第1部 青少年の現状

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第2章 青少年の健康と安全

◆第1節 青少年の健康◆

(青少年の体格)

 平成16年度の小学校,中学校,高等学校及び中等教育学校における児童生徒の身長,体重及び座高の全国平均値を年齢別にみると,第1表のとおりである。全体的には,身長,体重,座高のいずれも,男女とも横ばい傾向にある。

青少年人口及び総人口に占める青少年人口の割合の推移

(青少年の体力)

 走(「50m走」・「持久走」)・跳(「立ち幅とび」)・投(「ソフトボール投げ」又は「ハンドボール投げ」)の基礎的運動能力及び握力(「筋力」)の年次推移の傾向をみると,長期的には,発育期の一部の年齢において年次変化の差が認められないものもあるが,ほとんどの年齢段階でいずれの基礎的運動能力及び握力も低下傾向にあることがうかがえる(第2表)。

年齢別テストの結果(平均値)の年次推移

(青少年の栄養)

 栄養素等の摂取状況をみると,平均的にはおおむね良好であるが,個々人においては栄養素等の過剰摂取や偏り等の新たな問題が生じてきている。また,最近の青少年期における食生活の問題として,欠食の習慣化が挙げられる(第3表)。

欠食の状況

(青少年の疾病)

 平成16年度における児童生徒の被患率の高い疾病・異常を学校種別にみると,被患率の最も高いものは「むし歯」で,虫歯のある者(処置完了者も含む。)の割合は,小学校の男子及び高等学校で70%を超えているが年々低下傾向にある。次に高いものは「裸眼視力1.0未満の者」で,学校段階が進むにつれて高くなっている。
 また,性感染症については,15~24歳の年齢での発生割合が比較的高い状況にある。
 HIV感染症について,近年においては,新規に報告される感染者のうち,20歳代以下の若年層が全体の約35%を占めている状況にある。

◆第2節 青少年の安全◆

(事故死の概況)

 平成15年に不慮の事故により死亡した青少年(0~24歳)の数は2,477人となっており,0~24歳の全死亡数の22.0%を占めている。これを年齢階級別にみると,各年齢階級とも不慮の事故による死亡割合は高く,特に15~19歳では,全死亡数の約40%となっている。

(交通事故)

 平成16年に発生した交通事故の件数は95万2,191件で,前年に比べ4,198件(0.4%)増加した。また,交通事故による死者数は7,358人,負傷者数は118万3,120人で,前年に比べ死者数は344人(4.5%)減少し,負傷者数は1,689人(0.1%)増加した。これを青少年(0~24歳)についてみると,死者数は1,152人と全死者数の15.7%を占め,前年に比べ8.9%減少した。なお,負傷者数は32万1,426人と全負傷者数の27.2%を占め,前年に比べ2.7%減少した。

(学校等の管理下における災害)

 平成16年度の学校等の管理下(各教科・特別活動等の授業中,課外指導中,休憩時間中,登下校中等)における児童生徒等の災害(負傷,疾病,障害又は死亡)について行われた独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付(医療費,障害見舞金又は死亡見舞金の支給)の状況は,加入者1,823万9,498人に対し,負傷・疾病205万2,006件,障害見舞金528件,死亡見舞金92件,合計205万2,626件となっている。

◆第3節 犯罪や虐待による被害の状況◆

(犯罪被害の状況)

 平成16年中に少年が被害者となった刑法犯の認知件数は35万6,426件で,前年に比べ2万9,336件(7.6%)減少した。罪種別にみると,凶悪犯被害が1,935件,粗暴犯被害が2万488件で,前年に比べ凶悪犯は269件(12.2%),粗暴犯は2,345件(10.3%),それぞれ減少した。

第4表
少年の刑法犯被害認知件数(平成15,16年)

第4図
少年の刑法犯被害認知件数の推移(平成7~16年)

 また,少年の性犯罪(強姦及び強制わいせつ)被害が6,491件(前年比△885件(△12%))に減少しているが,依然として少年の犯罪被害は深刻な状況にある。
 また,平成16年中,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平11法52。以下「児童買春・児童ポルノ法」という。)違反,児童福祉法違反,青少年保護育成条例違反等の福祉犯の被害者となった少年は7,456人で,前年に比べ152人(2.1%)増加した。学職別では,高校生が2,752人(36.9%)と最も多く,次いで中学生となっている。
平成16年中,「出会い系サイト」を利用した犯罪の被害に遭った少年は1,120人で,前年に比べ206人(15.5%)減少した。罪種別では,児童買春・児童ポルノ法違反が624人(55.8%)と最も多く,次いで青少年保護育成条例違反となっている。また,殺人,強姦等の重要犯罪の被害に遭った少年は53人で,統計を取り始めた12年の約7.5倍に増加している。

(児童虐待の状況)

 近年,保護者が子どもに対し暴行を加えるなどの児童虐待が大きな社会問題となっており,全国の児童相談所に寄せられる児童虐待に関する相談処理の件数は,急増しており,平成15年度は2万6,569件となっている(第5表)。

虐待に関する相談処理件数

 虐待の内容では,身体的虐待が約5割と一番多く,次いで保護の怠慢ないし拒否(ネグレクト)が約4割,心理的虐待,性的虐待の順となっている。
 また,16年中に警察が検挙した児童虐待事件は229件であり,検挙人員は253人であった。被害児童は239人であり,そのうち51人(21.3%)は死亡していた。

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