子ども・若者育成支援推進点検・評価会議(第9回)議事要旨

議事次第

  1. 日時:平成26年4月25日(金) 13:00~14:45
  2. 場所:中央合同庁舎第4号館4階 共用第2特別会議室
  3. 出席者:
    (構成員(敬称略))
    明石伸子、今村久美、植山起佐子、奥山眞紀子、川邉譲、古賀正義、定本ゆきこ、谷口仁史、花井圭子、原田謙介、松原康雄、宮本みち子
    (ヒアリング対応府省)
    1. 福祉を害する犯罪対策、犯罪被害への対応
      藤村博之
      警察庁生活安全局少年課長
      川又竹男
      文部科学省スポーツ・青少年局青少年課長(ほか1名(初等中等教育局児童生徒課)
    2. いじめ被害、いじめ・暴力対策
      藤村博之
      警察庁生活安全局少年課長
      山口聡也
      法務省人権擁護局参事官
      川又竹男
      文部科学省スポーツ・青少年局青少年課長(ほか1名(初等中等教育局児童生徒課)
    3. 被害防止のための教育
      青山彩子
      警察庁生活安全局犯罪抑止対策室長
      日下真一
      警察庁交通局交通企画課交通安全企画官
      川又竹男
      文部科学省スポーツ・青少年局青少年課長
      佐藤栄一
      総務省情報流通行政局情報通信利用促進課課長補佐
    (事務局)
    安田貴彦大臣官房審議官、加藤弘樹参事官(青少年企画担当/青少年支援担当)、山岸一生参事官(青少年環境整備担当)、小山浩紀調査官
  4. 概要:

(1) 福祉を害する犯罪対策、犯罪被害への対応

大綱の記載や関係データを事務局から説明(資料1-1)した後、以下のとおり議論を行った。

<1> 関係府省からの説明(資料1-2)

  • 警察庁
    警察庁の少年課長の藤村でございます。よろしくお願いいたします。
    お手元の資料に従って説明をしていきたいと思います。まず、現在までの取組でありますが、警察では従来から、少年の心身に有害な影響を与え、少年の福祉を害する犯罪、これを「福祉犯」と呼んでおりますけれども、その取締りや被害拡大防止、あるいは被害少年の発見・保護を推進しております。
    中でも、やはり児童ポルノ、これは児童の性的搾取・性的虐待の記録でありまして、非常に深刻な状況であります。その根絶に向けた対策を強化しておりまして、昨年5月に犯罪対策閣僚会議において策定されました「第二次児童ポルノ排除総合対策」に基づいて、関係機関、団体などと緊密な連携を図りながら、ファイル共有ソフトの利用事犯でありますとか、低年齢児童を対象とした児童ポルノ愛好家グループ、あるいはDVD販売グループなどに対する取締りを強化しているほか、ブロッキングやファイル共有ソフトを通じた拡散の防止を含む流通・閲覧防止対策、広報啓発活動などを推進しております。
    それで、お手元に「児童ポルノの現状」ということで、横書きのカラーの資料がございますけれども、昨年中の児童ポルノ事犯の送致件数は1,644件で、これは過去最多であります。資料の真ん中辺の左側に、大部分がインターネット関連事犯とございますけれども、83.6%はインターネット関連事犯です。
    児童ポルノ事犯につきましては、大きく分けますと製造事犯と流通事犯とございます。流通事犯については、今、ほとんどがP2P、ファイル共有ソフトを利用しての事犯でありますので、インターネット関連であります。製造事犯につきましても、出会い系サイトですとかコミュニティサイトなどで知り合った児童に対して、児童自身が撮影をしたポルノ画像をメールで送らせたり、あるいはそういったサイトで知り合った児童を買春した際にポルノ画像を撮影する事犯が非常に多くなっておりまして、その結果として大半がインターネット関連ということになっております。
    それから、資料真ん中の右側に、被害児童数がございます。これは事件を通じて新たに特定をしました児童数でありますけれども、昨年中646人で、これも過去最多でありました。このうち、小学生以下の低年齢児童が92人おりますけれども、この児童のポルノ製造手段を見ますと、約7割が強姦・強制わいせつによるということでございました。
    以上が児童ポルノの現状でございまして、自己評価のところで書いてある部分でございます。
    このほか、児童ポルノ以外にも近年、現在認識している課題の部分に書いてありますが、出会い系サイトなどを利用して個人的な援助交際の勧誘を装って、組織的な児童買春の周旋を行う事犯。これは我々「援デリ事犯」と言っています。あるいは、飲食店、マッサージ店などの合法的な営業を装いながら、児童に卑わいな言動などで接客をさせる事犯「ガールズバー」ですとか「女子高校生リフレ」「JKリフレ」と呼ばれるようなもので、児童を組織的に支配をして、性的な有害業務に従事させるような事犯が出現をしております。警察では、そういったものの実態把握、あるいは情報を分析して、積極的に取締りをしたり、従事している児童を補導したり、あるいはその立ち直りを支援しているところであります。
    取組のところの真ん中の段のところで、被害防止対策について記載してございます。従来からイベントなどを利用した広報啓発・街頭活動なども行っておりますけれども、やはりインターネット利用に起因するものが多くなっており、その背景には、スマートフォンなどの急速な普及があるわけでありますので、そういったことを踏まえて、保護者や児童、あるいは携帯電話事業者に対する啓発や指導要請を強化しております。
    それから、最近、新たな取組として始めたもので、サイバー補導というものがございます。カラーの資料の2つ目でございますけれども、これはコミュニティサイトなどに、児童が下着の販売の相手方を求めたり、あるいは援助交際の相手方を求めて不適切な書き込みをする。それに対して大人が応じて、子どもがそういった被害に遭っていくということがありますので、警察でサイバーパトロールを行って、そういった書き込みに対して交信をして、実際に児童と接触をして、その場で警察の身分を示して補導するというものであります。昨年4月から10都道府県で試行を行いまして、10月から全国で実施をしております。
    自己評価のところにございますけれども、昨年中、このサイバー補導で158人の児童を補導しております。そのうち大体3分の2が過去に非行・補導歴のない子ども、児童でありましたので、従来の街頭補導では把握できないような児童を把握して、補導しているということが言えるかと思います。
    それから、被害少年に対してでございますけれども、4枚目からの資料でございますが、真ん中が警察の体制でございまして、サポートセンター、少年補導職員などを中心に、あるいは相談窓口を設けまして、保護者、あるいは被害少年からの相談を受ける。関係機関と連携しながら取り組んで、もちろん被害申告があれば事件ということになりますし、あるいはその相談からさらに指導していくということでございます。実際そういった相談に対応しています少年補導職員は、臨床心理士などの資格を持っている者が多いわけでありますけれども、そういった者に対して指導・助言をいただくということで、カウンセリングアドバイザーというようなことで大学の先生などにお願いをしたりしております。
    今後の方向性でありますけれども、引き続き児童買春・児童ポルノを始めとします福祉犯の取締りや被害拡大防止、あるいは少年の発見保護活動を推進していくこととしております。
  • 文部科学省
    文部科学省青少年課長でございます。
    【学校における安全管理】という観点が1点ございます。「学校安全の推進に関する計画」という計画を、平成24年7月に策定しておりますが、これに基づいて学校の安全についての施策を推進しております。スクールガードリーダーによる学校巡回、あるいは各地域における子どもの見守り活動に関する支援、それから、子ども安心プロジェクトとしまして、児童生徒を対象とした教育教材、教員向けの資料作成などを行っております。
    また、2つ目【子どもの心のケアの充実】ということに関しましては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによるケア、それから、養護教諭と教職員が連携した健康相談、保健指導、あるいは子どもの心のケアに関する研修会、シンポジウムなどによる教職員のスキルアップというようなことに取り組んでおります。
    (2)ですけれども、予算上の人数でございますが、スクールガードリーダーは1,800人、スクールカウンセラー、公立中学校では全校配置、スクールソーシャルワーカー1,355人などとなっております。
    課題ですけれども、学校におけます危機管理マニュアルの策定を進めるということ。それから、スクールカウンセラー等によります教育相談の一層の整備・充実、心のケア体制の一層の整備・充実ということでございます。
    今後の方向性の1つ目の○にございますけれども、先般、中央教育審議会の中に、学校安全に関する部会を設けました。こちらにおいて、さらに学校安全の推進について検討していくということで、ここはこういう犯罪ということもそうですけれども、震災対策ですね。石巻市の大川小学校などの事例も踏まえて、そうした災害時の対応も含めた対策について検討していくということにしております。
    以下は参考資料でございますので、御紹介のみ。6ページ目が、学校安全の推進に関する計画の概要。7ページ目、それから、8ページ目が予算で対応しておりますスクールガードリーダーの配置、スクールガード講習会、地域の見守り活動等の概要。9ページ目は、スクールカウンセラー活用事業についての概要。10ページ目が、スクールソーシャルワーカーについての資料となっております。

<2> 奥山構成員からのプレゼンテーション

  • 奥山構成員(資料1-3)
    子どもに多い犯罪被害というものを見てみると、やはり性被害の問題は避けて通れない問題だと思います。
    先ほど、福祉犯という話が出てきたのですけれども、後で述べますように、強姦罪、強制わいせつ罪、福祉犯というのはどうして区別されているのかというのは、それは子どもが受けた被害によるものではなくて、こちら側の理由によるのではないかということがあります。
    まず、その前に、刑法犯被害の被害年齢別というものを23年で引いてきました。13歳から19歳は結構多いですね。
    これが子ども若者の性被害ということで、強姦罪と強制わいせつ罪だけ引いてきたのですけれども、やはり13歳から19歳がかなり多いということになります。
    25年度の警察白書を見ますと、全被害件数に占める子どもの被害件数の割合が高いものは、この子どもというのは低年齢ですけれども、アブダクションですね。略取・誘拐が95件と、強制わいせつ罪、それから、強姦罪と、やはり子どもの性被害は非常に多いということになります。次のスライドは昔から言われる性被害神話で、若い女性が夜、公園などの戸外で見知らぬ男から力ずくで、というものです。これは全部うそということだけは覚えておいていただければと思います。
    先ほど言いました強姦罪、わいせつ罪の違いに触れたいと思います。その前に、ここで書いてはいないのですけれども、児童に淫行させるというようなことで児童福祉法違反になるのは、親が強姦罪か強制わいせつ罪かで訴えることを拒否した場合になるわけですから、子どもの問題ではないのですね。
    それで、スライドには「『強姦罪』と『わいせつ罪』の不思議」と書きましたけれども、私はずっとこれが不思議で不思議でしようがないのです。
    強姦罪は凶悪犯で、強制わいせつ罪は風俗犯になっています。でも、この凶悪犯になる強姦罪という要件は何かというと、13歳以上の場合は抵抗しないとならない。でも、小学校の低学年から何回も何回も繰り返し性被害を受けてきた子どもたちは、抵抗できないです。このため、強姦罪にならないのです。以前の被害は日時が特定できず、起訴できないことが多いのです。しかも、最後に書いてありますように、肛門性交、口腔性交は強姦罪になりません。ですから、男の子が被害を受けたら強姦罪はあり得ないということになるわけですね。
    どうしてこうなっているのかというのは非常に不思議なのですけれども、明治時代の刑法がそのまま残っているということです。いまだにこういうことで子どもたちが非常におかしな形で扱われています。強姦罪とするために、一生懸命13歳未満の日時を特定したり、それから、性交があったかどうかというのを物すごく詳しく調べないといけないということで、すごく理不尽な問題ではないのかなと思っています。
    児童ポルノは、先ほどお話がありましたので省かせていただきます。
    新しい問題として、先ほどもお話があったネットの問題は、これからやっていかなければいけない問題だろうと思っています。ネットのいじめ、Cyber-bullyingなどは、国際的にすごく大きな問題で、韓国などはかなり調査がなされているのですけれども、日本では余り調査はきちっとされていないのなかと思っています。
    子どもを性被害から守るためには、被害を受けたお子さんが被害に遭いやすいこと、それから、被害を受けたお子さんが加害に回る可能性もあること、特に男の子はそういう傾向がありますけれども、その連鎖を断つということを考えますと、やはり被害児のケアというのは絶対に必要なことだと思います。低年齢児のSexual misbehavior、つまり、小学校低学年の性的なちょっとした加害に近いことから対応をきちっとしていかなければいけない。それから、ネット対策は先ほど出ていましたけれども、性的権利に関する教育やアサーションをきちっとやっていかなければいけないと思います。
    被害児への対応というのは、被害を受けたときの聞き取りから始まります。聞き取りが終わってから、被害の対応ではないのです。聞き取り自体が被害への対応になります。ところが、聞き取りによって思い出すことがトラウマの再現になるとか、時々子どもであるのですけれども、聞き取ることによって自分が何をされていたのかだんだん理解が進んでトラウマがひどくなっていく。それから、乖離した状態でぼーっとしていて、聞き取られているのですけれども、帰ってきてから物すごいパニックになる。そういうことが繰り返されています。
    警察にも少年課の中には心理の方がおられたりするのですけれども、生活安全関係と刑事関係の間の壁が物すごく大きいと思うのです。刑事課の方が被害の聞き取りをするときには、生活安全課にいる心理の方には連絡が一切行きません。ですから、専門家がいない形での聞き取りが行われてしまっているのです。これはなんとかしてほしいと思います。今は、子どもの傷を大きくしてからの被害対策になっています。ですから、傷を広げてから被害対策するのではなくて、傷を広げないでうまく話を引き出す聞き取り方をきちっとしてほしいと思います。
    それで、何回も聞かない工夫ですね。子どもたちは、1回聞かれて、また聞かれると相手に合わせていってしまいますので、話の内容が変わっていきますから、最初の聞き取りで全部をきちっと聞き取って、それをビデオに撮るというような、そういう仕組みを裁判の中できちっとつくっていくということは、これからの大きな課題ではないかと思います。
    子どもからの聞き取りの必要性ですけれども、やはり聞き取ってあげることは必要なことです。トラウマになるから聞き取らないではなくて、きちっとした形で、いい形で聞き取ることが、子どものエンパワーメントにつながります。自分も何かしたのだという気持ちになるわけです。
    よい聞き取り方によっては、トラウマの整理にもなります。よい聞き取りをしてもらうというのは、やはり子どもの表現権の一つだろうと思います。
    子どもとその家族の支援ですけれども、子どもにとっては、目撃だけでも大きなトラウマになります。子どもの現実理解には制限があります。発達とともに現実理解ができるようになって、昔のことを思い出して急にトラウマになったりというのもなくはないのです。
    犯罪による子どもの心の傷に関して必要な支援ですけれども、被害を受けた子どもと家族への支援で、親への支援、子どもへの支援だけではなくて、やはりきょうだいへの支援も非常に大きな問題です。被害を受けた子どものきょうだいがいかに傷ついているかというのは、最近では本も出たりして訴えてくださる方も出ていますけれども、やはりそこもきちっと考えていかなければならないと思います。
    被害者の家族である子どもの支援と同時に、本来は加害者の家族である子どもへの支援も必要なことだろうとは思います。
    今、成人の被害支援に関して、心理療法の費用補助がずっと見送られ、見送られになっているのですけれども、特に子どもの場合は、これは必要であると思います。子どもを持っている御家族というのはそれほど経済的に裕福というわけではないことのほうが多いわけですから、そういうところで費用がないので治療が受けられないということになってしまいますと、子どもにとって負担になっていく、ネガティブな問題になっていくと思います。
    まとめですけれども、子どもの犯罪被害、特に性犯罪被害に目を向けるということが必要だろうということ。それから、性的権利教育の推進。犯罪被害や目撃した子どもへの聞き取り、現場検証などを行う専門家をきちっと育てる。そして、必ず専門家をつけて聞き取り、現場検証を行ってほしいと思います。それから、その証言をしっかりと生かす手立てが必要です。司法面接とかですね。裁判所出廷によるトラウマを避ける方法というのもきちっと考えられていってほしいと思います。それから、犯罪被害に関連する子どもへのケアを無料化して、充実させていく必要があると思います。

<3> 意見交換

  • 花井構成員
    警察庁にお伺いしたいのですが、資料の4ページなどに、「被害少年」という言葉が出てきます。被害者は確かに少年も多いと思うのですが、圧倒的に少女のほうが多いかと思うのです。どうして「少年」で全部をくくっているのでしょうか。男女の比というのは出ているのでしょうか。ざっと見た感じ、「少女」という言葉が出てこないので、そのあたりのことがどうしてかということの質問が1つ。
    それから、加害者がどういう人だったのか。子ども同士のこともあり得ますが、だいたい、そうではない場合のほうが多いと思いまして、どういう人が加害者になっているのかの統計はあるのかどうなのか、教えていただきたいと思います。
  • 警察庁
    まず、1点目でございますけれども、ここにある「少年」は男女含めて、いわゆる少年法で言う少年でございますので、男性だけではありませんで、女性も含めております。20歳未満の方を「少年」と呼んでおりますので、そういう意味では性別の入った言葉ではございません。この資料に書いてある「被害少年」というのも、男の子という意味ではなくて、20歳未満の方という意味です。
  • 花井構成員
    そこも含めて「少年」だということは十分承知しておりますが、実際、被害は少女のほうが多いと思いますので、そのような概念で統計をとっていく、少女という一つの概念を設けるというお考えはないのでしょうか。
  • 警察庁
    少年法自体の定義の問題もありますけれども、統計に関して申し上げれば、もちろん性別が必要な場合は男女別の統計も出しております。ある時には少女と言ってみたり、男女含めて少年と言ってみたりすると、それは一つ一つ全て定義していかないと逆にわかりにくくなると思いますので、少なくとも私どもの中では、「少年」と言う場合は通常男女両方を含めております。必要に応じて男女別で統計は出しますし、性犯罪の場合ではそうでしょうけれども、そうでない別の犯罪であれば、男性のほうが被害が多いものもあるかもしれませんので、そういった概念を設けることについては今のところ考えておりません。
    それから、2つ目のお話ですけれども、加害者の統計はございます。
  • 松原構成員
    後ほどいじめに関して行うプレゼンテーションで用意した資料の統計のところを見ていただくと、ちょっと小さくて申しわけないのですけれども、後ほどお話をするいじめ等も多いのですが、性に関する相談で、特に男女別で見ていただくと、男性が圧倒的に多いのです。しかも、電話口に対応する人間が、男性が出ると大体切ります。女性が出るとこういう話になる。
    先ほど奥山構成員のほうからは、性の権利に関する教育というお話、重要性が出ました。そのとおりだと思うのですね。このことも含めて、やはり中高生、いわゆる思春期の若者に対し、いかに自分の体、権利を守るかという観点から、性に関する教育をもう少ししていく。身体に関することでも性に関する問題は出てくるのですが、学校で教わらなかったかと聞くと、大体教わっていないと言うのですね。いや、教えているのかもしれない。でも、記憶に残っていないというのがあって、ここへの対応というのを子どもの電話を受けていて常日ごろ感じていますので、ちょっといじめの問題とは異なりますからここで発言させていただきました。
  • 定本構成員
    それに関連してですけれども、奥山構成員がおっしゃったように、子どもの性被害に関しては、加害者は見知らぬ人というよりも見知った人が多くて、しかも繰り返されるというふうなことがあります。やはりどこかでそれが発見されて、助けを求めて、それに応じて助けられるという経験が絶対必要だと思うのですけれども、家庭がそういう機能がない場合、やはり学校だと思います。しかし、学校というのが性の被害にしても加害にしても、それを受けとって、迅速に動くということがなかなかできない。性の問題そのものに子どもは本当に深刻に悩んでいて、困っているという感覚を、学校の先生やスクールカウンセラーなど学校現場が持つ必要があると思います。
    私は加害者の少年をよく見ていますけれども、その子たちにしても、性の問題を誰にも相談できないし、インターネットなどを通じた非常にゆがんだ性の情報だけが入っている。被害者にならないということと同時に、加害者にならないきちんとした健全な性教育というのは、やはり加害者を見ていて必要だと思います。
  • 植山構成員
    学校現場で性の問題がある意味禁忌的に扱われているというのは、そのとおりだと思います。
    性の教育というよりも、生きることの教育だと思っているのですが、体の問題なども含めて、自分の身体に意識を向けるとか、身体マネジメントをするということが十分できていない現状があります。できればこういったことはもう少し低年齢の段階から、保護者が自分の子どもを育てていくときの育て方の学びの中に入れ込んでいくというようなことも必要なのではないかと考えています。これはきっといじめの問題とかネットいじめの問題などとも絡んでくると思います。
  • 明石構成員
    警察庁の方にお尋ねしたいのですけれども、JKリフレやサイバー補導を、つい最近テレビのワイドショーのようなもので見た記憶がございます。それで、その番組を見たときの私の印象としては、これは抑止にもなるかもしれないけれども、拡散にもなってしまうような要素があるのではないかなと思ったのです。ごく一部でされていることが広くメディアを通して知られることによって、新たな業者を含めたものが出てくる可能性というのがあるように思いました。
    広報活動をするときに、もう少し、刑罰を含めた厳しい対応がされているというのをアピールされたほうがよいかなと思った記憶がありますが、広報活動をなさるときの配慮、ポイントみたいなものはおありになるのでしょうか。
  • 警察庁
    サイバー補導についてお尋ねいただきました。もともとこれは静岡県でやっていたものを、その効果に着目して、昨年に試行実施をして、10月から全国的に始めたところであります。
    それぞれ実施した県で結果を広報しておりますけれども、抑止する効果があると思ってやっております。ちょっと数的なものはとれませんけれども、実際そういった形で大きく報道された後は、そういったコミュニティサイトに不適切な援助交際を求めるような書き込みの数が減るというような話も聞いております。また、子どもたちの中で、やはりこういうことはよくないことだよということが口コミで広がるといった効果も狙っております。
    あわせて、例えば学校と協力をして非行防止教室などをやっておりますけれども、そういった場でもこういったサイバー補導の例を出して、こういうことはやってはいけないのだというようなことを子どもたちに教えております。
  • 川邉座長代理
    奥山構成員の話の中で、犯罪の被害に遭った子どもが、取締りの段階や裁判の段階で、いわゆる2次被害のようなことになってしまうというお話がありました。本当にそのとおりでかわいそうなことになっているわけですが、警察は10年ぐらい前からかなり司法面接などの研究を進めていて、昔に比べれば相当配慮は進んでいると感じております。現在でも科警研等を中心に司法面接の研究を進めていて、予算的な措置も増えていると伺っております。
    奥山構成員は当然御存じだと思いますけれども、改めて誤解のないようにしておきたいのですが、司法面接そのものは、やはり立件するためのものなので、余りかわいそうがったりして証言を引き出すようなことをしてしまっては証言の信用性を失うので、保護的な感じのものではないということは指摘しておきたいと思います。
  • 原田構成員
    文部科学省の方に1点、スクールカウンセラーに関してお伺いしたいのですけれども、配置が小学校・中学校だけと書かれていると思うのですが、高校に関しては何か他で代替されているのか、あるいは、ないのであれば今後高校へもこのようなカウンセラーを配置しようと考えているのか、お聞かせいただければと思います。
  • 文部科学省
    スクールカウンセラーにつきましては、都道府県などに対する補助金事業として展開させていただいており、積算上は小学校と中学校を対象としておりますけれども、準用規定で高校にも配置が可能となっております。24年度の実績で高等学校は1,400校ほどに配置されております。

(2) いじめ被害、いじめ・暴力対策

大綱の記載や関係データを事務局から説明(資料2-1)した後、以下のとおり議論を行った。

<1> 関係府省からの説明(資料2-1)

  • 文部科学省
    いじめにつきましては、御承知のように、25年6月に「いじめ防止対策推進法」が成立しております。大津の事件なども一つの契機にして立法されたものでございます。昨年10月に、それに基づきまして「いじめの防止等のための対策に関する基本的な方針」、国の方針を策定しております。また、地方公共団体についても、こうした方針の策定が努力義務となっております。
    基本的な考え方としては、学校の設置者及び学校は、早期発見の措置、相談体制の整備、インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進などを進めるということでございます。また、こうした問題に対応するための組織を置くということ。それから、所轄の警察署との連携、あるいは国及び地方公共団体は、いじめに関する通報及び相談を受け付けるための体制を整備をするといったようなことでございます。
    【いじめ対策等総合推進事業】の中でも、平成26年度予算では48億円でございますが、道徳教育の充実、あるいはスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置拡充、元警察官、元教員等の生徒指導推進協力員・学校相談員の配置拡充、24時間いじめ相談ダイヤル、いじめ対策等生徒指導に関する調査研究などを行っており、また、教職員定数の改善といったことを措置しております。
    (2)ですけれども、「地方いじめ防止基本方針」の策定状況や教育委員会に置く附属機関については、数字がまだ昨年末ということで古いデータになっておりますが、現在ほかの項目も含めて調査中でございます。
    課題としては、こうした体制整備を通じてしっかりした対応ができるようにしていくこと、あるいはその普及啓発ということでございます。今後の方向性といたしまして、こうした各地域の取組状況を調査、公表するといったことも進めていきたいと考えております。
    以下、参考資料になりますが、2ページ目は、いじめ防止対策推進法の概要となっております。「第三章 基本的施策」の中で、先ほどの道徳教育の充実、早期発見のための措置、相談体制、インターネットを通じたいじめ、人材の確保、調査研究、啓発活動等が規定をされておりますし、第五章では「重大事態への対処」といったことなどが含まれております。3ページ目は、国のいじめの防止等のための基本的な方針の概要でございます。国の基本方針ということで、国が実施する施策、あるいは地方公共団体が実施すべき施策、学校が実施すべき施策。それから、4ページ目に行きまして「重大事態への対処」といったことで、学校の設置者、あるいは学校による調査。それから、下ですけれども「(2)地方公共団体等の長等の再調査及び措置」といった内容が盛り込まれているところでございます。5ページ目でございますけれども、この法律に規定されております組織について整理をしたものでございます。地方公共団体におけるいじめ問題対策連絡協議会。教育委員会に設置する附属機関。学校に置かれますいじめ防止等の対策のための組織。それから、重大事態が発生したときということでの学校に置く調査組織、附属機関といったものでございます。6ページ目は、それらを図の形にしているものでございます。7ページ目は、予算の事業で盛り込まれている中身でございます。いじめ問題への支援体制ということで、未然防止でありますとか、早期発見・早期対応、調査研究、教員研修の充実等が盛り込まれているところでございます。8ページ目、9ページ目はデータになります。先ほど内閣府のほうからも御紹介がありましたいじめの認知件数等のデータでございます。
  • 警察庁
    11ページのポンチ絵がわかりやすいと思いますので、こちらで説明させていただきます。A4の横のカラーの資料でございます。
    「学校におけるいじめ問題への的確な対応について」ということで、警察の基本的な考え方が一番上に書いてございますけれども、一義的には教育現場における対応を尊重しつつも、犯罪行為がある場合には必要な対応をとるということでございます。
    その下に「いじめ事案の早期把握」「把握した事案への的確な対応」と書いてございますけれども、早期把握につきましては、日ごろから学校と緊密な連携をとる中で、いじめ事案について早期に把握していくということでございます。
    その枠組みとしまして、下に囲ってあるところがございますけれども、一つはスクールサポーター制度というのがございます。これは警察官OBが大半でありますけれども、現在43の都道府県で761人が配置されていまして、警察署等に配置をしまして、担当する学校を訪問をしたり、必要に応じて、学校に常駐したりする場合もございます。あるいは、管内の学校を幾つか回っていく、訪問するというような形をとりまして、校内を巡回して生徒に声かけをしたり、あるいはいじめ問題等について助言を行ったりということで、学校との架け橋となっているものでございます。
    それから、学校警察連絡協議会を設けまして、いろいろな情報交換を行っています。こういった枠組みによって学校と連携をしながら、いじめ事案の早期把握をする。それで、把握した事案への的確な対応ということで、犯罪に当たる重大なものについては迅速に捜査に着手しますし、犯罪行為として被害少年等が取り扱いを求めるものについては、被害届を受けて捜査を行うというような対応でございます。
    法律ができまして、また、国の基本方針も定められました。もちろんその指針に従って、引き続き学校と連携を行いながら、一層的確に対応しているというところでございます。
    校内暴力につきましても、同様に学校と連携をしながら事案に応じて対応するということでございます。
    自己評価のところでは、スクールサポーターについては先ほど申し上げたとおりであります。事件の検挙の状況ですけれども、昨年中、いじめに起因する事件を410件検挙しております。前年に比べて非常に増えています。これはいじめの定義を法律の定義に合わせたもので、それ以前は、警察の統計では継続して行われていたものをいじめと捉えておりましたが、法律では1回だけでもいじめということになりますので、その部分で増えている面もありますが、そういった部分を除いても増えてきております。校内暴力についても同様でございます。
    状況としては非常に厳しいものと考えて、引き続き、スクールサポーターをより拡充を図るなどして、学校との連携を更に図りながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
  • 法務省
    法務省の人権擁護機関では、全国の小・中学校の児童生徒に対し「子どもの人権SOSミニレター」を配布しております。また、全国50カ所の法務局・地方法務局にフリーダイヤルの専用相談電話「子どもの人権110番」を設置し、子どもの人権問題に関する相談に応じています。
    また、いじめ事案の情報を得た場合には、人権侵犯事件として調査し、教職員や学校と連携していじめ行為の中止や再発防止を図るなど、いじめを受けた子どもの救済に努めています。さらに、教職員や学校のいじめに対する対応が不十分であったと認められたときには、教職員や学校に改善を促すなどしています。
    その進捗状況につきましては、今から申し上げる数字はいじめに関するものだけではありませんが、「子どもの人権SOSミニレター」の通数は、平成23年から平成25年にかけて2万件前後で推移しております。また「子どもの人権110番」による相談件数は、平成25年が約2万8,000件台と、前年、前々年に比べて増加しているところです。
    このような人権相談等を実施することは、いじめを含む子どもの人権問題について早期発見と早期対応を行うために、必要かつ有効なものであると考えております。
    現在認識している課題としましては、子どもの人権が尊重される社会の実現に寄与するため、今後も人権相談体制等の整備を図る必要があると考えております。
    今後の方向性としましては、引き続き人権相談等を実施してまいりたいと考えています。

<2> 松原構成員・嶋崎構成員からのプレゼンテーション

  • 松原構成員(資料2-3)
    いじめの問題は、学校などで対策も進んでおりまして、それはそれで非常に貴重な動きだと思っておりますが、今日はチャイルドラインという、子どもの電話相談の活動を御紹介します。
    もともとヨーロッパで始まってイギリスが有名です。日本の場合はヘッドクオーターというよりは緩やかな連合体で組織をしております。今日は私がかかわっているよこはまチャイルドラインの状況をお話しします。
    相談件数をみていただくと、数字が細かくて申しわけないのですけれども、人間関係というのは実はいじめにも転嫁するということで、いじめが直線的に起きていないということをうかがうことができます。クラスの人間関係が非常に複雑で、自分がどの立ち位置にいたらいいかわからないというようなことが、やがていじめの相談に変わっていくという可能性は十分秘めておりますし、そういう人間関係の中で誰かがいじめられていて、自分が対処に困っているという相談もございます。
    学年別・年齢別に見ますと、小学生は人間関係が非常に多いですし、やはりその中では友人関係もあります。それで、両親や先生と相談してもうまくいかないということでかかってきている部分も多いということになります。3位にいじめが入っています。中学生ですと、やはり人間関係、いじめという部分が多くなります。中卒以上ですと、いじめは入ってきていないのですが、2番目に人間関係が入ってきております。なお、これは御本人が名乗って、中学生ですとか高校生ですという形でお話されていますので、実際我々の現場感覚としては、18歳を超えているだろうなという方たちもいて、これは別の形で支援が必要な若者たちがいるということを示唆しているのかなと思います。
    チャイルドラインは名前を言わなくていい。相談はフェイス・トゥ・フェイス、あるいは名乗るということが前提のものが多いのですけれども、そういうことでハードルが低い。それから、秘密は守っています。それから、アドバイスしない、一緒に考えるという形でやっていますので、非常にハードルは低いのだろうということ。あと、電話相談なのですが、0120を使っておりますので無料で電話できるという、ここも大きいのかなと思います。
    もちろん、話をしていて、本当に電話線を伝わって向こうに行きたいような事例もありますので、これだけで問題解決できると思っておりません。対面相談も、教職員による相談、あるいはスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーによる相談と並行して、匿名による電話相談というのが必要だと思います。
    それから、今後はメール相談なども積極的にやっているところもありますから、広がっていくのではないかなと思います。
    チャイルドラインは、今年から週2を週3にしていきます。イギリスの例などとりますと、24時間365日開けているわけですから、まだまだ弱い部分があります。全国の支援センターでは、共通電話番号を振りまして、どこかあいているところにつながるというふうな工夫もしているのですけれども、残念ながらヘッドクオーター機能がないものですから、資質がどの程度均質化しているかというところでやや疑問があります。そういう意味でも、今後は受けていくほうの資質を向上させていくことも必要だと思っています。
    よこはまチャイルドライン自体は、毎年支援者養成講座を、いわゆるグループワークも含めて実施をしていきます。
    そして何よりも、これも民間活動ですから、応援団の輪を拡大していくことが今後必要になってくるだろうと思いますし、秘密は守りながら、子どもたちがどのようなことを訴えているかということについては社会に届ける役割も持っているのではないかと思います。
  • 嶋崎構成員(資料2-4 事務局代読)
    いじめ防止対策推進法については、このマトリックスの表の下に書きましたように、開発的・予防的視点が重視された法律でありまして、この点を強化することがいじめの防止・解消につながることが期待されます。
    多くのいじめを主因とする自殺は、教師から見ると仲間と思われていたと言われる強制加入型、飼育型、拘束型とも言われるが、これが多い。被害を防ぐには、過去の事案から学ぶナレッジマネジメントが重要と考えます。
    いじめの指導に欠けていたのは、加害者指導のあり方と思われます。「いじめられる子がかわいそうでしょう」だけではなく、いじめる側の問題解消を目指し、ときに福祉的、あるいは手法的な対応も重要と考えます。余りに心理主義に偏った対応ではなくて、機に応じた人材の派遣も必要と考えます。かつて出席と停止の措置をとろうとしたが、対象者の指導・支援のための支援の人材が足りずに、諦めてしまったこともありました。

<3> 意見交換

  • 奥山構成員
    いじめにもいろいろな種類があると思います。そこをアセスメントしていく能力というのがやはり非常に重要なのではないかと思うのです。
    例えば、加害者と被害者がころころ入れかわるような状況もあります。なぜそういう事態が起きているのかということを、グループダイナミックスをきちっと見ていく考え方がないと、誰がいい人で誰が悪い人というような決めつけをしてしまう結果になりがちなのではないかなという危険性があるなと思う時があります。
    加害・被害ということがある程度はっきりしている事案に関しては、先ほど来お話が出ている加害者支援が非常に重要だと私も思っています。さらに言うと、被害児童と加害児童の間の和解のプロセスをきちっとすると、かなりのエンパワーメントにつながります。ただ、私がかかわったケースなどは、2年、3年かかっています。そういう長期にわたってきちっとしたケアをするということが重要なことになるのではないかと思います。私が関わった事例では、加害をした子のケアがほとんどなされていなかったということがわかりましたし、加害をした子も和解のプロセスによってかなりエンパワーされたということがありました。低年齢のうちにそうしたことをやっていくということが、とても重要なことなのではないかなと思いました。
  • 定本構成員
    京都府でいじめの第三者委員会の委員をしていますけれども、やはり本当に、加害者と被害者というのはそう簡単に加害児童、被害児童と分けられるものではなくて、被害者だった人が加害者になったり、加害者だと思っていた子が実は被害をずっと受けていたりというようなことがある。しかも、そこに保護者の問題が入ってきますし、認知の偏りというものを持っている場合も入ってきて、本当に複雑な問題がかかわってきています。
    だから、単純なことではなく、非常に複雑でいろいろな要素がかかわっているということを十分認識した上で取組を続けていかなければ、本当にこじれてしまう。かえって、悪者探しになったり、あくまでも教育的な配慮を持った取組であるということで進めなければさらにこじれてしまうということが多い。
    やはり、いろいろな要素を踏まえた上で、どんなことが起こっているのか、どういうことがあってこの子はこういうふうになったのかというふうなことを、きちんと科学的に、専門的に見ていくという視点がなければ、かえって問題が混乱してしまうということを思うので、本当に慎重な対応が必要だと思います。
    あと一点、いじめの問題というのは、何か大きな事件があると認知件数がぱっと上がる。前年、大津でああいう事件があったことで非常に増えたと言いますけれども、その前も山形県だかどこだかでそういう事件があって増えました。いじめはずっとあるのですが、それに対して鈍感になっており、事件があると、これあります、これもありますという申告になる。
    いじめという弱者に対する人権侵害は、学校現場にずっとあるし、それは大人の世界にも続いていっている、弱者に対する人権侵害を許さない、子どものときからいじめという人権侵害が起こらないようにという感覚を養っていくという大きく長期的な視点を持った取組をしなければ、また終わってしまうという気持ちがします。
  • 今村構成員
    被災地で緊急スクールカウンセラー等派遣事業の一環という立ち位置で、宮城県の女川町と、岩手県の大槌町に、10~15名ほどの職員を現地に配置して、学習支援を通じた心のケア活動を行っています。放課後は当団体の施設にバスで通ってきますが、日中の時間は学校に対する授業サポートを行ったりと、多様な形でスタッフが教育課題に取り組んでいます。
    その中で聴くのが、学校のカウンセラーさんはやはりお忙しいのか、週に1度しかいらっしゃることができていないということもあって、なかなか相談件数が少ないと聞きます。ただ、私たちで言えば「斜めの関係」と呼んでいるのですけれども、若い大学生レベルの、あまりスキルも能力もない若者たちが、学習サポートに入っているというだけの関係性の中で、生徒たちから様々な相談を受ける件数がものすごく多いわけです。
    20代ぐらいのスタッフが入るとやはりいちばん相談が多いのは、友達の悩みと性の悩み、そして家族の悩みです。例えば、被災地ですので、「津波でコンドームの自販機が流されたから買えない」だとか、そういった大人が聞き取れないような課題が寄せられます。特にこうした性の問題は、若いお兄さんお姉さんにだったら相談ができても、カウンセラーさんに相談するまでもないというか、そういった中に重要なアラートが発見できるようなことがあります。
    個別性の高い、細かい生徒たちの相談には、若い世代の活用が効果的に力を発揮するのではないかなと思っています。いじめ対策等総合推進事業の中に、ユースワーカーと言いますか、若い人たちの活用というものが入っていないのですけれども、スキルはなくても若いというだけでも実は相談しやすいのだというところを特徴と捉えた何かしらの施策が入ってくるといいのかなと思っております。
  • 谷口構成員
    今村構成員がおっしゃったことは、この分野に限らず、社会的に解決能力が伴わずに放置されているような領域にはとても有効に働くと考えております。
    実例を挙げたいと思いますが、とある県では、当事者である児童生徒にとっていわゆる斜めの関係性を構築できるお兄さん、お姉さん世代の大学生、大学院生を学校に配置をして、週に2回から3回校内を巡回してみたり、声かけをしてみたりしたのですが、1年間でいじめ・嫌がらせ等の問題が116件発見されたのです。その県で当時いじめ件数として文部科学省に報告された認知件数はこれより低く、つまり、学校側、教育委員会側が把握できていなかった心の声が多く拾えたということになります。
    もう一つ、インターネット上のいじめ被害などを把握するために、不登校やひきこもり当事者も含めて、お兄さん、お姉さん的なアプローチができる支援員のサポートの下でネットパトロールを実施しました。やはり子どもたちが持っている情報網というのは、大人たち、教員が持っている情報よりも詳細です。より秘匿性の高いグループの中にも入っていけるということで、ネット上の監視日数111日間で不適切な書き込みを約4,800件も発見することができました。そのうち305件が削除依頼を出さなければいけないような深刻な案件であり、そこで被害にあっていた子どもたちが救われたという事例があります。中には、リストカットをしてみたり、あるいはオーバードーズをしてみたり、非常に厳しい状況に追い込まれているにも関わらず、専門家が配置されている学校側も把握できていないといったケースも少なくありませんでした。
    こういった実例を見ても世代という特性もしっかりと活かして、若い力を施策の中に組み込んでいくということをやらないと、専門家ばかり配置しても、子どもたちのニーズからどんどん離れ遠い世界に行ってしまう可能性がある。ここは施策を天啓するうえで、しっかりと認識しておく必要があるのだろうと思います。
    その次ですけれども、やはりいじめ対策推進法ができたということで、これから取組が進んでいくものと思うのですが、その対策を実行し得る体制の整備や解決能力を持った教員や外部機関の育成を早急に行わなければいけない。我々は、多くの学校からケース検討やいじめ対策の会議に呼ばれて行くのですが、これまでとほぼ変わらない根性論の世界、美談の世界に終わってしまっている学校もある。その中で、当事者が置いてきぼりになってしまっている。現場では非常に苦しい状況が続いて、加害者への指導に関しても単に「いじめは駄目な行為である」といった指導を行いましたという世界で終わってしまって、実際に解決には至っていない事例もある。特に被害者支援というところでいくと、トラウマを抱え、認知的にも偏りがあって、友人や家族による言葉かけや対応では心に届かず解決に至らない、非常に苦しい状態に陥っている子どもたちがいます。
    いじめの被害、特にひどいケースは、その問題を周囲の対応次第で解決できるという認識を在学中につくっておかないと、そのトラウマが高校進学した後に発症して、対人関係をうまく保てなかったり、精神的に病むなどして不登校や中退、さらにはニート化につながるリスクも高くなる。実際、さが若者サポートステーションの実態調査によると、アウトリーチ対象者の52.8%はいじめ経験があります。在学中の被害経験が生涯にわたって本人の社会的な適応性をも奪ってしまっている隣国な事態が明らかになってきています。
    つまり、いじめ問題の積み残しが今のニート問題の一因にもなっているということですから、しっかり在学中に解決をできるような仕組みを整えることが大事ですし、もし学校だけで解決できないのであれば、学校連携推進事業によって学校との連携を構築している地域若者サポートステーションのようなところがしっかりと在学中に関係性をつくって、被害者を孤立させることなく継続的、連続的に支援をしていく仕組みを確実に構築しなければならないと思います。
    他方、加害者については、どうしても今は、反省文を書かせる、清掃美化活動を行わせるといった効果性の低い懲罰的な指導で終わってしまっている現実が一部あります。子どもたちはまだ成長の途中の段階にあるということですから、成育環境に問題があって認知的な偏りがある場合であるとか、ストレス要因など問題行動を引き起こす何かしらの要因があるということであれば、しっかりとその背景にまでアプローチをする。環境、家庭の支援から始めるということもケースによってはやらなければいけない。例えば、虐待を受け続けている場合、そうでない場合に比べて、何かしらの逸脱行動、問題行動を起こすリスクは高くなります。こういった場合、本人に対する指導を繰り返しても行動の適正化が望めない場合もあるわけで、その要因となっている家庭に対してもアウトリーチを用いて指導あるいは支援できる仕組みを作る必要がある。これはいじめ対策のなかでもしっかりと求めていかなければいけないと思います。
  • 花井構成員
    文部科学省にお伺いしたいのですが、スクールカウンセラーの公立中学校・小学校への配置が、この数年で一気に進んだということで、これはこれで大きな前進だったと思っております。
    ただ、スクールカウンセラーの方が常時いなくて、子どもたちが相談したいときに相談できないという話を幾つか伺いまして、先ほどの事務局の資料では、やはりスクールカウンセラーへの相談件数が少ないと出ています。
    「スクールカウンセラーによる週5日相談体制を導入」として200校となっていますが、予算の制約があって進まないと思うのですが、できるだけ長い時間帯、学校にスクールカウンセラーにいていただくため、今後、文部科学省として、スクールカウンセラーの週5日化については具体的にどのように対応していこうとしているのか、もしお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
  • 文部科学省
    スクールカウンセラーの補助金事業は、3分の1補助ですが、3分の2は総務省を経由した地方財政措置として裏負担分が地方に配分されています。
    週5日配置については、概算要求時は1,000校ぐらいを目指したのですけれども、今回は200校となっております。スクールカウンセラーの配置の要望が多いところについては、できるだけ引き続き配置の拡充に努めてまいりたいと思っております。
    また、問題行動を起こす子どもというのはその背景にいろいろな家庭の事情等もありますので、そういう家庭への支援というものも必要だという観点から、子どもの周りの環境に働きかけるスクールソーシャルワーカーの配置の拡充について、スクールカウンセラーとともに教育相談の両輪として配置の拡充に努めてまいりたいと思っております
  • 植山構成員
    スクールカウンセラーが、例えば週5日間配置された学校と週1回配置の学校とで、スクールカウンセラーの動きや成果にどのような違いがあったのかというデータをぜひとっていただきたいと思っております。
    地方自治体ごとに配置のスタイルが違い、雇用条件などもいろいろ違う。かなり格差があるわけです。今日お配りした本は、東京の臨床心理士会の中にある学校臨床心理研究会というスクールカウンセラーのグループが20年近く研究会をやってきた中で初学者向けのテキストとしてつくったものなのですが、これはあくまでも東京の事例でありまして、他県では違う動きをしていらっしゃるのではないかと思います。スクールカウンセラーの日本のスタンダードは何かということが明確にしていくことを、ぜひお願いしたいと思っております。
    それと、いじめ問題というのは「いじめ」という言葉でくくってしまうと見えなくなるものがかなりたくさんあります。「いじめ」という言葉であらわさないで、どういう事実がそこにあったのかということを、先生方と当事者と話し合うというところが一番大事だと思っています。ですから、被害側からの聞き取りも、加害者からの聞き取りも、そのような「いじめ」という言葉を外した形で、何が起こったのかを振り返らせるとか、そのことによって相手に自分の言動がどういう影響を与えたのかというような、いわゆるストレスマネジメントだったり、ソーシャルスキルだったりというものを教えるような形での取組が必要だと思っています。
    基本的には未然防止が重要でありまして、そのためには先生方の研修は重要ですし、同時に先ほどから話題になっている保護者に学んでいただくことがとても必要だと思いますので、包括的にそういったサポートができるような体制をつくれればと思っています。実はスクールカウンセラーも、スクールソーシャルワーカーが入らないうちはソーシャルワークもせざるを得なくて、やっているわけです。1日8時間勤務ではとても終わらないので、持ち出しをたくさんしているということもありますので、ぜひ精査していただいて、今後の施策に反映させていただきたいと思います。
  • 谷口構成員
    今、お話にあったように、結果を残しているスクールカウンセラーの方は、教員や保護者ともしっかりコミュニケーションをとって、さらには外部機関に対してもアプローチし誘導するなどソーシャルワーカーとしての役割も実践している方が多いと思います。
    結局、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの違いと言ったときに、臨床心理士の資格を持っているかいないかというような差であったり、その役割という点でも配置される「人」によってその実績が大きく左右されているといった点については、以前もこの会議のところで指摘をさせていただいたところですが、外部機関に関しても同じなのです。
    いろいろな看板を掲げ名前は違うのですが、特に状態が深刻化した子どもたちの支援に求められるスキルは、おおよそ共通してきている部分があると思います。多くの問題が、成育環境に起因するものというところがあり、それを解決する能力というものがなければ、単なる助言、アドバイスによって本人をエンパワーするだけという旧来のレベルから脱却できない。そこで、縦割りを突破して、教育、医療、福祉など、関連分野の大学での養成の段階、教員やその他の専門職の資格取得の段階から、家庭への支援を大きな柱として位置づけた上で、具体的なスキルを身につけるような育成システムをつくっていく必要があるのだろうと思います。
    もう一つ、やはり我々大人も反省しなければいけないと思っているのです。テレビを見れば芸人さんたちが身体的な特徴や言動をいじられる。一般社会で考えればやられる方はたまったものではない。あの行為を子どもたちは毎日見ているわけです。我々大人はそれをエンターテインメントとして、お金をもらって、プロとしてやってらっしゃる方々として認識してみていますが、子どもたちはその認識が十分でなかったりする。そうすると学校の中で同じような行為で同級生をいじったりする、これがいじめに発展するケースも少なくない。そういったところについてもきれいごとではなく、違いを認識できるように指導しなければならないし、内容によっては、エンターテイメントとしての認識を止め改めていく。大人も背中で示さなければいけない部分も多分にあるのだろうと思います。
  • 川邉座長代理
    いじめに関与する要因が余りにも多いから、いじめに対応する施策は網羅的であらざるを得ないのは当然だと考えます。多面的に対応していくことを前提にして、いじめ防止対策総合推進事業と法律ができて、制度もできてきたわけですが、法律ができ、学校と警察が連携しましょうとなったときに、第1に責任のある人、第1に発見しなければいけない人、第1に対応しなければいけない人が誰なのかが、ぼけるようなことがあるのではないかとやや危惧します。
    やはり、一番いじめの問題を発見できる、あるいは非常に早期に対応できる人というのは、先生以外にはないと思うのです。まず、そこのところを忘れないでほしい。例えば大津の事案を見ても、それから、先般明らかになった湯河原の事案を見ても、一次的に対応した学校の先生はわかりませんでした、第三者委員会が入ってきてやっとわかりましたという経過が見られます。本当にそれで失敗を次に生かしていけるのかなと危惧するのです。先生の第1次の対応能力・発見能力を強化する施策を中心に据えた上で、各施策を構造化する必要があると思います。
  • 古賀構成員
    今のお話はすごく重要です。責任というものには、事後的に説明をして、今までやったことについて反省的に理解する「説明的責任」もありますが、実際に子どもと面と向かって対応していく「応答的責任」があるわけです。
    「応答的責任」が果たせないと、いじめ自体をなくすことはできない。実際に現場で子どもと対面して予防したり回避したりしなければいけない。しかし、教員の側はどうしても今、説明的責任に目が向きやすくなってしまっていて、そうすると、アンケートをとりましょうということで終わってしまうこともあり、それをどう使うかがよくわからないでいる。
    文部科学省の資料に、教員研修センターの研修が挙げられていますが、実は地方自治体でばらばらにいろいろな研修をしている。その研修に、今話が出たような課題をどう取り込んでやっているかを一回整理していただいて、そして、学校でできることとできないことをある程度はっきりしていただかないと、多忙な先生方が説明責任だけを過剰に考え始めたときの大変さもあるわけです。いじめ問題の本質にかかわる法的、制度的、組織的な責任の分類・意味づけという問題をやっていただいて、学校での研修とか法整備、組織整備へ向かっていくという作業がないとだめなのではないかと思いました。ですから、そこはぜひお願いしたいです。
  • 宮本座長
    地域若者サポートステーションが対象としているのは、いわゆるニートの状態の若者たちで、直近の1年なり2年なりそれ以上無業状態でいた人が非常に多いのですが、6割がいじめの体験を持っている。いじめられたからニートになるという、そんな単純ではないですけれども、いじめという問題が必ず介在するというくらいに、やはり学校年齢期だけの問題ではないということを感じています。

(3) 被害防止のための教育

大綱の記載や関係データを事務局から説明(資料3-1)した後、以下のとおり議論を行った。

<1> 関係府省からの説明(資料3-1)

  • 文部科学省
    1ページ目【学校における安全教育】でございます。
    学校・家庭・地域が連携して学校における安全教育を実施するということで「防犯教室」「交通安全教室」「防災教室」等の開催を支援しております。また、東日本大震災の教訓を踏まえまして、地震や津波発生時の対応に関する共通事項をまとめた「学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き」を作成したり、防災教育の系統的・体系的な指導内容を整理して、学校現場にわかりやすく示した「生きる力を育む防災教育の展開」を作成・配布をしております。また「実践的防災教育総合支援事業」を通じまして、防災教育の手法の開発・普及、ボランティア活動の推進・支援、学校防災アドバイザーの活用等を行っております。
    もう一点、最近携帯・スマートフォンを所持する児童生徒も多くなっておりますが、情報モラル教育ということで、一つは学習指導要領に基づく教育。それから、最近スマートフォンが多くなって、長時間ネットを行う、あるいはSNSでいろいろなトラブルに巻き込まれるといったことがありますので、適切な指導を行うための教員向けの手引書を、先月3月末に作成・配布をしたところでございます。あわせて安全・安心な使い方を啓発するリーフレット等を使いまして、PTAなどと連携して、教員、あるいは保護者のほうにも普及啓発をしております。今年からは「春のあんしんネット・新学期一斉行動」ということで、総務省、内閣府、警察庁などと協力をいたしまして、卒業・新学期の時期に一斉に普及啓発をする活動などを行ったところでございます。
    進捗につきましては、今のところと重なるところでございます。
    課題としては、防災につきましては、安全教育の指導時間を全ての学校において一定程度確保するということ。情報モラルに関しましては、SNSなどを通じたいじめなどの新しい課題への対応が求められていると認識しています。
    以下は参考資料になりますが、2ページ目は学校安全教室・防災教室ということで、防犯、防災、交通安全、心肺蘇生といった中身の資料でございます。3ページ目は、先ほどの学校防災のための参考資料の概要。4ページ目は、予算で措置をしております防災教育に関する事業の概要。5ページ目は、学校事故対応に関する調査研究ということの概要。6ページ目は、インターネットに関するものですけれども、7ページ目に、文部科学省で実施しております情報、インターネット関連ということで「情報モラル教育の推進」あるいは「ネット上のいじめへの対応」「学校での携帯電話の取扱い」「子供や保護者への啓発」ということで、現在取り組んでいる中身を整理した資料でございます。
  • 警察庁
    まず、防犯教育につきまして御説明申し上げます。
    警察では、子どもが犯罪に巻き込まれる危険を予見する能力や、危険を回避する能力を向上させるために、学校や教育委員会等と連携しまして幼稚園、小学校等におきまして防犯教室等を開催して、子どもの被害防止教育を推進しております。具体的には、子どもの年齢や理解度に応じまして紙芝居とか演劇、視聴覚機材などを取り入れるとか、ロールプレー教室とか、いろいろな工夫を凝らしているところでございます。
    進捗に係る自己評価ですが、1番目に、平成24年度中の全国の小学校における被害防止教室の実施状況ですが、開催校数は約2万校、実施回数は約2万5,000回ということでありまして、9割以上の小学校と連携いたしまして開催しております。
    現在認識している課題といたしましては、最近も子どもが連れ去れられて数日不明になるというような事件が幾つかございましたけれども、行為者が例えば警察官を語るとか、いろいろ甘言や詐言を用いたり、それから、やはり車両を使用して略取するなど巧妙化、悪質化の傾向にございますので、子どもが危険な事案に遭遇した場合に実践できるように、より具体的なシチュエーションを念頭に置いた防犯教室を推進していく必要があるかと存じます。
    今後の方向性ですけれども、学校等において防犯教室等を実施する際には、子どもが危険な事案に遭遇した場合に実践できるよう、具体的事例に基づいて考えながら行う参加・体験型の被害防止教室を、具体的事例をさらに最新のものにするとか、いろいろな形で工夫を凝らしていきたいと考えております。
    次に、交通安全教育についてです。国家公安委員会告示であります交通安全教育指針に基づきまして、各年齢層に応じた交通安全教育を実施しております。具体的に申し上げますと、現在までの取組ということでございますが、1枚目のポンチ絵にもつけてございますが、24年4月以降、登下校中の児童等が死傷する交通事故は記載のとおりでございますが、そういうものが連続発生したことを踏まえまして、文部科学省、国土交通省と連携して、通学路の緊急合同点検を実施しました。これを踏まえた交通安全教育ということで、図の写真の真ん中にもありますが、トラックの死角を体験していただくとか、あるいは右の隣にありますが、スタントマンを使って自転車と車をぶつけてみる。こういったスタントマンによる事故の再現といった参加・体験・実践型の交通安全教育を実施しているところでございます。
    その結果としまして、25年中の交通事故死傷者数でございますが、平成21年と比較しまして年齢層別では15歳以下、これは我々の交通事故統計では子どもの扱いでございますが、19.3%の減。16歳から24歳、我々は若者としておりますが、22.8%減少ということでございます。ちなみに全体、全年齢層でありますと、先ほどのポンチ絵の右側のところに「交通事故の情勢」というところがございますが、全体がマイナス14.2%でございますので、それを上回る減少幅を記録しているところでございます。
    続きまして、現在認識している課題でございますが、これも先ほどのポンチ絵の「交通事故の情勢」の下のグラフを見ていただくとわかりますが、自転車乗用中の死傷者のうち違反のある者の割合というのが、若者のほうが非常に高い割合でございます。15歳以下の年齢層では、7割以上が何らかの違反がある。これは全年齢層で平均しますと64%ですが、それを上回っておりますので、これを踏まえた自転車安全教育をさらに推進する必要があると考えております。
    したがいまして、今後の方向性に書いてありますが、先ほど申し上げました指針に基づきまして、段階的・体系的に参加・体験・実践型の交通安全教育をさらに推進していく必要があると考えております。
  • 総務省
    携帯電話等の普及によりましてインターネットが身近になっている中で、トラブル、犯罪といったものに巻き込まれないための基本的な知識ですとか、利用に当たってのモラル、マナーといったものを醸成しようということで、基本的にはICTを積極に活用していただきたいという立場での施策ではあるのですけれども、メディアリテラシーを育成するということを目的に、23年度から25年度の3カ年計画で取り組んでおります。
    <1>のところで、23年度の当初は検討委員会というものを組成しまして、モデルシステムの構成ですとか、育成すべきリテラシーの指標であるとか、具体的な育成内容といったものの検討を行いまして、報告書として取りまとめております。
    24年度につきましては、その報告書を踏まえまして、実際にモデルシステムというものを構築するとともに、リテラシー育成のためのコンテンツを作成しております。その上で、図書館や公民館に、実際に、タブレットを配置しまして、自分で学習をしていただくような仕組み、利用環境というものを整えてございます。
    平成25年度、最終年度でございますが、PCDAサイクルを回しまして、このシステムの改善ですとか、コンテンツの見直し等、実効性の高い普及モデルの検討を行ったところでございます。
    小中学校などのほうにも出前授業みたいな形もやりまして、先生や生徒からも非常に好評をいただいておるというところでございます。
    進捗に係る自己評価でございますけれども、こういった取組を通じまして、報告書というものを作成しました。現在、公表の準備も進めておりまして、普及に向けた取組は着実に進捗をしているのではないかと考えております。
    現在認識している課題といたしましては、スライドですとか動画といったものを中心としますリテラシー育成のためのコンテンツというのは充実したと考えておりますけれども、より実践的な学習というものを提供するために、シミュレーター型のようなコンテンツといったものがまだ十分ではないと考えております。
    今後の方向性といたしましては、こういった新たなシミュレーター型のリテラシー育成のためのコンテンツの開発等をやっていければと考えておりまして、引き続きリテラシー向上のための取組を推進してまいりたいと思っております。

<2> 意見交換

  • 植山構成員
    インターネット絡みのことで子どもたちにメディアのリテラシーを教えるというのは、様々な省庁や事業者の方たちが随分工夫してくださってよい教材も出てきたので、学校現場にとってはありがたい状態にはなっているのですが、昨日も、内閣府の青少年インターネット環境の整備等に関する検討会で話題になったのですが、一番知ってほしい保護者に届かないという現実がありまして、どうしたらいいのだろうということがあります。
    インターネットが日本に入ってきた初めての年が1992年というふうに記憶しているのですが、いわゆるデジタルネイティブと言われている世代の方たちがそろそろ親になり始めているのです。そうすると、乳幼児に、昔はテレビにお守りをさせないでということを言われましたが、今はスマホにお守りをさせているということも出てきているようですので、学齢期になる以前の段階で何らかの手立てを講じる必要があるのではないかなと考えています。
    昨日の会議でもそのあたりの話題が出まして、例えば、母子手帳に何かそういうインフォメーションを載せるとか、両親学級には親が参加するわけだから、そこで意識を高めるとか、健診のたびにスマホで育児していないかということをチェックするような項目を入れるというようなことも考えたらどうだろうかという意見が出ていました。文部科学省と厚生労働省との連携はどうかなと考えておりますが、いかがでしょうか。
  • 文部科学省
    昨日の内閣府の会議には私も出ておりましたので、話は聞いておりました。内閣府とも相談して、省庁連携の中で議題にしてみたいと思います。
  • 植山構成員
    もう一つ、これは文部科学省が担当だと思いますが、学校現場が余りIT化されていないという現実があって、先生方が部活の連絡等にLINEを使っている、子どもたちも使っている。学校絡みの連絡は、もう少し正規な形で学校が持っているネット環境を使ってできないのかなとちらっと思うのですが、その辺はどうなのですか。やはり予算的に無理なのですか。
  • 文部科学省
    恐らくですけれども、学校用をつくっても、どんどん世の中が進歩していろいろな機器が出てきますので、どうしても汎用性のあるツールを使ってということになろうかと思いますし、いざ学校を卒業すれば、学校のシステムと違うものをまた使うのかということを考えると、便利なツールをいかに安全に安心に使うかというところをよく認識して教えていくということかなと思っております。
  • 植山構成員
    先生方がなれていないと先生方のほうが置いてきぼりになってしまいますので、研修を現場の負担感のないように進めていただければと考えております。

以上