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青少年トップ青少年行政の総合的推進青少年育成に関する内閣府特命担当大臣と有識者との懇談 > 議事概要(第6回)

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青少年育成に関する内閣府特命担当大臣と有識者との懇談

議事概要


1 日時;平成20年2月25日(月)18:00〜20:00
2 場所;中央合同庁舎第4号館共用第4特別会議室
3 出席者;
(有識者:3名)
井内 清満特定非営利活動法人ユース・サポート・センター友懇塾理事長
能重 真作特定非営利活動法人非行克服支援センター理事長
福田 常隆 更生保護法人東京保護観察協会敬和園施設長
(政府関係者:8名)
上川 陽子内閣府特命担当大臣(青少年育成)
東 良信内閣府審議官
柴田 雅人内閣府政策統括官(共生社会政策担当)
荒木 二郎内閣府大臣官房審議官(共生社会政策担当)
大塚 幸寛内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付青少年育成第1担当参事官
小島 隆雄内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付青少年育成第2担当参事官
福田 正信警察庁生活安全局少年課少年保護対策室長
笠原 和男 法務省保護局観察課長
4 議題等
「少年非行防止の取組(非行防止、立ち直り支援)をめぐる現状と課題」
5 概要
(1)上川陽子内閣府特命担当大臣からあいさつがあった。
(2)少年非行防止の取組(非行防止、立ち直り支援)をめぐる現状と課題について、井内清満氏、能重真作氏及び福田常隆氏から説明があった(概要は次のとおり。ただし、◎印は説明の内容、○印は意見・提言を示す。)。
I 井内清満氏
◎ 資料1に基づき、「特定非営利活動法人ユース・サポート・センター友懇塾」の活動を通じた少年非行防止の取組について説明があった。
○ 我が国の少年院は世界最高レベルの施設であるにもかかわらず、出院後に行き場のない少年が大勢いる状況。
○ その結果、本来であれば家庭に戻すべきでない子どもも家庭に返すしかなく、就労の困難さもあって、再非行に向かうことになる。
○ 出院者の就労は大きな問題。当団体では、協力企業を38社の企業の協力を得て取り組んでいるが、国としての取組が必要。
○ 現在、学校崩壊の真只中で活動しているが、その背景には家庭、子ども、学校それぞれの問題がある。
○ まず、家庭・保護者については、一所懸命だが自己中心的、外面重視、地域への無関心等が挙げられる。また、先生のことを罵倒したり、学歴を聞いて馬鹿にしたような態度をとるなど、先生への信頼に欠けている。
○ 子どもは、人のことを思い敬う気持ちがなくなっており、仲間をいじめで潰している。子どもの家の中での本当の居場所は、子ども部屋ではなくリビング。リビングが機能していない家では子ども部屋は「逃げ場所」でしかない。
○ 学校については、荒廃状態の中で自身の管理能力に悩む校長先生と、熱意に大きな差があるそれぞれの先生という構図であり、そういうアンバランスが学校崩壊を招いている。
○ 中学の先生は、保護者からの責任追及を気にするあまり、高校に入るための内申書にマイナスなことを書けず、苦しい思いをしているという状況がある。また、スポーツに秀でているために進学内定を受けた非行少年が、一般入試を受けるために頑張っている普通の生徒の授業を妨害しているといった現状もある。
II 能重真作氏
◎ 資料2に基づき、非行少年の親と子どもに対する取組を通して少年非行対策の現状と課題について説明があった。
○ 「非行」と向き合う親たちの会の約800名の構成メンバーの大半が母親。家族の中でも、母親が一人で悩みを抱えている状況が伺われる。正面から向き合おうとしても、どうすればよいか分からず、親としての自信を失い、自分を責め続け世間や学校からは「育て方が悪い」と非難の目にさらされ、苦しんでいる。
○ 「非行」と向き合う親たちの会は、月に1回の例会に数十名が集まり、幾つかの会に分かれて、全員が悩みや苦しみを語り合い、聞き合う自助グループである。
○ 自助グループの原則は、決して相手を非難せず、間違った育て方や教育を決して指摘しない。お互いに語り合いながら、経験交流の中で、自分の育て方に間違いがあった、関わり方に間違いがあったと、本人自らが受けとめられるよう気づきを待つ。そのような対応の仕方でないと、どんな正論でも受け入れられない。
○ 親が子どもを責め立ててばかりいると子どもの居場所がなくなる。親が生きることの大切さに気付くと、表情が明るくなり、子どもへの対応が変わる。
○ 日本の少年院の教育は世界に誇れるものであるが、少年院は更生させるところではなく、更生のための教育をするところ。真の教育、真の更生は、拘束された少年院の中ではなく、自分の意思で自由に動ける社会に出てから始まる。
○ 社会に出てからの受け皿が非常に弱い。色々な機関が一生懸命関わっているけれども、体制としては不十分。行政だけではなく、地域社会や民間の諸団体が、子どもや親を支援する、サポートする形でかかわりを続けていく体制が必要。
○ 少年とのかかわりを通して親もサポートするのが、当会の大きな役割。どんな親でも、子どもでも、信頼できる第三者の大人とのふれあいがあれば必ず自分を取り戻すことができる。自助グループ等民間の活動について支援いただきたい。
○ 今、家庭が崩壊の危機にさらされているが、かつての家庭が持っていた教育力は近隣の支えの中で育まれたもの。その近隣が希薄な関係になり、家族だけが子どもを育てるという関係に追い込まれている。同じ課題を持つ者同士の体験の交流を通して学び合う自己教育力を持つ「親の会」やそれをサポートする非行克服支援センター等の支え合いの輪を広げたい。
III 福田常隆氏
◎ 資料3に基づき、更生保護法人東京保護観察協会敬和園の活動を中心とした、非行少年の立ち直り支援に関する現状と課題について説明があった。
○ 殆どの少年は、社会適応の過程において、色々な葛藤や挫折、緊張感の弛緩を経験する。そのときにどういう支援をするかが非常に大きなポイント。
○ 敬和園は、自立を支援する施設であるという位置付けで運営をしており、早期の就労を目指して、職員が積極的に関与している。
○ 少年たちの就労の端緒はハローワーク、ハローワークが運営するインターネット、協力雇用主、求人誌である。少年たちに対しては、安定した就労を前提に、求人誌等の紹介は避けるように指導している。
○ 就労支援で一番困難なのは、知的障害や疾病を持っている人。企業から募集があっても、保護者がいないために採用に至らないのが実情。
○ 一般の少年の場合も、通常のルートでは一般の会社での就労は困難。協力雇用主の理解と協力を得ている。そういう意気を持った協力雇用主が多数必要。
○ 多くの子どもは、就労しても大抵1ヶ月程度で破綻するなど、就労が安定しない。職に就くだけでなく、仕事への定着の支援が重要。
○ 自立のときの問題は住宅の確保。保証人については保証協会に依頼する等により対応できるが、更生保護施設入所者は緊急連絡先がないということで、部屋を借りられないということが多々ある。

(3)関係省よりの説明
○ 資料4に基づき、警察庁から「平成19年中の少年非行等の概要」等について説明があった。
○ 資料5に基づき、法務省から「法務省における非行少年の立ち直り支援等」について説明があった。
(4)有識者、関係省の説明の後、意見交換を行った(概要は次のとおり)。
○ 社会の中で自立するための受入が就労部分で難しい現実がある。また、定着するプロセスで、非常に葛藤しながら、幾つもの課題を乗り越えながら、試行錯誤しながら、テイクオフを果たすまでには、粘り強いサポートが必要と感じた。
○ 地域にそのサポートをすることができる力があるか、またそういうことを信頼して伴走しながらサポートしている人がいるか伺いたい。
○ 複数の施策が連携しながらサポートをする幾つも流れの中で、子どもたちがどこに行っても、いつもその中で、最後、自分の力で自立するところまで流れを、見捨てないで作っていき続けることができるかどうかという力が社会に問われている。
○ 今の国が考えている方向性とか、あるいは、特に出口の部分についての取組の現状についてどのように見ておられるのか等についてご見解を賜りたい。
○ 厚生労働省がやっている若者自立塾の最初の委員をしていたが若者自立塾を引き受けなかった。その理由は、国のお金を使って、なおかつ、最終的に就労支援まで持っていくときに、就労支援を受けてくれる企業が非常に厳しいという現実をわかっていたからである。
○ 子どもを規範意識ができていない段階で就職させると、すぐけんかしてやめてしまう。まずは挨拶等の規範を徹底的に教え、その上で就職させると会社にとどまる率は非常に高くなる。今の子どもたちは、大人が規範意識をしっかりと教育して社会に送り出してあげる必要がある。
○ 非行の場合、加害少年に対する世間の見方は厳しいが、地域によっては、行政も非常に冷たい。親の自己教育力をどうサポートするかという自助グループについても、会を立ち上げること自体も、県内あるいは市内に非行がたくさんあるというダーティなイメージを与えるからということで、後援を拒否されるケースもある。
○ 加害者を出さない、あるいは二度と加害者にさせないことを一番大事にしているので、行政としてもそういう点で支援いただきたい。
○ 少年法の見直しに関して。裁判で十分に話せない加害少年もいるので、ぜひ加害者として審判を受ける立場の側の思いも聞いてもらえるよう御検討いただきたい。
○ 就労支援の問題について、職につけるという支援上の問題としては、稼働能力が乏しい者や就労意欲が乏しい者をどうやって就労させていくかが一番問題である。
○ 就労の定着については、保護観察中で保護施設に入る人たちについては、保護施設を充実していただくことで対応可能と考えている。
○ 少年に特有の問題として、仕事を辞めて風俗業等で働くことを考える者が多い。適切な職業感や職業意識の教育を少年院で行う必要がある。
○ 年少少年で保護者がいない場合については、保護施設は緊急的な保護が役割なので、1年も2年も保護するようなことを想定しておらず、就労を通じて自立させることを運営方針としているため、就学を目指す子どもに対する受け皿がない。
○ 知的障害や精神障害を持つ子の受け皿をどうするかが問題。退院を考える早期の段階から、医療機関や福祉機関との連携を緊密にする必要がある。現行では、個々の保護施設と、それに対応する行政という形でやらざるを得ないが、それができる力が保護施設には乏しい。
(5)閉会

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