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子ども・若者育成支援総合的推進青少年育成施策大綱目次 > 4.青少年等に対する施策の基本的方向

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青少年育成施策大綱

4.青少年等に対する施策の基本的方向

(1)年齢期ごとの施策
 青少年が、必要な知識、技能、生活習慣等を身に付け、個々人の能力や可能性を発揮し、社会の一員として自立した生活を送ることができるよう、成長段階に応じた支援を実施する。
 その際、青少年が直面する困難等を未然に防止又は軽減する必要にもかんがみ、学力や基本的な生活習慣等の習得はもとより、様々な体験・交流等の充実等を通じ、社会性を養い、生きる力をはぐくむことに特に留意する。
 また、施策の実施に当たっては、個人差に配慮するとともに、各年齢期の連続性を重視する。
[1]乳幼児期
 乳幼児期には、人間への基本的信頼と愛情を育てていく基礎となる親や特定少数の人との強い情愛的きずなを形成するとともに、複数の人々との多様なかかわりを通じて認知や情緒を発達させ、人格を形成していくことが重要である。こうした考えに立ち、以下のような施策を行う。
1.母子の健康の確保・増進
(安心で安全な妊娠・出産の確保)
 安心で安全な妊娠・出産について、関係者や妊婦が共通の理解を持つことができるよう、妊産婦健康診査等様々な機会をとらえて働きかけを行う。
 また、総合周産期母子医療センター等の整備、周産期医療と救急医療の連携の確保等、周産期医療の充実を図る。
(地域保健の充実)
 育児不安の解消や産後うつ病への対応など、妊産婦の心の健康確保のため、地域における妊産婦健康診査、乳幼児健康診査、保健指導等の母子保健事業を推進する。
(小児医療の充実)
 子どもが地域において、いつでも安心して医療サービスを受けられるよう、都道府県が定める医療計画を通じて、小児医療(小児救急医療を含む。)に係る医療提供施設相互の医療連携体制を構築するとともに、小児初期救急センター、小児救急医療拠点病院等の整備を支援する。
 また、小児救急電話相談事業により保護者等の不安を解消するほか、地域の小児医療を支える地域住民や関係機関の取組の普及促進を図る。
 さらに、小児医療に係る診療報酬上の措置についても引き続き検討を行う。
(食育の推進)
 出産前からの適切な食生活を支援し、乳幼児期からの望ましい食習慣の定着を図るため、妊産婦や子育て家庭を対象とした食に関する学習の機会や情報の提供を推進する。
 また、健康な心と身体をはぐくむために、保育所や幼稚園における食育の取組を推進する。
2.子育て支援の充実
(子育て家庭の支援)
 乳児のいる家庭を訪問し、子育て支援に関する情報提供や養育環境等を把握するとともに、支援が必要な家庭に対しては、訪問による育児に関する指導・助言等を行う取組を推進する。
 次世代育成支援策が効果を発揮するためには、施策の着実な実施と併せ、家族の大切さ、家族を支える地域の力が若い世代に受け継がれていくことが必要であり、社会全体の意識改革を図るため、「家族の日」や「家族の週間」を設け、家族・地域のきずなを再生する国民運動を推進する。
(男女ともに子育てと就業が両立しやすい職場づくり)
 「次世代育成支援対策推進法」に基づき、事業主による次世代育成支援対策についての行動計画の策定・実施を支援し、企業における自主的な取組を促進する。
 また、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」に基づき、育児休業、子の看護休暇勤務時間短縮等の措置の普及等について、周知・啓発や助言・指導等を行うなど、男女ともに仕事と子育てが両立しやすい職場環境の整備などを促進する。
 さらに、各施策が効果を発揮するよう、施策の遂行にあわせた長期的な視点に立って、働き方の見直しを含む、労使の意識改革を図る官民一体となった国民運動を推進する。
 農山漁村の女性は、農作業等に加え家事・育児等の負担が大きいことから、その負担軽減を図り、女性が農業経営と家事・育児等を両立し経営参画するために必要な支援体制を整える。
(育児等退職者の再就職支援)
 育児等で退職した女性の再就職に対する支援として、「女性の再チャレンジ支援プラン(平成17年12月26日策定、平成18年12月25日改訂)」に基づき、(1)気軽に相談できる窓口の設置や地域における支援機関のネットワーク化、(2)学習・能力開発による支援、(3)出産・育児等で離職した女性に対する総合的な再就職支援、(4)研修の実施や融資等の支援、(5)様々な情報の提供等、総合的な支援を引き続き行う。
(新待機児童ゼロ作戦)
 希望するすべての人が子どもを預けて働くことができるためのサービスの受け皿を確保し、待機児童をゼロにする目標を掲げ、10年後に保育サービス(3歳児未満)の提供割合を38%、放課後児童クラブ(小学校1年から3年)の提供割合を60%とする目標を設定し、平成20年度から22年度を集中重点期間として取組を進める。
 このため、(1)保育サービスの量的拡充及び提供手段の多様化、(2)放課後児童健全育成事業への施策対象の拡大、(3)女性の就業率の高まりに応じて必要となる保育サービスの計画的拡大、(4)一定の質の確保されたサービスの提供の保障等、質と量の両面から保育施策を充実し、必要な社会的基盤の構築に取り組む。
(多様な主体による子育て支援とネットワークづくり)
 子育て経験者等を活用し、孤立しがちな親等が気軽に相談し、助言・指導を受けることができる相談体制を整備する。
 NPO等との連携の下、地域の子育てネットワーク形成を促進する。
 「次世代育成支援対策推進法」に基づく都道府県及び市町村の行動計画の実施、「児童福祉法」に基づく市町村における子育て支援事業等により、地域における子育て支援の取組を推進する。
 希望するすべての幼稚園が預かり保育を実施できるよう諸施策を推進するとともに、幼稚園が地域の幼児期教育のセンターとしての役割を果たすため、幼稚園における相談活動、情報提供、未就園児の親子登園、保護者同士の交流の機会の提供等の活動を推進する。
 保育所において相談事務が円滑に実施されるよう、乳児、児童等の保育に関する相談・助言に必要な保育士の知識・技能の習得、維持及び向上を図る。
 また、多様で弾力的な保育サービスを拡充するため、保育に欠ける乳幼児を居宅等で少人数単位で保育する家庭的保育についても普及・促進を図る。
(経済的支援)
 子育て家庭の経済的負担の軽減を図る等の観点から、育児休業給付及び児童手当を支給する。 
3.保育所・幼稚園等での養護・教育の充実
(保育所と幼稚園の連携強化と認定こども園制度の推進)
 保育所と幼稚園の連携を進め、教育内容の整合性を図った新しい保育所保育指針と幼稚園教育要領を平成21年度から実施する。
 また、認定こども園制度について、できる限り早期に認定件数が2,000件以上になることを目指し、制度の普及啓発や幼保連携型認定こども園への円滑な移行に向けた運用改善を行うとともに、認定こども園の制度改革に取り組む。
(保育所・幼稚園と小学校との連携)
 子どもの成長や発達の連続性を踏まえた教育を充実させるため、新たな保育所保育指針、幼稚園教育要領及び小学校学習指導要領の周知等を通じて、相互理解を深める等、保育所・幼稚園と小学校の連携・交流を推進する。
(サービスの第三者評価の推進)
 サービスの第三者評価のためのガイドライン等を改定し、内容の充実を図る。
 また、自己評価を基盤とする第三者評価の整備のため、保育現場における保育士等及び保育所の自己評価に関するガイドラインを作成する。
(認可外保育施設の質の維持・向上)
 認可外保育施設の運営状況等を効率的に把握することにより、引き続き認可外保育施設の質の維持・向上を図る。
(多様な体験の機会)
 幼児の心身の調和のとれた発達を促すため、自然との触れ合いなど、多様な体験の機会を提供する。
 また、親子での自然体験活動等の機会を通じて、幼児期における多様な体験の必要性に対する保護者の理解を深める。
(安全教育)
 保育所、幼稚園等を通じて、子どもが危険な場所や遊び方を認識し、災害や犯罪等の危険を回避するための行動の仕方を身に付けるため、安全教育を推進する。
 また、保育所や幼稚園等と連携し、子ども及び保護者に対する交通安全教育を推進する。
[2]学童期
 学童期には、後の成長の基礎となる体力・運動能力を身に付け、多様な知識・経験を蓄積し、家族や仲間との相互関係の中で自分の役割や連帯感などの社会性を獲得していくことが重要である。こうした考えに立ち、以下のような施策を行う。
1.健康の確保・増進
(学校における教育・相談体制の充実)
 心の健康に関する指導、薬物乱用防止教育、発達段階に応じた性に関する指導、感染症対策、環境衛生への適切な対応等について、専門家の協力も得ながら学校における健康教育の推進を図る。  
 また、健康上の諸問題に対する取組を進めるとともに、児童が適切な相談を受けることができるよう、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の活用など教育相談体制の整備を支援する。
(地域における相談)
 子どもの発育・発達や心の健康問題に関する地域における相談事業を推進する。
(小児医療の充実)
 子どもが地域において、いつでも安心して医療サービスを受けられるよう、都道府県が定める医療計画を通じて、小児医療(小児救急医療を含む。)に係る医療提供施設相互の連携体制を構築するとともに、小児初期救急センター、小児救急医療拠点病院等の整備を支援する。
 また、小児救急電話相談事業により保護者等の不安を解消するほか、地域の小児医療を支える地域住民や関係機関の取組の普及促進を図る。
 さらに、小児医療に係る診療報酬上の措置について引き続き検討を行う。
2.日常生活能力の習得
(基本的な生活習慣の形成)
 休養・睡眠、食事、運動、家事手伝いなど生活習慣の改善に向けた取組を学校内外において進める。特に、児童が食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付け、豊かな人間性をはぐくめるよう、栄養教諭の配置促進や食に関する指導の全体の計画作成等により、学校における食の指導の充実を図る。
 また、児童とともに保護者等も健全な食生活を実践できるよう、食に関する学習や体験活動の機会の提供等を通じて、家庭・学校・地域等が連携した食育の取組を推進する。  
 また、学校における道徳教育や、青少年教育施設等における集団宿泊体験等を通じて規律ある生活をする態度を養う。
(体力の向上)
 子どもの体力の向上を図るため、指導者の資質向上、体育専科教員や外部指導者の活用などにより、体育の授業を充実させる。
 また、体力等の全国的な状況の把握・分析を行い、その結果を踏まえ、学校や地域における体力の向上のための取組を推進する。
 子どもの遊び場やスポーツ・レクリエーション活動の拠点等となる都市公園や海辺、河川等の水辺、森林等における自然体験活動を推進する。
(コミュニケーション能力や規範意識等の育成)
 思いやりの心、自分と異なる意見を持つ者や異なる立場の者とのコミュニケーション能力、生命や自然を大切にする心や他を思いやる優しさ、社会性、規範意識等を育てるため、発表・討論などの学習や道徳教育の充実、自然体験や集団宿泊体験等の体験活動の充実等、学校や青少年教育施設等における様々な機会の確保・充実を図るほか、非行防止教室等の取組を推進する。
(安全教育)
 子どもが犯罪被害、交通事故及び自然災害等の危険から自らの身を守る能力を養うため、学校・家庭・地域社会が連携しつつ、発達段階に応じた安全教育を推進する。
(環境教育)
 関係府省や地方公共団体が連携し、家庭、学校、地域、企業等における生涯にわたる環境教育・学習の機会の多様化を図るとともに、指導者の質の向上を図る。
 青少年教育施設等においては、豊かな自然環境を生かし、子どもの環境教育の拠点として、取組の推進を図る。
3.学力の向上
(知識・技能や思考力・判断力・表現力、学習意欲等の「確かな学力」の確立)
 学習指導要領の着実な実施のため、(1)基礎的・基本的な知識・技能の習得、(2)これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の育成、(3)学習意欲の向上や学習習慣の確立、に向けて各学校が行う取組を進められるよう必要な支援を行う。
(全国的な学力の把握・評価)
 児童の学力や学習状況を把握し、教育施策や指導の改善に活用するため、小学校第6学年の全児童を対象として、全国学力・学習状況調査を実施し、国語及び算数並びに生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査を行うとともに、その結果から、児童の学力、学力と学習状況の関係等を分析・検証し、課題が見られる学校の改善に向けた取組の支援や優れた取組の普及等を行う。
4.社会的自立につながる活動機会の保障
(集団遊びの機会の確保)
 放課後児童クラブ、児童館、都市公園等の設置を推進し、集団遊びの場を確保するとともに、放課後子ども教室等を通じて、地域住民の参画を得て、学習活動やスポーツ・文化芸術活動、レクリエーション等の機会を提供する取組を推進する。
(ボランティアなど社会奉仕体験活動)
 各地域のボランティア活動支援センターにおける活動希望者と受け入れ先との効果的なマッチング方法や、関係団体・機関との連携、支援センターの運営等に関する調査研究を実施し、青少年がボランティア活動を通じて地域社会への活動に参画することを支援する。
(学校での特別活動の推進)
 児童が学級活動や児童会活動等の集団活動を通して、集団や社会の一員としての自主的、実践的な態度を身に付けるため、学校における特別活動を推進する。
(都市と農山漁村の共生・対流の促進)
 子どもたちの学ぶ意欲や自立心、思いやりの心、規範意識などをはぐくみ、力強い成長を支え、更に農山漁村や農林水産業への関心と理解を促すため、学校における体験活動や地域活動での体験学習を推進するとともに、農山漁村の受入体制の整備や小学校の活動への支援等を通じて、農山漁村に長期に滞在し農林漁業体験、自然体験、生活体験等を行う活動を推進する。
 さらに、農林漁家民宿の開業への支援や交流・体験施設の整備等により、家族ぐるみの交流や子ども団体受入等を進め、都市と農山漁村の共生・対流の促進を図る。
(地域等での多様な活動)
 子どもの心と体の健全な発展を促すため、青少年教育施設や学校、地域の青少年団体、NPO等の様々な場における、環境学習・自然体験、集団宿泊体験、奉仕体験、スポーツ活動、芸術・伝統文化体験、といった様々な体験活動や、異世代間・地域間交流等の多様な活動の機会の提供について推進する。
[3]思春期
 思春期には、自分らしさを確立するために模索し、社会規範や知識・能力を習得しながら、大人への移行を開始することが重要である。こうした考え方に立ち、以下のような施策を行う。
 また、思春期にある若者の特性を踏まえ、適切な距離を保ちつつ成長を支援することや性差に応 じたきめ細かな相談・支援を行うよう配慮するものとする。
1.健康の確保・増進
(学校における教育・相談体制の充実)
 心の健康に関する指導、薬物乱用防止教育、発達段階に応じた性に関する指導、感染症対策等につい て、学童期に引き続き、専門家の協力も得ながら学校における健康教育の推進を図るとともに、スクー ルカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の活用など教育相談体制の整備を支援する。
(地域における相談、医療機関での対応)
 地域において、若者の心の健康、薬物乱用、性、感染症等に関する相談の充実を図るとともに、医療 機関による対応の充実を図る。特に、性に関する健全な意識を涵養し、正しい理解の普及を図るため、 価値観を共有する同世代の仲間による相談・教育活動(ピア・カウンセリング、ピア・エデュケーショ ン)の普及、妊娠について悩んでいる若者に個別に医学的、精神的及び社会的な問題に関する相談・援 助を実施するなど、相談体制の充実を進める。
(思春期特有の課題への対応)
 未成年者の喫煙及び飲酒をなくし、人工妊娠中絶の実施率や性感染症罹患率及び女性の思春期やせ症 の発生頻度の減少を実現することを目標とし、各種の取組を推進する。
2.日常生活能力及び社会生活能力の習得
(基本的な生活習慣の形成)
 休養・睡眠、食事、運動、家事手伝いなど生活習慣の改善に向けた取組を学校内外において進める。 特に、未成年の中で朝食欠食の割合が高いとされる思春期の子どもに、食生活の乱れ、肥満及びやせが 見られるため、学童期に学習した基礎的事項を土台として、望ましい食習慣や食の自己管理能力が身に 付くよう、学校における食に関する指導の充実を図るとともに、食に関する学習の機会や情報の提供等 を通じ、家庭・学校・地域等が連携した食育の取組を推進する。
 また、学校における道徳教育や、青少年教育施設等における集団宿泊体験等を通じて規律ある生活を する態度を養う。
(体力の向上)
 若者の多様なニーズにこたえ、体力の向上を図るため、指導者の資質向上などにより、保健体育の授 業を充実させる。
 また、中学校保健体育の武道必修化に向けた条件整備を図り、武道が安全かつ円滑に実施できるよう 取組を進めるとともに、複数校合同運動部活動の推進や外部指導者の活用などにより、運動部活動の充実を図る。
 さらに、体力等の全国的な状況の把握・分析を行い、その結果を踏まえ、学校や地域における体力の向上のための取組を推進する。
 スポーツ・レクリエーション活動等の活動拠点となる都市公園や海辺、河川等の水辺、森林等におけ る自然体験活動を推進する。
(コミュニケーション能力や規範意識等の育成)
 思いやりの心、自分と異なる意見を持つ者や異なる立場の者とのコミュニケーション能力、生命や自然を大切にする心や他を思いやる優しさ、社会性、規範意識等を育てるため、発表・討論などの学習や道徳教育の充実、自然体験や集団宿泊体験等の体験活動の充実等、学校や青少年教育施設等における様々な機会の確保・充実を図るほか、非行防止教室等の取組を推進する。
(安全教育)
 若者が犯罪被害、交通事故及び自然災害などの危険から自己及び他者の身を守る能力を養うため、学 校・家庭・地域社会が連携しつつ、安全教育を推進する。
(社会や経済の仕組についての現実的理解と知識の習得)
 法律、租税、公的年金制度及び金融やその背景となる経済の仕組などについての正しい理解を促進す るため、関係行政機関と学校等が連携し、取組を推進する。
(ボランティアなど社会奉仕体験活動)
 ボランティア活動希望者と受け入れ先との効果的なマッチング方法等に関する調査研究や、高等学校 を対象とした社会奉仕活動プログラムの調査研究等を実施する。また、青少年教育施設等におけるボラ ンティアに関する事業等を実施し、青少年がボランティア活動を通じて市民性・社会性を獲得し、地域 社会へ参画することを支援する。
(学校での特別活動の推進)
 生徒が学級活動や生徒会活動等の集団活動を通して、集団や社会の一員としての自主的、実践的な態度を身に付けるため、学校における特別活動を推進する。
(国際交流活動)
 青少年の国際理解や国際的視野の醸成を図るため、各国との交流プログラムの作成、国内外の青少年 の招へい・派遣、留学における情報提供や事業の推進等を通じ、異文化体験や国際交流の機会の提供を 行う。
(都市と農山漁村の交流の促進)
 農山漁村や農林水産業への関心と理解を促すため、農山漁村の受入体制の整備や交流・体験施設の整 備、農林漁家民宿の開業等を通じて、農林漁業体験等を行う体験型修学旅行や家族旅行等の受入を進め 、都市と農山漁村の交流の促進を図る。
(地域等での多様な活動)
 集団や社会の一員としての自主的、社会的な態度を身につけるため、青少年教育施設や学校、地域の 青少年団体、NPO等が提供する様々な場における、環境学習・自然体験、集団宿泊体験、奉仕体験、 スポーツ活動、芸術・伝統文化体験、といった様々な体験活動や、異世代間・地域間交流等の多様な活動の機会の提供について推進する。
 教員や青少年団体等、青少年を指導する者への適切な情報提供と問題の共有を図る機会を提供する。
(環境教育)
 関係府省や地方公共団体が連携し、家庭、学校、地域、企業等における生涯にわたる環境教育・学習 の機会の多様化を図るとともに、指導者の質の向上を図る。
 青少年教育施設等において、豊かな自然環境を生かし、青少年の環境教育の拠点として、取組の推進を図る。
3.学力の向上
(知識・技能や思考力・判断力・表現力、学習意欲等の「確かな学力」の確立)
 学習指導要領の着実な実施のため、学童期に引き続き、(1)基礎的・基本的な知識・技能の習得、(2)これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の育成、(3)学習意欲の向上や学習習慣の確立、に向けて各学校が行う取組を進められるよう必要な支援を行う。
(全国的な学力の把握・評価)
 生徒の学力や学習状況を把握し、教育施策や指導の改善に活用するため、中学校第3学年の全生徒を対象として、全国学力・学習状況調査を実施し、国語及び数学並びに生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査を行うとともに、その結果から、生徒の学力、学力と学習状況の関係等を分析・検証し、課題が見られる学校の改善に向けた取組の支援や優れた取組の普及等を行う。
4.就業能力・意欲の習得
(勤労観・職業観と職業に関する知識、技能の育成)
 若者の勤労観や社会性を養い、将来の職業や生き方についての自覚に資するよう、学校、企業、経済団体、PTA、NPO等の協力を得て、関係府省の連携により、小学校段階からの組織的、系統的なキャリア教育及び職業教育を推進する。特に、中学校を中心とした職場体験活動、普通科高等学校におけるキャリア教育、及び専門高等学校における職業教育の推進を図る。また、地域一体となったキャリア教育の更なる推進のため、学校と地域産業界の仲介役となる民間主体のコーディネーターを育成する取組を促す。
 学生が男子向け・女子向けとされる職種にとらわれることなく、主体的に職業選択を行うことができるよう情報提供等の支援を行う。
(就職支援)
 公共職業安定所に「高卒就職ジョブサポーター」を配置し、学校との連携の下、就職に向けた準備から職場定着までの一貫したマンツーマンの支援を行う。
 また、公共職業安定所と学校との連携により求人開拓を推進するほか、公共職業安定所等において高等学校の進路指導担当者を対象とした実地研修を行う。
[4]青年期及びポスト青年期
 青年期には、親の保護から抜け出し、就職することや家族を形成すること等を通じて、社会の一員として自立した生活を営むとともに、公共に参画し、貢献していくことが重要である。既に社会の担い手としての生活を送っている者も少なくない反面、大学等において社会の各分野を支え、発展させていく資質・能力を養う努力を続けている者や社会的自立に困難を抱え、何らかの支援を必要としている者が、青年期を過ぎた(ポスト青年期)者も含め、多数存在する。こうした考え方に立ち、以下の施策を行う。
1.大学教育等の充実
(教育内容の充実)
 各大学・学部の教育理念等に応じた入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)を明確化し、入学後の教育との関連を十分に踏まえ、受験生の能力、適性等の多面的な評価を行うため、入試方法の多様化、評価尺度の多元化を推進する。
 大学等が学生の知識・学習習慣・学習意欲の多様化に対応するとともに、それぞれの掲げる教育研究上の目的の下、教養と専門性を備えた人間を育成することができるよう、学士課程で身に付ける学習成果(「学士力」)の達成等を目指し、各大学等において教育内容・方法の改善を進めるとともに、卒業認定も含めた厳格な成績評価システムを導入するなど、質の高い教育の展開を支援する。
 また、教員の教育力の向上のための実効ある取組をすべての大学等で展開していくよう、優れた取組を行う大学等を支援する。
 人材育成について、産学双方向の対話と取組を推進するため、「産学人材育成パートナーシップ」を推進し、産学連携による人材育成プログラムの開発・実証等の取組に対する支援を通じ、大学の教育機能の強化を図る。
(高度な大学教育の充実)
 高度の専門性が求められる職業を担う、社会的・国際的に活躍できる人材を養成する専門職大学院の設置及びその教育の質の維持・向上を図るための各大学の自主的な取組を促す。
 また、国公私立大学を通じ、国際的に卓越した教育研究拠点の形成を支援するとともに、大学院における組織的・体系的な優れた教育の取組を促す。
(生涯学習への対応)
 生涯学習機会の充実を図るため、各大学等において、社会人を始めとする幅広い学習者の要請に対応するための取組を促す。
(専修学校の充実)
 工業、医療、商業実務を始めとする様々な分野での実践的、専門的な学習ニーズにこたえるため、専修学校教育の課題に対する調査や、社会的要請の高い課題に対応する教育内容や方法等についての研究開発等、専修学校の振興に係る取組を推進する。
2.職業能力開発・就業支援の充実
(職業的自立に向けての支援)
 都道府県の主体的な取組により設置される若者のためのワンストップサービスセンターに対して、都道府県からの要望に応じ、ハローワークを併設し、若者を対象とした職業紹介を実施するほか、企業説明会や各種セミナーの実施等の事業を委託し、地域の実情に応じた様々な就職支援を展開する。
(職業選択の指導助言等の就職支援)
 大学生等に対する就職支援として、各都道府県に設置している学生職業センター等において、大学等と連携し、適職選択のための各種セミナーの開催、学生一人一人に応じたきめ細かな就職指導、専門の相談員による職業相談、情報提供、職業紹介等の支援を実施するほか、既卒者への応募枠の拡大に係る取組等を行う。
 また、大学生等が、自己の能力、適性に応じた職業を主体的に選択できるよう、大学と地域の企業等が連携したインターンシップの推進を図る。
 さらに、大学等の教職員等を対象とする「全国就職指導ガイダンス」の実施などにより、各大学等における学生一人一人に応じたきめ細かな就職指導や就職指導体制の一層の充実を図る。
 フリーター等の不安定就労者について、公共職業安定所にフリーター常用就職サポーターを配置し、職業相談・職業紹介から職場定着に至るまでの一貫した支援を行う。
 また、若者を一定期間試行雇用し、その後の常用雇用への移行を図るトライアル雇用制度の積極的な活用を図る。
 職場の人間関係などの要因により離職したことで再就職への悩みや不安を抱える者等に対しては、個別的・専門的相談等のきめ細かな支援を行い、就職活動の開始及び就業の促進を図る。
(能力開発)
 フリーター等の職業能力形成の機会に恵まれない者が、その能力を向上させ、安定的な雇用へ移行できるようにするため、「ジョブ・カード制度」(きめ細かなキャリア・コンサルティングを通じた意識啓発、課題の明確化を行った上で、企業実習と座学を組み合わせた実践的な職業訓練を提供し、企業からの評価結果や職務経歴等を「ジョブ・カード」としてとりまとめることにより、就職活動等に活用する制度)の整備・充実を図る。
 職業能力開発施設、認定職業訓練施設、工業高校等において技能を習得中の20歳以下の若者に対して技能レベルを競い合う場として「若年者ものづくり競技大会」を実施し、若者の就業促進や若年技能者の裾野の拡大を図る。
(能力を評価するための仕組みづくり)
 能力を軸とした若年労働市場の基盤を整備するため、実践的な職業能力の評価と公証する仕組みを整備するとともに、「就職基礎能力」の具体的な内容を修得の目安として示した上で、それらを身に付けるための認定講座・認定試験について情報提供し、修得した能力の証明等を行う「若年者就職基礎能力支援事業(YES−プログラム)」を実施し、若者の能力開発、自己啓発の目標づくり及び企業側の採用目安としての活用を進める。
(農林漁業への就業支援)
 農林漁業に就く意欲を持つ若者の様々な希望や能力等にこたえ、相談窓口における情報提供・相談、職業紹介、生産現場での体験及び実践研修、農業者研修教育施設等での研修教育、就業支援のための資金の貸付等により、農林漁業内外からの若者の就業を支援する。
(起業支援)
 若者の起業を支援するため、30歳未満でありおおむね5年以内の新規開業した若年起業家に対して、政府系金融機関による設備投資や運転資金に対する低利融資を実施するとともに、インターネットを活用した起業支援サービスを推進する。特に情報通信分野に関しては、おおむね5年以内の新規開業のベンチャー企業等に対し、事業実施に必要な経費の一部の助成を行う等の施策を推進する。
 また、ベンチャー企業における個人投資家からの資金調達をサポートするための税制優遇措置(エンジェル税制)等の更なる普及啓発を行い、起業促進の環境整備を図る。
 全国商工会連合会、日本商工会議所を通じて、創業に向けて具体的な行動計画を有する者を対象に、創業に必要な実践的能力を習得させる「創業塾」を実施する。
 失業者のうち、雇用保険の受給資格者が創業した場合の費用の一部を助成すること等で起業を促進する。
3.生活設計・人生設計の支援
(奨学金等の支援)
 教育を受ける意欲と能力のある学生が、経済的な面で心配することなく安心して学べるよう、奨学金等の支援施策を推進する。
(居住の支援)
 若い世帯が自立した住生活を営むことができるよう、公的賃貸住宅制度の活用を図るとともに、住宅金融支援機構の証券化支援業務の枠組みを活用した民間金融機関による長期・固定金利の住宅ローンの安定的な供給に対する支援等により、良質な持家の取得を促進する。特に、子育て世帯の居住の安定を確保するため、公共賃貸住宅における入居資格の緩和や優先入居の実施、ファミリー向け賃貸住宅の供給の支援、及び民間住宅に関する情報提供に積極的に取り組むとともに、良質な持家の取得を促進するため、上述の融資制度を通じた支援等を行う。
 また、安全・安心で快適な住生活を営むことができるよう、住宅のユニバーサルデザイン化を促進するとともに、子育て支援施設を併設した住宅の供給支援を行う。
 さらに、特に大都市地域において、職住近接で子育てのしやすい住宅市街地の整備を総合的に推進する。
(社会保険機関、教育機関等の連携による情報提供)
 社会保険事務所、学校等が適切に連携し、生活設計に必要な公的制度の情報提供・相談活動等を実施する。
(年金等社会保障についての情報提供・意識啓発)
 公的年金に関する情報提供・広報を行うとともに、成人式における年金制度に関する小冊子の新成人への配布など、若者に対する公的年金制度の意義・役割の周知を図る。
4.社会への参画の促進
(公的制度に関する情報提供・意識啓発)
 効果的かつ積極的な啓発活動を通じて若者の選挙に対する意識の高揚に努め、関係機関間の連携の下、各種の手段・方法を用いて、投票参加等の呼び掛けを行う。
 防衛、海上保安、警察、消防など国民の生命・安全の確保に係る諸活動に対する青少年の理解を一層深めるため、各種広報媒体を活用し、積極的に情報提供を行う。
(政策形成過程への参画促進)
 各種審議会や懇談会等における委員の公募制の活用、インターネット等を活用した意見の公募等により、青少年の政策形成過程への参画を促進する。青少年育成施策や世代間合意が不可欠である分野の施策については、青少年の意見も積極的かつ適切に反映されるよう、各種審議会、懇談会等の委員構成について配慮を行う。
(社会貢献活動)
 ボランティア活動希望者と受け入れ先との効果的なマッチング方法等に関する調査研究や、高等学校を対象とした社会奉仕活動プログラムの調査研究等を実施する。
 また、青少年教育施設等におけるボランティア活動に関する研修等を実施し、青少年がボランティア活動を通じて市民性・社会性を獲得し、地域社会への参画を支援する。
 さらに、青少年が地域の担い手として、次世代の育成や伝統文化の継承等の活動に取り組むことを支援する。
 若者が幅広い国際的視野や感覚を身に付けるため、開発途上国における協力活動の機会を提供する。
 また、重要な隣国との関係発展を担う人材を育成するための交流プログラムを提供すると同時に、異文化に対する理解、包容力を養い、多様な文化と共に生きていく意識を向上させ、国際的な活動や地域における社会的な活動への貢献を促進するため、若者の国際交流の機会を提供する。

(2)困難を抱える青少年等に対する施策
 様々な事情で、健やかな成長を遂げていく上での困難を抱えたり、不利な立場に置かれている等のために特別な支援を必要とする青少年に対し、以下のような施策を行う。
 その際、こうした困難や不利な状況が他の要因と影響し合って状況をより複雑化していく危険性のあることに留意する。
 また、課題解決のため、青少年自身への対応に加え、青少年の保護者等への助言、指導等の支援に取り組むなど、家庭を含めた総合的支援を行う。
[1]困難な状況ごとの取組 
1.障害のある青少年の支援
(障害のある青少年の支援)
 障害の早期発見・早期療育を推進するとともに、身近な地域で安心して生活できるよう在宅サービスの充実等を図り、将来の自立に向けて関係機関の連携を推進する。
 学校教育法等の一部改正により、従来の特殊教育制度から特別支援教育制度へ転換したことを踏まえ、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行う特別支援教育を推進する。
(発達障害のある青少年の支援)
 自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害などの発達障害者に対しては、一人一人が持つ学習面、行動面、社会性、コミュニケーション等の克服や対応能力の向上を図ることにより、適切な人間関係を構築し、二次的な障害を防ぎ、自立・参加を可能にする効果が期待できることから、家庭、学校、職場等において適切に対応できるよう、健康診査等を通じた早期発見に努めるほか、保健指導手引書の普及等により適切な相談・指導の実施を推進する。
 学校に在籍する発達障害のある幼児児童生徒に対して、障害の状態等に応じた適切な指導や必要な支援を行うとともに、それらの教育的支援について広く理解と協力を得るため、「発達障害教育情報センター」等において、教育関係者や一般国民に対し、インターネット等を通じ、発達障害についての正しい理解や各種情報提供等の充実を図る。
 また、発達障害のある青少年に対する適切なアセスメントやモニタリング、社会生活の支援手法(本人の能力を高めるための働きかけやカウンセリングを含む)などの開発を行う。
 我が国の状況に適した発達障害の診断基準、治療方法等について、精神医学的総合評価及び臨床的実証研究を行うとともに、その研究成果の活用を推進する。
2.少年非行対策等
(総合的取組)
 地域を含む関係機関の連携による対策の充実強化を図るため、警察、学校、矯正施設、保護観察所、児童自立支援施設等の関係機関の協力による少年非行事例等についての継続的な調査研究など、長期的かつ総合的な取組を推進する。
 個々の少年の問題性に応じて関係機関等がサポートチームを形成する取組の一層の推進や、「学校・警察連絡協議会」などの既存の組織の活性化及びスクールサポーターや外部の専門家等からなる「学校問題解決支援チーム」などを活用した関係機関等の連携を図る。
(非行防止、相談活動)
 問題行動を起こす児童生徒への毅然とした指導を促すとともに、未然防止、早期発見・早期対応につながる効果的な取組や関係機関等と連携した取組、地域の人々と連携した多様な活動の機会や居場所づくりのための取組等を推進する。その際、非行防止教室や薬物乱用防止教室などを有効活用する。
 また、相談機関において相談しやすい環境等の整備に努め、様々な悩みを持つ少年やその保護者等に対し適切な助言、支援等を行うほか、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の活用など教育相談体制の整備を支援する。 
(薬物乱用防止)
 青少年による薬物乱用の根絶及び薬物乱用を拒絶する規範意識の向上に向けた取組の一層の充実に努める。学校等においては、薬物乱用防止のための指導・教育の充実強化を図るため、小学校、中学校及び高等学校において薬物乱用防止教室の開催を推進するとともに、大学等における啓発の強化を図る。
 また、青少年や青少年育成関係者に対し、薬物乱用の有害性・危険性や薬物乱用防止のための指導方法等についての広報啓発活動を一層積極的に推進する。
(補導活動及び事件の捜査・調査)
 家庭、学校、地域社会の協力を得つつ、関係機関が連携して行う街頭補導活動を強化する。
 また、少年相談に係る少年について、その非行の防止を図るため特に必要と認められる場合には、継続的な補導を行う。
 事件の捜査・調査について、少年の特性に配意するとともに、罪の意識を自覚させつつ、少年の立ち直りに配意した迅速・的確な対応を推進する。
 また、個別事案の性質に応じた所要の捜査及び調査を通じて、事案の全容解明に努めるとともに、少年が抱える問題に対する早期発見と早期対応に資するよう努め、検察庁、警察、児童相談所等の関係機関が必要な協力を行うとともに、家庭裁判所と適切な連携を図る。
(被害者への配慮)
 被害者への配慮を行う観点から、被害者等の求めに応じて、加害少年のプライバシー、健全育成への影響や事件の性質等を考慮しつつ、適切な情報提供に努める。
(非行集団対策)
 暴走族を始めとする非行集団がかかわる事件の検挙、背後の暴力団等の取締り、少年の加入阻止及び構成員の離脱支援を推進し、非行集団の弱体化、解体を図る。
 特に暴走族を根絶するため、あらゆる法令を活用した暴走族取締りの徹底とグループの解体、暴走族への加入を阻止し離脱を支援するための諸対策の推進、地域ぐるみの暴走族追放気運を高揚させるための「暴走族根絶(追放)条例」等の制定の働きかけやその運用への協力などの総合的な暴走族対策を行う。
(施設内処遇)
  少年院、少年刑務所等の体制の充実を図り、非行少年に対する矯正教育、改善指導等を充実させる。特に個々の少年の問題点や成育歴等を把握した上で、再非行を防止する観点から、その特性や教育上の必要性に応じた処遇計画を作成し、必要に応じて随時修正するなど、処遇の個別化を推進する。
 少年法等の一部改正により、収容可能年齢の下限が引下げられたことを踏まえ、少年院において、その年齢にふさわしい経験・しつけの指導を行う「育て直し」に力を入れつつ、矯正教育の効果的な実施に努め、また、関係諸機関、団体等と有機的に連携し、地域社会と協働した総合的な取組の強化を推進する。
 少年鑑別所においては、非行少年に対する資質鑑別等の充実・強化を図る。
 児童自立支援施設においては、児童が社会へ円滑に適応できるよう、自立の支援を目的として、専門職員の配置の充実などによる指導力の強化を図り、個々の児童の状況に応じた指導を充実させる。
(更生保護、自立・立ち直り支援)
 保護観察中の少年が介護・奉仕活動やレクリエーション等を行う社会参加活動について、少年の特性や地域の実情に応じて活動先や活動内容の多様化を図り、より充実した社会参加活動の実施に努める。
 また、犯した罪の重さを認識させ、悔悟の情を深めさせることを通じ、再び罪を犯さない決意を固めさせるとともに、被害者及びその家族又は遺族に対し、その意向に配慮しながら誠実に対応するよう促すことを目的とするしょく罪指導を行うなどして処遇の充実を図る。
 保護観察処遇に特に配慮を要する少年に対して、保護観察官による直接処遇等の各種処遇を積極的に行い、処遇の実効性を高めるとともに、少年の特性や問題点による類型ごとに効果的な処遇を実施する。
 また、保護司を始めとした民間ボランティア団体の活動を推進し、これら団体との連携強化に努める。
 少年院や児童自立支援施設を出た後に家庭に戻ることが難しい少年の自立を支援するため、更生保護施設や自立援助ホームの充実等を図る。
 非行少年が地域社会で立ち直り、再び非行を犯さないようにするため、関係機関、学校、民間協力者、地域の人々等が連携しつつ多様な立ち直り支援を行う取組を推進する。特に、立ち直りを支援する居場所づくりを推進するため、新たな社会活動の場を開拓する取組や地域社会全体で立ち直りを支援する体制づくりを推進する。
 少年院在院者の保護者に対する実効性のある指導・助言等の方法やその前提となる新たな枠組みづくりについて調査研究を行うなど、保護者に対する適当な措置の充実・強化を図る。
 保護観察に付されている少年の保護者に対して、引受人会を実施するほか、家族関係や親の養育態度に問題が認められる場合には、少年の監護に関する責任を自覚させ、監護能力が向上するよう働きかけを行う。
(いじめ・暴力対策)
 いじめや暴力行為等への対応の推進を図るため、問題行動を起こす児童生徒への毅然とした指導や事件を起こした少年に対する適切な処遇を推進し、再発防止を図るとともに、未然防止、早期発見・早期対応につながる効果的な取組や関係機関等と連携した取組、いじめられている児童生徒の立場に立った取組を促進する。その際には、非行防止教室の開催、スクールサポーターやサポートチーム、外部の専門家等からなる「学校問題解決支援チーム」などを有効活用する。
 また、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の活用など教育相談体制の整備を支援する。
3.不登校・ひきこもり対策等
(心の問題への対応)
 不登校・ひきこもり、摂食障害、性の逸脱行為等の、学童期や思春期にある青少年に多くみられる心の問題に対応するため、専門機関等における相談を充実させ、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の活用など教育相談体制の整備を支援する。
 また、関係機関の連携により問題の早期発見や個別のニーズへの適切な対応の充実を図る。
(不登校対策)
 不登校等への対応の推進を図るため、未然防止、早期発見・早期対応につながる効果的な取組や関係機関等と連携した取組を促進する。
 不登校の児童生徒への学校内外における相談体制の整備を進めるなど、不登校の子ども等の教育機会について支援を図る。
 また、不登校、ひきこもり、ニートなど自立に支援を要する青少年の社会性等をはぐくむため、自然体験、生活体験、社会体験等の体験活動に継続的に取り組む機会を提供する。
(高校中途退学者対策) 
 高校中途退学者に対する効果的な支援を検討するため、学校等との連携協力の下、高校中途退学者の退学後の状況等に関する実態の把握に努める。
 また、ハローワークに「高卒就職ジョブサポーター」を配置し、学校との連携による対象者の把握及び職業相談の実施等により、高校中途退学者に対する就職支援を推進する。
(ひきこもり対策) 
 ひきこもりの問題に対応するため、精神保健福祉センター、保健所、市町村保健センター、児童相談所等において相談・支援を行う。
4.労働市場で不利な条件下にある青少年の自立支援
(若年失業者等に対する支援等)
 ニート等の若者に対して、各人の置かれた状況に応じた専門的な相談、地域の若者支援機関のネットワークを活用した誘導等により、多様な就労支援メニューを提供する「地域若者サポートステーション」事業を、また、様々な理由で働く自信をなくした若者に対して、合宿形式による集団生活の中で、生活訓練、労働体験等を通じて、若者に働く自信と意欲を付与する「若者自立塾」事業を実施し、ニート等の若者の職業的自立支援を推進する。
 未就職者等に対して、就職活動から職場定着までの一貫したマンツーマンのきめ細やかな就職支援等を実施する。
 「雇用対策法」及び「青少年の雇用機会の確保等に関して事業主が適切に対処するための指針」に基づき、若者の応募機会の拡大等に取り組む事業主等に対する相談・助言等の支援を行う。
 労働者派遣制度について、派遣労働者の常用化や待遇の改善等の見直しを行い、労働者の保護の仕組みを強化する。
(障害者に対する支援等)
 障害者の雇用機会の拡大による職業的自立を図るため、障害者雇用率制度を中心として、青少年を含めた障害者雇用の一層の促進を図るとともに、ハローワークを中心に、福祉・教育機関と連携した「障害者就労支援チーム」による支援を行うこと等により、就職の準備段階から職場定着までの一貫した支援を展開する。
 また、身近な地域で障害に応じた職業訓練が受講できるよう能力開発施策を推進する。
 さらに、一人一人の障害の状態等に応じた職業教育の改善、新たな職域の開拓や現場実習の充実、地域の企業等に対する特別支援教育についての理解啓発を図る。
(非行少年に対する支援等)
 少年院・少年刑務所における処遇の一環として、就労に対する心構えを身に付けさせ、就労意欲を喚起し、各種の資格取得を奨励する。
 また、出院及び出所予定者、保護観察に付された少年等を対象として、矯正施設、保護観察所、公共職業安定所等の関係機関が連携し、職業相談・職業紹介の実施や試行雇用制度の活用等を行う刑務所出所者等就労支援事業を推進する。
 さらに、関係省庁が連携し、農林水産業や製造業等幅広い産業分野や公務部門における就労機会を拡大するための取組を推進する。
5.青少年の被害防止・保護
(児童虐待防止対策)
(児童虐待防止対策)
 児童虐待の発生予防のため、育児中の親の孤立を防ぐ観点から、地域における子育て支援を充実するとともに、乳児のいる家庭を訪問し、子育て支援に関する情報提供や養育環境等を把握し、養育支援を必要とする家庭に対して適切な支援を行うなどの取組を推進するとともに、子育て中の親の悩みや不安を軽減し、地域で子育てを支える環境づくりのため、子育てに関する親等への情報や学習機会の提供、相談体制の充実を始めとするきめ細かな家庭教育支援が実施されるよう促す。
 児童虐待を早期に発見し対応するため、市町村において関係機関等が連携した子どもを守る地域ネットワーク(要保護児童対策地域協議会)の設置促進、機能強化を図っていく。
 虐待を受けた青少年を保護・支援し、家族再統合や家族の養育機能の強化を図るため、状況に応じた支援を充実させるとともに、関係機関が連携して家族に対する長期的支援ができる体制の整備等を行い、在宅支援を強化する。
 また、虐待を受けた青少年、虐待を行った保護者に対する治療や指導法の研究、開発・普及を進める。
 その他、各機関において以下のような取組を行う。
ア.人権擁護機関
 児童虐待の被害を認知した場合は、人権侵犯事件として調査を開始し、児童相談所、要保護児童対策地域協議会等の関係機関と連携しながら、被害児童を救済するための適切な措置を講じる。
イ.児童相談所
 相談に対して、迅速かつ的確な対応を図るため、児童福祉司の配置の充実や、医療、法律その他の専門機関や職種の協力の下、高度で専門的な判断が可能となる体制の確保に努めるとともに、夜間休日を問わず相談に応じられるよう、相談機能体制の整備・強化を推進する。
ウ.警察
 事件捜査・調査、街頭補導、相談活動、通報等を通じて、児童虐待事案の予防・早期発見に努めるとともに、児童相談所等への確実な通告、厳正な捜査、被害児童の支援、児童相談所長の行う一時保護等に対する援助要請への的確な対応など、児童の安全の確認及び安全の確保を最優先とした対応を行う。児童虐待防止対策支援事業への警察官OB等の採用について、協力する。
エ.学校・教育委員会
 学校の教職員は、職務上、児童虐待を発見しやすい立場であることを自覚し、学校教育現場における早期発見・早期対応に努めるとともに、教育委員会は、児童虐待に関する域内の学校からの連絡、相談等に対して適切な指導、助言を行う。
 また、児童が適切な相談を受けることができるよう、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー等の活用など教育相談体制の整備を支援する。
(その他の要保護児童への対応)
 児童養護施設等において、保護者のいない子どもや保護者から適切な監護を受けられない子ども等に対し、専任職員により、きめ細やかなケアを実現する小規模グループケア及び近隣住民との適切な環境を保持しつつ家庭的な環境の中で養育することにより、社会的自立を促進することを目的とした地域小規模児童養護施設の設置を推進し、ケア形態の小規模化を図る。
 また、家庭的な環境で養育する里親制度の充実や、里親への支援体制の強化に努める。
 児童相談所において、相談・支援体制の強化のため、児童福祉司の配置の充実を図る。
(青少年の福祉を害する犯罪対策)
 青少年が、児童買春、児童ポルノに係る犯罪等の被害者となることを防ぐため、学校や関係機関を通じて青少年やその保護者を始めとする社会全体に対して、性の逸脱行為や被害の現状、関連分野の様々な規制について広報啓発を行うとともに、関係法令に基づき、被害を受けた青少年の精神的負担の軽減に配意した厳正な捜査及び適切な処理を行う。
 インターネット関連事業団体や映画関係団体等に対し、青少年の福祉を害することがないよう、関係法令の周知徹底を図るなど必要な働きかけを行う。
(その他の犯罪対策)
 地域社会全体で子どもの安全を見守る体制の整備や防犯訓練、応急手当訓練等を行う防犯教室の開催の支援など、学校安全の取組を継続的に推進する。
 学校に関わる地域安全情報の収集・提供、非行防止・犯罪被害防止教室の支援、問題を抱えた少年に対する学校と警察との連携した対応等のために退職警察官等を警察署に配置するスクールサポーター制度の導入の促進、通学路等における子どもの一時的な保護と警察への通報を行う「子ども110番の家」活動に対する支援を行う。
 子どもを対象とした暴力的性犯罪者の出所情報を警察庁と法務省で共有し、警察において出所者による再犯防止に向けた措置等を取る。
 青少年が、女性に対する暴力の被害者、更には加害者となることを防止するための予防啓発に努めるとともに、青少年を対象に、被害の実態や支援の状況等についての実態調査を行う。
(犯罪被害に遭った青少年とその家族等への対応)
 被害を受けた青少年の治療や精神的負担の軽減を図り、立ち直りを支援するため、専門職員等による継続的な支援活動を推進するとともに、被害少年支援ネットワークの構築や教育委員会と関係機関・団体との連携協力など、関係機関等が連携して行う相談、訪問活動や環境調整等の支援、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の活用など教育相談体制の整備を支援する。
 全国の地方検察庁では被害者支援員を配置しており、青少年を始めとする犯罪被害者及びその家族等からの相談への対応、法廷内の案内、付添い、検察庁での各種手続きの手助けをするほか、青少年を始めとする犯罪被害者及びその家族等の状況に応じて精神面、生活面、経済面等の支援を行っている関係機関や団体等を紹介するなどの支援活動を行う。
(いじめによる被害対策)
 学校においては、いじめの問題に対して、未然防止、早期発見・早期対応につながる効果的な取組や関係機関等と連携した取組、いじめられている児童生徒の立場に立った取組を促進する。その際には、スクールサポーターやサポートチーム、外部の専門家等からなる「学校問題解決支援チーム」などを有効活用する。
 また、いじめを受けた児童生徒への心のケアを行うため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の活用など教育相談体制の整備を支援する。
 警察においては、事件捜査・調査や相談活動等を通じ、いじめの早期発見及び事案に応じた被害の救済に努めるほか、被害を受けた青少年やその保護者に対し、関係機関等が連携し、被害少年の性格等に応じたきめ細かな継続支援を行う。
 人権擁護機関においては、いじめの被害を認知した場合、人権侵犯事件として調査を開始し、学校を始めとする教育関係機関と連携しながら、被害に遭っている児童・生徒を救済するための適切な措置を講じる。
(自殺対策)
 青少年の心の健康の保持・増進や良好な人格形成への支援が、適切な自殺予防につながることから、自殺予防週間での啓発事業や、地域における心の健康づくりや相談体制の充実等を推進し、自殺を防ぐ体制の充実を図る。
 また、児童生徒や教職員に対する児童生徒の自殺予防に資する教育や普及啓発の実施、学校や家庭等で自殺や自殺未遂が発生した場合の児童生徒等の心理的ケアに取り組む。
(災害・事故防止対策)
 乳幼児の不慮の事故や青少年の水難・山岳事故を防止するための情報提供や啓発活動を行う。
 また、青少年が災害や交通事故の被害に遭わないよう、各年齢期に応じた防災教育や交通安全教育を推進する。
6.外国人青少年の支援
 外国人が我が国の生活環境に円滑に適応し、我が国社会の一員として日本人と同等の住民サービスを享受することができる社会を実現するための取組を推進する。その際、国際結婚による文化・言語の違いにより困難に直面する者にも留意する。
 外国人の子どもに対する就学促進や外国人児童生徒等の学校への受入体制の整備等を行う。
 外国人少年や保護者に対する相談活動を効果的に実施するため、関係機関相互の情報共有や、外国人協力者の活用等、相談体制整備のための取組を推進する。人権擁護機関においては、通訳を配置した「外国人のための人権相談所」を全国の主な都市の法務局等において、それぞれ曜日を指定して開設する。
 日系人を始めとする定住外国人青少年の就職を促進するため、日系人が集住する地域を管轄するハローワークによる地元日系人コミュニティにおける日系人就職支援ガイダンスを実施するとともに、ガイダンス出席者を対象とした職業意識啓発指導、職業指導等、個別の就職支援を実施する。
 また、就職意欲が高い日系人等に対し、早期の就職を実現させるため、担当制による個々の求職者のニーズを踏まえた綿密な支援を行う。
[2]困難を抱える青少年を総合的に支援するための取組
(青少年の自立や社会参加に向けた支援を総合的に行なうための取組)
 ニート、ひきこもり等自立や社会参加に困難を抱える青少年に対しては、官民の関係機関が連携し、様々な手法による早期からの対応が必要であることを踏まえ、以下の措置を講じる。
  1.  地域における官民の関係機関による支援ネットワークの整備、支援を必要とする青少年に係る情報を関係機関間で円滑に共有するための仕組の整備、青少年やその保護者に対する訪問支援(アウトリーチ)の実施及び国における関係施策の総合的な推進のための体制整備等について、新たな法的措置によることも含め、その推進方策の検討を進める。

  2.  困難を抱えた青少年の継続的な状況把握、効果的な支援手法の研究及びその結果の普及並びに支援に携わる人材を養成するための研修プログラムの開発等を推進する。

  3.  一定年齢層の困難を抱える青少年の状況を全体的に把握し、その適切な活用により、一人一人の状況に応じた支援を速やかに行なうための仕組について検討する。

  4.  地方公共団体等における対応に関し、先進的な取組事例等について、情報を収集・整理の上、提供等を行うなどの支援を推進する。

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