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子ども・若者育成支援総合的推進青少年育成施策大綱目次 > 5.特定の状況にある青少年に関する施策の基本的方向

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青少年育成施策大綱

5 特定の状況にある青少年に関する施策の基本的方向

 様々な事情で不利な立場に置かれている青少年や特別な支援を必要とする青少年に対し、以下のような施策を行う。

(1)障害のある青少年の支援

 (障害のある青少年の支援)

 障害の予防、早期発見・早期療育を推進するとともに、身近な地域で安心して生活できるよう、在宅サービスの充実等を図る。
 障害のある青少年一人一人の必要に応じてきめ細かな支援を行うため、乳幼児期から学校卒業後まで一貫して計画的に教育を行う。
地域において効果的な相談支援を行う体制を整備するための指針を平成16年度までに策定し、これを踏まえて整備を推進する。
 盲・聾(ろう)・養護学校を、地域における特別支援教育のセンター的役割を果たす学校へ転換するため、制度的な検討について平成15年度中に結論を得て、必要な措置を実施する。

 (LDやADHDなどの青少年の支援)

 学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、自閉症などの発達上の課題のために、二次的に生じ得る不適応を防止するため、家庭、学校等において適切に対応できるよう、幼児健康診査等を通じた早期発見に努めるほか、保健指導手引書の普及等により適切な相談・指導の実施を推進する。
 青少年が抱える課題に応じて、適切な教育的支援を行う。また、小・中学校において教育支援を行う体制を整備するための指針を平成16年度までに策定し、これを踏まえて整備を推進する。
 我が国の状況に適したADHDの診断基準、治療方法等について、精神医学的総合評価及び臨床的実証研究を行うとともに、その研究成果の活用を推進する。


(2)ひとり親家庭等の支援

 (ひとり親家庭)

 ひとり親家庭が安心して子育てと就業を両立させることができるよう、児童養護施設等において子どもを一時的に預かる事業の拡充、家庭生活支援員による支援の充実など子育てや日常生活の面での支援体制整備を進める。
 母子家庭の母が、その家庭環境、適性・能力にふさわしい職業に就き、自立した生活を送ることができるよう、各種の援護措置を講ずる。
 ひとり親家庭が養育費の確保を含め経済的に安定するよう、母子福祉資金の貸付、児童扶養手当、公的年金制度による遺族年金の支給を行うとともに、養育費に関する相談体制の強化や啓発活動を促進する。

 (経済的に困難な家庭)

 福祉事務所が関係機関と連携して生活に困窮する世帯の早期発見に努め、その世帯が資産等を活用しても最低限度の生活を維持できない場合に、青少年への教育支援の観点も含め、必要な保護を行うよう、取組を促進する。
 教育を受ける意欲と能力のある学生等が、経済的な面で心配することなく安心して学べるよう、奨学金等の支援施策の充実に努める。

 (養護に欠ける児童)

 保護者のいない児童や保護者から適切な監護を受けられない児童等を良い環境で養育するため、指導・支援の単位の小規模化、虐待を受けた児童に対する支援の充実など、児童養護施設等における処遇の向上を図る。また、家庭的な環境の下で養育する里親制度について、制度の普及や活用の促進を図るとともに、里親の支援体制の強化に努める。


(3)少年非行対策等社会的不適応への対応

1) 少年非行対策
 (少年非行対策への総合的取組)

 刑法犯少年の増加や、凶悪犯少年が高水準で推移するなど、近年の少年非行の深刻な状況を踏まえ、関係省庁が連携し、少年非行対策の充実強化を図る。このため、諸制度の在り方や体制の充実強化など、少年非行対策全般について法的問題も含めた幅広い検討を進めるとともに、警察、学校、矯正施設、保護観察所、児童自立支援施設等の関係機関の協力による少年非行事例等についての継続的な調査研究、具体的な非行防止のためのモデル開発等に基づく実証的、科学的な情報の提供など、長期的、総合的な少年非行対策に取り組む。

 (非行防止、多様な活動機会・場所づくり、相談活動)

 少年の非行防止のため、非行防止教室、薬物乱用防止教室等の開催のほか、地域の人々と連携し、多様な活動の機会や場所づくりのための施策を推進する。また、相談機関において相談しやすい環境を整備し、非行少年等の保護者や様々な悩みをもつ少年に対し適切な助言、支援等を行う。さらに、生活習慣や文化の異なる来日外国人少年について、地域で適切な支援が行われるよう関係機関が連携を図る。

 (補導活動)

 民間ボランティアを増やす工夫や、補導活動の権限・手続などについて、条例を含め法的明確化を図るなどにより、家庭、学校、地域社会の協力を得つつ、関係機関が連携して行う街頭補導活動を強化する。また、必要な場合には、少年に対する相談等により継続的に補導を行う。特に、薬物乱用少年の継続的な補導により、早い段階での少年の立ち直りを支援する。

 (関係者の連携したサポート体制の構築)

 関係機関等が少年に関する情報を共有し、連携して対応する仕組みを構築する。特に、個々の少年の問題性に応じて関係機関等が支援のためのチーム(サポートチーム)を形成する取組の一層の推進や、「学校・警察連絡協議会」、「少年補導センター」などの既存の組織の活性化を図る。
 また、行政機関相互の情報共有やサポートチームの形成促進及び活動の活性化を図るため、必要に応じた法整備などの方策の検討を行う。

 (事件の捜査・処理)

 悪質な事案に厳正に対処し、罪の意識を自覚させつつ、少年の立ち直りに配意した迅速で的確な事件捜査の推進に努める。
 所要の捜査を通じて事案の全容解明に努め、家庭裁判所に適切な判断資料を提供する。また、検察官が審判に関与すべき旨の家庭裁判所の決定に基づき、適正な事実認定のために必要な協力を行う。 事実解明を徹底し適切な支援に結びつけるため、触法少年(14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年)の事案について、警察機関が必要な調査を行うことができる権限を明確化するための法整備について検討する。また、少年の人権保護と捜査上の必要性を勘案し、少年事件の公開手配の在り方について検討を行う。
 このほか、軽微な少年事件について、少年の健全な育成に資する観点から、その処理の在り方を検討する。

 (施設内処遇)

 少年院、少年刑務所の体制の充実を図り、非行少年に対する矯正教育を充実させる。特に、個々の少年の問題点を把握した上で、その特性や必要性に応じた処遇計画を作成するなど、処遇の個別化を推進する。
 個々の少年の状況に応じてその立ち直りに必要な処遇を選択できるようにするという観点から、触法少年についても、早期の矯正教育が必要かつ相当と認められる場合に少年院送致の保護処分を選択できるよう、「少年院法」の改正を検討する。
 児童自立支援施設においては、児童が社会へ円滑に適応できるよう、自立の支援を目的として、専門職員の配置の充実などによる指導力の強化を図り、個々の児童の状況に応じた指導を充実させる。

 (更生保護、自立支援)

 保護観察処遇が困難な少年に対して、保護観察官による直接的処遇等の各種処遇を積極的に行い保護観察の実効性を高めるとともに、少年の特性や問題性による類型ごとに効果的な処遇を実施する。また、保護観察中の少年について、その遵守事項の遵守を確保し、指導を一層効果的にするための制度的措置につき検討する。
 民間ボランティア団体などとの連携や保護司の選考方法、研修の充実方策の検討も含め、保護司を始め更生保護に協力する民間ボランティアの活動に対する積極的な総合支援策を早急に実施するとともに、少年院、児童自立支援施設を出た後に家庭に戻ることが難しい少年を支援するために、更生保護施設や自立援助ホーム(児童自立生活援助事業)等の充実を図る。

 (立ち直り支援)

 非行少年が地域社会で立ち直り、再び非行を犯さないようにするため、多様な活動の機会や場所づくりなど、関係機関、学校、民間協力者、地域の人々等が連携しつつ多様な立ち直りの支援を行う取組を推進する。

 (処遇全般の充実・多様化)

 保護観察中の少年等の社会奉仕活動や自然体験活動等への参加を、少年の特性や地域の実情に応じて活動先や活動内容の多様化を図りつつ促進するとともに、これらの実施状況や受入施設等の活動環境の整備状況を見極めつつ、保護処分の執行の過程で社会奉仕活動を命じて行わせるような仕組みを検討する。
 個々の事案の状況に応じ、加害者の処遇の過程等において、謝罪を含め被害者との関係改善に向けた加害者の取組を支援するほか、修復的司法活動の我が国への応用の可能性について検討する。

 (非行少年の家族への働きかけ)

 非行少年にかかわる関係機関等における家族関係の調整や保護者の再教育(相談、指導など)のための取組を強化するとともに、その効果を検証しつつ、保護者が働きかけに応じない場合において、実効性を確保するための介入等の仕組みの是非について検討する。
 非行少年の親等が孤立し、家族が抱える問題が深刻化することを防ぐため、非行の事実に対して向き合うための手助けを行うボランティア組織への支援を行う。

 (いじめ・校内暴力対策)

 学校における規範意識を培う指導、教育相談体制の充実、小・中学校における出席停止制度の適切な運用、学校と関係機関からなるサポートチーム等の地域における支援システムづくりを推進し、いじめや暴力行為を大幅に減少させる。
 また、いじめに起因する事件や校内暴力事件の早期把握、解明に努め、事件を起こした少年に対する適切な処遇を推進し、再発防止を図る。

 (非行集団対策)

 暴走族を始めとする非行集団がかかわる事件の検挙、背後の暴力団等の取締り、少年の加入阻止及び構成員の離脱支援を推進し、非行集団の弱体化、解体を図る。特に、暴走族については総合的な暴走族対策を行う。

 (被害者への配慮)

 被害者への配慮を行う観点から、被害者等の求めに応じて、加害少年のプライバシー、健全育成への影響や事件の性質等を考慮しつつ、適切な情報提供に努める。

2) 不登校・ひきこもり、摂食障害等
 (青少年の心の問題への対応)

 不登校・ひきこもり、摂食障害、性の逸脱行為等の、学童期や思春期にある青少年に多くみられる心の問題に対応するため、専門機関等における相談を充実させる。また、関係機関の連携により問題の早期発見や個別のニーズへの適切な対応の充実を図る。

 (不登校・ひきこもり対策)

 不登校への早期の対応と、ひきこもりがちな青少年やその家庭への支援などを始めとする地域ぐるみのきめ細かい対応を行うため、学校復帰の支援のための地域ネットワークの整備等を推進する。
 相談業務をより適切に実施するための指針を普及させる。


(4)青少年の被害防止・保護

 (児童虐待防止対策)

 児童虐待の発生を予防するため、孤立しがちな親等への家庭教育等に関する学習機会・情報の提供や相談体制の整備など、産後間もない時期からの一般の子育て支援を充実するとともに、虐待リスクのある家庭の把握及びリスクの低減のための取組を推進する。
 児童虐待を早期に発見し対応するため、対応機関の機能の強化を図るとともに、市町村において幅広い関係機関・住民等が協力する虐待防止ネットワークの形成等を促進する。また、事件捜査、街頭補導、相談活動、通報等を通じ、予防・早期発見に努める。
 虐待を受けた青少年を保護・支援し、家族再統合や家族の養育機能の強化を図るため、状況に応じた支援と治療が可能な施設等を充実させるとともに、関係機関が連携して家族に対する長期的支援ができる体制の整備等を行い在宅支援を強化する。また、虐待を受けた青少年、虐待を行った保護者に対する治療や指導法の研究、開発・普及を進める。

 (青少年の福祉を害する犯罪対策)

 青少年が、児童買春、児童ポルノに係る犯罪等の被害者となることを防ぐため、学校や関係機関を通じて青少年やその保護者を始めとする社会全体に対して、性の逸脱行為・被害の現状や諸規制について広報啓発を行うとともに、関係法令に基づき、厳格な捜査及び適切な処理を行う。 インターネット関連事業団体や映画関係団体等に対し、青少年の福祉を害する違法行為がなされないよう、関係法令の周知徹底を図るなど必要な働きかけを行う。
 被害を受けた青少年の治療や精神的負担の軽減を図り、立ち直りを支援するため、必要な体制を整備し、専門職員等による継続的な支援活動を推進するとともに、被害少年支援ネットワークの構築など関係機関等が連携して行う取組を推進する。

 (その他の犯罪対策)

 地域社会において青少年を犯罪から守るため、警察・学校関係者等の連絡協議会等を活用した情報交換、関係機関や民間団体等が連携して行うパトロール活動の推進、防犯講習の実施、青少年の緊急避難場所の確保のための支援・周知等を行う。また、学校における危機管理の手引の作成、防犯や応急手当等の訓練などを行う防犯教室の開催など、学校の安全管理のための取組を継続的に推進する。
 被害を受けた青少年や保護者に対し、専門家や民間協力者による適切な助言、関係機関等が連携して行う相談、訪問活動、環境調整等の支援を行う。

 (いじめによる被害対策)

 事件捜査、相談活動等を通じ、いじめによる人権侵害の予防、早期発見及び被害の救済に努めるほか、被害少年の性格等に応じたきめ細かな継続支援を行う。

 (災害・事故防止対策)

 乳幼児の不慮の事故を防止するための情報提供、青少年の水難・山岳事故を防止するための情報提供を行う。また、青少年が災害や交通事故の被害に遭わないよう、各年齢期に応じた防災教育や交通安全教育を推進する。


(5)労働市場で不利な条件下にある青少年の支援

 (高校中退者、若年失業者等の就労支援等)

 高校中退者や若年失業者等の学校を離れた若者が、安定した職業生活を送り、職業能力の蓄積が行えるよう、教育・雇用・産業政策の連携の下、実務・教育連結型人材育成システムを導入して一人前の職業人への育成を図る。また、就業にかかわる基礎的な能力の習得や企業等のニーズを踏まえた実践的な職業能力開発の多様な機会を提供するとともに、フリーター等に対する実務的教育の機会の提供を行う。
 未就職者等が、就職活動から職場定着までの一貫したマンツーマンのきめ細かな就職支援が受けられる体制を整備する。また、キャリア・コンサルタント(職業選択や将来の職業生活設計等に関する相談を行う人材)による相談、情報提供等を通じて、動機付け、興味適性や労働市場の動向等を踏まえた職業選択、能力開発の支援等を行う。
 学卒即本格雇用以外に学卒後就職探索期間を経て本格雇用という就業経路の複線化に対応した就職システムの整備を進める。

 (障害者の就労支援等)

 「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、雇用率制度を柱とした施策を推進することにより青少年も含めた障害者の職業生活における自立を図る。また、身近な地域で障害に応じた職業訓練が受講できるよう能力開発施策を推進する。

 (非行少年の就労支援等)

 少年院や少年刑務所における処遇の一環として、就労に対する心構えを身に付けさせ、就労意欲を喚起し、各種の資格取得を奨励する。また、出院及び出所予定者、保護観察中の無職等少年などに対して、矯正施設、保護観察所、公共職業安定所等の関係機関が連携しつつ、相談や就職に関する情報提供等の就労に向けた支援を行う。また、必要に応じ就労開始後の助言等を行う。


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