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第2節 勤労青少年の福祉に関する施策
1.勤労青少年の福祉増進
 勤労青少年の福祉対策は,勤労青少年福祉法(昭45法98)並びにこれに基づき厚生労働大臣が定める勤労青少年福祉対策基本方針及び都道府県知事が定める都道府県勤労青少年福祉事業計画により,総合的かつ計画的に推進されている。
(1) 勤労青少年福祉対策基本方針
 勤労青少年福祉対策基本方針については,これまで数次にわたり策定されてきたが,その間,少子・高齢化,技術革新,国際化等経済社会状況が急激に変化する中で,勤労青少年の高学歴化,多様化が進み,勤労青少年福祉対策の推進に当たっては,各分野での急激な構造的変化を踏まえて対応することが強く求められていたところである。
 また,将来の活力ある社会を担う勤労青少年には,主体的,積極的に自己を確立し,可能性を伸ばすとともに,社会の一員としての責任を果たすことが期待されていたところであった。
 こうした状況を踏まえ,平成12年12月,「第7次勤労青少年福祉対策基本方針」(運営期間:13年度〜17年度)が策定された。
 その主な内容は,次のとおりである。
ア 職業意識の希薄化等から生じる青少年の無業化,安易なフリーター化や離職の防止を図るために,職業に関する各種情報の提供,職業指導の充実,職業講座やセミナーの実施等青少年の意識を啓発するための取組を促進していく必要があるとしたこと。
イ ボランティア活動等の社会参加活動に関しての情報の収集に努め,これを勤労青少年に提供していくとともに,相談活動の実施,ボランティア活動のコーディネーターや指導者の育成,勤労青少年ホームにおける講座等の機会の活用によりボランティア活動を促進していく必要があるとしたこと。
ウ 青少年の国際的相互理解を深め,国際感覚と自主性を培うワーキング・ホリデー制度の利用者に対する支援体制の充実を図り同制度の活用を促進することとともに,勤労青少年ホーム等において我が国の勤労青少年と来日した青年との国際交流を一層促進していく必要があるとしたこと。
エ 今後の勤労青少年ホームに期待される機能として,情報受発信基地としての機能,社会人,職業人,国際人としての知識体得の場としての機能,地域活動の場としての機能及び相談機能のほかに職業人としての育成を進める講座等の開催や職業生活等に関する相談・指導体制の整備等を挙げるとともに,地方公共団体においては,地域の実情を踏まえ,利用促進に努める必要があるとしたこと。
(2) 「勤労青少年の日」を中心とした啓発活動
「勤労青少年の日」は,広く国民が勤労青少年の福祉についての関心と理解を深めるとともに,働く若者の社会人,職業人としての自主的な努力を励ますために設けられており,勤労青少年福祉法第5条の規定により毎年7月の第3土曜日と定められている。平成14年は7月20日がその日にあたり,その日を中心に「勤労青少年フォーラム東京大会」をはじめ,地方公共団体等の主催により記念式典,スポーツ・レクリエーション大会等事業が全国的に実施された。
(3) 青少年の自由時間(余暇)活動の振興
 厚生労働省では,勤労青少年の自由時間(余暇)活動の充実を通じて,職業生活に資することを目的とする諸施策を実施している。具体的には,職業生活支援やボランティア活動等の社会参加の促進のための講座を重点的に勤労青少年ホームにおいて開催しているほか,勤労青少年のクラブ活動の促進のため,勤労青少年ホーム等を拠点として活動している優良勤労青少年クラブに対する厚生労働大臣褒賞及び勤労青少年ホーム間のクラブ・レクリエーション交流会における優秀クラブに対する厚生労働大臣褒賞を行っている。
(4) 勤労青少年福祉施設の整備充実
 勤労青少年ホームは,勤労青少年福祉法第15条の規定に基づき,勤労青少年の福祉に関する事業を総合的に行うことを目的として地方公共団体が設置することになっており,平成15年4月1日現在499か所に設置されている。厚生労働省では,勤労青少年ホームを設置する地方公共団体に補助金を交付している。
 また,勤労青少年が自然環境の中で友情交流や研修,野外活動を行える宿泊施設として勤労青少年フレンドシップセンターを4か所(北海道,埼玉県,長野県及び大阪府)に設置しているほか,勤労青少年の総合福祉施設として全国勤労青少年会館(中野サンプラザ,東京都中野区)を設置している。
 さらに,中小企業に働く勤労者のための体育施設を充実することにより,勤労意欲の高揚及び雇用の安定に資することを目的として,勤労者体育施設が設置されている。
 勤労青少年フレンドシップセンター,全国勤労青少年会館及び勤労者体育施設は,雇用・能力開発機構により設置・運営が行われている。
(5) 働く若者のための福祉シンポジウム
 厚生労働省では,勤労青少年の健全な育成及び福祉の向上に関する諸問題について総合的に研究討議を行うため,勤労青少年指導者等による働く若者のための福祉シンポジウムを毎年実施している。
 平成14年度は,11月20日に「フリーターとキャリア形成支援」をテーマに開催した。

2.年少労働者の保護に関する施策
(1) 労働基準法の施行
 労働基準法(昭22法49)では,原則として満15歳に達した日以後最初の3月31日が終了するまで,児童を労働者として使用することを禁止するとともに,満18歳未満の年少者については,いまだ発育過程にあるため,健康上,風紀上,危険防止の上から時間外・休日・深夜労働を禁止し,また,危険有害業務への就業を禁止する等の保護規定を設けている。
 これらの保護規定に関する違反は,労働基準法施行後50年を経過した現在もなお認められる。
 厚生労働省としては,このような状況を踏まえ,年少労働者の保護を進めるため,特に時間外,休日及び深夜労働の排除,危険有害業務の就業制限等を重点として関係事業場の監督指導を行っている。
(2) 監督の実施状況
 平成13年1月から12月までの監督指導の際に認められた労働基準法違反の状況は,第2−5−1表のとおりである。

労働基準法に基づく監督実施状況



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