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子ども・若者育成支援青少年行政の総合的推進過去の懇談会等 - 内閣府青少年育成に関する内閣府特命担当大臣と有識者との懇談 > 議事概要(第1回)

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青少年育成に関する内閣府特命担当大臣と有識者との懇談

議事概要


1 日時;平成19年12月3日(月)10:04〜12:14
2 場所;中央合同庁舎第4号館共用第4特別会議室
3 出席者;
(有識者:3名)
天野 秀昭特定非営利活動法人プレーパークせたがや理事
特定非営利活動法人日本冒険遊び場づくり協会理事
仙田 満放送大学教授
山縣 文治大阪市立大学大学院生活科学研究科教授
(政府関係者:8名)
上川 陽子内閣府特命担当大臣(青少年育成)
中川 義雄内閣府副大臣
東 良信内閣府審議官
柴田 雅人内閣府政策統括官(共生社会政策担当)
荒木 二郎内閣府大臣官房審議官(共生社会政策担当)
大塚 幸寛内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付青少年育成第1担当参事官
高倉 信行厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課長
武川 恵子国土交通省総合政策局安心政策生活課長
4 議題等
「子どもの成育環境をめぐる現状と課題」

5 概要
(1)上川陽子内閣府特命担当大臣からあいさつがあった。

(2)子どもの成育環境をめぐる問題について、天野秀昭氏、仙田満氏及び山縣文治氏から説明があった(概要は次のとおり。ただし、◎印は説明の内容、○印は意見・提言を示す。)。
I 天野秀昭氏
◎ 資料1に基づき、冒険遊び場・プレーパークを通して見える大人の「子ども観」等について説明があった。
○ 子どもの体のことを考えると自然環境の中で育てることが一番良く、それ故に屋外での活動が重要だが、最近は屋内での遊びが多くなっている。プレーパークでは屋外にこだわり、雨でも台風でも外で遊ぶ。たき火をすると幼児から老人までが一緒になって、自然に話をするような状況が、あえて設定しなくてもできる。遊びの場というより「子どもを中心としたコミュニティの場」にイメージは近い。
○ 子どもの問題をどう受け止めるか。子どもの問題は誰が生み出しているのか。どの視点で子どもを見るかによって見え方は全然違う。そのため、自分たちの子ども観とは何なのか足場を据えて、この問題は論じるべきである。
○ 子どもの形容詞は「あぶない」、「きたない」、「うるさい」の3つである。しかし、大人はそれらを嫌がり、大人の言うことをちゃんと聞く子どもを育てようとする。だから、早いうちから、子どもは子どもをやめさせられてしまう。
○ 子どもは遊びを通じて、自分の限界を超えようとする。子どもの遊びにリスク(危険)はかかせない。リスク(危険)がある時に人間は五感をフル活動させて集中しようとする。集中力は元から備わっているものではなく、そういう場面を通じて体得していくものである。集中力を得るためにはどんどん遊べばよい。
○ 大人は身の安全、骨折やケガに対してはかなり敏感になる。しかし、子どもの心を折ることには全く無頓着である。子どもたちをどう見るかでものの見え方は全然違う。

II 仙田満氏
◎ 資料2に基づき、子どもの成育環境をめぐる現状と課題について説明があった。
○ 我が国の子どもは、体力、学力の低下、生活習慣病の増加だけでなく、意欲も低下している。これらは幼児から児童にかけての生活空間が大きな影響を与えている。
○ 1960年代半ばを境に、子どもたちは外遊びから内遊びへとシフトしていった。その原因として、自動車交通の発達によって道の遊び場を失ったことやテレビが子どもたちを虜にしていったことがある。
○ 子どもの成育環境の中で、特に小学校低学年の場合に重要なものは遊び場環境だが、遊び時間が縮小し、遊び集団が減少し、遊び方法がテレビにより貧困化し、遊び場が減少した。更に全体として、遊びを支える人がいないということも含めて、子どもの遊び意欲が全体に喪失してしまっている。遊び意欲と学習意欲は極めてパラレルである。 
○ 子どもたちの成育環境には「遊び空間」、「遊び方法」、「遊び時間」、「異年齢集団」の4つの要素があり、これらを改善していくことが必要である。
○ 国は「子どもに優しい国づくり・子どもを元気にする国づくり」を宣言するべき。そして、政策全てに子どもの視点を取り入れ、国民運動として子ども成育の意識を喚起することが必要である。
○ 具体的には、「子どもの成育空間の再整備」、「子どもの成育のための道具や方法の適切な使用・学習」、「成育時間の健全化」、「子どもの成育コミュニティの再構築」が挙げられる。
○ 国として、子どもたちを元気にする様々な政策を出していくに当たって、子どもに関するデータを一元化し、公開するとともに、内閣府の政策調整能力及び推進機能をより強化すべきである。

III 山縣文治氏
◎ 資料3に基づき、山縣文治氏から、地域における子育て支援の現状と課題について説明があった。
○ 「子育て支援のターゲット」として、「子どもに対する支援」、「親に対する支援」、「親と子の関係」、「地域との関係」の4つが考えられる。子ども自身が育つ力、親の育ち、親子関係、育てる関係、これらがうまく機能すると地域の中に笑顔が生まれる。
○ 「みなくるハウス」では家族のつながり(血縁)、地域のつながり(地縁)、「みなくるハウス」で出会う人のつながり(知縁)、これらをもう一度結びつけることを目指している。
○ 今後の課題として、民間活動の運営の安定性を地域活動の場合はどう図るか、お金よりも拠点を持つことで安定性が出るので、特に活動拠点をどう求めていくかという点が挙げられる。
○ 決して民間だけで子育て支援領域が成り立つことはなく、公的なものとの連携が必要である。そのため、民間団体と社会福祉法人等の公的な団体の共存関係をどう図るのかという点が課題。
○ 親の主体性を損なわないような支援の在り方を考える必要性がある。
○ 行政の役割をどこに求めるか。
○ 地域活動における世代交代が難しい。
○ 公私のネットワーク、子育て支援機関以外のネットワークが重要である。
○ 目的や効果、お互いの個性の尊重、負担の分散等に配慮しネットワークを有効に機能させることを考える必要がある。

(3)関係省よりの説明
○ 資料4に基づき、国土交通省から「国土交通省における子育て環境づくり」について説明があった。
○ 資料5に基づき、厚生労働省から「地域における子育て支援の現状と課題」について説明があった。

(4)有識者、関係省の説明の後、意見交換を行った(概要は次のとおり)。
○ 有識者の方々からの問題提起とそのための施策への要望について政策として受け止めきれていないと感じる。
○ まず、今までの活動を通じて、現在の国、地方の政策に対する課題、問題点、その解決手段を伺いたい。次に、内閣府の機能強化について、段階的に何を優先して取り組むべきなのか伺いたい。最後に、今の親と昔の親の違いについて端的に表れている特徴や問題点、支援方法について、自分のこういった問題意識がどうかということも含めて伺いたい。
○ プレーパークの活動を公園で行う際、都市公園法の解釈が難しく、プレーパークがなかなか広がらない理由の1つとなっている。公園関連の管理法を柔軟に解釈できるような工夫をしていただきたい。 地域の子育ての在り方は国が考え、それを実体として作り上げていくのは地域である。役所は場所と資金を確保し、運営は住民が担っていく形が可能性に富んでいる。子どもの遊びの現場につくプレーリーダーは子どもの遊びから生活を知るため、1,2年でできるようなものではなく、高い専門能力が必要であるため専門的に取り組むべきである。しかし、現状はそれだけでは生活が成り立たないという問題がある。
○ 日本の最大の環境問題は子どもの成育環境である。今の親自体が遊び経験、自然体験に乏しいため、遊びで育つ能力が退化している。 内閣府の機能強化について日本学術会議の報告書「我が国の子どもを元気にする環境づくりのための国家的戦略の確立に向けて」の中で提言しているが、当初、子ども家庭省のような独立した機関において総合調整するべきではないかという議論もあった。組織上の問題については政府の方で色々考えていただきたい。学術団体としては各段階でのサポートをしていければ良いと考えている。
○ 社会全体で、人間能力の低下があり、それが親の場合、親力の低下という形で出てきている。妊娠、出産、授乳、育児といった子どもが成長する流れの中で親の存在があるが、妊娠、出産、授乳は女性しかできないため、ここの低下は考えられない。しかし、育児に関して大きく低下している。この部分を社会でどのように支えるか。母親の人間部分を認めつつ親の全体性を図っていくことが重要である。  分業社会あるいは機械化社会により今まで親が担ってきた部分を社会に出していったことが子育てを下手にさせたという弊害となって現れている。その部分は分業社会による支援ではなく、ある程度総合力を持った人たちによる支援が必要である。それが民間活動に現れているのではないか。
○ 過疎地域の子どもたちは都会の子どもに比べて孤立しやすい。有識者の方々には過疎地域の子どもたちに対する配慮も考えていただきたい。その辺りの研究などがあるなら教えて欲しい。
○ 現在は田舎の子どもたちのほうが都会に比べて遊びの体験が少なくなっている。したがって都会の子どもたちより運動能力が低い。自動車での移動等により子どもたちが地域でコミュニティを形成する機会がない。田舎と都会の子どもたちが交流し、都会と田舎に2つの故郷を持つような成育環境を考えることも1つの方法である。
○ 地方の大人の価値観が都市的なもの以外に価値を見出さなくなっているため、みんなの考えが「開発」になり、自然が自然のままの価値を見出すようにならない。そのため、子どもも自然に価値を見出さなくなった。
○ 自然の中で過ごすのは、いかに危険をクリアして遊べるかということを学ぶ必要があるが、田舎の子どもたちにはその機会がない。
○ 田舎の子どもたちの方がテレビゲームの依存度が高いため、もはや遊べない状況になっているのが現実である。地域全体で子どもたちを大切にする仕掛けを作り、まだたくさん残っている環境の使い方を理解すれば、都市部に比べると十分可能性はある。
○ 自然遊びでは、虫や花などの生物採取が基本だが、その部分が伝承されなくなっていることは、田園地域での子どもにとっては不幸なことだ。
○ 学校教育の中に「遊び」が見られない。無視されているのではないか。昔と違い放課後、先生が一緒に遊ぶことが全くない。
○ 先生自体も遊びの体験を持っていない。

(5)閉会
閉会に当たり、上川大臣から、有識者に対する御礼、今後取りまとめに向けての協力等の言葉があった。

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