-
青少年育成 サイトマップ
-

子ども・若者育成支援青少年行政の総合的推進過去の懇談会等 - 内閣府青少年育成に関する内閣府特命担当大臣と有識者との懇談 議事概要(第5回)

-


青少年育成に関する内閣府特命担当大臣と有識者との懇談

議事概要


1 日時;平成20年2月14日(木)18:00〜20:00
2 場所;中央合同庁舎第4号館共用第4特別会議室
3 出席者;
(有識者:3名)
小林 剛武庫川女子大学大学院教授・兵庫県立神出学園長
二神 能基特定非営利活動法人ニュースタート事務局代表
牟田 武生  特定非営利活動法人「教育研究所」理事長 
(政府関係者:8名)
上川 陽子内閣府特命担当大臣(青少年育成)
東 良信内閣府審議官
柴田 雅人内閣府政策統括官(共生社会政策担当)
荒木 二郎内閣府大臣官房審議官(共生社会政策担当)
大塚 幸寛内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付青少年育成第1担当参事官
小島 隆雄内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付青少年育成第2担当参事官
木岡 保雅文部科学省初等中等教育局児童生徒課長
大隈 俊弥  厚生労働省職業安定局若年者雇用対策室長
4 議題等
「ひきこもり、不登校児童等への対応をめぐる現状と課題」
5 概要
(1)上川陽子内閣府特命担当大臣からあいさつがあった。
(2)ひきこもり、不登校児童等への対応をめぐる現状と課題について、小林剛氏、二神能基氏及び牟田武生氏から説明があった(概要は次のとおり。ただし、◎印は説明の内容、○印は意見・提言を示す。)。
I 二神能基氏
◎ 資料2に基づき、「特定非営利活動法人ニュースタート事務局」の取組を通じた若者の社会的自立支援について説明があった。
○ 目標を喪失し、立ち止まっている若者のニュースタートを目的として、84人の若者を、集団生活をしながら支援。
○ 支援の第一段階は「レンタルお姉さん」による家庭訪問。訪問員が個々の若者の抱える問題をすべて解決できるわけではないので、一時的な支援者という意味のネーミングとした。
○ 訪問しても、初めのうちは拒否されることが殆どだが、彼らは「ノーの中のイエス」、即ち、拒否しながらもどこかで助けを待っている。訪問を続けるうちに、9割は面会でき、当方の寮での集団生活へと接続。
○ 寮に併設して、仕事体験塾という、様々な活動ができる場所を設置。集団生活をしながら、短期間に複数の仕事を経験させる。こうした過程を経て、全体の7割程度が1年3ヶ月くらいの間に何とか社会へ出て行ける。
○ しかし、問題を抱える若者が社会に出ても、ワーキングプアの道しかないような就労構造がある。このため、4つめの支援の柱として、2年前に人材育成型の派遣会社「株式会社スローワーク」を設立し、彼らの継続就労を支える仕組みを作った。
○ さらに、就労を継続していくための住環境を支援するため、「希望長屋」という、集団生活の場を提供している。
○ 「働き」、「暮らし」、「役立ち」という3本立ての自立を念頭において支援。このうち、「働き」については、シビアな現実がある以上、食い扶持を稼ぐために耐えるべきものと教えている。一方で、そうした辛さに耐えていくためには、仲間と楽しく遊べる時間も必要ということで「暮らし」面での支援も重要。さらに、自身のアイデンティティに加え、他者への「役立ち」を実感できるようにしている。
○ 以上のように、<1>訪問、<2>集団生活、<3>職業体験、<4>就業支援、及び<5>住環境支援が現在の支援の柱だが、さらに最近は、半数近くの若者が結婚しないのではないかという不安を強く感じているため、結婚支援・家族形成支援も行っていきたいと考えている。
II 牟田武生氏
◎ 資料3に基づき、不登校児童生徒等に関する現状と課題について説明があった。
○ 昭和47年から教育相談に関わり、59年からはフリースクールを運営していたが、
・母子関係が変化し、共依存の関係が非常に多くなっており、親子の分離をさせていかなければ、本質的な問題が解決しないこと
・通所型だと、無理して周囲に合わせ(過剰適応)、帰宅すると疲労のあまりストレスを溜めることを繰り返す結果、ありのままの状態で学校や社会で過ごすことができないことから限界を感じて、平成18年にフリースクールは止めて、富山県宇奈月で若者自立塾(宿泊型)を始めた。
○ 過去15年間の小中学校不登校者数の推移からは、<1>14年以降の減少傾向が18年に増加したこと、及び<2>平成6年頃からの5年間で急増したこと、が特徴として挙げられる。
○ このうち、<1>については、関西地区以外はほとんど増加に転じていること、男女比が逆転し、小学校6年生以降は女児の方が多くなっていること等が結果から窺える。また、<2>については、平成に入って不登校率が1%を超え、社会問題化したことで、いわゆる登校刺激的な対応から受容的な対応へ移行するとともに、スクールカウンセラー・適応指導教室の整備や、進級・卒業の弾力化などが進んだ結果、無理して学校に行かなくてもよいではないかという空気が広がったためと考えられる。
○ こうした傾向を不登校のタイプ別に見ていくと、昭和時代は情緒的に不安的で、なおかつ人間関係を引いてしまうタイプ(情緒混乱型)が非常に多かったが、平成に入ってから、情緒的には安定しているが社会的に内向的なタイプが増えてきた。このため、平成15年頃から、機会に応じて登校刺激的な対応の必要性が叫ばれるようになり、不登校件数の若干の減少傾向につながったと考える。
○ 不登校になった場合、短期間に学校又は社会に復帰させないと、不登校状態からひきこもり、いわゆるニートに移行していく可能性大。
○ 不登校割合等も地域によってかなり異なる。きめ細かく、地域の特性に応じた対応の工夫が必要。
○ 小学校6年から中1への移行が非常に難しいという問題が未解決のままである。
○ 高校生の中途退学のグラフと、義務教育課程の不登校のグラフはほぼ一致。ともに社会的な現象とマッチする部分がある。
○ 高校を中退する場合、相談窓口は県の教育委員会に相談室があるために敷居が高く、相談の守備範囲も学校教育面に限られている。ハローワーク、ジョブカフェ、サポートステーション、若者自立塾への誘導は必ずしもできていない。
○ さらには、教育相談は復学中心、ジョブカフェ等は就労中心となるが、高校生あたりだと、復学も就労もしたくないような心理状態の中で色々な問題を抱えているケースが多い。こうした状況の若者が相談できる場所がなかなかない。
○ 市町村レベルでネットワークをつくりながら、サポートステーションやジョブカフェ、あるいは教育相談から学校への復学につなげられるような場所が市町村レベルで必要。
III 小林剛氏
◎ 資料1に基づき、兵庫県立のフリースクール神出学園の活動を中心とした、ひきこもりや不登校児童生徒等に関する現状と課題について説明があった。
○ 学校教育法適用外のフリースクールとして、中卒以上、二十歳までの不登校、ひきこもりで挫折した子どもたちを対象に集団生活型の活動を行っている。当初、在籍2年間でほぼ元気になるだろうと考えていたが、最近は、2年ではちょっと厳しい子どもも出ているので、3年にすればよかったという声が上がっている。
○ 不登校の子どもの6割は何らかのいじめ体験を持っており、いじめ問題が、不登校の背景にあるように思われる。
○ 家族の人間関係、母子関係など家庭の中で葛藤を抱えている子どもが意外と多く、家族支援が非常に強く求められている。
○ ひきこもりや不登校の子どもたちは、自分に対する自信が無くなっているので、様々な体験活動を重ねながら、一人一人の子どもに自己肯定感を高めるような取組を行い、進路発見という目標に進めるようにしている。
○ 学園の活動を通して子どもたちの感想は次のとおりである。
「とにかく学園に来て、豊かな自然の中で、時間の流れが全く違う、ゆったりとした時間の中で、どの子どももほぼ元気になれた。」
「友達ができて元気になり、学園の生活が楽しくなった。」
「いよいよ自分の進路を少し見られるようになった。」
「人生に夢が持てた。」
○ 学園の活動を通して引き出されたことは、次のとおりである。
・10代後半の不登校支援の充実は、ひきこもりへの歯止めとして有効。
・小学校から中学校へ、なだらかな橋をどのように架けていくかということが大切。
・今日の子どもたちは、複雑な心の問題を抱えており、専門機関との協働が有効。
・子どもたちが「見捨てられ感」を持たないよう、かかわりの灯を灯し続けることが大切。
・家族や父母を支援する取組を充実する必要がある。親が安定すれば、子どもも安定し、その結果、不登校、ひきこもりの歯止めになっていく。
○ 兵庫県では、9年ほど前から青少年の心の問題に対応するための22の専門機関のネットワークづくりを展開している。その活動で得られた知見は次のとおりである。
・ひきこもりの経験者が訪問支援のスタッフになることで支援効果が上がる。
・安定し始めた若者をアルバイトや就労につなげる支援システムの構築が重要。
・地域若者サポートステーションや若者自立塾、民間の居場所等の関係機関の連携が地域の中でうまく機能すると、子どもの就労がスムーズに進む。
○ 20代から30代のひきこもりもが非常に多い。そういう人たちに対する公的な支援が今後求められてきている。
(3)関係省よりの説明
○ 資料4に基づき、文部科学省から「不登校児童生徒を支援する施策」について説明があった。
○ 資料5に基づき、厚生労働省から「厚生労働省における高校中途退学者への就業対策等」について説明があった。
(4)有識者、関係省の説明の後、意見交換を行った(概要は次のとおり)。
○ 「小学校に入る前のステージ」と「20〜30代、またそこに至るまでの大人の問題」の関わりについて、その関係がわかるような経験について率直に伺いたい。
○ 子どもたちに集団生活プログラムを実施する意味について伺いたい。
○ 御発表の中でフリースクールの在学期間は3年の方が良かったのではないか、との指摘があったが、その理由について伺いたい。
○ 親の生活そのものに顕在する問題は、それにデリケートに反応する子どもたちの心や体にどのように影響を及ぼしているか御教示いただきたい。
○ 本来家庭が子どもの居場所のはずだが、現在は分離している気がする。居場所作りは相当大きなテーマであるが見解を伺いたい。
○ 本来あるべき家族として機能していない家族が多い現代において、擬似的でもその機能を備えた場を確保する必要があると考えるが見解を伺いたい。
○ 利用者の半数強が精神科に通い、投薬生活をしている。こうした子どもたちは親子関係が希薄で、十分に愛された実感がない子が多い。また、家庭の中で依存関係が強く、自立していく環境にない。思春期には、仲間体験を通過することが発達上重要。家にひきこり友達のいない生活を長期間続けてきた子どもが、学園で初めて友達ができることにより、思春期らしい発達の入り口に立てている状況。
○ 最近、精神的に重たい問題を抱えている子どもたちが増えてきており、2年間の支援では十分ではないと感じている。当学園では、そういう子どもについては、卒園後のフォローアップもしている。
○ 親、特に父親が子どもの気持ちをなかなか汲み取れないので、父親支援を厚くしていく必要がある。
○ ファミリーサポートは、親が一所懸命になりすぎることで逆に子を追いつめる危険がある。親子を切り離さざるを得ないため子どもを寮に預かることとしている。
○ 本来、子どもを育てるには2人の親では足りない。緩やかな大家族が理想である。
○ 親も子どもも不完全な者同士。家族の教育力の低下は当然のことであり、家庭の教育力の復活と言ってもプラスに受け止められる家族は基本的にはないと考えるべきではないか。
○ 親離れ、子離れがうまくいっていない。若者の社会力、人間関係力のためには、ある時期集団生活の機会が必要と考えて寮を作った。
○ 韓国の徴兵制などは自立の機会になるのではないかと思っていたが、従軍期間が終了し戻ってくると結局ひきこもってしまう子どもが多く、あまり効果的ではないと聞いた。
○ 父親に負担をかけまいと母親が抱え込むことで生まれる不安や、父親が家庭に持ち込む仕事のストレス等を子どもが背負い込んでしまっている。
○ 不登校の大衆化、特に生活困難を抱えている家の不登校の数がすごく多い。そういう意味でスクールソーシャルワークが必要である。
○ 母親と子どもが共依存している場合は、子どもは余計に安住してしまうため、ある時期、引き離すことが必要である。
○ 家族内の会話の時間が日本は先進諸国の中で最低である。家庭でのコミュニケーション技術が育っていない。
○ 韓国では、情緒面の問題はないにも関わらず、現実の友達との交際を疎ましく感じ積極的に交わろうとせず、ネットに居場所を見出し、依存していくケースが多い。不登校とネットの関連といった視点も必要。
○ 公的施策も中途半端な状態では却って現場の負担が大きいばかりで迷惑。
(5)閉会

▲ このページの上へ

-

子ども・若者育成支援青少年行政の総合的推進過去の懇談会等 - 内閣府青少年育成に関する内閣府特命担当大臣と有識者との懇談 > 議事概要(第5回)