものに関して補足します。小学生であれば、家庭と学校内学区が生活圏内であり、それが彼らにとってのリアルです。成長につれて、このリアルの範囲は広がっていきます。この中の環境やルールが、みずからの行為や一人一人の投票で選ばれた代表によって変わることの体験が重要です。この体験が選挙権を持ったときに投票へとつながります。
これらの点から見て、シティズンシップ教育において充実させるべきと考える要素を3つ紹介します。それぞれ資料のとおりです。少しずつ追加で述べますと、親世代の投票率も低くなっていますが、彼らに直接アプローチし、投票行動へとつなげることは難しいということです。教育の中で確実に子どもにアプローチし、家庭学習やお父さんお母さんに聞いてみようといった誘導で、家庭の中で話す機会をつくることが必要です。
最後に、資料の補足2ですが、地方政治・行政や地方政治家に関する教育と情報を増やす必要性について、少し触れます。政治といえば国政、政治家といえば国会議員という印象が強いですが、地方行政、地方政治に関して、もっとしっかり教育をして意識してもらう必要があります。予算規模でいえば国よりも小さく、また、権限の範囲の少ないかもしれませんが、身近な存在で現場に設置、地域ごとの特色を出せるのが地方政治です。
以上です。もし今日の会議の中で質問やわかりにくい点があれば、次回やあるいはメールなどでお答えさせていただきたいと思います。

<3> 意見交換

  • 植山構成員
    どの程度現場での教育が効果を上げているのかというのは、どのような指標で見たらよろしいのか、教えていただけたらと思います。
  • 文部科学省
    文部科学省の教育課程課で学校教育官をしております倉見と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
    先ほどの説明にもありましたが、新しい学習指導要領でいわゆるシティズンシップにかかわるような教育の内容がより充実しているところでございます。従来からも政治や経済の仕組みとか、そういうものはやってきているわけですが、改正教育基本法に社会の形成に参画しといったことが新たに盛り込まれておりますので、それを踏まえてより充実した形で実施しています。
    この新しい学習指導要領は、小学校では平成23年度から、中学校では平成24年度から、高等学校では今年度、平成25年度からの実施ということになっております。2年前から順次始まったばかりです。
    このため、新しい学習指導要領に基づいたシティズンシップ教育の状況を私どものほうでも検証していく必要があると思います。順次、教育課程の実施状況調査を実施いたしまして、その検証に努める予定でございます。もう少しその検証には時間がかかるかと思っています。
  • 定本構成員
    厳しい課題を持った子どもや若者を対象にしている非行の臨床や精神科臨床をしている立場からすると、消費者教育はすごく重要だと思うのです。
    計画的な消費ではなくて衝動的な浪費、さらにはパチンコ、ギャンブルなどでお金をぱっと使ってしまって、なくなってしまうことが、非行の原因になったり、家庭の崩壊の原因になっていることも多い。計画的な消費ができない人が少し大きくなって金銭的に破綻してしまうような大人になるということがあります。
    一方で、社会は子どもや若者すら消費者として認知しています。いろいろなゲームや情報機械に関して子どもや若者は波をかぶっていますから、それに対抗するぐらいしっかりした金銭感覚とか消費者行動を教育するということは本当に重要なことだと思います。
  • 相原構成員
    弁護士であり、日本司法支援センターというところで法教育と消費者教育ということに関しても携わっておりますので、その立場から問題意識をお伝えします。
    弁護士の立場からいいますと、法教育というと、裁判員裁判の裁判員になるという立場の場合の法とは何ぞやというところの教育をすべきであるというところから始まったわけです。一方では、逆にそれによって裁かれる子どもたちの立場というものも、権利意識という問題で出てくるかと思います。法を適用する・される立場という両面あるかと思いますので、見きわめというか整理を文科省や法務省で対応していただきたい。適切な実践ということにぜひ力を入れていただきたいと思います。
    もう一点、子どもには少し早いと言われるのかもしれませんけれども、今の企業のあり方を見ていると、子どものときからコンプライアンスということについて、道徳というよりも、少なくともいいことなのかどうかということを見きわめる力といったコンプライアンス的な思考をきちんと早い段階から考えていくということが適切なのではないかと思っております。
  • 奥山構成員
    まず1つ質問なのですけれども「中・高校生の社会参画意識を高め、主権者として自立するため」と書いてあるのですが、権利に関してどういう教育をされていて、どういう関連を持たせてこの主権者としての自立ということを考えて教育されているのか。そこをまず1つ伺いたい。
  • 文部科学省
    様々な権利というものがあるかと思いますが、それに伴って大人としての責任と義務とか、自立とかということも大事だと思っております。
    中・高校生が社会参画に係る実践力育成のための調査研究では、実際に中・高生が地域の実際に抱えている課題にかかわる中で自分たちが普段学校で勉強していることと社会とのかかわりといったことも実践的に学べるモデル事業を開始しているところでございます。
  • 奥山構成員
    子どもの権利条約についてきちんとした教育がなされているのでしょうか。また、今おっしゃったように、義務と権利を一緒にしてはまずいと思います。
    人権というのはもともと王様に対して義務を払っている人たちの権利ではなくて、全ての人にある権利として認識されてきたものです。義務があっての権利のような考え方は絶対に教えてはまずいと思います。人権というものをきちんと教えてほしい。人権を持った1人の人として、いかに自立していくかというところをきちんと教えてほしいと思います。
  • 文部科学省
    今、手元に資料はないのですが、子どもの権利条約についてはほとんどの教科書に載っているかと思います。
  • 奥山構成員
    日本は子どもの権利条約を批准しています。人権に関することを、教科書的にというよりも、具体的に自分の権利をどう守っていくか、あるいは自分の権利をきちんと思考していくのかということを、実践として教えておられるかということが気になっています。
  • 文部科学省
    今、手元に資料がないので、具体的にお答えできません。
  • 宮本座長
    問題提起ということで、まずは受けとめていただくということにしたいと思います。
    これからまだまだこの項目だけでたくさん出てきそうな気配でございますが、残された議事がたくさんあります。今のセクションに関して御意見がまだある場合には事務局まで書面で提出していただきたいと思います。

イ 社会参加の促進

<1> 関係府省からの説明(資料1-4)

  • 文部科学省
    1ページ目、ボランティア等社会参加活動の推進についてです。
    文部科学省では学校内外におけるボランティア活動の推進ということで、学校教育におきましては、新しい学習指導要領に基づきまして、総合的な学習や特別活動の時間などにおける社会活動を推進しています。学習指導要領にも位置づけられているところでございます。
    学校以外でも、青少年の教育施設におきまして、最近は震災にかかわるボランティアの機会の提供などを行っているところでございます。
    次に、国際交流活動でございます。子どもたちに国際的な視野を持たせ、みずから主体的に行動できるグローバル人材の基盤を形成するため、都道府県や高校生の留学・交流を行う民間団体などへの支援を行っています。また、全国にあります青少年教育施設を活用しまして、国内外の若者と自然体験、あるいはスポーツ体験、文化体験などを通して交流する機会の提供なども行っているところでございます。
    (2)ですけれども、地域社会などでボランティア活動に参加したことがある児童・生徒は、小学生37.5%、中学生44.5%。高校生の留学経験を有する者も増えてきておりますし、青少年教育施設における国際交流なども進めているところでございます。
    課題としては、民間団体などとの連携ということがあります。
    今後の方向性として、学校教育内外におけるボランティアあるいは多様な価値観に触れる国際交流をさらに推進していくということになろうかと思います。
    2ページ目は、グローバル人材育成の中での、特に高校生の中での高校生の留学に関する施策の説明紙でございます。
    3ページ目は、青少年の教育施設を活用した国際交流ということで、特に青少年の教育施設は地方にございますので、東京とか大都市だけの交流ではなくて、地方の施設に海外から人を呼んで、ふだん余り外国の方と交流のない地方の子どもたちなどとの交流にも、大きな役割を果たしていると考えております。
  • 内閣府
    まず、大綱策定から現在の取り組みでございます。平成22年度から24年度まで、888名の日本人青年を海外に派遣しました。それから、1,626名の外国人青年を日本に招へいし、交流を実施しております。なお、平成24年度の参加青年の事業実施後の参加アンケートにおきまして、事業参加が将来に役立つと思うと回答した者の割合は全体の90%。事業を通じて、将来参加国の人々と相互理解、友好が深まったと思うと回答した者の割合は全体の83%でございました。
    (2)進捗に係る評価といたしまして、アンケートについては目標値をそれぞれ90%としておりまして、今後もよりよい効果的な事業の実施を推進してまいりたいと考えております。
    現在、認識している課題は、事業成果の見える化の検討でございます。
    今後の方向性といたしましては、引き続き青年リーダーを育成するために、国内外の青年を招へい・派遣を通じ、国際交流、異文化交流の体験の機会を提供していきたいと考えております。
    次のページ、本年度に内閣府で行っている青年国際交流事業6事業の内訳でございます。東南アジア青年の船、日中・日韓交流、グローバルリーダー育成、国際青年育成交流、こちらまでが18~30歳までの方が対象です。その隣の青年社会活動コアリーダー育成プログラムは23~40歳までという形になっております。これらの事業では、国際的視野を広げ、国際協調の精神や実践力の向上、リーダーシップの向上ということで、国際的な課題についてのディスカッションや課題別視察プログラム、表敬訪問、自国の文化の理解、船内での共同活動やホームステイなどを実施しております。
    日本と外国の青年が相互理解と友好を深めて、生涯にわたる絆を形成するための同窓会組織が57カ国につくられております。例えば途上国に対する教育支援であるとか、災害が起こったときの災害支援であるとか、環境保護活動への支援、具体的には日本における東日本大震災があったときには、海外から救援活動などもありまして、1,400万円近くの募金が寄せられています。
    参加青年たちの中からは、将来の政治主導者を初め、各界のリーダーが輩出されております。例えばニュージーランドの元首相で現在、国連開発計画の総裁のヘレン・クラークさんであるとか、各国の閣僚、国会議員、大学教授、国際機関の幹部、民間企業の幹部などということで、数百名にわたる方々がリーダーとして輩出されております。
    東南アジアの船とグローバルリーダーと国際青年育成交流については、皇室関連行事として開催されております。特に国際青年育成交流については今上陛下の御成婚の記念として開始されており、友好の象徴ということで、諸外国からも高い評価を得ております。
    このように、成果という点では、短期的には難しい面はありますけれども、長期的にはこういった形で様々な支援であるとか、カウンターパートになるということで、将来を見て日本の国際関係においては非常にプラスになる種まき活動であるかと考えております。
    次のページは成果目標と成果実績でございます。アウトプットとしては、参加青年の数については22年度からおおむね800~700名台で推移しております。アウトカムとしては、アンケート調査の結果でございますが、将来に役立つと思う人の割合は90%台を推移しております。相互理解と友好が深まったと思う人の割合は92%、昨年度83%となっています。この背景でございますが、日中・日韓交流において、ちょっと両国間の関係が反映したものと思われまして、日本人青年のほうで9割台だったものが7割台になったということです。ただ、先方の中国、韓国の青年の方々は8割、9割台ということで高く評価されていますし、中国、韓国政府のカウンターパートの方々も継続して強く実施されたいと望む声も強いということでございます。国際情勢の影響があるのかと思うものですが、評価はかなり高いかと考えております。
  • 外務省
    今年から外務省で推進しております青少年交流事業として、JENESYS2.0とKAKEHASHIという2つのプロジェクトがございます。
    資料の8ページを御覧ください。「JENESYS2.0及び北米地域との青少年交流」とまとめてございます。JENESYS2.0とはアジア太平洋諸国を対象とした事業でございます。北米地域との青少年交流は、この紙をつくった時点ではまだ名前がついていなかったのですけれども、その後KAKEHASHI Projectという名前をつけました。
    JENESYS2.0を説明申し上げます。第一次安倍政権の2007年、21世紀アジア太平洋青少年交流計画、JENESYSが立ち上げられまして、5年間で毎年6,000人ずつ、計3万人の青少年交流を行い、無事終了しました。今年に入ってからJENESYS2.0をJENESYSの後継事業として立ち上げるということを安倍総理から発表していただきました。その内容としましては、8ページの事業概要のところにございますとおり、対象が中学生、高校生、大学生で、アジア大洋州の3万人になります。
    北米地域の5,000人というのが、先ほど申し上げましたKAKEHASHI Projectです。
    150億円の予算を平成24年度の緊急経済政策のための補正予算でつけていただきました。それを元手に現在、一つ一つの事業を行ってきているところでございます。
    プログラム構成内容としては、観光庁や地方自治体といった関係機関と連携して、経済対策でありましたので経済効果が最大限発揮できるよう、企業の製品・技術の優位性に関する広報も兼ねた日本企業視察、外国人訪問者の誘致に積極的な地方自治体への訪問、歴史的建築物・世界遺産、最先端技術の展示施設などの日本ブランドの体感等をプログラムの中に入れながら、青少年たちとの交流を進めていくということが趣旨でございます。
    予算としては、平成24年度の補正予算でいただいたお金を拠出金として各国際機関に送金いたしまして、そこで基金をつくって、それを切り崩しながら実施していっている状況でございます。
    現在認識している課題としては、JENESYSは成功裏に終わったと思っておりますが、JENESYS2.0、KAKEHASHIについては、補正予算のため、毎年安定した事業の実施というものが難しくなってきています。今後これを安定化し持続できるような予算の確保が外務省として必要になってきているという問題意識を持ってございます。
    外務省の事業ですので、諸外国との友好関係促進という側面から、引き続き相互理解を深化させて、若く柔軟に物事を捉えることのできる青少年の交流を日本と諸外国との間で積極的に推進していきたいと思っております。

<2> 意見交換

  • 松原構成員
    ボランティアについて文部科学省がいろいろ取り組んでいらっしゃるのは高く評価をしたいと思うのですが、資料1-1でもわかるように、参加率が下がっています。
    ボランティアというのは教育という枠組みだけで捉えるべきことではないと思うのです。資料1-2で各省庁の問題意識をざっと見させていただきましたが、ボランティアというのは1つも出てこない。
    青少年が社会参画をしていくということでは、一番実践的なものはボランティアで、様々な場面でいろいろな学びをすることができると思うのです。ボランティアは文部科学省の管轄だと他の省庁はお考えになっているのかどうか、そこを少し確認したいのです。
  • 文部科学省
    ボランティアについては文科省が教育の中だけでやるものではないと我々も思っています。
  • 松原構成員
    教育の枠組みの中でボランティアをやっていますと、教育を離れると実際に社会の中でボランティアにも参画してこないということがあるので、全体としてボランティアというものが定着をしていくような体制を組む必要があるのではないかと思います。
  • 高塚構成員
    若い人のボランティア参加がむしろ減少している傾向の裏に何があるか。私が子どもたちからよく聞くのは、学校教育の中でボランティア活動が一種の義務化されて、これにむしろ嫌気がさしたという意見です。義務としてボランティア活動をやらされて、しかも、それが上級学校へ進学する際の内申の評価の対象にすらなっている。こういうやり方でボランティア活動を奨励していっても、余りいい効果にはならないのではないか。
    青少年教育というものが非常に大事な柱だと思うのです。かつて生涯学習審議会が学校外教育の充実を図れという提言を出しています。各種のいわゆる青少年団体、例えば青少年赤十字やボーイスカウト・ガールスカウトなどを積極的に活用し、そういう活動を充実させることで、ボランティア活動も積極的に行われていたのです。ところが、今はそうした青少年団体の活動が非常に衰退して、見る影もない。私がかつて運営にもかかわっていた中央青少年団体連絡協議会ももう解散の状況にある。こうした状況の背景をもう少しきちんと分析して、民間の活力を生かすような施策をもう一度考えなくてはいけないのではないか。
    ともすると、ボランティアにしても青少年教育にしても、行政主導という面が余りにも強過ぎるのではないかということが私の率直な印象です。
  • 定本構成員
    私もその御意見に本当に賛成です。
    京都市でいろいろな学校の先生のお話を聞きますけれども、文部科学省があれも大事これも大事とこれもしろあれもしろと現場に言う。その結果、先生は会議、会議ですり減って、子どもの話をじっくり聴くどころの話ではないという現実を見ています。
    いろいろな大事なことがあるのですけれども、先生の仕事が多過ぎるので、周囲のいろいろなところを活用してやっていただきたいと思います。民間の力やその他の知事部局との連携をしていただきたい。学校では先生はもう少し余裕があって、子どもたちが、学校で私たちは本当に大事にしてもらった、学校で本当に尊敬できる先生との交流をたくさん持ったという気持ちを持って学校を出ていけるようにしてほしい。
  • 谷口構成員
    地域で社会教育委員をやっているのですけれども、大人たちの参加自体が減ってきているということです。子ども会の活動自体もどんどん減少してきていますし、さらには地域の支え手である保護者のPTAなども参加率が減ってきています。
    こうした活動の必要がだんだん高まっているのは間違いないと思っているのですが、その高まりに反して、積極的にアクセスする層としない層が2極化してきている。また、ボランティアの参加率低下にあらわれるように、むしろ後者のほうが拡大しているのではないかと、現場では感じるところがあります。
    高塚先生のお話にあったように、まずは背景をしっかり分析して、なぜこういった事態が起きているのか。ここをしっかりと見つめた上で対策を打っていく必要があるのではないかと考えているところであります。
  • 宮本座長
    背景分析ということで、どなたか、具体的にこういうことがあって学校外の活動がうまくいかないというお考えがあったらどうぞ。
  • 高塚構成員
    いろいろな青少年団体が衰退していった背景の1つには、経営や運営が余りにもずさんであったということが挙げられます。きちんとした組織運営を指導することも本当は必要であったと思う。
    かつての青少年団体は、今でいうひきこもり系の若者をたくさん吸収していた。そこがむしろ引きこもりをさせないような措置を講じていた。しかし、そういう青少年団体がどんどん衰退していったことによって行き場がなくなった若者たちを、今度はひきこもり支援団体が何とか吸収している。そういう構造が私には見えてしようがないのです。ひきこもりの前の段階として、青少年教育を充実させることが、本当は必要なのではないかという気がしています。
  • 宮本座長
    ありがとうございます。ここも議論がどんどん進みそうなのですが、残念ながら時間の制約があります。
    高塚構成員が今おっしゃったことに関しては、問題を抱えている人に対するターゲットアプローチがこの10年でどんどん進行していきましたけれども、この段階でもう一度、その前の段階のもっと広い活動の部分をどう再興するかという課題があるのではないかという感じがしております。
    残念ながら、まだたくさん御意見があると思いますけれども、あとはできるだけ文書でぜひお出しいただければありがたいと思います。

(2) 職業的自立、就労等支援

「就業能力・意欲の習得」と「就労等支援」について、大綱の記載や関係データを事務局から説明(資料2-1)した後、以下のとおり議論を行った。

<1> 関係府省からの説明

1)就業能力・意欲の習得(資料2-2)

  • 文部科学省
    1ページ目、キャリア教育・職業教育の推進ということで、平成23年1月に中央教育審議会のほうで、「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育に在り方について」という答申がまとめられております。幼児期の教育から高等教育までを通したキャリア教育・職業教育の在り方、充実方策が提言されております。
    各学校段階を通じた体系的なキャリア教育、高校、大学、専修学校などにおける実践的な職業教育の充実を図っております。具体的には、学校と地域社会のすぐれた連携・協働する取組への表彰、学校のキャリア教育の指導内容に関する手引き、パンフレットの作成、教員向け説明会の実施などでございます。
    また、産業界などとの連携強化によりまして、専修学校や大学におきまして、環境や、エネルギー、医療、福祉、ITといった我が国の成長を支える中核的専門人材の養成に取り組んでおります。
    インターンシップについては、学校と地域・社会・産業界とをマッチングさせるための取組を行っています。具体的には、インターネット上におきまして、子どもと社会のかけ橋となるポータルサイトなどを通じまして、学校側と企業側のマッチングなどを行っているところでございます。
    (2)について、職場体験活動・インターンシップを学校で実施している割合はおおむね上昇しており、多くの学校で取り組んでおります。ただ、全員が参加しているというわけではございません。あくまでも学校として取り組んでいるということでございます。
    (3)課題でございますけれども、高校のインターンシップは任意参加であり、特に普通科の高校におきましては参加率が低い。先ほどの答申でも指摘されておりますけれども、高校普通科におきましては、進路意識でありますとか目的意識が希薄である、あるいはほかの学科に比べて逆に就職状況が厳しいといったことがあります。普通科の高校でどう取り組んでいくかということが課題だと思います。
    今後の方向性ですけれども、体系的・系統的なキャリア教育の実践の促進、あるいは企業等の出前授業、職場体験活動、インターンシップの受け入れ先の開拓などを行う地域組織の設置を促進することなどにより、体験的な学習活動の充実を図るということでございます。
    2ページから、先ほど御紹介しました中央教育審議会の答申の概要が2ページ、3ページ、4ページとございます。4ページ目のところに特に高校の普通科についての課題と推進のポイントということで、一番上でございますけれども、問題意識が掲げられております。5ページも続きでございます。6ページは、キャリア教育実践のための手引きということで、特に教員などに向けた手引きとかパンフレットとかコンテンツ、研修用の動画コンテンツなどの御紹介でございます。7ページ、8ページはマッチングのためのポータルサイトの御紹介でございます。
  • 厚生労働省
    11ページ目を御覧いただけますでしょうか。
    (1)現在までの取り組みでございますが、勤労観・職業観と職業的自立に必要な能力形成の観点から、企業で働く方を講師として学校に派遣する事業と、キャリア教育の専門人材を養成する事業を行っております。
    また、能力開発の観点からは、公共職業訓練や求職者支援訓練などを実施するとともに、ジョブ・カード制度の活用を推進し、非正規雇用労働者などの安定的な雇用への移行を促進しております。
    (2)進捗に係る自己評価でございますが、次の12ページ目、それぞれの事業につきまして、アウトカム・アウトプット指標の推移でございます。
    まず、キャリア教育専門人材養成事業につきましては、講習受講者へのアンケートで、講習で学んだ内容を今後に生かせると回答した者の割合、これをアウトカム目標にしておりますが、事業開始以来常に90%以上と目標を上回っております。
    次に、公共職業訓練、求職者支援訓練につきましては、訓練終了後の就職率が目標値を平成23年度以降常に上回っております。
    ジョブ・カード制度につきましては、ジョブ・カード取得者数、企業との雇用関係のもとで行います雇用型訓練、終了3カ月後の就職率をアウトカム指標としております。カードの取得者数につきましては、平成24年度末時点で86万人となり、24年度中の目標値であります100万人を下回りましたが、24年度における雇用型訓練就職率は目標75%に対して95%となるなど、目標値を上回っている状態が続いております。ジョブ・カードを活用した訓練であります職業能力形成プログラムの修了者数につきましては、平成24年度末で55万人となっておりまして、着実に求職者への訓練受講は進んでいるものと評価しております。
    11ページに戻っていただきまして、(3)の現在認識している課題については、関連事業の成果はおおむね高いものと評価しておりますが、ジョブ・カード取得者数は目標値を下回っており、今後、一層の普及を図ることが必要と考えております。また、ジョブ・カードにつきましては、点検・評価会議第1部会の平成23年度審議状況報告におきまして、ジョブ・カード保有者の企業以外での就職状況を踏まえつつ各カードの内容の改善を検討する、また、ジョブ・カードについて中小企業での活用が促進されるよう関連制度の周知を図る必要があるとの御指摘をいただいております。
    (4)今後の方向性でございますが、ジョブ・カードにつきましては、社会的なインフラとしての定着を目指し、一般求職者なども含めましたより幅広い層への普及を図ってまいります。また、第1部会の御指摘の各シート内容の改善につきましては、カードを活用した中小企業などから御意見を賜りつつ、在職者など多様な使用者の活用、多様な場面での活用に向け、必要な様式などの見直しの検討を進める予定でございます。もう一つの御指摘でございます、ジョブ・カードの中小企業での活用の促進につきましては、雇用型訓練を実施する企業開拓、採用面接などでカードを活用する企業の開拓、またハローワークにおける訓練受講者以外も含めましたカードの交付などにより、活用の促進を図ってまいりたいと考えております。
  • 経済産業省
    経済産業省の奈須野でございます。
    まず最初に(1)大綱策定から現在までの取り組みでございますけれども、経済産業省としては、キャリア教育を推進するに当たってはまず産業界の関与を拡大していくことが前提となるということで、企業の取組を後援しております。具体的には、キャリア教育アワードとして、企業が中学校や高校と連携してキャリア教育を行うといった取組を表彰しております。
    産業界が求める人材を高等教育の局面で普及できるように、社会人基礎力という形で形式化しております。高等教育の中でもプロジェクト・ベースド・ラーニングなどの手法を使いながら、実際の企業の現場ではどういうことが起こるのかということを勉強してもらうということをやっております。
    さらに、大学の座学だけではなくて、インターンシップを推進するため、企業側と学生のつながりを深めるということをやっております。
    女性の育児などで一旦退職した方向けの職場体験のブランクを埋める機会として、5,000人規模で現在中小企業へのインターンシップのような事業を実施しております。
    進捗の評価でございますけれども、なかなか測定が難しいわけですが、例えば商工会議所で取組の状況に関する統計を取っています。平成24年度では72%の商工会議所で今日御説明したような教育支援活動を実施しておりまして、これは着実に増加していると認識しております。社会人基礎力育成グランプリについては、昨年92校109チームということで、出場校ベースで過去最多となっております。女性向けの5,000人規模のインターンシップについては、現在、実施中でございます。
    (3)認識している課題でございます。キャリア教育の量的拡大は当然重要なことなのですが、一方で、教育的な効果が高いというものを増やすということも重要かと思っております。就活の一環で企業が1日インターンシップをするというようなことも多いのですけれども、量的にはこれでもいいのかもしれませんが、教育的効果ということになりますと、より中長期のインターンシップのような教育効果を重点的に考えた施策というものが必要なのかと思っております。
    そのためには、広く受入先企業を発掘することが重要かと思っております。(4)今後の方向性になりますけれども、教育的効果の高いインターンシップの推進に向けた環境のあり方について、例えば企業が大学からインターンシップを受け入れるに当たってはどういうフォーマットで要請したらいいのかという類の環境構築についての検討を行っております。
    社会人基礎力については、従来、甲子園形式で学生のプロジェクト・ベースト・ラーニングの成果の発表会という形でやっていたのですが、一定の普及を見ましたので、今後は教える側のグッドプラクティスを収集するということをやっていきたいと思っております。

2)就労等支援の充実(資料2-3)

  • 文部科学省
    1ページでございますけれども、学校における就職支援でございます。高等学校におきましては、就職相談あるいは求人開拓を行う「高等学校就職支援(ジョブ・サポート・ティーチャー)」を配置しています。大学におきましては、大学の就職相談員と新卒応援ハローワークのジョブサポーターとの連携によりまして、個別支援を徹底するということでございます。
    また、そうした個別支援とは別に、大きなフレームワークのお話といたしまして、各教育委員会に対して労働局と連携した求人開拓の依頼でありますとか、経済団体に対する求人枠の維持、拡大の要請などを行っているところでございます。
    (2)進捗でございますけれども、就職率自体はここ数年は上昇しておりますが、(3)にありますように、リーマンショック前の数値までは回復しておりません。引き続き全ての学生が就職できるよう支援する必要があり、厚生労働省や経済産業省などと密接に連携して進めていくというのが、今後の方針でございます。
    2ページ目、3ページ目は、今年1月から3月まで集中支援期間として就職が決まっていない方に対する集中支援をいろいろ行ったものをまとめたものでございます。これらを通じて4万1,000人の就職ができました。
  • 厚生労働省
    若年者雇用対策室長をやっております牛島と申します。
    資料の6ページ、文部科学省の説明と若干重複する部分がございますけれども、(1)大綱策定から現在までの取組というところでございます。新卒者とフリーターという二方面作戦でやっているようなイメージです。
    新卒者に対しましては、専門の「新卒応援ハローワーク」が平成22年9月から立ち上がっております。全国で57カ所ございます。新卒者に対する専門的な支援を行うハローワークでありまして、ジョブサポーターが配置されておりますけれども、きめ細やかな相談・紹介をやっております。フリーター、45歳の未満の若者につきましては、一般のハローワークとは別に、常用就職を支援する「わかものハローワーク」、こちらは現在は全国3カ所でございますけれども、来年度何とか全国展開、全都道府県には難しいかもしれませんが、大幅に設置数を増加したいということで、今、予算要求をしているところでございます。こうした機関で正規雇用に向けた支援を実施しているという状況であります。
    進捗に係る自己評価というところでございます。7ページ目、小さな字で恐縮ですけれども、それぞれの実績値になってございます。新卒者に対する就職支援の欄の3段目、アウトプットのところの24年度の実績値が70.1万人と書いてございますけれども、これは71.0万人の間違いでございますので、恐縮でございますが、机上で修正をお願いしたいと思います。1年間で71万人の方に新卒者応援ハローワークを利用していただいている。また、その上の欄ですけれども、24年度でいきますと、高卒・大卒合わせての数ではありますけれども、約194,000人の方がジョブサポーターの支援によって就職することができているという状況でございます。また、フリーターについては、その下でありますが、24年度でありますと約302,000人の就職実績を上げております。
    自己評価といたしましては、6ページに戻りますが、着実に成果を上げていると認識しているところでございます。
    ただ、(3)の現在認識している課題のところにございますけれども、8ページ目、先ほど事務局からの説明にもございましたが、卒業後3年以内の離職率が、高卒でありますと22年3月卒業生は21年卒に比べて増えている。また、大卒のほうも同じような傾向を示していまして、最近ずっと低下してきているのですが、増加に転じているといったところを注意深く見守る必要があると思っております。せっかく就職支援をやっても、3年以内にやめてしまうということであれば、イタチごっこのような状況になってしまいます。今後は、まず1点目といたしまして、(4)にございますけれども、定着の支援といったところに力を入れていく必要があるのではなかろうかと考えております。定着の支援というところを考えていく上では、まずは就職活動を行う上で必要ないろいろな情報、例えば定着率や残業の実態といったことの情報の公開の促進といったところを図ってまいりたいと思っております。
    また、もう一つの課題といたしましては、就職支援の網に乗ってくる若い方に対しましてはある程度実績を上げているかと思っているのですが、いかんせんまだ抜け落ちている方が結構な数でいらっしゃるのではないかと思っております。そこをどう拾い上げていくか。そこが大きな課題でありますが、なかなか妙案がないということで、ぜひ、先生方のお知恵などもいただきながら、考えていきたいと思っております。
  • 経済産業省
    中小企業庁でございます。
    11ページ目を御覧ください。新卒者に対する職場実習、いわゆるインターンシップ事業でございます。若年雇用のミスマッチを解消する観点から、新卒者に対しまして、これは高卒者も含むのですけれども、中小企業あるいは小規模事業者の職場でインターンシップを実施しております。平成22年から事業を開始しておりまして、これまで延べ1万5,000人のインターンシップを行っております。そのうち、約4割が就職に至っております。現在は、2万人規模で事業を行っているところでございます。
    次に、進捗に係る自己評価でございます。4割の就職率が実態でございますけれども、徐々に高くなっているところもございます。引き続き、きめ細かな対応を行って、就職率を高めていくということが一つの目標と考えております。
    課題でございますが、最近、景気が少しよくなったということもありまして、学生の目線が高くなっておりまして、この実習に参加する実習生の獲得がなかなか難しくなっているということもあります。関係省庁との連携あるいは情報共有を行って、さらには全国の自治体等を通じて、広報活動を強化する。それによって、参加者の拡大をしていくということが課題になっております。
    このような活動を通じまして、引き続ききめ細かなマッチングを図っていきたいと考えております。
    同じく経済産業省新規産業室の石井でございます。11ページで引き続き御説明させていただければと思っております。
    就労の1つの形として、企業で働くということとあわせて、自分で企業を起こす「起業」を応援しております。例えばパン屋さんのようなお店を設けるもの、あるいは介護のサービスを始めてみる、技術を生かしてベンチャーを起こしてみる、こういったことの応援をやっている次第でございます。例えば資金の支援、経営ノウハウの支援という形、いろいろな支援をしているのですけれども、ここではまずもって必要な資金支援についてお話させていただきたいと思います。
    起業支援として、低利の融資制度を設けております。女性、若者/シニア起業家支援基金ということで、政府系金融機関である日本政策金融公庫のほうで安い金利でお金を融資できるという形になっております。平成22年で8,708件、398億。平成24年で8,999件、507億。1件当たり大体500万ぐらいの資金なのですけれども、安い金利で提供する、融資させていただくという応援をしていただいております。
    課題としては、政策についてもう少したくさんの人に知っていただくということが課題と思っておりまして、いろいろなベンチャー政策あるいは起業支援政策の説明会を全国で開いて、幅広く周知を図るということを考えております。

<2> 古賀構成員・花井構成員からのプレゼンテーション

  • 古賀構成員(資料2-4)
    先ほど厚生労働省からお話がありました、落ちこぼれてしまう人々、労働弱者や労働棄民と言われる人たちを追いかけるという調査をやっております。
    だんだん社会が排除型になってまいりますと、リスク社会に対する不安を若い人が感じる。高校にいるうちは保護されているし情報もある。しかし、切り離されてから数年たってくると、どんどんいろいろな問題が自分に押し寄せてくる。家族は基盤が弱くなる、介護のような問題も出てくる、さらには仕事も転々とすればどんどん悪くなる。最初に正社員で就職した人はまだ次があるのですが、最初が非正規だとどんどんマイナスになっていく。非常に厳しいのです。
    予測することも保障することも不可能な社会的リスクというものが彼らにどんどん襲ってくるという状態。こういうものを「液状化する未来の感覚」と私は呼んでおります。人生の一定のシナリオや順序性が失われてしまうという思い、絶えず困難に巻き込まれるという感覚に陥る人々がいます。こういう液状化するライフコースというものを、公的データが把握していない。学校やハローワークに来る人は把握できる。施設、組織に係るデータは取れるのだけれども、そこから外れた人たちのデータを継時的に取ることが非常に難しい。つまり、よほど足を使わないとデータが取れない事実があるということです。ヨーロッパやアメリカではそういったデータが結構あり、それに基づいて施策が考えられている。しかし、それが日本にもあるのだと思ったらないのです。
    そこで、いわゆる底辺の高校で就職も非常に厳しい、退学者もいっぱい出るという、東京の三多摩と宮城県の就労率の悪い農村部の高校を10年ほどずっと追いかけています。しかし、なかなか追いかけ切れない。彼らの所在や情報源が捕まえられないため、縦に追いかけるということが非常に難しくて、人数的には限られた人々が調査対象になっています。
    卒業から3年、8年と経つと、だんだん家族もできてきますし、フリーター状態や、いわゆるウォータービジネスというところに行く人たちもたくさん出てきているという状態になっております。見ようによっては非常に泥沼状態に入っている人もいるということです。実は、こういう学校でありながら、見ていただいてわかるとおり、意外に学校に帰属したり専門学校などに戻っていく人たちがいる。振り子のように、資格取得をしたいということで再び専門学校を求めるような方たちも多いし、通信教育をやる方もいて、実は教育に対するニーズが意外にこの8年で消えていかない。一方で、就労しようとしてやっきになって苦労している人もいっぱいいるのですが、正社員になかなかなれない。
    一番最初の段階ではある程度の大学にいる率があるわけですけれども、それがだんだん減っていきながらも、再び、専門学校や職業能力開発センターなどに行く人たちが登場しているわけです。特に東京の場合はバラエティーに富んでいます。底辺校の人々から大学院生も出ているし、労働移民として海外に渡ったという人も出ている。家庭を持った人もいるが、もう離婚して再び新たなパートナーと家族を形成する人も出てくる。1つの資格を取って、例えば整体師のような技能を持って頑張ろうとする人たちの中には自営の場がなかったり、トラックの運転手のように一時的には非常に大きな給与がとれるが不安定な上に仕事で精神的、身体的健康を害する人々が出ているなど、非常に多様になっております。また、いわゆる「ブラックビジネス」の中に入っている人がかなりいるということが見られます。一方で、病院の看護師の資格を使って安定的な雇用を形成できる人たちもおります。これは、学校時代のいろいろなサジェスチョンの影響がかなり大きくて、職業選択が分岐していると思われます。
    成績が良いからといってよい就職にはなっておりません。運動部でずっと3年続けたような人が意外に雇用先を継続していたりもするので、一概に学力だけではない。いわゆる「コミュニケーション能力」というか、広い意味のソーシャルスキルが求められてしまうということがわかるわけです。また、ペットのトレーナーのように、仕事はないのに資格はあるという業種に入ってしまった人々は、逆にその後が不安定になってしまっている。つまり、現実を見ていないまま就職しているという状態があるということです。
    問題が複合的に彼らを襲っていて、様々な要素の問題が1人の人の中に渦巻いてしまっている。自分の力だけで片づけようとするとますます泥沼になる。いろいろな援助や支援をうまく使えるか、いろいろな教育を受けながらバージョンアップできるかということが非常に大きいのですが、自分で何でもやろうとして結果、泥沼になっている人が多いということです。
    もう一つ、非常に重要なのは、就業はタイミングが非常に大きいので、いいタイミングでいい仕事に乗っかって、そこでいい人に出会った人、例えば病院などに勤めると、大変いいサジェスチョンをしてくれるお医者さんがいたりするので、そういういい人に出会った人は仕事として進められます。「コンティンジェント」と我々は呼んでいますが、任意な就労のきっかけや転機というものが存在するということがわかるわけです。
    このように、保険としての学歴や資格志向が減らない一方で、「教育モラトリアム」という教育にいつまでもすがりつく状態も存在しているということをどう見るか。それから、非正規、フリーターの常態化というものがあります。身近な他者にだけ依存して、口コミやビラのようなものから仕事を選ぶという現状をどう改善するか。これが非常に大きな問題だと思っていまして、労働弱者の問題があるといえます。この2つの動きが併存していると考えております。
    アメリカのボルチモアのYOという組織では、ワンストップ型支援をしています。警察、心理カウンセラー、ソーシャルワーカー、様々な地域のボランティアがみんなくっついて、1つのワンストップをつくって、スラム地域の若者を支援する。こうしたことがどうしても必要ではないか。そのためには、インテークを正確にすべきであって、個々の若者の問題が何なのかわからないままにはやれない。イギリスのコネクションズなども同じ取組をしていると思うし、立川サポステなども非常に頑張っています。私は高く評価しております。
    2つ目ですが、高校で予防的キャリア教育を行ったほうがいい。知識の学習ばかりではなくて、人が実際に生きる物語としての学習をさせないと、こういう階層の人たちの理解が促進されないように思われます。つまり、学力をつけなさいだけではだめという場合があるので、実際に人がどう生きていくのか、これから10年どう生きるのだろうというモデルについて、批判的で具体的な理解を構成すべきではないかと思っているわけです。そのためには、外部のNPOなどさまざまの機関の連携が必要です。
    最近有名になりましたが、神奈川の田奈高校などではこうした教育が行われています。私も大学生、大学院生と一緒に行っていたわけですけれども、高校生はいろいろな形で人生のモードについて、具体的で批判的な言葉を言えるようになります。これは非常に重要なことで、具体的な人生の経路をみんながいろいろ考えながら、例えば消費者教育が要る、ボランティアも重要だ、あるいは様々な要素の学習が生きるのだということがわかるということがいえます。こうした市民性を育む実践を試みたらどうかと思っています。
  • 花井構成員(資料2-5)
    私からは、今、若者から労働組合にどのような労働相談が寄せられているのかということを紹介し、連合としてどういうことに取り組んでいるかを、少しお話したいと思います。
    3ページを御覧ください。10代・20代からの相談の内容を記載しています。昨年6月18~19日の2日間にわたり、全国一斉に若者をターゲットに労働相談ダイヤルを行いました。囲みの中にありますように、長時間労働問題ですとか、有給休暇が取れないといった様々な違法な事例、セクハラ・嫌がらせなどが多かったです。一番下ですが、息子や娘の働き方を心配する親からの相談が多く見られたというのが特徴でございました。
    その次のページには、相談事例を載せております。新卒で4月に入社したところ、10時から19時までのはずが実際は毎晩23時半まで働かされているという相談。2つ目の○は、胃痛で会社を休んだけれどもその原因が実は上司の暴言だったとか、不正行為に加担させられているようでこんな会社で働き続けるべきかどうか悩んでいる女性とか、一番下が大学生のアルバイトということです。
    次のページが「なんでも労働相談ダイヤル」ということで、今年の1月から9月までにどういう内容が寄せられたかを分析したものです。次のページ、年代別で見ております。20代、30代、40代、50代、60代ということで、相談が来ております。
    7ページ、連合はこの「なんでも労働相談ダイヤル」を全国47と連合本部の48カ所で毎日実施しております。日にちを決めて集中的に、先ほどのような新入社員やこのページに書いてある女性をターゲットにするなど、様々な形で実施しているわけですが、今年1月から9月までの相談件数が1万2,244件来ており、雇用関係の問題、解雇、退職強要などが多いです。男性は賃金関係が多く、女性は差別が多いということで、セクシャルハラスメント以外に、実はマタニティハラスメントが最近増えており、着目しております。女性の雇用労働者の6割が妊娠・出産を機に退職しているということで、そこを乗り切らないと長期雇用になりません。この妊娠・出産に対する嫌がらせが相当あるのではないかということが、相談からうかがい知れました。マタハラということで、様々なキャンペーンも行っているところです。
    次のページからは、直近の10月の集計と相談内容を記載しておりますので、御覧いただければと思います。
    12ページ、学生と労働組合のメンバーとで本音でトークしようと、代々木公園のメーデー会場にブースをつくり、カフェテリアのような形にして、学生と組合員、労働者が対話を行ったときの様子です。14ページには、学生の声として、自分の考える仕事のイメージとは全く違う話が聞けてよかった、働くことに対する考え方が現実的になったといった声が寄せられました。
    次のページは、2012連合中央女性集会の風景です。毎年女性集会を1,000名規模で開催しておりますが、2年に1回、様々な分科会を設けます。昨年が2日間の集会でしたが、そのときに「女子学生のための、就活応援セミナー」というものを開催しました。
    このような相談を受けながら、できる範囲のところで就職支援活動を行っています。また、ライフサポートセンターを各地に設置しています。暮らしの総合支援ですとか、パーソナル・サポート・サービス/生活困窮者自立支援などにも取り組んでおります。生活困窮者自立支援法がようやく成立しましたが、それを前倒ししたモデル事業に実際に労働組合としても積極的に参加しているという内容でございます。
    あとは、就労・自立支援、仕事おこしなどにも取り組んでいるところです。
    19ページは、実際に沖縄で総合支援が新聞報道された内容です。
    20ページは、私どもの組織と沖縄県が連携しながら、様々なサポートを実施しております。左側にハローワークとありますが、その右側に「労福協 就労サポートセンター」となっているように、できる範囲で取り組んでいるところです。
    先ほど厚生労働省等から様々な説明を受けました。就職支援が各府省で大変多様な形で実施されていると思って聞いていましたが、実際に、20代あるいは10代後半から就職した職場で何が起こっているか。先ほども相談内容にありましたように、ブラック企業といわれる企業で働いていて、相談する相手がいなくて電話をかけてきたり、実際に事務所に来たりする方もいます。そこもぜひ見ていかなければいけないのではないかということです。また、余りにも労働法などを知らない若者や企業経営者が多いのではないかということで、職業的自立、就労支援というときには、自分の働く権利や法律を必ずきちんと知る必要があるのではないかと主張してきております。あらためてこの相談内容から、そのようなことを強く訴えたいと思います。

<3> 意見交換

  • 宮本座長
    残された時間の前半の10分程度は就業能力・意欲の習得について意見交換したいと思います。その後、後半10分程度就労等の支援の充実ということで進めたいと思います。
  • 谷口構成員
    平成23年度からの経緯を見ても、いずれの事業も質が高まっているのだということを感じた次第です。
    しかしながら、課題は変わっていない部分があると思いました。インターンシップの実施校の増加は間違いないのですが、参加者の割合の低下というのは、先ほどのボランティアに参加する子どもたちの割合の低下というところに共通している課題だと思っています。先ほど御発表いただいた古賀先生、花井さんのお話にもあったように、全体として効果を高めていくためには、底抜けしない対策を打つ必要性があると思うところであります。
    先ほどの課題の両方に共通することで3つ提言をさせていただきたいと思います。
    まずは、アクセスできている層とアクセスできていない層の格差。さらには、後者の割合が高くなってきているということを考えると、来ることを待つような消極的な姿勢ではなく、彼らを包摂できるような積極的なアプローチ、アウトリーチ機能というものが、各施策には必要になってくるのだろうと思います。
    2点目に、先ほどの御発表にあったように、複雑化・深刻化しているという背景というものを考えれば、縦割り的な対応の限界はもう明らかで、一体的という言葉も出てはおりましたけれども、ネットワークの機能を発揮させるためには各分野が乗り入れできるハブ機能を持つ施策というものも重要になってくるのだろうと思います。
    3つ目に、学校から社会あるいは職業への移行が円滑に行われていないといった記述がございました。ハローワーク、ジョブカフェの効果は十分に出てきているとは思いますが、離職率の高さ、ブラック企業などに苦しむ若者たちの姿をしっかり見つめる必要があるだろう。背景には、もっと複雑かつ深刻な問題があるだろうと思っております。家庭あるいは学校の教育力の低下、育ちのおくれ、社会性の未発達といった点をしっかりクリアしないと、本来の効果は出てこない。学校から社会につなぐまでの間にもう一つ支援機能、教育機能をあわせ持つ施策というものが重要になってくるのだろうと思います。
    そういった点を踏まえると、平成18年から実施されております「地域若者サポートステーション事業」の果たしている役割は大きいのではないかと考えております。この施策を国が推進することによって、地方では、これらの課題に関してそれぞれ地域の実情に応じた施策というものが打たれる形ができておりますし、子ども・若者育成支援推進法に基づく法定協議会も地域若者サポートステーションのネットワークが基盤となってつくられているということを考えると、国が関与する意味合いというものが非常に大きいと思っております。先般行われた行政改革推進会議の秋のレビューのほうでは、ちょっとこれらの点について誤解が生じているのではないかというレビューが出されておりました。そういった点で、まずは関連することとして発言させていただきました。
  • 奥山構成員
    先ほど来、学校から就職へというところの支援はかなり充実してきたという話があったのですけれども、確かに充実してきているのだと思いました。
    ただ、職業というものをもっと小さいときから身近に置いておく必要があるのではないかと思います。突然、最後のほうになって「はい、就職だ」というのは難しいのではないか。小さいときから家庭の中で、職業のことが余りわからない状態で育ってきているわけです。保育園あるいは小学校において、自発的・主体的な活動を促すということも確かに基礎能力としては必要なのですけれども、もっと身近に職業を感じられる施策もあっていいのではないかと思いました。
    先ほどの古賀先生のお話にも少し結びつくのでしょうけれども、スキルを高めていく施策というものも、もっと小さい段階から考えてもいいのではないかと思いました。
  • 高塚構成員
    ここのところずっとキャリア教育がかなり充実していることは好ましいことだと認識しております。こういうことが必要だとは思うのですけれども、ただ、キャリア教育というのは相当難しい問題を含んでいる。パラドキシカルな言い方をすると、キャリア教育を充実させるほど、ひきこもり化する若者をふやしていくという状況が生まれているのです。
    先ほど文部科学省の説明のキャリア教育の2ページ目の中に、基礎的・汎用的能力と書いてあります。例えば人間関係形成・社会形成能力、自己理解・自己管理能力、課題対応能力、キャリアプランニング能力といったものを高めていくということがキャリア教育の課題の中にあるわけです。それはそのとおりではあるのですが、余り安易にやってしまうと、いわゆるひきこもり化しやすい若者は傷つくのです。知識を与える教育とは違って、こういう問題に対する教育を行う者は、相当きちんとしたトレーニングを受けたり認識を持ったり、特にサイコロジカルな問題を把握しないといけないと思うのです。
    ところが、私がいろいろなキャリア教育を見ていると、安易にアサーショントレーニングを課したり、グループ体験を課したり、そういう中でレベルアップさせようということのほうに、余りにも偏り過ぎている。それについていけない若者たちがどんどんドロップアウトして、最終的にひきこもり化していくという現実が生まれているのです。
    キャリア教育を充実するためには、キャリア教育を担う人間の教育をもう一度再検討して、相当なスキルアップと同時に認識アップを図るような施策を、ぜひ盛り込んでいただきたいと思います。
  • 明石構成員
    今までのキャリア教育に対する政府の取組が功を奏しているなと実感されるのは、大学に入ったら、1年生のときから学生は就職を意識していて、2年、3年になると、資格を取り、あるいはいろいろな就職情報会などに出ています。大学は本来はもう少し社会人基礎力を養う場であるべきなのにもかかわらず、就職に翻弄されている学生の姿を見ると、このキャリア教育というものは本当によいものなのだろうかという疑問を感じるのは事実です。
    専門学校には専門的な職種、技能を身につけることを目的に入っている学生が多いので、ある程度本人の意思と合致しているのかもしれませんが、2年生になるとほとんどインターンシップで学校には在籍していても授業には出ていません。企業の単なるアルバイト要因になっているような印象を受けるのです。例えばある業界などは、たくさんインターンシップを取り入れていても、それは繁忙期の単なるアルバイトであって、そのインターンシップに参加したことが就職活動の中で評価されるかどうかというと、それとは全く別問題になっているようです。本来のインターンシップは企業とのマッチングを意図して導入され、さらに文部科学省ではより一層、インターンシップを拡大されようとしていらっしゃるようですが、実態は行政が意図するようになっているのだろうかという疑問を感じるところです。
    キャリア教育は大変大切だと思います。どういう仕事が世の中にあって、社会はどう動いているのだろうかという、本当に社会人基礎力にかかわるような教育が、ある意味で大学には欠落していると思うからです。経済の動き、政治の動き、企業がどういうことで成り立っていくかといった基本的な知識のないままに、職場体験だけを推進することが、本当に青少年にとって身になる経験になのだろうかと思います。学部に関係なく、もう少し全体的な社会の仕組みというものを知識として理解させるようなプログラムがあって、その後にインターンシップが無理のない形で導入され、実施されるといいと思います。現場を見て経験をするということは悪いことではないけれども、今の学生はアルバイトもたくさんしています。アルバイトとインターンシップの差異をどのように明確にするかということもぜひお考えいただいて、インターンシップが学生にとって本当に有効でより良いプログラムになってほしいと思います。
  • 宮本座長
    インターンシップの評価がどこできちんとやられているのかということも、恐らく問題になることだろうと思います。
  • 定本構成員
    就労意欲、仕事をしようという意欲のある若者たちに対する就労支援というものも、今までお話を聞いて本当にいろいろ問題があるし改善点がいっぱいあると思うのですけれども、私が出会う若者たちは本当に意欲がないというか、就労意欲をも失っている方が多い。20歳前後の人も学校を出たばかりの人もそうだし、30代や40代、ひきこもっている人もそうだしけれど、何もする意欲がないという鬱状態とは少し違って、全く自信を失っているとか散々傷ついて、自分は社会に出ることができない、人とかかわることができない、そういう形での意欲を持てていない。失敗経験ばかりで自信を持てていないとか、社会に出られる気がしないとか、そういう意欲のない人たちがどの程度いるのかわかりませんけれども、私が出会う人たちには結構多くて、自分が自分の力を生かして社会に参加したいという意欲を失わせないための施策も必要だと思うのです。
    そうした幾つかの問題を持っている子たちについては、発達障害の問題もとても多い。得意なことと不得意の差は大きいですし、あることはすごくできるのだけれども人づき合いが全然できないという人もいる。こうした人たちについて、得意なことで仕事をしてもらって不得意なことはちゃんとサポートするようなマッチングは物すごく重要になります。
    自信を失ってしまっている人たちをどう就労の場へ自信を持って送り出すか、あるいは意欲を失ってしまわないためにどうするか。それは学校のあり方が問題になります。このごろ学校現場でお話しするときには、就労意欲をなくならせないように、生きる意欲を失わせないように、失敗経験ばかりさせないようにということをよく申し上げます。
    もう一点は、就労意欲があってせっかく勤めた人たちが傷ついていくということです。働く人の権利を学ぶことがすごく重要だということをおっしゃっていただきましたし、せっかく経済産業省の方々がこの取組に参加していらっしゃるので、若い人たちが生き生きと働けるということが企業にとってもプラスなのだから、企業側の問題、ブラック企業が働く人をどのように雇っているかとかといったことを経済産業省の方がチェックしていただけるようなことができたらすごくいいのにと思いました。
  • 宮本座長
    考えてみると、就業能力・意欲の習得というキャリア教育のあり方自体にかなり大きな問題があって、キャリア教育が意欲喚起型になっていけばいくほど、先ほどの高塚構成員の言われるように、そこから自信を喪失してひきこもっていく。意欲をどうやったらつけられるのかというもっと本質的な議論も必要ではないかと思うのです。
    私もいろいろなところを見ていて、海外の就職の困難な若者に関しては、知識注入型教育ではなくて、いろいろな活動をやる中から、楽しいと思えること、自分にできることを発見する教育へと転換しているような気がしますけれども、どうも今の日本のキャリア教育は推進すればするほど意欲喚起型になっていて、最後はお説教とか激励になっていく。どうもこれが実態に合っているかどうかという感じがします。
    あと、残った時間で就労等支援の充実という項目、これについて御意見をいただきたいと思います。
  • 川邉座長代理
    大学で就職指導をしていて、感謝申し上げたいことの一つに、ハローワークはすごく丁寧に面倒を見てくれていることがあります。ただ、ハローワークに行けば良かったと思えるのだけれども、行く気になれない人が結構多いことが残念です。ハローワークから、こんなにいいことやっているのだよと、こんなにいい成功例があるのだよと、こんなに丁寧にしてくれているのだよという広報をもっと多くしてほしいと思っているところです。行っている人は本当によく面倒を見てもらっていると思っています。それは感謝しています。
    もう一つは問題提起なのですが、「就活鬱」という言葉が流行っていますが、あれはむべなるかなと思うのです。採用面接に行ってはダメ行ってはダメを繰り返していると、やはりやる気がなくなります。それで、就職活動をやめることになってしまうのです。来年度から就職活動の解禁日が遅くなり、そこへの投入エネルギーが少なくなるという話も聞いていますけれども、恐らく需要と供給のバランスは一緒ですから、それほどの効果はないのだろうと思うのです。
    選考のシステムをもう少し単純化するようなことを企業に求められないかと思っています。学生は、学歴フィルターなどの水面下の選抜があると承知しつつも、「ダメもと」でもたくさんの企業に応募しないわけにはいかない心理になっています。むしろだめならだめとはっきり言ってくれたほうがいい。無駄なことをさせないほうがいい。その結果、大企業ばかりではなくて他に目を向けるということもありだろうと思うのです。就職活動で負け続けると本当にダメージがきます。就職の選考のシステムをもう少し単純化することを考えて、企業とうまく調整できるようなシステムがないかということを検討してほしいと思います。
  • 奥山構成員
    確かにハローワークのことはそのとおりだと思います。ブラック企業などの問題を考えると、支援を受ける、相談するということがすごく大切なのだというところを子どもたちにもう少し教えておいてほしいということが1つ。
    もう一つ、先ほど古賀先生の話の中に出てきましたが、支援をするときに重要なことはソーシャルワークではないかと思うのです。きちんと社会のシステムというものを考えた上で、学生のアセスメントもして、心理的にも支えられるような形でソーシャルワークができる人が支援をするシステムも組み込んでいかないと、ただ、職業はこうですよとかジョブトレーニングをしますよ、技術を身につけますよ、そうしたら就職できますよというだけでは、うまくいかない状態になっているのではないか。もう一歩先へ進めるとしたら、ソーシャルワークが必要なのではないかと思います。
  • 古賀構成員
    補足的に申し上げると、ライフキャリアとワークキャリアの2種類あるのだと思うのです。ワークキャリアの話に特化しているのですが、人生のキャリアもあるのです。それを並立させて考えないと、人は幸せというものを捕まえられないはずなのですけれども、どちらかというとワークキャリアだけで考えてしまう。でも、例えば趣味とか家庭生活のようなこととか、その人の自己実現のいろいろな形がそれとつながることで、仕事を豊かになることは多いわけですから、その辺のキャパシティーを広げていただくことが、特に若い人たちには必要ではないか。そうしないと、いまどきは「全身就活」といって体中で就活に専念する学生が多いらしいのですけれども、社会生活が痩せ細ってくる学生、悪しきダイエットになっている学生も多いですので、ぜひそこを改善していただきたいと思います。
  • 嶋﨑構成員
    本日の会議を伺っていまして、各省庁の取り組みもすばらしいし、学校に身を置いた者としてはキャリア教育も文部科学省からいろいろ指導などもいただいて、非常に充実してきていると認識しております。
    ただ、キャリア教育なのですけれども、先ほどの御発言の続きになるのですが、どうも進路のところだけに目が向いているかと思います。学業、社会性、健康、安全、このあたりを包括的に見て子どもを育てていくという姿勢が必要なのではないかと感じました。
  • 相原構成員
    キャリアというか人生をどう考えるかというところを皆さんおっしゃっていたかと思うのですが、そういう観点から1点だけ。
    先ほど経済産業省だけは女性を取り上げてくださっていたのですけれども、女性はハンディを持っておりますので、母親の生き方などを小さいときからきちんと見ておいてもらわないといけないと思います。文部科学省や厚生労働省の説明ではフィフティー・フィフティーのように見えますけれども、トータルで見るとかなりのハンディがあります。そこは考えておいていただきたいと思います。
  • 宮本座長
    先日、日本学術会議と独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の合同で「アンダークラス化する若年女性~労働と家庭からの排除~」というシンポジウムをやりましたら、ある期間の間で500人以上の参加申し込みがあって、関心の高さにびっくりしました。
    女性特有の問題は非常に大きなものがあるのですが、なかなか認識されないというところもあるかと思います。
    今日、御発言が足りなかった方はぜひ文書で事務局のほうに上げていただきたい。そうすることで記録が残っていくことは、大変大事なことだと思います。

以上