子ども・若者育成支援推進点検・評価会議(第7回)議事要旨

議事次第

  1. 日時:平成26年2月24日(月) 16:00~18:45
  2. 場所:中央合同庁舎第4号館4階 共用第4特別会議室
  3. 出席者:
    (構成員(敬称略))
    相原佳子、今村久美、植山起佐子、奥山眞紀子、川邉譲、古賀正義、谷口仁史、花井圭子、福田里香、松原康雄、宮本みち子
    (ヒアリング対応府省)
    1. ニート、ひきこもり、不登校の子ども・若者の支援等
      加藤弘樹 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官(青少年支援担当)
      川又竹男 文部科学省スポーツ・青少年局青少年課長
      春山浩康 文部科学省初等中等教育局児童生徒課生徒指導調査官
      浅野浩美 厚生労働省職業能力開発局キャリア形成支援室長(ほか1名(厚生労働省社会・援護局総務課)
    2. 障害のある子ども・若者の支援
      川又竹男 文部科学省スポーツ・青少年局青少年課長
      三輪善英 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課発達障害支援専門官
      阿萬哲也 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課障害児・発達障害者支援室長
      田窪丈明 厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課主任障害者雇用専門官
    (事務局)
    安田貴彦大臣官房審議官、山岸一生参事官(青少年環境整備担当)、小山浩紀調査官
  4. 概要:

(1) ニート、ひきこもり、不登校の子ども・若者の支援等

「地域におけるネットワーク」、「ニート・高校中退の若者への支援」、「ひきこもりへの支援」、「不登校の子ども・若者への支援」について、大綱の記載や関係データを事務局から説明(資料1-1)した後、以下のとおり議論を行った。

<1> 関係府省からの説明

1) 地域における支援ネットワーク(資料1-2)

  • 内閣府
    失礼いたします。内閣府の青少年支援担当の参事官の加藤弘樹です。どうぞよろしくお願いいたします。
    社会生活を円滑に営む上での困難を有する子ども・若者を地域で支援するため、内閣府は、子ども・若者育成支援推進法を所管する立場で、(1)の現状までの取組というところで立っていますとおり、大きく3本柱で取組を進めてきてございます。
    1本目としましては、こういった困難を抱える子ども・若者への支援ということでは、各地域において関係機関が連携し、人と人がつながってネットワークを組んでいただいて、地域において隙間なく、子どもたち、若者たちにとってみますと、その人生において切れ目なく必要な支援が行われるという理念で取り組むものとして、子ども・若者育成支援推進法に基づく子ども・若者支援地域協議会を立てていく。法律上ではこれは各地方公共団体の努力義務であり、こういったネットワークを整備していくように努めてくださいということになっております。
    2ページ、これが子ども・若者育成支援推進法の概要図でございまして、今、私が申し上げた点は、おおむねこのペーパーの黄色の部分、子ども・若者支援地域協議会を真ん中に据えまして、関係機関、いろいろな分野に並んでもらって大きく輪を組んでいる。地域における子ども・若者育成支援のネットワークを組んでいくんだということ。特に、いろいろな地域の実情で声の上がる相談の部分については、理想形としては、黄色の楕円の左のほうに立っております子ども・若者総合相談センター、ワンストップの一元窓口を各地域で整備してくださいという制度になっているわけでございます。
    内閣府では、地域協議会の整備を進めていくモデル事業という形で予算事業を用意いたしまして、地域協議会体制整備事業というものを平成22年度から毎年度対象自治体をモデルとして募って実施してきております。
    簡単でございますが、これについては3ページにその体制整備事業の御紹介のペーパーをおつけいたしました。そう華々しくいきませんで、予算規模としてはおおむね1億円で、毎年度15~16程度の必要と意欲のある自治体に立候補してもらいまして、内閣府と組んで地域での関係機関の連携ネットワークの構築にチャレンジしてもらうことにしているわけでございます。今年度、25年度の実施地域は、ペーパーの真ん中ほどにある広島県以下でございます。これは設置モデルです。また、設置した後の運営の立上げの段階も少しケアしていこうということで、運営モデルというものもあわせて事業を立てております。その対象地域が末尾の山形県以下。これは地域協議会を立てていただいた上で、その序盤の立ち上げのところの部分で内閣府と連携して取り組んでいる自治体です。
    1ページ戻っていただきますと、2点目といたしましてはそのネットワークを担っていただく、各地域で活躍いただく支援者、相談員、子ども・若者とかかわる人材についての人材養成でございます。これにつきましては、内閣府で研修事業を企画、実施しておりまして、訪問支援の手法に力点を置いたアウトリーチ研修を始めとしまして、各種の相談支援活動についての研修事業を、公的機関、民間団体含めて毎年度実施してきております。
    これにつきましては、5ページに事業一覧で御紹介してございます。今、少し強調しましたが、アウトリーチ研修は右から2段目にございますけれども、3部構成になっていまして、事前研修として東京で5日間合宿、みんな集まって宿泊し、その次に実地研修ということで支援団体の皆さんに御協力いただいて、実際に研修生として支援団体の中に入っていって、訪問支援の実践の場も踏んでいただく2週間程度という研修。最後に仕上げ、総括としての3日間の合宿形式での研修。手前味噌になりますが、手厚くといいますか、丁寧にしています。
    下の段に公的機関の職員の皆さん、民間の支援団体を対象とするものも、それぞれ5日間の合宿形式ということで東京で実施しています。
    4ページには地域協議会の設置状況です。1月時点での内閣府把握ということで、黄色の入った内閣府事業の活用地域を含めて、地域協議会として立ててネットワークを組んでいる自治体がこのように見られるということであります。
    もう一つの柱は調査研究でございまして、これも毎年度、ニーズのあるテーマを立てて取り組んでおります。これにつきましては6ページに、これはテーマだけで失礼しておりますが、一番上の22年の7月公表のものは、先ほど概要の説明でも事務局からございましたが、ひきこもり推計約70万人という調査でございました。あと、今年度取り組んでおりますのは昨年度からの引き続きなのですけれども、支援活動の各局面、ポイントを押さえた実際の支援実勢についての事例集を、専門家や支援の実践者の協力を得まして取りまとめていこう。支援の現場でその事例集を活用していただけるようなものとして取りまとめてみようという取組でございます。
    1ページに戻っていただきまして、その進み具合の自己評価、(2)のところでございまして、1点目の体制整備、ネットワーク整備のところのお話ですが、これまで内閣府の予算事業では30地域を対象に、うち20地域で協議会の設置がなされました。プラスほかの10地域の半分以上のところでも、今後設置予定ということで方向性はついております。内閣府の事業に加わっていただきますと、かなり前向きに取り組んで協議会の設置まで見られる。もちろん、協議会という体裁だけにこだわらず、実質のネットワークが肝心と思いますけれども、そういう取組が見られるということでございます。全国では自主的な取組も含めて60地域での設置という状況です。
    研修の関係は、これまで延べ1,000名の方に参加いただいて、参加者アンケートの平均満足度で捉えますと5段階評価の4.2、おおむね高い評価を得ているかなと思っております。さらに内容はよいものにと心がけているところでございます。
    調査研究の結果につきましてはホームページ等で広く公表して、関係機関、団体でもいろいろ生かしていただくように報告書の配付などを行っております。
    これらにつきましての課題が(3)でございますが、地域協議会という看板立てもそうですし、それに準じた実質の支援ネットワークの整備はさらに進める必要があると認識してございます。研修事業も成果や効果を十分に把握して、さらにニーズに応じたいいものをという考えです。
    調査研究に絡む点では、平成22年度からの比較的まだ新しい制度ですけれども、実際に各地域の支援ネットワークの現状とか課題とか、地域協議会自体の基礎自治体レベルも含めた設置運営状況を私ども必ずしもしっかり把握がまだかなっておりません。そのあたりも仕事の前提としてもしっかり把握して取り組んでいきたいという思いがございます。
    具体的に今後、最後の議論でございます。地域協議会の関係では、これまで取り組んできた予算事業も中身を見直して、都道府県・政令指定都市との連携を強めて、基礎自治体の取組を都道府県で大きく把握していただきながら、各都道府県域の全体のネットワークの整備について目配りもしていただいて、全国でのネットワーク整備を進めていけるように、より効率的に取り組めるような事業立てでということで見直しを考えております。
    2点目の研修の関係では、やりっぱなしというのはよくありませんので、そのフォローアップの方策を考えていきたい。また、アウトリーチの研修につきまして、地域の支援者に求められる支援のコーディネート能力とか、情報を発信していく力も高められるような研修内容を工夫してみたいと思っております。
    最後に、行政の仕事というのは実情、実態の把握が肝心ですので、行き届かないところ、地方公共団体の基礎自治体まで含めた支援行政の実情をしっかり把握する調査研究を来年度には行って、実情を踏まえた仕事を引き続き重ねていきたいという考えでございます。

2) ニート・高校中退の若者への支援(資料1-3)

  • 文部科学省
    文部科学省青少年課長でございます。
    1ページ、文部科学省としては高校中途退学者への支援ということで、現在までの取組といたしまして、まずは現状の把握ということを記載しております。児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査におきまして、全国の高校中退の状況を把握し公表しております。
    就労の支援等につきましては、各学校等における社会的・職業的自立に向けた総合的な支援をする観点から、地域若者サポートステーション等との連携について、各教育委員会等に依頼をしているところでございます。連携して進めているところでございます。
    (2)でございますけれども、数字、データでございますが、現在、高校中途退学者数は平成24年度で5万1,780人、中途退学率は1.5%でございます。経済的理由により高校中途退学者につきましては853人、1.6%ということで、この数年間減少しております。高校無償化等の政策も1つ貢献しているのではないかと考えられます。また、所得連動返済型奨学金制度の導入などを行っております。
    課題と今後の方向でございますけれども、引き続きサポステ等との連携についての充実・強化を図っていくことが必要であると考えています。
    2ページ目はデータでございます。高校中途退学者の推移のグラフ、下段のほうには理由別の一覧表と、一番下は経済的理由による退学者が減ってきているという状況のデータでございます。
  • 厚生労働省
    厚生労働省キャリア形成支援室長の浅野でございます。
    24年度審議状況報告における指摘にお答えするとともに、点検・評価シートに沿って御説明差し上げたいと思います。
    地域若者サポートステーション事業でございますけれども、御承知のようにニートの若者の職業的自立を支援するための事業でございまして、NPO法人などに委託する形で、地方自治体、教育委員会、高校、ハローワークなどと連携して事業を行っております。評判もいい事業でございまして、資料の5ページの右のグラフにもありますように、就職等進路決定者数も大きく伸びているところでございます。
    平成24年度の点検・評価会議第1部会でも、学校とサポステの連携をさらに強化していくべきといった御指摘をいただいたところでございますけれども、そういった御指摘なども受けて、子ども・若者白書などにも記載しておりますが、平成25年度より新たに、サポステ学校連携推進事業というものを開始いたしまして、高校などとの連携を強化して、高校中退者がニートとなることを防ぐとともに、合宿形式を含む生活面のサポートをしつつ、集中的に訓練を行う若年無業者等集中訓練プログラムを開始したところでございます。
    この地域若者サポートステーションでございますが、設置カ所数も全国160カ所となりまして、今年度11月末の時点で進路決定者数については、既に昨年度1年間の数字を上回ろうかという勢いでございます。また、学校との連携も、文部科学行政との連携で既に4,700の高校と何らかの関係を構築したところでございます。
    現在認識をしている課題でございますけれども、行政改革推進本部が実施をしました秋のレビューの対象事業となり、厳しい指摘を受けたところでございます。
    具体的にはまず1番目として、PDCAサイクルの活用による適切な事業運営が行われているとは言い難い。2番目、地方自体及び民間による取組、生活困窮者自立促進支援の枠組みが進められている中、終期を設けるなど事業の出口戦略が必要。3番目、学校連携事業については、ニート予備軍をサポステに誘導するような内容となっており、見直しが必要という指摘を受けました。これを受けまして、これまでも私どもサポステの実績についてはかなり細かく把握をしておりましたが、さらに詳細な実績や実態を把握するとともに、費用対効果の検証など事業の有効性を実証すべく力を尽くしているところでございます。
    平成25年度補正予算では、在学生の支援、生活困窮者であるニートに対する支援など、重複がある部分についてその徹底排除を求められたところでございますが、学校との間で構築した関係につきましては、引き続き大事にしまして、中退者がニートとなることを防止する、また、早期に支援することに努力していくこととしております。平成26年度当初予算におきましては、新たにサポステを経て何とか就職をした若者のステップアップを支援する、サポステ卒業者ステップアップ支援事業を行うべく予算計上しているところでございます。
    いずれにいたしましても、この地域若者サポートステーション事業は、内閣総理大臣が本部長を務めていらっしゃる子ども・若者育成支援推進本部において決定された子ども・若者ビジョンにも記載をされている、国として大事な事業でございます。見直すべきところは見直した上で、引き続きこの事業を進め、困難を抱える若者の職業的自立を支援してまいりたいと考えているところでございます。

3) ひきこもりへの支援(資料1-4)

  • 厚生労働省
    厚生労働省社会・援護局総務課でひきこもりの担当をしております日野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
    1ページ、大綱から現在までの取組というところでございますが、厚生労働省におきましては、ひきこもりに関する相談支援を、かつてから実施しておるところでございます。
    まず障害保健福祉分野で申し上げますと、精神保健福祉センターや保健所において思春期相談という形でやってきております。また、子どもの分野ということであれば、児童相談所における相談というものも以前から引き続きやっているとともに、そこで相談を受ける方に対しての資質向上ということで、研修なども含めて人材育成に取り組んでいるところでございます。
    比較的新しい取組といたしましては、厚生労働省の資料の一番最後のページにございますが、平成21年よりひきこもりに特化した専門相談窓口として、ひきこもり地域支援センターを全国の都道府県・指定都市に設置を進めてきております。
    ひきこもり地域支援センターというのは、ひきこもりの状態にある方と御本人がどこにひきこもりの相談をしに行ったらいいのかということがわからないということで、御家庭で抱えてしまっている方々もいらっしゃるということもあります。その相談先を明確にすることによって、より適切な支援に早期に結びつけていこうということで始まったものでございます。
    平成21年度から設置を進めておりまして、全国67の都道府県・指定都市のうち、現在43の自治体において設置をされております。全体で6割を超えている状況でありますが、このセンターは今、ひきこもりの方は非常に高齢化が進んでいるということもございますので、年齢の枠にとらわれず、まずここのセンターに相談をしていただくことによって、その方の状態を適切に把握して、医療的ケアが必要である方については医療機関、または保健福祉的なケアが必要である方については精神保健福祉センターや福祉施設、雇用への力があるような方については雇用関係の機関である地域若者サポートステーションであるとか雇用関係機関に結んで、より適切な施策に結ぶという役割を果たしております。
    ひきこもりの方は、長期になればなるほど復帰が非常に難しいということもございますので、より早期に適切なところの機関に結ぶという取組をしております。こちらの会議の24年度の審議状況の報告で、個人の状況によって画一的なサービス提供になることなく、多角的な支援が必要だということの提言をいただいておりますので、私どもも個々人の状態によって適切な多方面との連携をはかりながら、適切な支援が行われるように進めているところでございます。
    25年度から始めた事業といたしましては、これまで都道府県、指定都市でセンターを構えて相談支援を行ってきたわけでございますが、ひきこもりを抱える御家族の方、御本人というのは地域で生活をされていることがございますので、私どもから地域に出張って支援をさせていただくという意味で、ひきこもりのサポーターというものを養成させていただいて、地域の御家庭に出向いて支援することによって早期にひきこもりの状態にある方を発見して、適切な支援に結ぶということの取組を進めているところでございます。
    進捗の自己評価といいますのは、先ほども少し触れましたが、このひきこもりに特化した地域支援センターの全都道府県指定都市への設置に向けて引き続き取り組むとともに、この地域に根差したサポーターの養成派遣事業というものの定着に力を注いでいっているところでございます。
    3番の現在認識している課題ということでございますが、ひきこもりというものが非常に長期化しているということと、若者だけの問題だけではなくて高齢化が非常に進んでいるということがございますので、年齢で区切った施策ではなくて、幅広いひきひもりという状態に着目した支援というものが必要ではないかと考えております。
    また、新しい機関をつくるということではなくて、既にある関係する社会資源との連携、ネットワークを最大限活用することによって、適切な支援を効率的に提供していきたいと考えております。
    今後の方向性でございますが、引き続き精神保健福祉センター、保健所、児童相談所における相談支援につきましては継続をさせていただくとともに、ひきこもり地域支援センターという地域におけるネットワークの構築に力をそそいでいきたいと考えております。
    また、ひきこもりサポーターの養成・派遣事業により、ひきこもりの方と地域がお住まいの方が生活されている身近な地域、いわゆる基礎自治体においてしっかりとした支援体制が強化できるような取組が必要ではないかということで、私ども地域に根差した実効性のある、継続性のある支援を引き続きやるべきであるということで考えておりまして、そこに力を注ぎながら施策を進めていきたいと考えております。

4) 不登校の子ども・若者への支援(資料1-5)

  • 文部科学省
    1ページ、不登校の子ども・若者への支援でございます。
    (1)でございますが、各地域の取組といたしまして、各学校・教育委員会におきまして、家庭・地域・関係機関と定期的に情報交換等を行う連携体制の構築あるいは教育相談体制を整備しております。また、学習面におきましては学習指導を行う教育支援センター(適応指導教室)を設置・運営しております。
    政府といたしましては、不登校の未然防止、不登校の子どもへの必要な支援のあり方の検討のために不登校経験者の状況を把握するための調査の実施、各自治体等が地域の実情に応じて設定した生徒指導、進路指導上の諸課題に対応したNPO等を活用した先導的な取組支援などを行っております。
    (2)でございますが、小・中・高等学校の不登校児童数。平成24年度17万353人、在籍者数に占める割合1.24%でございます。教育相談体制の整備といたしましてはスクールカウンセラーあるいはスクールソーシャルワーカーの配置を増やしてきているところでございます。不登校だけではなくていじめの問題への対応等もあり、近年、体制を強化しております。
    また、生徒指導・進路指導、総合推進事業あるいはいじめ対策等生徒指導推進事業等で、地方公共団体でありますとか、NPO法人等に調査研究を委託し、その成果を全国に普及するといった取組をしております。
    課題と今後の方向性でございますけれども、引き続きスクールカウンセラー等による教育相談体制の整備・充実、それから、今年度末に取りまとめを予定しております不登校生徒に関する追跡調査の結果などを踏まえて効果的な不登校への対策を検討していきたいと考えております。
    以下、参考資料ですが、2ページ目には小中学校、先ほど小中高で合わせて17万人でございますが、2ページ目は小中学校11万3,000人で1.09%。3ページ目は高等学校5万8,000人で割合が1.72%のデータでございます。

<2> 植山構成員・谷口構成員からのプレゼンテーション

  • 植山構成員(資料1-6)
    文部科学省のほうからデータの御発表がありましたので、その部分は割愛させていただきますけれども、不登校に関する文部科学省の定義を確認しておきたいのですけれども、「年間30日以上の欠席の児童生徒のうち、病気や経済的な事情を除き、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、指導生徒が登校しない、あるいはしたくてもできない状況にある者」ということで、これをカウントしています。
    それ以外にも実は長期欠席という生徒はおりますし、不登校的な要素を持っていても欠席にカウントされていない児童生徒も、実はいます。適応指導教室に在籍している生徒は出席扱いになりますのでカウントされていません。それから、別室登校をしている生徒とか、認められているフリースクール等に登校している生徒も、この中にカウントされていないという事実があります。不登校が減っているのは確かなのですけれども、カウントされていない部分を含み込んで考えなければいけないという事実があるかと思います。特に高等学校での不登校が増えているというのに私は着目をしています。
    学年別の不登校児童生徒数というものを少し抜き出してみたのですけれども、小学校から中学校に上がるときに、まず数が増えています。国立教育政策研究所によると、小学校の段階で準備状態にある児童が中学校に上がったことを契機に、早期に不登校状態に陥るのではないか、小中連携が非常に重要ではないかというデータが出ています。
    これは私の臨床実感からも一致するところがありまして、小学校で準備状態にありますと、中学校入学後に不登校が始まる時期が早いというデータがあるのです。連休明けに出てくる不登校は準備状態があった子だと。そうでない子の場合は2学期、9月、夏休み明けから出るという傾向があるのではないかということです。準備状態のある子に関しては、1日でも欠席があった場合に理由が風邪等であったとしても、その部分も含み込んだ対応をすべきではないかというようなことが出ています。
    高校の学年別不登校生徒数を御覧いただきたいのですが、単位制高校の在籍者数が最も多いわけです。単位制高校に進学する生徒というのは、多くは不登校を経験している、あるいは不登校状態になっていた生徒が進学している可能性が高いので、中学校でかろうじて適応していた子が高校に上がって、この進路を選んだけれども、やはり適応し切れなかったというようなことが考えられるのではないかと思っています。
    もう一点、これはマスコミからの報道なので事実はわかりませんが、大学生の中退者数が6万という数字が出ているそうです。それも大学1年生で退学する率が高いというので、この理由等についてはこれから調査されると思いますが、不登校生徒の中には単位制高校あるいはサポート校、東京都の場合はチャレンジスクールのようなところに進学をして、大学まで進学するケースも増えてきているのですが、大学に入ってダウンしてしまうというケースもあるのかなと思います。高校段階ではある程度適用できたとしても、先へ先へ課題を送っている可能性があるので、長期的な展望を持って対応していく必要があるかなと考えています。
    不登校がなぜ起きて、なぜ持続するのかということを考えてみたいのですが、文部科学省によりますと、きっかけになるもので最もパーセンテージが多いのは無気力とか不安等の情緒的混乱というパーセンテージが高い。これはきっかけというより、この背景にあるものがきっかけになろうと思いますので、データでは拾い切れていない部分があるかと思います。
    私は模式図的に説明することがあるのですが、不登校というのはあくまでも現象でありまして、その背景にはさまざまなものがございます。考えられることを書いただけでもかなり多様な要素があるので、一つ一つの個別の事例についてどの部分に力を入れて対応すべきかということを検討しなければいけません。かなり専門性が高い、多様なアプローチが必要だということですから、専門性の高さが要求されるということです。それと、引き金があったとしても、不登校になってそれが維持されるケースとそうでないケースがありますので、何が不登校を促進したり強化したりしているかということを検討しなければいけないと思います。
    現場で先生方とお話をしていて感じますのは、事例の個別性と複雑性を理解して、個別の対応をすることが実はとても難しいのだなということです。不登校の背景に余りにもいろいろなことが考えられるので、担任の先生1人だけあるいは学年だけで対応するというのは難しい。特に小学校の場合は、担任はほぼ全科を持っていらっしゃるという関係で、学校に来ていないお子さんに対する対応をするためには、校内のチームアプローチが非常に大事になってくると考えられます。
    それから、生育歴上で非常に根深い問題が存在する事例というのが実感として増えているかなと思います。長引く事例はそういう可能性が高いので、そういう意味でも早期に手を入れることが大事かなと思っています。
    ところが、長期展望がすごく持ちにくいところがありまして、私も中学校のスクールカウンセラーをさせていただいていますけれども、卒業するとフォローアップできないのです。たまたま今回、高校でもカウンセラーを体験させていただいていますが、高校を卒業するとまた見えなくなってしまいます。文部科学省が調査していらっしゃる追跡調査の結果が大変興味深いところです。長期的な見通しを持って対応することによって早い時期により効果的な対応ができるかなと思います。
    今後に向けて考えておりますのは、早期の対応から言いますと、これは特別支援教育の充実ということがかなり大きな効果を上げるのではないかと考えています。発達障害の有無だけではなくて、それぞれの子どもの発達の特徴に合わせた教育環境を準備することができれば、たとえ1回つまずきがあったとしても、それは成長の糧にできるわけです。そういった意味で全ての生徒にとって望ましい、好ましい教育環境を整備するという特別支援教育の充実がより望まれると考えます。
    ところが、そのための先生方の研修や実習の機会なのですけれども、皆さん御存じのように大変学校現場は忙しい。研修はするのだけれども、下手をしますと済みません15分で話してくださいとか、1時間で特別支援教育の全てをしゃべってくださいとか、不登校理解を30分でお願いしますということがあるわけです。これでは、知識としてわかったとしても、腑に落ちてその先生の言葉となるまでの時間が保障されない、さまざまな事例に対応した結果として体験的に得られた情緒的なものを伴った対応ができにくいということがありますので、ここの保障が必要かなと思います。
    先生方の負担を減らすためにも、多職種の専門家チームがバックアップしていくことが重要であります。東京都の場合はですけれども、現在、スクールカウンセラーは非常勤職年間35回、自治体によっては週1回勤務ができないというところもあります。それからスクールソーシャルワーカーはもっと数が少なくて、もっと勤務状態が厳しい状態でやっていただいている。
    もう一つ考えていますのは、やはりスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーだけではなく、その他の例えば適応指導教室の専門家の質と量も保障しなければ難しいのではないかと思いますし、家庭要因をベースに働きかけるという意味では、もっと低年齢から保健師などとの連携も必要になってくるかなと考えています。
    同時に、どう考えても今の公教育の現場が合わないなという児童生徒はいるのです。そのときに、一過的に別の学びの場が準備できるということがありますと、その子なりの育ちができるかなというふうに考えておりますので、そのあたりを今後の充実として期待したいと思っております。
  • 谷口構成員(資料1-7)
    我々が活動を開始した当初から掲げている、この分野の支援を考える上で、欠くことのできない3つの重要な視点がございます。まずそれを御紹介したいと思います。
    まず第1点目は、公的支援の在り方。かなり拡充をしてきているのだけれども、結果として社会的に問題が改善されたとは言い難い。この点を鑑みると、やはり本当に支援が必要な子ども・若者に支援が行き届いていない現実があるのではないか。相談者が来ることを待つ、こういった消極的な姿勢では問題の解決に至らないのではなかろうかという視点であります。
    2点目は、先ほど植山構成員の話にもありましたけれども、表面的な状態を追うのではなく、その背景にある要因までしっかりと目を向ける必要があります。生育環境の問題を抱える子どもたちの割合は増えていると、我々、現場では感じています。単なる助言だけで後は当事者任せという姿勢ではなく、背景の環境要因にもしっかりと責任を持ったアプローチを行い、支援を展開していく。そういった直接的な支援が必要なのではないか、という視点であります。
    最後に3つ目なのですが、これは縦割りの問題、やはりライフステージの問題というものも出てくるかと思います。義務教育段階までは手厚くても、高校を中退してしまうと支援に結びつくことが難しくなる現実。これをしっかりと鑑みて、社会的な自立、職業的な自立に至るまでの一貫した支援を行っていくべきではなかろうかと考えています。
    こういった点においては、実は政府は、大枠の方針をしっかりと示していると思っております。平成19年、第一次安倍政権の時代の再チャレンジ支援策で、若者支援5原則が公表されており、全ての若者を対象として、あらゆる悩みに答え、アウトリーチを行って、ネットワークを活用して、しっかりと自立まで責任を持とう、こういった具体的な方向性を既に示していただいております。
    それを実現するための手立てとして、子ども・若者育成支援推進法に理念と枠組みが盛り込まれているわけであります。しかしながら、先ほどの御報告にもありましたように、まだ予算的な問題もあり、運用はなかなか進んでいない部分も現実的にはある。多くの自治体は、地域若者サポートステーション事業を活用することによって、子ども・若者育成支援推進法の目指す方向性を実現しようと努力している現状があると思います。
    そういった意味でも地域若者サポートステーション事業の国策としての有用性が指摘できるわけでございますけれども、この事業の特徴というところでいきますと、国と地方自治体が協働しているところに大きな点が1つあろうかと思います。国が基盤を整え、地域の実情に応じて自治体がカスタマイズした事業をくっつけていく、非常に柔軟性のある事業だと思いますし、さらには従来型の公的支援で対応できなかった対象者を支援するわけですから、NPOなど民間のノウハウというものを積極的に活用することよって、従来の枠組みを超えた支援というものが実現してきています。
    こういった取組の成果もあって、さまざまな政府の関係する計画・通知等にサポートステーションの取組拡充というものが盛り込まれていたわけなのですが、先ほど厚生労働省の御説明にもありましたように、行政改革推進会議での結果を受けて予算が大幅な減額となっております。場所によっては、1カ所当たり一千数百万の減額ということですから、貴重な自立支援ノウハウを持った支援者の雇用が相当数失われてしまう。支援体制としては非常に厳しい条件が現場には求められているという状況です。
    行政改革推進会議でのデータの処理の仕方には、現場からは疑問の声も上がってきております。実際に、画面に出しておりますように年々その実績は上がっておりますし、佐賀に限って申しますとニーズも右肩上がりでございますし、進路決定者数もかなり多く輩出している。就業構造基本調査によると、平成19年、サポートステーションが立ち上がった当初は4,900名いた若年無業者数が、平成24年には3,400人まで減っている。パーセンテージも下がっているということでございます。あくまでもこれは抽出調査ではありますが、こういった社会的な結果も整ってきているということでございます。
    もう一つ、レビューで指摘されていたPDCAサイクルについては、それがまさにこれまでの公的支援とは異なる、この事業の1つの特徴になっていたのではなかろうかと考えております。今、画面に出しましたように企画競争も、自治体の推薦で第1段階、さらには国が選定をするということで2段階の企画競争で選定された団体が事業を実施するということでございますし、それも目標値管理、さらには結果、実績を踏まえて次年度の予算まで傾斜配分されるといった形で、これまでにはなかった結果重視の運営スタイルでPDCAサイクルを回しているところです。
    地方自治体との協働がもたらすPDCAサイクルで申しますと、地域若者サポートステーションでできたネットワークでは、結果を共有することによって年々改善が試みられまして、実際に、都道府県の子ども・若者育成支援推進法に基づく協議会の中でしっかりと生かされているということであります。その結果、今、画面に出しておりますように、義務教育段階、高校教育段階、さらには就労段階で、さまざまな自治体、市町レベルまで、地域若者サポートステーションが基盤になることで支援事業が展開されている。そうすることによって、佐賀市は不登校数・割合も減少していっておりますし、先ほど申し上げましたように若年無業者数の数も減ってきています。これはPDCAサイクルの効果だと考えているところであります。
    行政事業レビューの中で指摘されていたのは、ハローワークに対してつないでいけばいいのではないか、求職できているのであればサポートステーションが関与する必要はないのではないか、ということだと聞いておりますが、佐賀では、ハローワーク特区に認定されておりまして、県知事の下で柔軟な運営がなされています。ジョブカフェ、ヤングハローワーク、サポートステーションの3者を合わせて「ユメタネ」と呼ぶようにして、支援対象者の情報を共有できるような仕組みを整えています。何が特徴かといえば、やはり入り口段階ではサポートステーションなのです。アウトリーチをかけてこれまで行政の窓口には来られなかった若者をしっかりと誘導して、さらには継続的な支援の中でもコーディネーターとして伴走して、その支援が途切れることなく専門的に支援していく。若者も世代によって価値観も文化も違います。そういったものも踏まえた上でサポートステーションがきめ細かな自立支援を展開することによって、ジョブカフェ、ヤングハローワークでの就職支援がスムーズに、円滑に行われていくということであります。
    こういった仕組みが果たしてサポートステーションがなくなって成り立つのかと申しますと、そうではない。今、画面に出しておりますように、佐賀サポステの利用者の紹介元の内訳では、実は6割が、行政機関からの相談が最初のスタートになっています。そこから当事者にコンタクトをとって、アウトリーチをかけて誘導を図ってという支援の過程があります。
    行政機関側から非常に頼りにされており、年々行政からの依頼というものが増えています。それは、子どもたち、若者が抱える背景というものが非常に深刻化、複雑化している流れがあるということなのです。分野横断的に支援するための仕組みとしてのサポートステーションは有用性が高いと考えているところであります。
    最後、支援対象者の性質上、困難な事例は生活困窮者自立支援法の施行に合わせて引き継げばいいではないかといった御意見もいただくのですが、そもそも論として、生活困窮者自立支援法が対象とする生活困窮者は、非課税世帯を中心としたいわゆるまさに現に経済的に困窮しているという若者たちということであります。
    前回、プレゼンをさせていただいたときに、我々の実態調査の中で、サポートステーションの利用者数の22.9%が非支援困難者であることを申し上げました。この点に照らし合わせていくと、生活困窮者は数パーセントにしか満たないということなのです。経済的にはぎりぎり食べていけるということなのですが、支援のためにプラスアルファで支出することができない。いわゆるグレーゾーンの状態にある御家庭が割合高いということでございます。さらには、生活困窮者とそうでない方を一緒くたにして支援ができるか。例えば15歳で職業経験が何もない若年無業者へのセミナーと60代で複数の職業経験がある方を一緒に同じ場所で支援できるかと言えば、それには限界があるということでございますから、やはり若者に関しては地域若者サポートステーションとの連携によってしっかりと運営をしていくという方向性は譲ってはならないだろうと思うところでございます。
    平成25年4月から12月の進路決定者数は、佐賀では370名おりました。その中から進学を除けば、278名がいわゆる就職ということでございますが、このうちの約50%は、いわゆる家庭環境に問題がある、あるいは経済的なハンデがありました。大体半数が将来的に生活保護のリスクがあったという仮定から想定をした場合に、この139名がもし生活保護にそのままいったら、1億6,680万円の税金が投じられなければいけないということになります。
    しかしながら、彼らが就職したことによってどういうことが起こるのか。年収を200万と低く設定してでも、実は1億8万円の納税が見込まれる。今年度の途中経過だけでもこれだけの成果を生み出しているということであります。差額を見ていくと2億6,000万を超えるということでございますから、これだけ投資効果の高い施策はないのではなかろうかと考えるところであります。平成18年から佐賀の累計では1,284名が就職者ということでございますから、計算するだけで12億3,264万円。これだけの税金がプラスになっていくということ。精神疾患等を抱えた若者たちにおける医療費等ということまで加味すれば、さらに大きな数字が出てくるということでございますから、こういった点についてはしっかりと見極めた上で、単なる事業費と対象者の数といった旧来型の事業評価ではなく、しっかりと波及効果も含め、全体的な要素というものを加えて検討していく必要があると考えているところです。

<3> 意見交換

  • 松原構成員
    植山構成員の資料にある小中高の不登校児童生徒数の推移を見て、如実だなと思うのは、結局、高校で不登校になりますと、いわゆる教育という場からいられなくなって、高校から出ていってしまう。だから学年を経るたびに減っていく。所属をするところがなくなったときに、谷口構成員がおっしゃるような支援がないと、しばらく何もアプローチをしない、できない。もちろんアウトリーチもなければそこも届かないということで、その中で、所属のない状態が固定していってしまうという懸念があります。
    谷口構成員の資料では、教育から相談が来ているのは十何パーセントしかないということで、必ずしも教育から直結していないのだなというのもよくわかります。特に高校の子どもたちについては、まさに今日のテーマであるネットワークがきちんと働いていて、きちんとそこを引き継いでいくようなところがないと、なかなかうまくいかないのだなという感想を持ちました。
  • 今村構成員
    今回のテーマでありますネットワークを作っていくという観点で、私が今、被災地である岩手県の大槌町で取り組んでいることを、少し御紹介させていただきたいと思います。
    岩手県の大槌町と宮城県の女川町は今回、震災によって1割の住民が亡くなってしまったと同時に、子どもたちにとっての居場所もほとんどなくなりました。
    今、全国的には、放課後の子どもたちの居場所という意味で一番機能しているのは学習塾だということが、1つの観点として挙げられると思っています。小学生、中学生合わせて70%以上の方々が、何らかの学校外教育の機会を既に得ているというデータも平成20年の段階で発表されているかと思います。
    被災地においては、学習塾ごと流されてしまったという状態でしたので、私たちは今、現地の方々を雇用するという形で、女川町と大槌町に12名ずつのサポート要員を配置しまして、文部科学省のスクールカウンセラー等派遣事業を活用して、活動させていただいております。
    学習塾の先生方の活用というのは、物すごく効果を発揮しています。学校が終わった後、町の7割ぐらいの子が通ってくるようになっています。学校と連携をとっていて、塾としてこの曜日に通ってくる子と、ただ勉強しに来る子と、遊びに来る子がバスに乗ってやってくる、被災地特有の交通事情もありますのでそういう形にしているのですけれども、放課後に若いお兄さん、お姉さんや学習塾の先生のような利害関係のない人を置いておくことによって、子どもたちからの相談が本当に多いのです。家庭で実はこんなことが起きているとか、自慢げにリストカットの痕を見せてくるとか、放課後なので気を緩めてか、かなりたくさんの相談をスタッフにします。
    そこで私たちのところでは、子どもたちが集まっている場所では子どもたちの多様なニーズに応えた機能を持っていくべきだということで、スタッフの臨床心理士の先生にお願いをして、塾の先生が子どもたちと向かい合う上で必要な専門性をつけていくという研修を少しずつ始めています。
    また、これは被災地だけではありませんが、この子がこの子にお金が盗まれたと騒いでいますとか、SNS上でこういういじめが実はあるそうですとか、細かい発見が早期の段階でできるので、子どもたちが既に通っている学習塾の先生方をネットワークをつくっていく上でどうプレイヤーとして巻き込んでいくのかということも、今後検討していくといいのかなと思っております。
  • 奥山構成員
    子どもへの支援については、この前もお話した児童福祉法に基づく要保護児童対策協議会があります。どちらかというと市町村の公的機関が中心ということになります。
    切れ目のない支援ということを考えたときに、要保護児童対策協議会でかかわる子どもたちというのは大体18歳未満までとなっております。若者の問題の背景には養育状況に問題があることが多いわけですから、子ども・若者支援地域協議会と要保護児童対策協議会がどういうふうにうまくつながっていくのかというのが、1つ大きなテーマとして考えてもいいと思います。
  • 宮本座長
    今のお話は少し議論が必要な部分かなと思うのですけれども、子ども・若者支援地域協議会と要保護児童対策協議会、地域サポートステーションも協議会組織になっております。これらが微妙に重なっているわけですけれども、実際にはなかなかうまく重なって機能するというのはかなり難しい話で、このあたりについて、谷口構成員、実際にやっていていかがですか。
  • 谷口構成員
    実は現場レベルでみると、これらのネットワークの構成員はほとんど同じですし、それぞれの支援対象者も実は共通性があります。そういう点から考えると、しっかりと運用ルールというものを決めて、一定程度統合していく方向を考えなければいけない時期に来ているのだろうと思うのです。
    実効性のあるところで考えていくと、地域サポートステーションのネットワークは予算を伴っているネットワークです。子ども・若者支援地域協議会は残念ながら国から予算がついておらず、設置は現在のところ努力義務ということですし、全国的にみると従来から要保護児童対策協議会がしっかりと動いている地域ではそちらの力のほうが強い。しかし、要保護地頭では支援できる年齢的な壁が出てくるのだろうと思います。それを突破するということで考えると、義務教育終了後から30代までを支援対象とするサポートステーションが予算を伴う国の事業として組み込まれているからこそ、佐賀県の子ども・若者育成支援推進法に基づく協議会というのがうまく機能しているわけです。そういった現場の実情という点も踏まえて、現実的に動く仕組みとしてもう一回、再整理していく必要があるのだろうと思います。
  • 宮本座長
    それぞれのネットワークが対象とする子ども・若者の年齢が少しずつ違い、おそらくサポートステーションの対象年齢が一番上で、サポートステーションがないと若年層だけで終わるという点について、つけ加えて御意見ありますか。
  • 谷口構成員
    佐賀県の子ども・若者支援地域協議会は0~30代までとなっており、予算の問題は別として、子ども・若者支援地域協議会が一番広いネットワークになっています。さらに今回、佐賀市では、生活困窮者自立支援法に係るモデル事業の取組も進めさせていただいておりますので、年齢が取っ払われた形で、我々のNPO組織に関しては委託契約の下で関与することができることになっています。しかしながら、それはあくまでも佐賀市限定になってしまうのです。モデル地域だけということになりますから、非常に難しい運用ではあるということです。
    おそらく、年齢を突破するに当たっても、結局のところ実働部隊が備わっていないと絵に描いた餅になってしまうということなのです。佐賀では、義務教育段階に関しては教育委員会が文部科学省からの委託事業を我々に再委託をしたり、あるいは佐賀市がICTを活用した完全不登校対策のための訪問支援事業をつくっていただいたり、学校の相談室に22名の常駐のNPO職員を配置するといった事業をつくっていただいたりしています。それが結果的に支援の実働部隊となって、家庭的に問題を抱えている、虐待の疑いがあるといった子どもたちにもアプローチしていって、卒業後も継続的にサポートステーションで支援を行っていくという流れが出てきています。要はいかにネットワークの中に具体的な支援事業として組み込んで、カスタマイズしていくかというところまで考えないと、年齢の壁を突破できないのだろうと思います。
  • 植山構成員
    学校の中に相談員がいてくださるというのは、他のスクールカウンセラーの話を聞いておりますと、やはり効果的なようでして、ぜひそれは充実する必要があるだろう。相談員がいることを実はスクールカウンセラーも知らなくて、うまく勤務日が合えばスクールカウンセラーと協働ができればいいのですけれども、非常勤職同士ですとなかなかそこで合わないので、校内での連携がもしかしたらできていないのかなというのもあります。
    小中の段階では、先ほどの不登校にしても何にしても、いろいろと校内委員会をつくることになっているのですが、学校の中も外も、同じ人が重なっているけれども、違う委員会ということになりますと、精査をしてうまく機能的にできるようにしないと難しいかなというのも1点あります。
    もう一点、居場所の件なのですけれども、学習塾には既に子どもたちが集まっているというお話でしたけれども、集まっている子どもたちをサポートするために学習塾は大事だと思います。県レベルの事業だと思いますが、児童のデイケア的な事業を学習塾がNPOとして引き受けてやっていらっしゃるところもあるようなので、そういう何か公的なところとタイアップすることができれば可能なのかなと思いました。
    それから、適応指導の問題。文部科学省も考えてくださっているとは思うのですが、何しろ適応指導の場がない、それから、公的なところは日中しかできないので、夕方以降、放課後と休日の問題が大きいというふうに、指導していらっしゃるスタッフの方は言っていらっしゃいます。実は問題が起こるのは夜間であったりとか休日でありますが、そこには受け皿がないという問題があります。高校生年齢になって語り始めて初めてわかってくる虐待の問題があって、18歳未満という児童福祉法の壁がありますので早く何とかしたいのですが、児童相談所のほうで高校生年齢ですとなかなか保護してもらえない。前回も申し上げたかもしれませんが、一時保護されると学校に来られなくなるから保護を取り下げるということもありまして、どういう居場所を用意すべきなのかということを少し検討したほうがいいかなと思います。
  • 相原構成員
    私はある区の権利擁護委員ということをやって、実際に子どもたちの声とか聞いていて、ほとんど不登校になりかけて、もしくはいじめがある事例を目にします。スクールカウンセラーが非常に重要だろうと思うのですが、子どもからは話しても意味がないというような回答が返ってくることがままあります。
    先ほどの研修のことにもなるのかもしれませんが、スクールカウンセラーの配置数がかなり充実してきているというのはよくわかっているのですが、これから先はどのぐらいその方たちが機能できているのかを検証する段階に入っているのではないか。スクールカウンセラーが、非常勤などいろいろな立場があるのかなと思うのですけれども、学校組織の中でどのように働きかけていけるのか。それから、守秘義務との関係がありますし、親御さんとの関係も含めて活躍できるのかを考える段階にあるのではないかと個人的には感じております。
    ネットワークにつきましては、いわゆるキーパーソンといいますか、誰が中心になるか。連携の中でアウトリーチをどうするといっても、多分みんなが集まってわっと行ってもしようがないところがあって、キーパーソンの人がきちんと把握できて、1人の子を見守っていくような体制ができないと途切れる。
    これも個人的な体験ですけれども、いじめなどで不登校になってしまうと親御さんが引っ越しを考える。転居して何とか次の学校でと思う。ただ、家庭内の問題が背景だったりすると決して解決にはならない。そういうことでだんだん情報もそこで途切れる。教育委員会同士では前の学校の情報も引き継いではいるようではあるのですけれども、そもそも先入観で見てはいけないという意味もあるし、かといって問題もちゃんと理解しなければいけないし、何かそういう狭間にあるようです。転居を重ねるなどすると、中学校や高校の段階で情報が切れてしまって、1人の子を見守っていけないという感想を持ちました。
  • 松原構成員
    スクールカウンセラーの話が出ましたので、スクールソーシャルワーカーの話もしたいと思います。
    スクールソーシャルワーカーは非常に有効なシステムだと思っているのですけれども、圧倒的に多くは非常勤の勤務体制です。そうすると学校の先生は授業を終えても授業以外のさまざまな業務がありますから、先生がお仕事を終えるころには非常勤のスクールソーシャルワーカーの勤務時間は過ぎており、現実的になかなか先生たちと相談をしようにもできない。スクールソーシャルワーカーが担任の先生と相談できない物理的な環境にあるというのが1点。
    もう1点は、これも形態はさまざまなのですけれども、教育委員会に所属をして校長先生が派遣要請をするというシステムをとっていますと、校長先生がスクールソーシャルワーカーに御理解がなければ、なかなか派遣要請が来ない。だから担任の先生にもスクールソーシャルワーカーが知られないということになりかねない。
    非常にいいシステムを文部科学省が入れていただいたのだと思うので、もう少し実態的にこういった方たちが活動できるようになったらなと思いますし、ソーシャルワーカーという名称がついておりますので、やはり福祉にきちんと素養のある方、知識と経験のある方がそういう場についていけるようなシステムにつくり変えていくと、もう少し役に立っていくかなと思います。
    また、先ほどの奥山構成員の御発言に関連してなのですけれども、1人の子ども・若者に何か課題があったときにネットワークを形成しようということはかなり今、現実的になってきていると思うのですが、ある時点での横のネットワークではなくて、年齢が上がっていくときに橋渡しをしていく、年齢を縦断していく縦のネットワークというものが、これからの課題かなと考えております。
  • 谷口構成員
    やはり非常勤というところの限界性はあると思います。また、個人に対する契約も限界があると思っているのです。
    先ほど申し上げたように、世の中の問題というのは複雑化、深刻化している。ここにしっかりと着眼しなければいけない。そうすると、1人のカウンセラーができることの限界というのも1回見定めた上で、事業を組んでいく必要がある。だから、これからはチーム対応が原則だと考えているところです。専門資格を持つ複数のメンバーが協議しながら一定の方針を定めていくことができる。こういった体制を学校の中でもつくっていかなければいけないと思います。
    スクールカウンセラーの運用に当たっては、臨床心理士の活用が重要ですが、プラスアルファで、NPOであるとか、あるいは臨床心理士会であるとか、そういったチームが所属する法人に委託を行う形で、その枠を運用する。そうすることによって、これまで対応できなかった複合的な問題にも解決策を見出すことができるようになる。個人との契約で不安定な非常勤枠でも、立ち回りとして組織として動くことによって、時間的な融通というものを突破することができる可能性も広がってくると思いますから、それは検討していただきたい1つの方策だと思います。
    もう一つは、先ほどのライフステージを乗り越えていくというところに限ってまた話をさせていただきますが、イギリスのコネクションズが目指したような方向性を見定めていく必要があるのだろうと思います。
    せっかく要保護児童対策協議会もありますし、子ども・若者育成支援法に基づく協議会もありますし、サポートステーションも動いた。ネットワークを活用していく中での課題、成果は見えてきたのだと思うのです。
    発展的に取り組みを進めるためには次どうするかというと、以前の会議でも問題になりましたけれども、個人情報をしっかりと一定の機関が集約して、そこで常にその子がどういうふうな状態にあるのかというものを継続的にフォローしていく。そういう仕組みづくりをこれから検討していく必要があるのだろうと思いますし、そのためには当然、先ほど申し上げたように個に対する限界というものがありますから、必ずその支援機関には複数のプロの専門職が常駐をしてチーム対応で問題解決を図っていく。個人情報を当事者が提供してもいいと思えるような信頼を置ける機関をつくっていく必要があるのだろうと思います。
    そういう意味でも、先ほど厚生労働省からお話があったような、サポートステーションを卒業した後も継続的にフォローしていくステップアップ事業を進めていく。また、教育委員会や学校の中でチーム対応をし、年齢が上がっても対応をする。この両面から取り組み、最終的には合流をしてワンストップで対応ができるような、そういった強力な相談支援機関を構築していく必要があるのではなかろうかと思います。
  • 植山構成員
    今のお話はもっともだと思いますし、専門性のスキルアップというところがとても大事だと思うのですけれども、スクールカウンセラーに関してもスクールソーシャルワーカーに関しても、スクールソーシャルワーカーとして、スクールカウンセラーとして養成されているわけではない。結局、臨床心理士その他の資格もありますから、そうして資格をとった上で学校現場に入って、現場でトレーニングをしていくしかない現実があります。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーに特化した形で養成できるようになりますと、もう少し即戦力といいますか、現場に対応可能な人材の育成が可能かもしれない。
    また、学校に専門家としてぜひ法律家を入れていって欲しいなと思っております。
  • 松原構成員
    社会福祉士養成校協会というところでは、スクールソーシャルワーカーの養成の認定をしております。厚生労働省管轄の部分という面もあって、将来的に融合できていけるといいなと考えております。
  • 古賀構成員
    少し違う方向になってしまうかもしれないのですけれども、秋田県の藤里町では、ひきこもりの方々をアウトリーチで丁寧に調べていったら、「中間的就労の場」があることが社会に出てくるもとになったというお話を伺いました。
    福祉、医療の領域も充実してきたので、これと就労、非常に広い意味の労働的能力や社会参加能力との接続をもう少し図っていただくことがあったら、ずっとお話にあったような縦のライフコースに応じたネットワークづくりに非常に重要な貢献をするのではないかという印象があります。そこのところがいま一つ見えにくいという印象を持つのです。支援自体は非常に大事なのですが、自立にどうつなげていくのか。労働と福祉といったものをどうつなげていくのかは考えてみていいことかなと思った次第です。
  • 宮本座長
    ずっと子ども・若者の問題を見てきて、足りないと感じることなのですけれども、学校に行かなくなったとして支援をしても最終的に自立するというゴールが見えない限り、全部ぷつんぷつん切れていくわけなのです。年齢的に言うと大人の年齢で最終的に自立するところまで見える仕組みをつくらない限りは、小中高の段階でいろいろやってもある意味で徒労に終わってしまう。そういう意味で、教育・労働・福祉の機能を完全につなげない限りは、税金無駄遣いなどと言われかねない。なかなか税金が十分に投下されないで効果は上がりにくいのですけれども、最終的なゴールまで見据えた仕組みをつくらなければいけないと思います。そういう意味で言うと、サポステがなくなってしまうと、最終的な自立の部分がすぽっとなくなりますので、大変無駄な仕組みになるだろうということが懸念としてあります。
    もう一つ、諸外国を回ってみて思うのは、日本では、例えば高校を中退した、あるいは最終学校を出たというときに、仕事についていないと、行く場所がないので、結局は家庭に訪問して支援するという話になります。しかし、これは物すごく人手がかかり、かつ、効率が悪い。ヨーロッパでは、自分で名乗り出るのです。自分は仕事がない、お金が入らない、だから何とかしてくれと言って登録に行くわけです。そのためには、相談と、経済給付、職業訓練、求職活動がセットになっていなくてはいけなくて、先ほど谷口構成員がおっしゃったイギリスのコネクションズというのはまさにそれをセットにしてやろうとしたわけです。
    日本でもこの間いろいろなことをやってきたのだけれども、十分に包括的なセンターというものができていないので、若者があっち行ったりこっち行ったりということになります。また、機能が重なっているといって切られていきますね。非常に本質的な弱点を持っていて、かなり無駄をしているのではないかという感じがします。いかがですか。
  • 奥山構成員
    私自身が医者として不登校のお子さんたちを結構長いことフォローできる立場にいるのですが、40歳ぐらいになってまだなかなか就労ができない方もいれば、意外に学校に行かないけれども、ぽんと就労してしまったという方もいます。
    やはり思うのは、年齢を横切りで支援するだけでは絶対うまくいかないのではないか。その方に合わせた形で継続的に寄り添って支援する人がある程度いる形をつくっていかないと難しいのかなと思います。横切りになってしまうと、なかなかうまく伝わっていかないということもありますし、その人の小さいころからの特性をわかった形での支援になかなかならないと思います。
    また、ネットワークということを考えたときに、児童委員さんが寄り添ってうまくいったケースもあるのですけれども、もう1つは、ネットワーク全体を見てシステムを動かすということがわかっている人が、調整、コーディネートをする、マネジメントをすることが非常に重要なのだと思います。そこの技能を高めていかないと、協議会と言われるようなネットワーク自体が有機的に動かないというところに問題があるのではないか。コーディネートする人材の養成が非常に重要になってくるのではないかと思いました。
  • 宮本座長
    奥山構成員からお話の合った、中心になるコーディネート機能は、もともとは、子ども・若者育成支援法に基づく子ども・若者総合相談センターが一元的な相談窓口として担うはずだったのです。しかし、今のところその窓口を設置している自治体はあまりなく、設置されているところも単に相談してどこかにリファーするだけで精一杯でありまして、残念ながら、地域全体の資源をきちんと動員しながら、子ども・若者支援をプランニングし、コーディネートをするような機能を全然果たしていない段階ですね。ですから、今後、どこまで相談窓口にその力量を持たせることができるのかというところが大事です。

(2)障害のある子ども・若者の支援

「障害のある子ども・若者」「発達障害のある子ども・若者」「障害者に対する就労支援」について、大綱の記載や関係データを事務局から説明(資料2-1)した後、以下のとおり議論を行った。

ア 障害のある子ども・若者の支援

<1> 関係府省からの説明(資料2-2)

  • 文部科学省
    1ページ目、1つ目の○にございますように、障害者権利条約におけるインクルーシブ教育システムの理念を踏まえまして、平成23年に障害者基本法の一部が改正されております。教育につきましても、障害者がその年齢及び能力に応じ、かつ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため、可能な限り障害者である児童及び生徒が障害者でない児童及び生徒とともに教育を受けられるようにといったことでございます。
    これを踏まえまして、平成24年7月には中央教育審議会初等中等教育分科会が報告を出し、これらを踏まえて現在の取組が行われています。平成25年8月に学校教育法施行令の一部を改正し、障害のある児童生徒等は原則特別支援学校に就学するという従来の仕組みを改め、市町村の教育委員会が、障害の状態、教育上必要な支援の内容、地域における教育の体制の整備の状況その他の事情を勘案し、総合的な観点から就学先を決定する仕組みにしました。
    これらの後押しをする事業ということで、インクルーシブ教育システム構築事業等を展開しているほか、(1)の一番下にありますように、特別支援教育就学奨励費負担金ということで、経済的負担の軽減のための助成なども実施しております。
    (2)ですけれども、平成25年度に新規事業として、インクルーシブ教育システム構築事業を開始し、早期からの教育相談・支援体制の構築事業などを行っております。また、特別支援教育就学奨励費負担などを行っております。
    課題と方向性ですけれども、今後ともこの障害者基本法などの趣旨などを踏まえて、教育環境の整備を進めていくということでございます。
    別添は参考資料でございます。2ページ目は障害者の権利条約の教育関係部分。3ページ目は障害者基本法の改正におきます教育関連部分。4ページ目は中央教育審議会初等中等教育分科会報告のポイント。5ページ目は今年度の予算。赤い矢印が左のほうについているかと思いますけれども、この部分での関連する部分ということでインクルーシブ教育システム構築事業、3番目の特別支援教育就学奨励費負担等でございます。6ページは来年度の予算案でございますけれども、それぞれ予算が拡充されている状況をお示ししております。
  • 厚生労働省
    厚生労働省障害福祉課障害児・発達障害者支援室長の阿萬と申します。よろしくお願いいたします。
    資料は7ページからでございます。先日の点検・評価会議で障害児相談支援について御説明差し上げたと思いますが、同じく平成24年4月に施行されました改正児童福祉法などにおきまして、障害児支援の体系の再編・一元化を行っております。その中で、障害児の通所支援の実施主体につきましては、市町村に移行することで、障害児が身近な地域で支援を受けられる仕組みとしているところでございます。
    それにあわせまして、放課後や夏休みなどにおける居場所の確保を図る観点から、必要な訓練、指導などの療育を行うものとして、放課後等デイサービスを新たなサービスに位置づけております。さらに、保育所などに通う障害のある子どもに対する支援を充実するために、障害児の通所支援事業所の職員などが保育所などを訪問いたしまして、障害児が集団生活に適応できるよう専門的な支援を行う保育所等訪問支援という類型も、同じく24年4月から創設しているところでございます。
    進捗に係る自己評価のところにつきましては、制度改正施行当初の24年4月と、現段階で入手できている直近の状況が25年9月ということで、1年半たっておりますが、その利用児童数と施設・事業所数を比較しております。御覧いただきますとお分かりになりますとおり、児童発達支援や放課後等デイサービスなどにつきまして、大きな伸びを示しているところでございます。
    現在、認識している課題といたしましては、児童発達支援センターを中核とした地域の障害児の支援体制の構築に努める必要があるということ、さらに重度の肢体不自由と重度の知的障害が併存しております重症心身障害児の地域生活の支援を進める必要があるものと考えております。
    今後の方向性といたしましては、先月1月31日に1回目を開催いたしましたが、当省の障害保健福祉部長の私的懇談会でございます「障害児支援の在り方に関する検討会」の議論なども踏まえながら、引き続き障害のある子どもが必要な福祉サービスが受けられるよう、支援体制の整備を推進することとしております。
    添付させていただいております資料は、8ページ目が24年度からの事業の再編・一元化の流れでございます。9ページは児童発達支援・医療型児童発達支援の概要。10ページが放課後等デイサービスの概要。11ページが保育所等訪問支援の概要をつけさせていただいております。12ページにつきましては、先ほどの7ページにありました数のところを少し細かめの形で再掲させていただいております。最後に13ページが先ほど申し上げました、先月1回目を開催しております「障害児支援の在り方に関する検討会」の今後の流れでございまして、大体今年の夏ぐらいをめどに報告書をいただく方向で今、検討を進めていただいているところでございます。

<2> 意見交換

  • 相原構成員
    教育現場において障害を持っているお子さんが、希望すれば、そして状況として許されるのであれば、できるだけ普通の子どもたちと同じような教育を受ける、さらにはそれ自体が一般学級の子どもさんの教育にも資するという視点が、このところでかなり大きな変化があったのかなと感じております。それは本当にこのまま進めていただきたい。
    個人的な現場の感覚では、障害をお持ちのお子さんの御両親がどういう認識を持って子どもさんを養育されるかによって物すごく差があるなというのを感じます。
    普通にやれることはやるという方もいらっしゃれば、一方で、障害をお持ちの親御さんが抱え込んでしまったりとか、過度に権利主張されることによって逆に子どもが学校に居づらくなってしまうとか、そういう非常に狭間なところにあるような気がします。
    最初のほうの会合で、家庭教育という話もあったのですが、障害をお持ちのお子さんでも同じ発想で、親権者として子どもを養育する義務がある親御さんの両親がどういう意識を持つのかという視点がぜひ必要なのではないか。そこが決定的に違うと、親御さんはいずれ先に亡くなってしまうわけですから、その後子どもが自立して生活していけるかどうかにかかわってしまうのかなと感じております。
  • 奥山構成員
    障害の区分が変わったのですけれども、重複障害、つまり、1人の方がいろいろな問題を持っている方は多くいらっしゃると思います。ある区分で支援を受けると別の重複したところの支援が余り受けられなかったりということがどうしても出てきがちだと思うのです。就労のところでもジョブコーチなどは1つの障害に対しては支援ができるのだけれども、重複障害になるとかなり難しくなったりということがあります。障害全体を見ていけるような形の支援も必要なのではないかと思っています。
  • 植山構成員
    相原構成員のお話と関連して、ドクターの診断があったときに、ドクターがどのような御説明をくださるかとか、それをどう保護者の方が受けとめられたかというところから始まるのですが、保育園、幼稚園の段階で最初の入り口ができ上がっていると、就学時に大変ありがたい。厚生労働省の保育所等訪問支援という事業はかなり早い時期での入口になるかと思います。ただ、経験上、一度言われたからといってすぐには受け入れられないというのが保護者の状況だと思いますので、受け入れやすいような伝え方をしていただいておいて、フォローアップしていくうちにお子さんの状況を見ていて現実に向き合えるということになりますから、そこのつながりを保育園の支援だけではなくて、ずっといけるといいかなと思います。ぜひこれを充実させていただきたいと思います。
  • 谷口構成員
    学校では、障害を持っている子どもに限りませんが、いじめ問題というのが非常に深刻化して潜在化していっている。障害を持った子どもたちがしっかりと守れる体制があるのかどうか、ここはしっかり見つめていかなければいけないのだろうなと思います。なかなか先生の目の行き届かないところでというのがどうしてもいじめの本質になってきますから、徹底的に守るというところは保障していかなければいけないのだろうと思います。
    また、先ほどの重複障害の件に絡んできますが、生活困窮者自立支援法に係る取組でも、御両親も障害を抱えられていて、生活困窮で、さらに子どもさんも障害を抱えていてというケースも少なからずあります。こういったケースに対応するときに、いわゆる従来の福祉事務所だけの対応ではなかなか難しい。民間の多方面での支援というところが必要になってくるのですけれども、支援を連携してやっていくに当たっての何かしらの措置というものがなければ、どうしても個々の関係機関の担当者レベルの努力ということになってしまって、なかなか複数年を継続的にサポートしていくのが難しいという現状もあります。今後、対策も考えていかなければいけないのだろうなと思います。
  • 奥山構成員
    放課後等デイサービスという事業もありますが、どうしても障害児の支援というと、就学までが福祉、就学してしまうと教育、卒業するとまた福祉みたいな形で連続しないということが昔から言われています。
    そういう意味でも、先ほどのネットワークがもう少し障害に対しても機能して、関係機関はいろいろ変っていっても、その人を見ていけるような支援というものが必要ではないかと思っています。

イ 発達障害のある子ども・若者の支援

<1> 関係府省からの説明(資料2-3)

  • 文部科学省
    発達障害のある子どもへの支援ということで、まず現状の把握ということで最初の○にございますけれども、「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」を平成24年に実施をいたしました。その結果、知的な発達に遅れはないものの発達障害の可能性のある、学習面または行動面において著しい困難を示すとされた児童生徒の割合が、通常の学級で6.5%と推計されました。
    取組ですが、現職の教員を対象に、校内研修の実施や専門的・実践的知識を習得するためのプログラム開発等を行っておりますし、日常生活上の介助、学習支援、健康・安全確保等を行う「特別支援教育支援員」の配置に係る地方財政措置をしています。独立行政法人国立特別支援教育総合研究所におきましては、「発達障害教育情報センター」として、さまざまな情報の提供あるいは口座の提供、各種研修などを実施しております。
    (2)ですけれども、平成25年度の新規事業として、特に「発達障害に関する教職員の専門性向上事業」として発達障害に関する理解の促進、教職員育成におけるプログラム開発などを行っております。また、「特別支援教育支援員」についても配置にかかる地方財政措置の増加を図っております。
    課題、今後の方向性でございますけれども、教職員の発達障害に関する知識、技能の習得に向けた取組を推進するとともに、十分な教育が受けられるような教育環境の整備を進めていくということでございます。
    2ページ目は先ほどの6.5%の調査でございます。3ページ目は今年度予算で、上から2つ目にございますが、教職員の専門性向上事業がございます。4ページ目は来年度、26年度の予算ではこの項目の拡充を図っているところでございます。5ページ目は特別支援教育支援員の地方財政措置でございますけれども、交付税措置の拡充を図ったところでございます。6ページ目以降は、国立特別支援教育総合研究所の発達障害教育情報センターについてのリーフレットのコピーがついておりますので、後ほど参考にしていただければと思います。
  • 厚生労働省
    発達障害者の方々の支援につきましては、発達障害者支援センターというものを発達障害者支援法に基づき各都道府県及び指定都市に整備しております。そこを発達障害児、発達障害者の方々の地域支援体制の中核と位置付けているところでございます。
    その中で、発達障害者の支援の体制整備事業ということで、発達障害児・者、その家族の方の支援体制の強化を図るために、例えば発達障害の程度のアセスメントを行う手法の普及などを行っているところでございます。
    その他、各市町村におきまして巡回相談を行う支援員の整備事業なども行っておりまして、そのような中で施設の職員等に対しまして、障害の早期発見・早期対応のための助言などの支援を行っているところでございます。
    加えまして、全国的な普及啓発という観点で申し上げますと、国連が定めました世界自閉症啓発デー、これは毎年4月2日でございますが、その機会を捉えて関係団体と共催で、例えば東京タワーのライトアップなどに加えまして、シンポジウムを開催しているところでございます。
    最後の○でございますが、これは所沢の国立障害者リハビリテーションセンターの中に、発達障害情報・支援センターを設置しておりまして、そこを中心といたしまして、発達障害者、発達障害児の方々の支援などに関します情報発信、支援手法の普及などを図っているところでございます。
    進捗に係る自己評価でございますが、発達障害者支援センターは全ての都道府県、指定都市に整備をされております。発達障害者の支援体制整備事業という中で、発達障害児を育てた御経験のある親御さんが現在、発達障害児を育てている方の相談に対応するというペアレントメンターの養成ですとか、先ほど申し上げました巡回支援専門員の派遣をモデル事業から一般事業化しております。巡回支援専門員の整備事業につきましては、現在、着実に対象実施市町村を拡大しているところでございます。昨年の東京タワーのライトアップには総理も御出席いただきまして、かなり報道もされているところでございます。発達障害情報・支援センターにおきましても、着実に情報の発信、共有などを行っているところでございます。
    次に、現在、認識している課題でございます。発達障害者支援センターの業務を見ますと、これまで相談対応の直接支援が多いという状況でございました。これはまさにそれぞれの地域で、自分は発達障害ではないかという方々またはその親御さんなどが、センターへ直接相談に来ているということでございますが、今後はそれよりも市町村ですとか事業所、例えば児童発達支援センターなり障害福祉サービスの事業所などが、発達障害児の方々、発達障害者の方々を支援することに対する間接支援、例えば困難ケースなどの後方支援を進めるということが課題です。また、特に発達障害の場合には医療との関係が大きくなってまいりましたので、医療機関との連携を進めることが必要であると考えています。
    今後の方向性といたしましては、発達障害者支援センターにおきまして市町村や事業所の支援、または医療機関との連携などを進めることができるような体制の拡充につきまして、平成26年度予算案に計上しているところでございます。その他関係の事業につきましても引き続き継続をしていく考えでございます。
    その他、添付資料につきましては、13ページが発達障害者支援センターの運営事業の概要。14ページが発達障害者支援体制整備事業、ペアレントメンターなどの整備事業の概要。15ページが巡回支援専門員整備事業の概要となっております。16ページが世界自閉症啓発デーの概要でございます。17ページが国の発達障害情報・支援センターの概要でございます。最後に18ページが先ほど申し上げました26年度予算案に計上しております、発達障害者支援センターの機能強化に関する予算の説明資料でございます。

<2> 意見交換

  • 古賀構成員
    非常に難しいなと思うのは、今まで障害の境界線を比較的単純に引いてきた作業があったように思うのですが、発達障害というのは非常にサスペクトなものですね。どこまでをもって発達障害とするか自体が非常に難しい。私は困難な高等学校をフィールドにしているのですが、そこへ行くと先生方が「発達障害不安」に陥っているわけです。生徒みな発達障害だというふうになってしまっていて、判断とか認定ではなくて、そういう現象に襲われている。問題のある子どもを見るとみんな発達障害ですという説明の仕方をしてしまうときもある。こういう、いわゆるグレーゾーンの多い障害イメージというものにどう対処していくのかという想定が必要で、ここまでは発達障害だからセンターだ、ここからは重度な別な障害だから別な施設だというふうに明確な区切りでいくことが本当にできるのかということが、お話を聞きながら不安になっているのです。
    言い換えれば、今、両省でやっておられるようなことは、もう別に障害を持った子どもたちだけのシステムでなくてもよいのかもしれない。例えば私がかかわっている高校では、特別支援教育のプログラムを真似して子どもの個別支援ニーズに応じた高校教育に直そうということをやっています。もともとは障害の方のためのプログラムだったのだけれども、高校の教育でも現実的に対処しやすい仕組みだからむしろ導入しようということになっている。障害だから対応するというよりは、特別支援のシステムを使って現実の困難に対処していこうということになっていくということがあるのです。
    障害の区分けというものと、障害に対処するシステムの普遍性や一般性、適用可能性というものを、もう少し両面から考えていけないのかと思うのです。
    ですから、まず障害なるものについてどういう共通理解を我々は持つべきなのか、どうお考えなのかということをどうしても聞きたい。
  • 文部科学省
    文部科学省特別支援教育課の三輪と申します。どうも質問ありがとうございます。 非常に重要な御指摘でして、答えの順番を工夫してお答えしたいのですが、まず、障害のある子への支援が、障害のある子ためだけのものというよりは、もう少しそもそもの学校教育のやり方そのものを変えていく方向に持っていくべきだという御意見は、個人的には御指摘のとおりだと思っています。考え方として難しいのは、特に発達障害の場合は顕著なのですけれども、まず、今の教科書の材質であるとか、文字の大きさなどが、そもそも発達障害のある子には使いにくい。規格が余り合っていないので、まずそこを応急措置的にケアしなければならないという段階があって、次に、障害があろうがなかろうが使いやすいものをつくろうというユニバーサルデザインという議論になっていくという、順番があるのだと思っています。
    どちらをやればいいかというよりは、両方やる必要があるのですけれども、結論としては御指摘のとおりでして、まずとにかく、現行の制度に合っていなくて困ってしまって立ち往生してしまっている子どもたちをとにかく救うということ。そして、そういう分けた工夫をしなくていいようなユニバーサルなことの両方をおそらく追求していくべきなのだろうと思っています。
    それから、1つ目の御質問なのですけれども、これも重要なポイントでして、まず資料の1ページにあります、先ほどの説明で紹介させていただきました発達障害の可能性がある子どもが6.5%という調査なのですが、これは実はお気づきになったかもしれませんけれども、言葉遣いに非常に気をつかっていまして、まさに発達障害の可能性のあるという言い方をしています。つまりこれは医者の診断ではなくて担任の見立てによるものであります。せっかくですので、御参考までに1枚おめくりいただいて2ページをごらんいただきたいのですけれども、要するに個々の子どもに対してチェックリストがありまして、それを担任に当てはまる/当てはまらないをつけていってもらったのです。それが一定のポイントを超えた子が6.5%だったということでございます。右に書いているのですけれども、御覧のようなグラデーションになりまして、学習面だと12ポイントで切ったのですが、12ポイント以上の子が4.5%だったということであります。つまり、その手前の11ポイントの子は12ポイントの子と同じぐらいいるわけであって、この4.5%までの子だけを何とかしておけばいいという話ではない。その一歩手前、さらに手前の子がまさにグラデーション的にあるということがポイントであります。
    ざっくばらんに申し上げれば、私が御説明をするときには、要はこの傾向がない人は基本的におらず、グラデーションの問題であって、それが非常に高いかつ支援を受けていない人が困難に直面してしまうというのが本質であるということをぜひ押さえてほしいという話をしています。そこが実は、発達障害理解の学校における最大のポイントだと思っています。
    一方で、ただしこれは痛しかゆしなのですけれども、発達障害というものに関して教員が一定程度の知識を持った結果、まさに言いわけに使っているところがあるわけです。そういう副作用、弊害もありまして、発達障害とは何なのか、どういうことをやったらいいのかということ、どういうことをやったらだめなのかということをもう少し正確に現場の教員が理解するという段階にいかなければならない。今、その過渡期にある段階だと思います。
  • 奥山構成員
    発達障害が注目され過ぎているところがあるのかもしれないのですが、特別支援教育が発達障害のためのようになってしまって、虐待を受けて行動化が激しい子どもを特別支援教育でお願いしたら発達障害でないから見ませんと言われたりするようなことが起きています。医療はどうしても診断名をつけるということは必要になってくるのですけれども、学校では余り発達障害という括りだけで考えるのではなくて、困難を抱えた子どもたちという考え方のほうが、もう少しなじむのではないかと考えます。
  • 文部科学省
    捉え方にもよりますが、基本的におっしゃるとおりだと思っています。
    特別支援教育というのは、まさに発達障害も含めていろいろなファクターに対して必要な支援をやっていこうということでありまして、発達障害というのはあくまで数あるうちの1つでしかありません。発達障害という言葉を使えば全部に説明がつくというような単純な話でもないということを現場の人間がわかった上で発達障害という言葉を使っていく必要が、あるいは使わないときは使わないというふうに見極めていく力量がないとだめなのですけれども、そういったことができる教師ももちろんいますが、今はまだ上辺の知識でやっているところもあったりします。そこは、まさに今取り組んでおります発達障害に関する教職員の専門性向上事業により取り組んでいく必要があると思っております。
  • 松原構成員
    発達障害の可能性のある子どもたちの中には、既に大学に進学をしてきている子たちがいて、大学そのものはこういうことに慣れていないというか十分受け入れる準備ができていません。あるいは、そこから就労につなげていくということも今後の大きな課題になるのではないか。レッテルを張ってしまってそれでおしまいにしているような傾向もだんだん大学の中で出てきています。今後は、高等教育機関でどういうふうにサポートしていくかというところも見据えていかなければいけないかなと考えております。
  • 谷口構成員
    発達障害については、ニート・ひきこもり支援の分野にも非常に相関が高いところでございまして、先ほどお話のあった虐待に遭った子供たちの行動特性というところも発達障害ではないかと安易にみられたりしますし、ひきこもりの若者の中でトラウマを抱えて長期にひきこもることによって社会性が失われていく、こだわりが強くなる、という過程でそうではないのに発達障害としてレッテルを張られてしまう場合もあるので判断は慎重に行う必要がある。しかし、支援のあり方という点では、ひきこもるなど困難を抱える若者たちの自立支援のノウハウとかなりの部分で共通しています。
    個人の特性に応じて支援をしていく。まさに我々が今、サポートステーションでやっている支援とかなり親和関係があるということで、佐賀の場合、「それいゆ」という全国的にも有名な発達障害児支援のNPO法人があるのですが、彼らのスタッフと我々のスタッフ、ボランティアスタッフ共通している部分があったりして、連携を取っています。また、運営協議会の委員を務めさせていただいていましたが、県立の太良高校では、発達障害の子たちと不登校の子たちを受け入れるために、注意が散漫にならないような掲示物の貼り方をしてみたりとか、情報の伝え方を工夫してみたりと対策が講じられています。こういったものはコミュニケーションを苦手とする子どもたちにも非常にプラスに働くということですから、発達障害に限らず、そういった共通性の高いものもうまく組み合わせていかなければいけないと思います。
    今後の支援のあり方というところでも1つ目を転じていくと、やはりここも、チーム対応なのです。職業的な自立支援をする場合にも、発達障害以外の障害を含め知識というものを持った者が1人でもいないと、そこで見過ごされてしまって2次被害、3次被害を受けてしまうということもあるわけです。少なくとも専門性を持った者が1人でも、2人でもいるような窓口設置のあり方というのは検討していく必要があるのだろうなと思います。
  • 植山構成員
    制度上のことで文部科学省の方に質問したいことがあるのですが、いわゆる発達障害というのは知的な遅れを伴わないという理解をされていますが、特別支援学級に一時的にでも在籍することによって伸びる可能性がある生徒が発達障害のために在籍できないという問題があります。
    小学校の時代から高機能自閉のために過敏性が強くて不登校になってしまった方で、中学校に入っても通常学級に行けないけれども、特別支援学級の少人数の中には入れば不登校にならないという事例を、御配慮いただいて特別支援学級で見ていただきましたら、大変よく成長発達いたしまして、都立の普通科の高校に入学したということがあります。
    このようにもう少しそのケースに応じて臨機応変にできるという制度であれば、もっと不登校にならずに済むとか、教育効果が上げられるということがあるのではないかと思うのですが、このあたりはどうなのでしょうか。
  • 文部科学省
    自閉症に対応する特別支援学級は制度上は存在します。御指摘のケースは、おそらく、その学校に知的障害の支援学級しかなかったということではないかと思います。
    いろいろな種類の支援学級をつくることができて、知的障害の支援学級と自閉症対応の支援学級の両方持っている学校もあるのですけれども、例えば知的障害の支援学級しか置いていない学校では知的障害のない子は受け入れられませんというケースがあったのかもしれないと、今、伺っていて思いました。もしその学校に自閉症の支援学級があれば当然受け入れることができたはずなのです。
    解決方法としては、まさにできるだけ多くの学校に自閉症対応の支援学級を置いていくということになるのですけれども、これは当然教員が必要になってくるので、物理的な結構困難なケースが多い。できるだけそういうニーズのあるところに学級を置くことができるようにいろいろなものを充実させていくことになるのだと思います。その子の障害に応じた支援学級が置かれるのがベストですので、自閉症の支援学級を県で設置するなり、あるいは自閉症の支援学級があるところに通うとか、そういったことを個々のケースに応じてやっていくべきであると思っています。
  • 植山構成員
    よくわかりました。ただ、やはり特定の障害に限られてしまうと通えないというケースも出てきます。例えば自校になくて他校に通うといったときに、通っていく距離の問題もあります。特に地方は物理的な問題が多いと思いますので、例えば本来インクルーシブが理想的にできると、通常学級内でできることになるのでよいのでしょうが、なかなかそこに至るまでの道筋が長いと思いますので、一時的にリソースルームに複数の障害タイプを受け入れられるようなスタッフ配置ができるとかいうことを検討していただけますと、学齢期においては負担なく生徒も保護者も教育が受けられるかなと思います。
  • 今村構成員
    グレーゾーンの子どもたちにとっては習熟度別クラスにしたほうが実は勉強しやすかったりするケースもあると思うのです。習熟度別クラスにすることが生徒のラベリングになってしまうということで、どうしてもそれを避ける傾向があるように思っています。でも、科目によっては分数ができない大学生という話も言われている中で、最低限例えば小学校か中学校低学年の段階までは、科目によって習熟度別クラスをきちんとつくってケアするということも、支援学級まではいかない子たちに対するケアになると思います。
  • 文部科学省
    直接の担当部署ではありませんが、全く同感です。習熟度別学習が必要なときにはやるべきでありまして、ただ、これも御案内のように、教員がもう一人必要になってくるので、これもやはりお金の話とつながってきてしまうところがあります。 ただ、習熟度別学習が障害のラベリングになるからやるべきではないというのは、少なくとも文部科学省の公式見解とは違っています。それが必要であればやれるようにするべきであるし、できるだけそれができるような教員加配の支援をやっていくというふうに考えています。

ウ 障害者に対する就労支援等

<1> 関係府省からの説明(資料2-4)

  • 文部科学省
    現在の取組でございますが、新しい学習指導要領に基づきまして、特別支援学校において情報技術や情報処理の能力の育成、あるいは産業界との連携を図った職場体験の機会を設けるなど、職業教育を実施したり、企業等における現場実習を行っております。「特別支援教育に関する実践研究充実事業」として、職業教育や進路指導の改善など特別支援学校等の教育課程の編成等についての研究、あるいは高等学校等における発達障害のある生徒へのキャリア教育に関する研究をモデル校において実施するなどしております。特別支援学校と福祉・労働等関係機関が連携・協力して就労支援を促進するため、厚生労働省と連携して通知を発出しております。
    (2)ですけれども、特別支援学校高等部におきます卒業者の就職数、就職率でございますが、ともに増加をしているところでございます。
    課題としては、特別支援学校高等部在籍者の増加もありまして、一層、福祉や労働等の関係機関との連携が必要である。
    (4)今後の方向性のところですけれども、来年度から新たに高等学校段階における障害のある生徒へのキャリア教育、職業教育を推進し、就労支援を充実する実践的な研究をモデル校において実施する予定としております。
    以降、参考資料になります。2ページ目は学習指導要領の関連部分。3ページ、4ページ目は今年度と来年度の予算の内容となっております。
  • 厚生労働省
    厚生労働省障害者雇用対策課でございます。
    5ページのところについて、私から一括して御説明申し上げたいと思います。
    まず(1)の現在までの取り組みというところでございます。これは皆様御承知のように、障害者雇用につきましては、障害者雇用促進法で法定雇用率が定められております。先ほどの資料にもございましたけれども、民間で言えば25年4月から1.8から2.0に引き上げておりますが、そういう状況の中で企業などに対しましては障害者雇用率達成指導を厳正に実施いたしてございます。
    一方で、特別支援学校の生徒の方とか、就労系の障害福祉施設利用者の方に対して一般雇用の理解を促進する就労支援セミナーとか、実際の就職活動をどういうふうにやればいいのかという就職ガイダンス、また、実際の職場で経験する職場実習、さらには障害の状況に応じてハローワークを中心に、特別支援学校や就労系障害者福祉施設などの必要な関係機関が集まって連携しながらチーム支援を行うといった取組で、就職から職場定着まで一貫した就職支援を実施いたしてございます。なお、一般雇用の理解を促進するための就労支援セミナーにつきましては、必要に応じて保護者の方とかも対象に実施させていただいているところでございます。
    次の○になりますけれども、障害のある方が身近な地域で職業訓練を受けられるようにというようなことで、障害者の対応に応じた多様な委託訓練を実施いたしてございます。訓練コースの1つとしまして、特別支援学校でまだ内定を受けられていない生徒の方を対象にして、在学中から職業訓練を受けて技能を身につけて就職できるような取組も実施しておるところでございます。
    3つ目の○でございますけれども、これは福祉的就労の部分でございます。まずは工賃向上に向けた支援ということで、各事業所の経営力強化とか共同受注の促進に対する自治体の取組に対する支援を推進してきてございます。2つ目として、福祉施設からの一般雇用への移行という観点から、障害のある方に対して職場体験機会の提供といったような必要な訓練。障害者の適正に応じた職場の開拓といったものを推進してきています。
    (2)の進捗に係る自己評価でございますけれども、大きい数字について4つほど示させていただいていますが、一番上の小さい黒ポツで書いてございますが、企業における障害者雇用者数につきまして、平成16年以降10年連続で過去最高を更新するということで大幅な増加をしておるということで、一定程度の成果は出ているのではないかと考えてございます。
    (3)の課題のところでございます。これにつきましては(2)の数字でも出ておりますけれども、特別支援学校高等部の卒業者の就職率なり就労系障害者福祉施設の一般雇用移行者数が微増にとどまっています。さらにこれはハローワークの窓口もそうですが、先ほどお話もありましたが、高等教育機関で就職担当をされているところでの発達障害のある求職者の方が増えてきておるという状況がございます。3つ目としましては、平均工賃は年々上昇しておりますけれども、引き続きそのアップに向けて支援をしていくことが必要だろうと考えてございます。
    今後の方向性で(4)でございますけれども、就職促進ということで就労支援セミナー、就職ガイダンス、職場実習、チーム支援を一層推進していこうと考えてございます。さらに発達障害者の増加に伴いまして、平成26年度から新たに大学等の就職担当者を対象とした発達障害者の就労に関するセミナーを開催したいと考えておるところでございます。職業能力開発につきましては、引き続き委託訓練、その中でも、特別支援学校の生徒に対する訓練機会の確保といったものをやっていきたいと思ってございます。さらに、引き続き工賃向上に向けた支援ということで、事業者の経営力強化なり共同受注の促進といった取り組みに対する支援は、引き続き推進してまいりたいと考えてございます。
    6ページ以降が参考資料になりますけれども、6ページがハローワークを中心としたチーム支援ということで、それぞれの障害者の方の状況に応じて必要な機関が集まってチーム支援を行うという図でございます。7ページが実際の委託訓練がどういった形でやられているかという仕組み。8ページが工賃向上計画として、どういう支援策があるのかという概要になります。9ページが就労系の障害者福祉サービスの機関にどういったものがあるのかという資料でございます。10ページが障害者雇用の状況ということで、最近の増加の状況をお示しするグラフをおつけさせていただいています。11ページが実際に平均工賃の状況がどうなっているのかという資料をつけさせていただいてございます。

<2> 意見交換

  • 相原構成員
    誤解を恐れず申し上げると、身体障害である程度のことが安定的にできるとなると、企業側からすると法定雇用率を満たすためにその人の取り合いのような、最優先に就職させるというのが割と普通になっているのではないか。
    そうしますと、やはり同じく障害をお持ちでもなかなか社会性の問題のところでかなりサポートが必要なお子さんに対する方は、かなりハンデがあるのではないかと感じております。
    したがいまして、特に精神障害、知的障害等になりますと、社会性の問題という意味でかなりハンデが大きいわけで、そこら辺のところは適切にフォローしていただくというのが必要だろう。現実にそういうお子さんをお持ちの御両親から、自分の亡くなった後のことを考えると死ぬに死ねないということもよく相談で受けたりするのですが、ジョブコーチや各種の支援センターによる支援を厚くするといった、かゆいところに手が届くといいますか、何かフォローしていただけると、かなり安心感を持たれるのではないか。一般的な感想で恐縮ですが、そう思っています。
  • 奥山構成員
    教えてほしいのですけれども、就職率が上がっているというのはとてもいいことだと思うのですが、離職率は調べておられるのでしょうか。
  • 厚生労働省
    今、手元に持ってはいないのですけれども、障害別に勤続年数を調べた調査がございまして、必要があればまた別途提供させていただければと思います。
  • 奥山構成員
    障害を持っている方のほうが離職しやすいということはないと考えていいのですね。
  • 厚生労働省
    先ほどお話した調査は調査時点で採用後何年雇用されているかという数字なので一概に比較できないのですけれども、実際の企業からのお話を聞きますと、逆に障害の方のほうが定着しているというふうなことをおっしゃっていただける社長さんもいらっしゃいますし、そうでなくて障害のある方が離職してしまいますよねという御指摘をいただくケースもございます。
    その中で障害別に申し上げますと、やはり精神障害の方の離転職が多くなっているという御指摘を受けているところでございます。
  • 谷口構成員
    地域で1つ問題になってきているのが、比較的大きな企業が意欲のある障害者を雇用しますと対象者を区切っております。小さな障害者支援団体が丁寧に見ている一定程度頑張れるようになった障害者を根こそぎ集めて、補助金を狙ってきているという事態が起きているという話も出ています。やはりどうしても、間違った意味での成果主義となってくると、そういう状況が生まれてくるので、先ほどお話にあったように本当に困難を抱えている人たちにどれだけの目を向けて支援をしているのかもしっかりと評価できる仕組みをつくらなければいけない。そうしないと、本当に困った人をどんどん孤立させてしまうことにもなりかねない。意欲があるなどと対象を区切って雇う企業が、補助金を取りにいっているという傾向が見られるのであれば、その部分をしっかりと指摘できるような環境をつくらなければいけないということがあります。
    もう一つは、一定のスケールメリットを一方では追い求めないといけない部分もある。例えばキャリア教育もそうなのですが、職場見学について、障害者の支援をやっている特別支援の学校の先生たちも回っている、ほかの高校も回っている、さらにはひきこもり、ニートの支援団体も回っているということで、てんでばらばらでやってしまって、同じ企業にこれらの組織が何回も回っているという非効率性も結構見られるということですから、そういった情報の一元的な管理という手段は実際に用意しなければならないと思います。
  • 厚生労働省
    今の御指摘にダイレクトにお答えするものではないかと思いますけれども、実際の就職の状況について皆さんにお知らせしておいたほうがいいかなと思いましたものですから、御披露させていただきたいと思います。
    厚生労働省では、職業紹介としてハローワークで対応させていただいていますが、今、一番就職件数が多いのは精神障害です。従来は身体障害者がほとんどだったのですけれども、時代の変遷とともに知的障害者の方がふえてきて、今や精神障害の方は今年度に入って一番多い数字になってきています。そういう意味で我々の組織もそうですし、いろいろ関連する就労支援機関ございますので、発達障害や精神障害のある方に対する支援をいかにうまく連携をとりながらやっていくかという部分で、日々努力を重ねておるということだけ、御承知いただければと思います。
  • 古賀構成員
    今の厚生労働省のお話や相原構成員の御指摘とも関連してくると思うのですが、労働の質が変わってずっと高度化していく中で、コミュニケーション能力を重視する労働の場が多くなっているわけです。それに対応するような訓練というのはされているものなのでしょうか。つまり障害者の対応に応じた多様な委託訓練というふうに丸ごとでは書いてあるのですが、コミュニケーションの問題に対処するような取組がなされているのですか。
  • 厚生労働省
    コミュニケーション能力という部分では、発達障害の方にしても精神障害の方にしてもそれぞれに得意な分野がございます。そういった得意な分野を使っていかにうまくコミュニケーションできるかということを基本的に進めています。
    例えば文字情報ではだめで絵とか図とかで指示をするようなことがあればよく理解できるし、ちゃんとできる。もしくは指示を一度に出すのではなくて1つずつ出す。そういう雇用管理のあり方についてのいろいろな具体例を、我々のほうで事例収集して、企業にも提供させていただいております。また、我々の関係団体の高齢・障害・求職者雇用支援機構の地域障害者職業センターでは、それぞれの障害の方のコミュニケーションを一番うまくできる方策を見つけ出して、御本人さんにも理解していただくし、企業側にも理解していただくという取組をやっています。
  • 古賀構成員
    今のお話のようなノウハウをどこかに出しておられるのですか。そういうようなことをみんなが共有して理解できれば、雇用の質が全然変わってくるのではないかと思います。
  • 厚生労働省
    今、申し上げた資料などはいろいろな種類があるのですけれども、高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページに、雇用管理マニュアルなどを提供させていただいているページがございます。そこを御覧いただければと思います。
    あと、冊子にしているものもあります。各都道府県にございます地域障害者職業センターのほうにも備えつけてございますし、企業のほうにお配りしたりもしていますので、必要があればまた御提供させていただければと思います。
  • 古賀構成員
    今のお話は大事だと思うのです。コミュニケーションの質に合わせて雇用側もやわらかく対応しているということだと思うのですけれども、その両方の部分をきちんと我々が理解して、そしていわゆる能力不足論で終わらせないようにすることができれば、雇用の市場が全然変わるわけです。何か今まで我々は、今お話を聞くとそうなんだと初めて知るという感じで、やはり能力不足の問題で何かがうまくいかないのではないかと思えていたので、もっとこうした取組を宣伝していただく必要があるように思いました。
  • 宮本座長
    これはサポートステーション等の若者支援の場もまさにそうで、高度化に対応してどのようなトレーニングというものがあれば働けるようになるのかというこのあたり、非常に重要なキーになっているかと思います。
    定時制高校やいろいろ課題をたくさん抱えている高校の現場にいろいろかかわっています。ある学校の教員が特別支援学校に行ってショックを受けて帰ってきたのは、自分の定時制高校より特別支援学校のほうが絶対に恵まれているということです。そこで行われている教育のノウハウは、そのまま定時制高校に適用できる。ところが、なぜ適用できないかといったら教員の数が圧倒的に足りない。生徒の数が多い。そのノウハウがない。
    今日のお話で、特別支援教育というものが、いろいろ課題がありながらもかなり強化されていることがわかったのですけれども、先ほども話が出た、障害はグラデーションである、障害と健常というのは二項区分できない現状がかなりはっきりある中で、学校教育現場も就労の現場も特別支援の対象になれる人となれない人がまさにいるという状態にあるので、このあたり境界線を設けることが現実に合わないということも一言申し上げておきたいと思います。
  • 福田構成員
    今の就労のお話で企業ということが出てきましたので、少し感じるところだけ申し上げます。
    先ほど、雇用率について、身体障害よりは精神障害の人たちの雇用率が上がっているというお話もありました。
    私どもはメーカーですので、工場の運営の中で雇用率をクリアしているという面があります。一方で、障害者の雇用だけではなく、65歳以上の方の雇用、若年層の雇用といった、いろいろな御要請があって、全てに対応するには非常に苦慮しているところもあります。企業も福祉的な面だけで雇用するのは非常に難しい部分があります。事業として非常に苦しい闘いをしながら、その中で雇用を図っていくということを考えないといけないので、そこはやり方を考えないといけないと思います。
    また、資料を見ていても企業と一言で書いてあるのですが、皆さんはここからどのようなイメージをお持ちになるでしょうか。企業といっても規模や業界もいろいろあります。今回の議論からも、障害者の就労については特にきちんと一人一人の方をちゃんと見届けて寄り添っていくことが非常に大切であるということ、そういうことができる職場を見つけていくことが非常に大切なのではないかと感じました。そういう意味では、企業もいろいろあるように、企業の支援、雇用の仕方もいろいろあるのではないか。例えば、障害者を雇用する企業のサービスや商品購入といった支援など、直接・間接含め多様な形態が考えられるのではないか。企業と1つに括ってしまうのではなく、そういう細かい見方も必要なのではないかと思いました。
  • 奥山構成員
    今のお話もそうですけれども、雇用を増やさなければいけないとなったことで、それまで丁寧に見てくれていた企業がかなり粗くなっているところが結構あると感じているのです。一人一人を丁寧に見てやっていかなければならないのですけれども、企業としては障害の雇用が増えてしまったので一人一人なんか見ていられない、障害者としてまとめて見るのだという感じになってしまいがちになっているところもある。したがって、企業に対する支援が非常に重要なのではないかと思っているので、よろしくお願いしたいと思います。

以上