-
青少年育成 サイトマップ
-

子ども・若者育成支援青少年行政の総合的推進過去の懇談会等 - 内閣府青少年育成に関する内閣府特命担当大臣と有識者との懇談 > 議事概要(第4回)

-


青少年育成に関する内閣府特命担当大臣と有識者との懇談

議事概要


1 日時;平成20年1月17日(木)14:00〜15:30
2 場所;中央合同庁舎第4号館共用第4特別会議室
3 出席者;
(有識者:2名)
勝又正孝勝又小児科アレルギー科医院院長
海和宏子社会福祉法人キンダー保育園園長
(政府関係者:7名)
上川 陽子内閣府特命担当大臣(青少年育成)
東 良信内閣府審議官
柴田 雅人内閣府政策統括官(共生社会政策担当)
荒木 二郎内閣府大臣官房審議官(共生社会政策担当)
大塚 幸寛内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付青少年育成第1担当参事官
小島 隆雄内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付青少年育成第2担当参事官
堀内 宏秋厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課課長補佐
4 議題等
「子どもの成育環境をめぐる現状と課題」
5 概要
(1)上川陽子内閣府特命担当大臣からあいさつがあった。
(2)子どもの成育環境をめぐる現状と課題について、勝又正孝氏、海和宏子氏から説明があった(概要は次のとおり。ただし、◎印は説明の内容、○印は意見・提言を示す。)。
I 勝又正孝氏
◎ 資料1に基づき、子どもの遊びの重要性を中心に、子どもの成育環境をめぐる現状と課題について説明があった。
○ 脳科学の最新の知見を基に子どもの遊びの意義を6つのダイアとしてまとめた。
○ 1つ目は「なかま」。なかまと遊ぶうちに、無意識に人との付き合いを覚える。
○ 2つ目は「おもしろいことを探すこと」。探索の心が自発性を育てる。
○ 3つ目は「熱中すると頭がよくなる」。熱中することで脳内ホルモンのドーパミンが盛んに分泌され、特に前頭連合野のシナプス形成が活性化する。
○ 4つ目は「神経回路がたくさん残る」。遊びには名前もない雑多なことが多いが、そういう経験が神経回路を残すのに役に立つ。名前のあることばかりしているとその他のことが残らなくなる。
○ 5つ目は「自然を実感する」。実感することは自分だけの経験なので、それは自分だけのデータベースとなり、将来における知的再生産の心の肥料になる。
○ 6つ目は「外で遊べば、体力がつく」。普段の遊びを通じて色々な種類の体力がひとりでに養われる。
○ 日本では、都市より自然が軽視され、また、教育より遊びが軽視されている。都市は、自然も全部計算で成り立っている人工養殖の世界。教育も計算で成り立っている。遊びという原始的な計算づくでない活動によって本来の人間性を取り戻すことができる。
○ 子どもの現状は、児童虐待や親殺しなど厳しいものがあるが、対策の基本が、事例の精神医学的な分析が主流であり、家計の問題とか、家庭環境の問題とかといった包括的な研究があまりない。
○ 保育園では定員オーバーで、子どもたちがのびのびと遊べる環境がなく、保育士も不足している。
○ 養護教諭や看護師は、保育園にこそ必要だが、そのような役をする者がいない。
○ 静岡県の児童相談所では14年間で職員数が1.5倍になったが、児童虐待の相談件数は23倍となっており、相談者への十分な対応ができない。
○ 日本では、児童精神科医がほとんどいない。雇ってくれるところがないため、全国の大学で児童精神科の講座を持つのは1校しかない。
○ 小児科医と産科医が不足して、労働条件が悪化しており、小児救急医療体制は破綻しつつある。
○ 子どもの権利条約の政府報告に対する児童の権利委員会の懸念・勧告では、「はげしい校外教育の競争が家計を圧迫し、親と子に強いストレスをかけている。中退した子の出直しに役立つ夜間高校の統廃合が進み選択肢が減っている。」、「子どものプライバシーの権利を保障するための措置がない。」、「子どもの虐待の増加とそれに対する対応策が不十分。」、「子どもの意見の尊重と参加を促進する制度が整備されていない。」といった指摘がされており、今でも解決されていない。
○ これからの10年のためには、子どもの権利条約の「ベストインタレスト」(「子どもに関わるすべての活動において、(中略)子どもの最善の利益が第一次的に考慮される」というコンセプト)に基づき行動することが必要。
○ 男性(特に社会を主導する中高年の男性)、女性、若者、子ども自身、高齢者など全ての国民が、子どもは無条件に大切だと思うような国民の心の改革が必要である。
○ 国に「子ども省・庁」を新設すること始めてはどうか。
○ 子ども手当ては子どものために使用されないし、医療費無料化は医療に対する価値の転落を招く。多額のお金をかける支援システムは改革が必要であり、病院へ行く交通費の負担などの方がよい。
○ 子育て支援は、低所得家庭の実情を親身になって聞き取り、子育て生活が楽になるように、母親の心身の負担を減らすように見直す必要がある。
○ 全国各地で多彩な、子どもが外遊びできるようにする試みがされているので、全国大会を開催して事例を発表してもらうとともに、参加者相互の情報交換、親睦を図り、機運を盛り上げる。日本での世界大会開催も提案したい。
○ 「学校外教育に時間と費用の制限を加える」、「国立、県立、私立の冒険遊び場をつくる」等「子どもの外遊びの権利」を法律などで公的に位置づけ保障する。
○ 悪質な人材派遣会社など、子育てに当たる若い両親を取り巻く労働市場の悪条件の認識と対策(法的規制と予算措置)が必要。
II 海和宏子氏
◎ 資料2に基づき、保育園における現場の取り組みを中心に、子どもの成育環境をめぐる現状と課題について説明があった。
○ 親の子育てに関する考え方が急速に大きく変化しており、親の過干渉・過保護、逆に放任等その差が非常に大きくなっている。また、保護者それぞれの価値観があり、自分の意見を通してほしいという思いが非常に高いため、親に対しても一人一人の状況に応じた対応を求められている。
○ これらの要因としては、以下の3点が考えられる。
・情報化の進展による社会変化によって、親のモノを言わなければ損をするという意識が強くなっている。
・親が祖父母の言うことを聞かない等子育て文化が伝承されにくくなっている。
・人と人とのつながりの中で生きていくということが希薄化している。
○ 家庭生活が夜型になっている傾向がみられ夜遅くまで起きていて朝起きられない半分眠っている様な状態での登園、朝食の欠食により機嫌が悪かったり、元気に遊べない子どもがみられるようになっている。又、生活リズムや食生活の変化により、幼児期から肥満傾向にある生活習慣病のリスクを抱える子どもが増えている。
○ アレルギーを持っている子どもが増えており、保育士以外の専門分野への対応が増えてきている。
○ 子どもの持久力、体力が低下傾向にあり疲れやすい子どもが増えている。又砂遊びや泥んこ遊びも汚れることを嫌がり、遊びに入らなかったり、なかには洋服の汚れを気にする親もみられる。
○ 心の側面については、物質的に豊かな状況にあり、我慢することや、物を大切にする心が薄らぎ、飽きやすい傾向が見られるようになっている。又自己中心的で、精神的に不安定になりイライラし暴力的になる傾向の子どもが増えている。
○ 子どもの生育環境については、母子家庭、父子家庭など、入園時点ですでに片親家庭が多く、在園時に離婚調停というケースもある。
○ ここ1、2年精神疾患を持った親が増えてきている。保育園として親への精神的・心理的なケアの専門的な知識、ケアの方法がわからないまま親の気持ちを受入れする型で対応している現状である。
○ 男女共同参画社会の中で時間的にも遅くまで仕事を続けている親が多くなり、家庭のことに手が回らず、子どもが我慢し親を気づかう場面もみられる。
○ 比較的自然に恵まれている環境ではあるが、都市化の状況にあり自然破壊が進み、意図的に自然に触れる機会を設定せざるを得ない状況もある。
○ 急速に変化する社会、それに伴って保育現場も最近は特に変化が加速化しているように思える。従って現行の保育制度では追いつけない状況にもある。特に気になる子どもが増加の一途をたどっている、又親育てに費やす時間も多くなっている。様々の現状から職員の配置基準の見直しが必要と思われる。
○ 近年の親は、専門職ということにこだわりを持っている様子で、相談を受けるに際し分野別の担当者を望む傾向が強くなっているため、保育園の職員構成も考え直すべきと思われる。特に体調不良の子どもの保育又薬を持参しての子どもが増加するなかで看護師の配置は必置と思われる(学校における養護教諭と同様)。
○ 当市は待機児童が多く、県が進めている認定子ども園の整備よりも保育園の整備が必要な状況であり、認定子ども園推進の数値目標にこだわらない様国の方からも御理解いただきたい。
○ 保育園に支援センターを併設することは家庭で子育てしている親が目安となる子どもの姿を間近に見て育てることができ、又、通常保育の子ども達もいろいろな人や友達に出会う機会を得て交流でき、又保育園の親も保育園で生活することでの子どもの成長発達を認識でき、大変に良いことである。
(3)関係省よりの説明
○ 資料3に基づき、厚生労働省から「保育行政の概要」について説明があった。
(4)有識者、関係省の説明の後、意見交換を行った(概要は次のとおり)。
○ 「小学校に入る前のステージ」と「20〜30代、またそこに至るまでの大人の問題」の関わりについて、その関係がわかるような経験について率直に伺いたい。
○ 自分の子どもを自分の延長として極端に大切にする風潮がある。一方で子育てに不熱心な親もいる。この背景には、お金や物以外の価値を低く見る風潮があるものと考える。
○ 家庭が安定していないと子どもはぐらついて育ってしまう。家族が仲良く向き合って生活することが重要。過干渉や過保護ではなく、家族そろって食卓を囲めるような家庭づくりを忘れていると思う。
(5)閉会

▲ このページの上へ

-

子ども・若者育成支援青少年行政の総合的推進過去の懇談会等 - 内閣府青少年育成に関する内閣府特命担当大臣と有識者との懇談 > 議事概要(第4回)