-
青少年育成 サイトマップ
-

子ども・若者育成支援総合的推進青少年育成施策大綱目次 > 4.年齢期ごとの施策の基本的方向

-

青少年育成施策大綱

4 年齢期ごとの施策の基本的方向

 青少年育成施策は、0歳からおおむね30歳未満までの年齢層にある者の健全な育成を目的としているが、これらについては、成長段階ごとの特性と課題を踏まえて適切に実施する。施策の実施に当たっては、個人差に配慮するとともに、各年齢期の連続性を重視するものとする。

(1)乳幼児期

 乳幼児期には、人間への基本的信頼と愛情を育てていく基礎となる、親や特定少数の人との強い情愛的きずなを形成するとともに、複数の人々との多様なかかわりを通じて認知や情緒を発達させ人格を形成していくことが重要である。これを踏まえ、乳幼児期にある子どもの健全な育成のため、以下のような施策を行う。

1) 母子の健康の確保・増進
 (安全で快適な妊娠出産の確保)

 安全で快適な満足できる「いいお産」について、関係者や妊婦が共通の理解をもつことができるよう、妊産婦健康診査等様々な機会をとらえて働きかけを行うとともに、周産期医療の充実を図る。

 (地域保健の充実)

 育児不安の解消や産後うつ病への対応など、妊産婦の心の健康確保のため、市町村における妊産婦健康診査、乳幼児健康診査、保健指導等の母子保健事業を推進する。

 (小児医療の充実)

 子どもが地域において、いつでも安心して医療サービスを受けられるよう、小児医療の充実を図る。特に小児救急医療について、休日又は夜間の小児救急患者の受入れが可能な病院の確保や、広域を対象に小児救急患者を受け入れる小児救急医療拠点病院の整備を図るとともに、小児科医以外の医師が活用できる小児救急の外来診療の手引の作成を行う。
 また、小児医療についての診療報酬上の措置について、引き続き検討を行う。

 (「食育」の推進)

 出産前からの適切な食生活を支援し、乳幼児期からの望ましい食習慣の定着を図るため、妊産婦や子育て家庭を対象とした食に関する学習機会や情報の提供を推進する。


2) 子育て支援の充実
 (男女共に子育てと就業が両立しやすい職場づくり)

 平成17年度までに、年間総実労働時間1,800時間の達成・定着を図るため、年次有給休暇の取得促進及び所定外労働の削減に重点を置いた取組を進める。
 「次世代育成支援対策推進法」に基づき、事業主による次世代育成支援対策についての行動計画の策定・実施を支援し、育児休業取得の推進、子どもの看護休暇制度の導入、小学校就学の始期までの勤務時間短縮等の措置の普及等について、企業における自主的な取組を促進する。また、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の周知徹底や、労働者が仕事と家庭を両立させやすい職場環境の整備を普及促進する。
 過重労働になりがちな農山漁村の女性が、育児と農作業等の両立ができるよう地域のサポートシステムづくりなどの支援を行う。

 (育児等退職者の再就職支援)

 育児等の理由で退職し、将来的に再就職を希望する者に対して、再就職に役立つ相談や情報提供を行うなど再就職の準備を支援する。

 (待機児童ゼロ作戦)

 保育所、保育ママ、地方公共団体における様々な単独施策、幼稚園における預かり保育等を活用し、待機児童の多い都市を中心に、平成15、16年度で10万人の受入児童数の増大を図る。また、保育実施の需要が増大している都道府県及び市町村における保育の実施等の体制確保に関する計画の策定など待機児童の解消に向けた総合的な取組を促進する。
 学校の余裕教室や廃止される公立学校を保育所に転用する場合に施設整備の補助を行うなど、施設整備を推進するとともに公設民営方式の推進を図る。また、ニーズに応じた多様な保育サービスの提供を促進するため、既に規制緩和された事項について、地方公共団体に周知徹底を図る。

 (子育て相談の充実)

 保育所において相談業務が円滑に実施されるよう、保育士による乳児、幼児 等の保育に関する相談・助言に必要な知識及び技能の修得、維持及び向上を図る。
 育児不安についての相談指導、保育所やベビーシッター等地域の保育サービスに関する情報提供、子育てサークル等への支援を行う地域子育て支援センターの活用・充実等を促進する。

 (多様な主体による子育て支援とネットワークづくり)

 保育時間や保育日数の条件を緩和し、保育所との連携又は保育所での一体的実施を通じて、保育者の居宅において少人数の3歳未満児を保育する家庭的保育の充実を図る。また、地域において育児の相互援助活動を行うファミリー・サポート・センターの設置を促進する。 希望するすべての幼稚園が預かり保育を実施できるよう諸施策を推進する。また、複数企業間の共同設置によるものを含む事業所内保育施設の設置を支援する。
 乳幼児期にある子どもの父親・母親を対象にした子育て講座の開設など家庭教育に関する学習機会・情報の提供の充実を図るとともに、子育て経験者等を活用し、孤立しがちな親等が気軽に相談し、助言・指導を受けることができる相談体制を整備する。
 NPOやボランティア団体等との連携の下、地域の子育て支援ネットワークの形成を促進する。 「次世代育成支援対策推進法」に基づく市町村及び都道府県の行動計画の策定、「児童福祉法」に基づく市町村における子育て支援事業の実施等により、地域における子育て支援の取組を推進する。

 (経済的支援)

 子育て家庭の経済的負担の軽減を図る観点から、育児休業給付を支給するとともに児童手当の支給対象年齢等の見直しを行う。
 個人所得課税において、人的控除の基本構造の見直しに際し、児童などに対して扶養控除を集中することについて、検討を深める。


3) 保育所・幼稚園等での養護・教育の充実
 (サービスの第三者評価の推進)

 認可保育所のサービスの質を確保するため、サービスの第三者評価の方法等について調査研究を行い評価の客観性を高めるとともに、利用者に分かりやすいものとなるよう検証するなど、評価内容の充実に努める。

 (認可外保育施設の指導監督の強化)

 認可外保育施設の届出制を導入し、運営状況等を効率的に把握することにより、認可外保育施設の質の維持・向上を図る。

 (保育所と幼稚園の連携強化と一体的運営の推進、新しい体制の整備)

 保育所と幼稚園の一体的運営を促進するため、施設の共用化指針の策定、保育内容・教育内容の整合性の確保等の取組に加え、保育士と幼稚園教諭の資格の相互取得を促進する。また、施設の共用だけでなく、子どもの処遇についても、各地域のニーズに応じた柔軟な運営が可能となるよう措置する。さらに、平成18年度までに、地域のニーズに応じ、就学前の保育・教育を一体としてとらえた一貫した総合施設の設置を可能とする方策を検討する。

 (保育所・幼稚園と小学校との連携推進)

 幼児期の教育と小学校以降の教育の連携・交流及び相互理解の不足を解消するため、総合的な調査研究を実施し、子どもの成長や発達の連続性を踏まえた連携・交流の機会を充実させる。

 (安全教育)

 保育所、幼稚園等を通じて、子どもが危険な場所・遊び方を認識し、災害や犯罪の被害を防止するための行動の仕方を身に付けるため、安全教育を推進する。また、子ども及び保護者に対する交通安全教育を推進する。


(2)学童期

 学童期には、後の成長の基礎となる体力・運動能力を身に付け、多様な知識・経験を蓄積し、家族や仲間との相互関係の中で自分の役割や連帯感などの社会性を獲得していくことが重要である。これを踏まえ、学童期にある子どもの健全な育成のため、以下のような施策を行う。

1) 健康の確保・増進
 (学校における教育・相談体制の充実)

 心の健康に関する指導、薬物乱用防止教育、発達段階に応じた性に関する指導、感染症対策、環境衛生への適切な対応、安全教育、食に関する指導等、専門家の協力も得ながら学校における健康教育の充実を図る。また、健康上の諸問題に対する取組を進めるため、スクールカウンセラーの配置の促進など健康相談体制の充実を図る。

 (地域における相談)

 子どもの発育・発達や心の健康問題に関する地域における相談事業を推進する。

 (小児医療の充実)

 子どもが地域において、いつでも安心して医療サービスを受けられるよう、小児医療の充実を図る。特に小児救急医療について、休日又は夜間の小児救急患者の受入れが可能な病院の確保や、広域を対象に小児救急患者を受け入れる小児救急医療拠点病院の整備を図るとともに、小児科医以外の医師が活用できる小児救急の外来診療の手引の作成を行う。
 また、小児医療についての診療報酬上の措置について、引き続き検討を行う。

 (メディアを通じた広報啓発)

 ホームページ等様々なメディアを活用し、健康の確保・増進を図るための情報提供、広報啓発活動を推進する。


2) 日常生活能力の習得
 (基本的生活習慣の形成)

 地域の生産・加工・流通分野や保健・医療の専門家等と連携し、食に関する学習の機会や情報の提供などによる食生活の改善や、休養・睡眠、運動、家事手伝いなど生活習慣の改善に向けた取組を学校内外において進める。また、学校における道徳教育や体験活動等を通じて規律ある生活をする態度を養う。
 学童期にある子どもの父親・母親に対して、家庭教育に関する学習機会・情報の提供の充実や相談体制の整備を図るなど、家庭教育の支援を行う。また、授業の終了後に児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を提供する放課後児童クラブや地域のすべての児童に活動の場や機会を確保する事業などの放課後児童の受入体制を大都市周辺部を中心に整備し、平成16年度までに、全国15,000か所とする。

 (体力の向上)

 子どもの体力の向上を図るため、指導者の資質向上、体育専科教員の配置、地域のスポーツ指導者等外部指導者の活用などにより、体育の授業を充実させる。また、特別活動、総合的な学習の時間、始業前や休み時間などを活用し、学校教育全体で創意工夫をこらした体力の向上のための取組を推進する。
 地域において、子どもがスポーツや外遊びを通じて体を動かす機会を充実させるため、学校の運動場や体育館などの学校施設の開放、運動場の芝生化、公園などの活用を推進するとともに、総合型地域スポーツクラブの育成、自然体験活動を推進する。

 (コミュニケーション能力の育成)

 思いやりの心や、自分と異なる意見をもつ者や異なる立場の者とのコミュニケーション能力を育成し、自己を主張し、コントロールする力を養成するため、発表・討論などの学習や道徳教育の充実等、学校や家庭等における様々な機会の確保・充実を図る。

 (規範意識の醸成)

 子どもの規範意識を醸成するため、学校において地域の人々の協力を得つつ、体験活動等を生かした道徳教育の充実を図るほか、関係機関や地域の人々と連携して行う非行防止教室等の取組を推進する。

 (安全教育)

 子どもが交通事故等の事故、災害、犯罪被害などの危険から自らの身を守る能力を養うため、学校教育や地域活動等を通じて、子どもの発達段階に応じた安全教育を推進する。

 (メディアを活用する能力)

 子どもが情報の有用性や役割、情報化のもたらす影響などを認識しつつ、コンピュータやインターネット等の情報手段の活用を通じて主体的に情報を取捨選択、発信できる能力(メディア・リテラシー)を身に付け、向上させるための取組を推進する。


3) 学力の習得
 (教育内容の充実)

 授業が分からない児童の大幅な減少を目指し、少人数指導や習熟度別指導等の充実を図る。また、児童に学ぶ楽しさや意義を伝え、将来の職業に対する意識を身に付けさせるなどして、学習意欲の向上を図る。
 従来おおよそ10年ごとに改訂してきた学習指導要領について、社会の変化に機動的に対応するため、学力調査や教育課程に関する実践的な研究の結果等を踏まえ、不断に見直し、改善を行う。

 (全国的な学力の把握・評価)

 全国的かつ総合的な学力調査の実施により児童の学習状況を把握するとともに、調査結果を詳細に分析し指導上の課題を明らかにする。分析結果は、広く国民一般に公表するとともに、必要な施策立案や各教育委員会、学校等において学習指導の改善を図るための参考とする。


4) 社会的自立につながる活動機会の保障
 (集団遊びの機会の確保)

 放課後児童クラブ、児童館・学校施設・公園等を活用し、集団遊びの場の確保を目指す。このほか、地域等における自発的・創造的な遊びの機会づくりを推進する。

 (ボランティアなど社会奉仕体験活動)

 子どものボランティア活動など社会奉仕体験活動の振興を図るため、学校や地域における活動に関する広報・啓発、相談・登録・あっせんなど、誰もが活動に参加できるよう基盤整備を行うとともに、活動に関するモデル事業の実施やプログラムの開発等を行い、活動に対する社会的気運の醸成を図る。

 (学校での特別活動の推進)

 児童が学級活動や児童会活動等の集団活動を通して、集団や社会の一員としての自主的、実践的な態度を身に付けるため、学校における特別活動を推進する。

 (地域等での多様な活動)

 子どもが自分の興味や関心に基づいて、楽しみながら、芸術文化・伝統文化体験、読書、科学技術体験、動物とのふれあい、農林漁業体験、環境活動等の自然体験活動、スポーツ等の多様な活動を自主的に行えるよう、学校・社会教育施設や地域の青少年団体、NPO等の様々な場における諸事業を支援する。


(3)思春期

 思春期には、自分らしさを確立するために模索し、社会規範や知識・能力を習得しながら大人への移行を開始することが重要である。これを踏まえ、思春期にある若者の健全な育成のため、以下のような施策を行う。
 なお、思春期にある若者の特性を踏まえ、適切な距離を保ちつつ成長を支援することや性差に応じたきめ細かな相談・支援が行われるよう配慮するものとする。

1) 健康の確保・増進
 (学校における教育・相談体制の充実)

 心の健康に関する指導、薬物乱用防止教育、発達段階に応じた性に関する指導、感染症対策、環境衛生への適切な対応、安全教育、食に関する指導等、専門家の協力も得ながら学校における健康教育の充実を図る。また、健康上の諸問題に対する取組を進めるため、スクールカウンセラーの配置の促進など健康相談体制の充実を図る。

 (地域における相談、医療機関での対応)

 地域において、若者の心の健康、薬物乱用防止、性、感染症対策等に関する相談の充実を図るとともに、医療機関による対応の充実を図る。特に、性に関する健全な意識を涵養し、正しい理解の普及を図るため、価値観を共有する同世代の仲間による相談・教育活動(ピア・カウンセリング、ピア・エデュケーション)の普及、妊娠について悩んでいる若者に個別に医学的、精神的、社会的な相談援助を行う場を医療機関にモデル的に設置するなど相談体制の充実を進める。

 (メディアを通じた広報啓発)

 ホームページ等様々なメディアを活用し、薬物乱用防止や食生活など思春期における健康の大切さとその確保・増進に関する適切な情報提供、広報啓発活動を推進する。

 (思春期特有の課題への対応)

 10代の喫煙及び飲酒をなくし、10代の人工妊娠中絶の実施率や性感染症罹患率及び女性の思春期やせ症の発生頻度の減少を実現することを目標とし、各種の取組を推進する。


2) 学力の向上
 (教育内容の充実)

 授業が分からない生徒の大幅な減少を目指し、少人数指導や習熟度別指導等の充実を図る。また、生徒に学ぶ楽しさや意義を伝え、将来の職業に対する意識を身に付けさせるなどして、学習意欲の向上を図る。
 従来おおよそ10年ごとに改訂してきた学習指導要領について、社会の変化に機動的に対応するため、学力調査や教育課程に関する実践的な研究の結果等を踏まえ、不断に見直し、改善を行う。

 (全国的な学力の把握・評価)

 全国的かつ総合的な学力調査の実施により生徒の学習状況を把握するとともに、調査結果を詳細に分析し指導上の課題を明らかにする。分析結果は、広く国民一般に公表するとともに、必要な施策立案や各教育委員会、学校等において学習指導の改善を図るための参考とする。


3) 就業能力・意欲の習得
 (勤労観・職業観と職業に関する知識・技能の育成)

 学校、企業、地域等の関係者の連携・協力の下、総合的な学習の時間等を活用し、職場見学、職場体験、インターンシップ(就業体験)等、職業に関する体験学習のための多様なプログラムを推進するなど、各種仕事とのふれあいの機会を充実し、若者の発達段階に応じ、組織的・系統的に勤労観・職業観と職業に関する知識・技能を育成する教育(キャリア教育)を推進する。また、国、地方の各レベルで関係者によるインターンシップ(就業体験)の連絡・推進協議会を設置するなど推進体制を強化するとともに、期間の多様化、単位認定の促進等により内容を充実し、実施の拡大を図る。

 (就職支援)

 若者に対し専門的なキャリア・コンサルティング (職業選択、将来の職業生活設計等に関する専門的な相談)を行う人材を学校へ派遣するとともに、公共職業安定所等に配置し、進路指導等における活用を促進する。
 公共職業安定所に就職支援相談員(ジョブサポーター)を配置し、学校との連携の下、就職に向けた準備から職場定着までの一貫したマンツーマンの支援体制を整備する。また、公共職業安定所と学校の連携により求人開拓を推進するほか、公共職業安定所等において高等学校の進路指導担当者を対象とした実地研修等を行う。
 仕事内容や職業能力開発、企業が求める能力要件等の職業情報を若者に提供することにより、職業意識の形成や職業生活設計に即した実践的な職業能力の形成を支援する。


4) 社会生活能力の習得
 (社会や経済の仕組みについての現実的理解と知識の習得)

 労働関係法規や公的年金制度の仕組みなど広く社会や経済の仕組みについての正しい理解を促進するため、社会保険事務所や学校等が連携し、体験的、問題解決的な学習、年金教育等を促進する。

 (メディアを活用する能力)

 若者が情報の有用性や役割、情報化のもたらす影響などを認識しつつ、コンピュータやインターネット等の情報手段の活用を通じて主体的に情報を取捨選択、発信できる能力(メディア・リテラシー)を身に付け、向上させるための取組を推進する。

 (規範意識の醸成)

 非行防止、犯罪被害防止を支援し、若者の規範意識を醸成するため、学校において地域の人々の協力を得つつ、ボランティア活動や体験活動等を生かした道徳教育の充実を図るほか、関係機関や地域の人々との連携による非行防止教室等の取組を推進する。

 (安全教育)

 若者が交通事故等の事故、災害、犯罪被害などの危険から自己及び他者の身を守る能力を養うため、学校教育や地域活動等を通じた安全教育を推進する。

 (ボランティア)

 学校や地域においてボランティア活動に関する広報・啓発、相談・登録・あ っせんなど、誰もが活動に参加できるよう基盤整備を行うとともに、活動に関するモデル事業の実施やプログラムの開発等を行い、活動に対する社会的気運の醸成を図る。

 (学校での特別活動の推進)

 生徒が学級活動や生徒会活動等の集団活動を通して、集団や社会の一員としての自主的、実践的な態度を身に付けるため、学校における特別活動を推進する。

 (体力の向上)

 若者の多様なニーズにこたえ、体力の向上を図るため、指導者の資質向上などにより、体育の授業を充実させる。また、地域のスポーツ指導者等外部指導者の活用などにより、運動部活動の充実を図る。
 地域において、若者がスポーツ等を通じて体を動かす機会を充実させるため、学校の運動場や体育館などの学校施設の開放、運動場の芝生化、公園などの活用を推進するとともに、総合型地域スポーツクラブの育成と活用、自然体験活動を推進する。

 (国際交流活動)

 高校生の国際理解や国際的視野の醸成を図るため、留学情報の提供、交換留学事業等の異文化体験や国際交流の機会の提供を行う。

 (地域等での多様な活動)

 集団や社会の一員としての自主的、実践的な態度を身に付けるため、若者が自分の興味や関心に基づいて、世代間交流、農林漁業体験や環境活動等の自然体験活動、スポーツ等の多様な活動が行えるよう、学校・社会教育施設、福祉施設、NPOなど地域の諸団体、企業施設等の様々な場における諸事業を支援する。
 思春期にある若者の父親・母親に対して、家庭教育に関する学習機会・情報の提供の充実や相談体制の整備を図るなど、家庭教育の支援を行う。


(4)青年期

 青年期には、親の保護から抜け出し、社会の一員として自立した生活を営み、さらに、公共へ参画し、貢献していくことが重要である。これを踏まえ、青年期にある若者の健全な育成のため、以下のような施策を行う。

1) 大学教育等の充実
 (教育内容の充実)

 各大学・学部の教育理念等に応じた入学者受入方針を確立し、入学後の教育との関連を十分に踏まえ、受験生の能力、適性等の多面的な評価を行うため、選抜方法の多様化、評価尺度の多元化を推進する。
 主体的に変化に対応し、将来の課題について幅広い視野から総合的な判断ができる人材、専門的素養のある人材を育成するため、教養教育の重視、専門的な職業能力の育成など、大学における教育内容の充実に向けた取組を促進する。
 学生の主体的な学習を促し、学生の卒業時における質の確保を図る観点から、少人数教育や対話型授業などの導入、履修科目登録の上限の設定、成績評価基準を明示した上でのGPA制度 の実施や退学勧告との連携など厳格な成績評価の実施、教員の授業内容・方法の改善など、教育機能の充実に向けた教育方法の改善に係る大学の取組を促進する。
大学教育の改善に資する種々の取組のうち、特色ある優れたものを選定し、社会への広範な情報提供や支援を行う。
 平成16年度から、大学の教育研究、組織運営、施設設備などの状況について文部科学大臣の認証を受けた評価機関により定期的に評価を受ける制度を導入し、評価結果の公表により大学が社会から評価を受けるとともに、評価結果を踏まえた自己改善を図る。

 (学習支援サービス)

 大学院学生を活用した、学部学生などに対する助言や実験、実習、演習などの教育補助(ティーチング・アシスタント制度)や、大学の教員が学生の授業内容等に関する質問・相談等に応じるための時間(オフィスアワー)を設けるなどの授業時間外における履修上の指導など、学生に対する学習支援サービスの充実に向けた取組を促進する。

 (高度な大学教育の充実)

 高度の専門性が求められる職業を担い、国際的にも活躍できる人材を養成する専門職大学院の設置を促進する。また、高度な人材育成機能も加味した国際競争力のある世界最高水準の大学づくりを目指し、国公私立大学を通じ、世界的な研究教育拠点の形成を重点的に支援する。

 (生涯学習への対応)

 生涯学習機会の充実を図るため、各大学等において、就業者等に対する特別選抜や昼夜開講制の実施、夜間大学院、通信制大学・大学院及び本校以外の場所で教育を行う教室(サテライト教室)の設置、公開講座の開設、科目等履修生制度、長期履修学生制度の活用等を促進する。また、地域の多様なニーズにこたえることのできるコミュニティカレッジ機能を果たすものとして、短期大学における地域総合科学科設置を推奨する。

 (専修学校の充実)

 工業、医療、商業実務を始めとする様々な分野での実践的、専門的な学習ニーズにこたえるため、専修学校教育の課題に対する調査や、新しい教育方法等の研究開発等専修学校教育の振興に係る取組を推進する。


2) 職業能力開発・就業支援の充実
 (職業的自立に向けた総合的支援)

 若者の働く意欲を喚起しつつ職業的自立を促進し、今後当面3年間で、若年失業やフリーター等の増加傾向の転換を図る。このため、公共職業安定所等において実施している多様な職業や働き方、労働関係法令等就職に必要な知識や能力を付与する機会を充実する。また、若者の職業的自立を支援する新たな仕組みとして、地域の主体的取組により、その実情に応じて若者のためのワンストップサービスセンター(関係機関の窓口一元化、関連情報の集約化による包括的な一次相談の窓口)の整備を推進する。

 (学校での就職指導)

 自己の能力、適性に応じた職業を主体的に選択できるよう、職業意識の形成に係る教育(キャリア教育)の実施や、学生一人一人に応じたきめ細かな就職指導や体制の充実のほか、インターンシップ(就業体験)の推進を図る。

 (職業選択の指導助言)

 公共職業安定所に就職支援相談員(ジョブサポーター)を配置し、学校との連携の下、就職に向けた準備から職場定着までの一貫したマンツーマンの支援体制を整備する。また、公共職業安定所と学校の連携により求人開拓を推進する。
 若者に対し専門的なキャリア・コンサルティング(職業選択、将来の職業生活設計等に関する専門的な相談)を行う人材を学校へ派遣するとともに、公共職業安定所等に配置し、両機関の連携の下、若者(特に、フリーター、学卒未就職者、早期離職者等)に対して、興味や適性等の自己理解や動機付け、労働市場の動向等を踏まえた職業選択の支援等を行う。また、インターンシップ(就業体験)については、産業界の協力を得つつ、期間の多様化、単位認定の促進等により内容を充実し、実施の拡大を図る。
 職業意識の形成に係る教育(キャリア教育)に関する授業科目例を全大学に紹介するなどの情報提供により、大学における学生の職業観の確立や主体的に進路を選択できる能力の育成を推進する。

 (能力開発)

 地方公共団体、企業、学校等関係機関との連携の下、企業内外における若者に対する能力開発の機会を充実する。特に、企業実習と教育・職業訓練を組み合わせて実施する「実務・教育連結型人材育成システム」を導入するなど、就業にかかわる基礎的な能力や実践的な職業能力を身に付ける機会を提供する。また、若者が職業生活設計に即して更なる職業能力の開発・向上を図るため、休職して職業能力開発に専念できるよう、企業における教育訓練のための休暇制度の導入を促進する。

 (就職支援)

 各都道府県に設置している学生職業総合支援センター等において、専門の相談員による職業相談、情報提供、職業紹介等を実施する。また、若者を一定期間試行雇用し、その後の常用雇用への移行を図るトライアル雇用の活用や学卒早期離職者等の通年採用の普及に向けた取組を行う。

 (農林漁業への就業支援)

 農林漁業に就く意欲をもつ若者の様々な希望や能力等にこたえ、相談窓口における情報提供・職業紹介、技術習得のための実践研修、就業支援のための資金の貸付等により、農林漁業内外からの若者の就業を支援する。

 (起業支援)

 若者の起業を支援するため、総合的な起業支援サービス事業を推進するとともに、産業再生・創業促進型人材の重点的育成、最低資本金制度の撤廃や平成15年度のエンジェル税制(ベンチャー企業への投資を促進するため、個人投資家による株式譲渡等にかかわる課税を優遇する特例制度)改正に伴う同制度の周知、失業者が創業した場合の費用の一部助成制度など起業促進のための制度基盤の整備を行う。

 (労働市場づくり)

 能力を軸とした若年労働市場の基盤を整備するため、実践的な職業能力を評価し、公証する仕組みを整備し、若者の能力開発や自己啓発の目標づくりや企業側の採用の目安としての活用を進める。

 (職場定着支援)

 若者の安易な早期離職を防止し、職業生活設計に即した職業訓練や実務経験の積み重ねによる実践的な職業能力の習得を適切に支援するため、企業の人材育成に関する取組や手法について調査研究し、成果の普及啓発を行う。


3) 生活設計・人生設計の支援
 (奨学金等の充実)

 教育を受ける意欲と能力のある学生が、経済的な面で心配することなく安心して学べるよう、奨学金等の支援施策の充実に努める。

 (居住の支援)

 若い世帯が自立した居住生活を営むことができるよう、公共賃貸住宅制度 や融資制度の活用を図る。

 (職業安定機関、社会保険機関、教育機関等の連携による情報提供)

 公共職業安定所、社会保険事務所、学校等が適切に連携し、生活設計に必要な公的制度の情報提供・相談活動等の実施を促進する。

 (年金等社会保障についての情報提供・意識啓発)

 ホームページ上に社会保障に関する情報を提供し広報を行うとともに、成人式の際に年金制度に関する小冊子を新成人に配布するなど、若者に対して、年金等社会保障制度の意義・役割の周知を図る。


4) 公共への参画の促進
 (公的制度に関する情報提供・意識啓発)

 インターネットのホームページ等各種広報媒体や、諸活動・諸行事等を活用した情報提供・啓発活動を通じ、選挙や税、社会保障、外交、防衛等に対する若者の関心を喚起するとともに、関係機関間の連携の下、各種の手段・方法を用いて投票参加等の呼びかけを行う。

 (政策形成過程への参画促進)

 各種審議会や懇談会等における委員の公募制の活用、インターネット等を 活用した意見の公募、意見聴取の対象としての青少年の積極的な登用等により、青少年の政策形成過程への参画を促進する。特に、青少年育成施策や世代間合意が不可欠である分野の施策については、青少年の意見も適切に反映されるよう、各種審議会、懇談会等の委員構成について配慮する。

 (社会貢献活動)

 すべての青少年がボランティア活動に参加できるよう、学校や地域においてボランティア活動に関する広報・啓発、相談・登録・あっせんなどの基盤整備を行うとともに、活動に関するモデル事業の実施やプログラムの開発等を行い、活動に対する社会的気運の醸成を図る。
 若者が幅広い国際的視野や感覚を身に付けるため、開発途上国における協力活動の機会を提供する。また、多様な文化と共に生きていく意識を向上させ、国際的な活動や地域における社会的な活動への貢献を促進するため、若者の国際交流の機会を提供する。


目次  |   前ページ  |   次ページ

▲ このページの上へ

-

子ども・若者育成支援総合的推進青少年育成施策大綱目次 > 4.年齢期ごとの施策の基本的方向