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第4節 情報・消費環境の変化への対応

1 情報・消費環境の変化に対応した知識・能力の習得支援

(1)メディアを活用する能力の向上(内閣府,総務省,文部科学省)

社会の情報化が進展する中で,子どもたちが情報活用能力を身に付け,情報を適切に取捨選択して利用するとともに,適切にインターネットによる情報発信を行うことが重要な課題となっている。

ア 情報モラル教育の推進(文部科学省)

平成21年4月より一部先行実施される小中学校の新学習指導要領においては,各教科等における指導の中で「コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を適切に活用できるようにするための学習活動を充実する」,「情報モラルを身に付ける」などを明記するとともに,道徳において「情報モラルの指導に留意すること」を新たに明記するなど,情報教育の充実を図ることとしている。

また,文部科学省においては,情報モラル指導が着実に実施されるよう,情報モラル教育を体系的に推進するための「情報モラル指導モデルカリキュラム」を作成するとともに,教員向けの指導用ガイドブックの作成・配付,情報モラル指導の実践事例(200件)などを紹介する教員向けWebサイトの公開などに取り組んでいるところである。

さらに,「子どもを守り育てるための体制づくりのための有識者会議まとめ【第2次】」に基づき,『ネットいじめ』に関する対応マニュアル・事例集を作成,都道府県教育委員会及び全国の小学校・中学校・高等学校に配布することとなっている。

今後,子どもたちの情報活用能力の育成,情報モラル教育について,新学習指導要領の円滑かつ確実な実施に努めていく。

イ メディアリテラシーの向上(総務省)

平成11年11月から平成12年6月まで,「放送分野における青少年とメディア・リテラシーに関する調査研究会」を開催し,メディア・リテラシーの向上に向けた施策の方向性について検討を行った。同研究会の提言を受け,小・中学生及び高校生向けの教材を開発し,教育関係者を中心に,広く一般に貸出しを行っている。平成20年度からはe-ラーニング教材を開発すると共に,ポータルサイトを開設し,更なる普及に努める。

また,子どもがインターネット等を安心して利用できるようにするため,ICTメディア・リテラシーを養うプログラムについて,平成18年度に調査,開発を行い,平成19年度から普及を進めるとともに,内容の更なる充実を図ることとしている。

ウ 青少年のインターネット利用に関する基本計画の策定(内閣府,総務省,文部科学省)

第169回国会において「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が成立し,今後,公布日(平成20年6月18日)から1年を超えない範囲内で,政令で定める日から施行される。

同法は,

<1> 内閣総理大臣及び関係閣僚からなる会議を設置し,青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策に関する基本計画を策定し,実施すること

<2> 学校教育,社会教育及び家庭教育におけるインターネットの適切な利用に関する教育・啓発活動の推進等を図ること

<3> 国及び地方公共団体がインターネットの適切な利用に関する活動を行う民間団体等を支援すること

などを規定している。

今後,同法の施行を受け,基本計画を策定し,関係省庁が連携して施策を実施する。

(2)消費者教育

ア 消費者教育の意義(内閣府)

「消費者基本法」(昭43法78)の基本理念は,消費者の自立支援である。消費者の自立支援に向けた取組において,消費者教育は重要な役割を果たす。同法においては,消費者の権利として,消費者教育の機会が提供されることが規定され,国や地方公共団体に対しては,生涯にわたって学校,地域,家庭,職域その他様々な場を通じて消費者教育が充実するように施策を講じることが求められている。言い換えれば,消費者教育の目指すものは,個々の消費者が早い段階から消費者としての基礎的な知識を身に付け,主体的に責任を持って意思決定を行いうる能力を持った自立した消費者を育成していくことにある。

青少年期における消費者教育は,将来自立した消費者になるための基礎的・基本的知識や態度を育成する幼児期,学校教育の科目の中で消費者教育が行われる児童期,消費者として主体的に判断する機会が増える少年期,消費者トラブルに巻き込まれやすい青年期など,それぞれの世代に応じてなされるべきである。

イ 消費者基本計画における消費者教育の取組(内閣府,文部科学省)

「消費者基本法」を受けて策定された「消費者基本計画」(平成17年4月8日閣議決定)では,学校や社会施設等における消費者教育の推進が重点政策と定められ,具体的に以下のようなよう施策の取組が進められている。

<1> 内閣府・文部科学省間の連携の強化

「内閣府・文部科学省消費者教育連絡会議」を平成19年度は2回開催し,学習指導要領の改訂や消費者教育の体系化を取り上げ,学校教育を含む消費者教育の推進について意見交換を行った。引き続き同会議を年2回程度開催し,青少年を始めとする消費者への教育・啓発方策について検討する。

<2> 消費生活センターと教育委員会との連携強化

消費者教育を推進するために,平成17年度に消費生活センターと教育委員会との連絡協議会を設置するよう都道府県等に対し要請したことを受け,平成19年度には連携の状況について調査を行った。平成20年度には,この調査結果を踏まえ,連携の事例紹介や更なる連携の呼びかけを行っていく。

<3> 「出前講座」実施の専門家育成

消費者教育は,高齢者,障害者,若年層などの履修者や,学校,社会教育施設等の場所に応じた実施方法が必要である。独立行政法人国民生活センター及び消費生活センターにおける消費者問題講座修了者が学校や社会教育施設等で専門家として消費者教育を実施できるよう,平成19年度にはその講師育成プログラムを策定した。平成20年度からは同プログラムを用いた講師育成講座を開催するとともに同プログラムの検証を実施する。

<4> 消費者教育の基盤整備

学校,地域,家庭,職域等において活用できる消費者問題の変化に即応した教材及びパンフレットや指導書等を作成し,関係機関に対し活用を促している。

例えば,平成19年度には,中学生・高校生以上を対象とし,最近の消費者トラブルや消費者問題20項目について解説した「よくわかる消費生活」や,消費者教育の担い手を対象とし,消費者教育の4つの領域について「幼児期」から「成人期(高齢期)」のライフステージに応じて教えるべき内容を解説した「教員・講師のための消費者教育ティーチングガイド」を作成した。

また,各省庁等で作成された消費者教育関連の教材及び実践事例,消費者教育専門家に関する情報等を集約したポータルサイトについて平成20年度中を目途に構築する。

<5> 消費者教育の体系化

消費者教育については,平成17年度には,領域別として「安全」,「契約・取引」,「情報」,「環境」,ライフステージ別として「幼児期」,「児童期」,「少年期」,「成人期」の体系化がなされ,平成18年度にはライフステージごとに学ぶべき内容や学習の機会とそれに対する推進方策を検討し,平成19年度には消費者教育の機会を拡充させるための組織間の連携・協力の仕組み等について検討してきた。これらの検討結果を踏まえ,平成20年度からは,消費者教育にかかわる組織間の連携強化を進めることにより消費者教育を推進していく。

また,平成20年4月,国民生活審議会意見で重要性が指摘された「消費者市民教育」について,検討を進めていく

(参考)詳細は内閣府ホームページ「消費者の窓」

ウ 各府省の施策(内閣府,文部科学省)

内閣府においては,都道府県等の申請に基づき,学校(小学校,中学校,高等学校等)における消費者教育を支援するため,平成9年度から消費者行政担当部局が実施する事業に対して消費者教育の専門家を派遣し,消費者教育に関する各種講座の実施や消費者教育関連資料の作成に関する指導・助言等を行っている。平成20年度から本事業は国民生活センターが実施している。

また,近年の若年層における消費者トラブルの増加にかんがみ,内閣府では,平成14年度から消費者問題の専門家を全国各地の公民館等に派遣し,若者らを対象に「消費者問題出前講座」を開催し,消費者問題の現状及び対処法等を分かりやすく説明し,若年層の消費者被害の予防・拡大防止を図っている。平成20年度から本事業は国民生活センターが実施している。

内閣府及び文部科学省では,都道府県・政令指定都市の学校や社会教育施設等における消費者教育が,互いに連携した形で実施されるよう努めており,平成17年度には,都道府県・政令指定都市の消費生活センターと教育委員会との連携が強化なされるよう,都道府県等に対し通知を発出した。引き続き,各機会等を通じて連携強化について促す。

学校教育においては,消費者としての正しい態度や知識を身に付けるため,社会科,家庭科等を中心に児童生徒の発達段階に応じた指導が行われている。

平成20年3月に改訂された中学校の学習指導要領においても,社会科の公民的分野において「国民の生活と政府の役割」の中で「消費者の保護」を,技術・家庭科の家庭分野において「家庭生活と消費」を引き続き扱うこととしている。

社会教育においても,青少年を始め,成人,高齢者等,生涯の各時期における消費者問題等に関する多様な学習機会の提供等が図られるよう,公民館等の社会教育施設の講座等において,消費者問題に関する学習機会が設けられている。

エ 財団法人消費者教育支援センター(内閣府)

消費者教育の総合的かつ効果的な推進を支援する役割を担う機関として,(財)消費者教育支援センターが設けられており,行政,消費者,教育関係者及び企業の四者の協力の下に,青少年等を対象とした消費者教育に関する調査研究,教員を対象とした消費者教育講座の実施,児童生徒に消費者教育を学ぶ楽しさを教える教員向け助成事業,消費者教育用教材表彰事業などを行っている。

オ 教育・啓発用資料(金融庁,経済産業省)

金融庁では,金融を取り巻く環境がめまぐるしく変化している中,金融に関する知識が不十分なために,金融取引に関するトラブルに巻き込まれることがないように,平成16年12月に,これから新社会人になる者を対象としたパンフレット「はじめての金融ガイド」を作成し,平成17年2月に,全国の高等学校へ配布した。平成19年2月には,金融に関するトラブル事例,トラブル防止策,困ったことがあった際の相談先等を盛り込むなど,一般社会人にも役立つよう大幅に改訂し,全国の高等学校のほか,大学生協,消費生活センター,ハローワークなどに広く配布した。

また,ホームページ「一般のみなさんへ」のコーナーで消費者に気を付けてほしい情報等をタイムリーに提供しているほか,平成17年7月に「金融サービス利用者相談室」を開設し,消費者から寄せられた相談等の事例や受付状況等について四半期ごとに公表している。今後も,こうした取組を通じ,消費者教育の充実を図っていく。

経済産業省では,消費者トラブルの未然防止及び早期解決の観点から,平成19年2月開設の情報サイト「消費生活安心ガイド」を通じて,特定商取引の執行状況や法解釈,マンガによる消費者トラブルの事例を紹介したパンフレット及びビデオ等の情報提供を行っている。

平成19年度は,ネットショッピングに関するトラブルを防止するためのインターネット教材「これで安心!ネット通販&ネットオークション」を当サイトに新設し,高等学校の授業等での活用を促している。

平成20年度においても引き続き,消費者トラブルの未然防止及び早期解決を図っていくため,更なる内容の充実を図り,利用者ごとに見やすく使いやすいサイトにしていくためのシステム構築を行っていく。

2 青少年を取り巻く有害環境への対応

(1)各種メディア等を通じた有害情報対策

ア 関係業界の自主規制(内閣府,警察庁)

メディアが提供する情報には,有用なものも多い反面,特に性・暴力表現に関する情報などは,子どもに悪影響を及ぼす場合があるとの指摘もあるなど懸念される状況にある。青少年を取り巻く有害情報対策には,何よりまず,関係業界自身が自主規制を図ることが大切である。

そのため,政府としても,これまで,度々,業界団体等に対して自主規制の要請を行ってきた。平成16年4月にも,青少年育成推進課長会議の「青少年を取り巻く環境の整備に関する指針─情報化社会の進展に対応して─」の申し合わせを受け,各種メディアを通じた有害情報に対する関係業界団体や事業者の自主規制の徹底を促進するため,各種メディアの特性を踏まえ,青少年の健全な育成に配慮した自主的な取組を講ずるよう要請した。

警察では,有害図書類の少年への提供について,関係機関や地域住民と連携して業界の自主的措置を促進するよう指導を強化するとともに,悪質な業者に対する取締りの強化を図っている。

なお,現在行われているマスコミ始め関係業界の自主規制の状況は,第2-4-1表のとおりである。

第2-4-1表 関係業界の自主規制の状況
関係業界 内容
マスコミ全般 ○新聞,放送,出版,映画,広告及びレコードの各業界によりマスコミ倫理懇談会全国協議会が設置され,マスコミと青少年とのかかわり方に関する研究協議等を実施
出版 ○出版倫理協議会が,有害出版物の取扱いについて独自の自主規制措置を実施(同協議会に加入している4団体もそれぞれの倫理綱領を定めている)
○出版倫理懇話会(成人娯楽雑誌等を刊行する35社により組織)が,青少年の保護育成を勘案した自主規制の編集倫理綱領を定め活動
○露骨な性描写を内容とした成人向けコミック誌,単行本等の出版物について,販売店における区分陳列の実施
○成人向け雑誌マーク,出版ゾーニングマークの表示
○成人コーナーの設置
○対面販売の実施
○販売店における区分けを可能にするために,2か所小口シール留め実施(グレーゾーン誌)
映画・ビデオ・コンピューターソフト等 ○(社)日本雑誌協会の編集倫理委員会に,倫理専門委員会を設け,毎月2回,協会加盟誌の通覧作業を実施
○映画倫理活動の自主規制機関として映倫管理委員会を設置し,「映画倫理規程」に基づき劇場で公開される映画の審査を実施している。青少年に影響を及ぼすと認められる作品について,「R-18」(18歳未満入場禁止),「R-15」(15歳未満−中学生以下−入場禁止),PG-12(12歳未満−小学生以下−は親又は保護者の同伴が望ましい)に指定する。
○ビデオソフト倫理活動のため,日本映像倫理審査機構(業界の自主審査機関として組織)において,「映像ソフト倫理規程」を設け,独自の審査を実施(成人指定(18歳未満映示,貸出,販売禁止),R-15(15歳未満映示,貸出,販売禁止),一般(規制無し)の3区分に指定する等)また,審査規則により,自動販売機(貸出機)への収納を原則禁止している。
○その他
・一般向けのオリジナルビデオや劇場未公開のビデオ関係では,映像倫理協議会(映倫管理委員会と日本ビデオ倫理協会で構成)において審査を実施
・パーソナルコンピュータソフト関係では,コンピュータソフトウェア倫理機構
・ゲームセンター設置ゲーム機及び同ソフト関係では,(社)日本アミューズメントマシン工業協会
・家庭用ゲームソフト関係では,(社)コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が,業界の自主規制として年齢別レーティング制度を採用し実施している。制度の運用は特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構が行い,倫理規定を定め審査を実施している。
放送 ○日本放送協会及び(社)日本民間放送連盟は平成11年以来,共同あるいは連携しながら,
<1>青少年向けの放送番組の充実
<2>メディアリテラシーの向上
<3>第三者機関等の活用
<4>青少年と放送に関する調査等の推進
<5>放送時間帯の配慮
<6>番組に関する情報提供の充実
について具体的に推進している。
○日本放送協会は,「日本放送協会番組基準」の「国内番組基準」(昭和34年制定,平成10年改正)において青少年等に配慮した一般的基準を設けるとともに,児童向け番組等の個別の番組に関する各種番組基準を設けている。
具体的には,
<1>青少年向け放送番組を積極的に編成するゾーンの設置
<2>小学校5,6年生を対象とした「NHK放送体験クラブ」の実施や,メディアリテラシー関連番組の制作
<3>青少年の見やすい番組を意識した編成の実施
<4>番組情報の充実化
などの取組を行っている。
○(社)日本民間放送連盟は,「日本民間放送連盟放送基準」(昭和26年制定,平成16年改正)において,「児童および青少年への配慮」,「家庭と社会」,「教育・教養の向上」,「表現上の配慮」,「暴力表現」,「犯罪表現」,「性表現」などの章を設け,加盟各社の自主規制を促している。また,「児童向けコマーシャルに関する留意事項」,「アニメーション等の映像手法について」(NHKと共同で作成),「消費者金融CMの取り扱いに関する放送基準審議会見解」などで特に注意すべき事項を指標として提示。さらに,平成11年6月には「『青少年と放送』問題への対応について」を作成し,実践している。
具体的には,
<1>「青少年に見てもらいたい番組」を各社が選定し,週3時間以上放送
<2>青少年に配慮する時間帯として,17時から21時までを設定
<3>メディアリテラシー・プロジェクトの実践
<4>番組情報に充実化及び番組情報の事前表示に関する考え方の取りまとめ
など
○「放送倫理・番組向上機構」(BPO。NHKと民放連が設置した放送界の第三者機関)内の「青少年委員会」は,BPOに寄せられた視聴者からの放送と青少年に関する苦情・要望等を基に審議している。必要に応じて審議結果を「見解」としてまとめ,放送局に通知するとともに公表し,青少年関係機関にも配布。放送番組の自主的な改善・向上を促している。また,青少年と放送にかかわる調査を継続実施している。
○CSデジタル放送においては,(社)衛星放送協会がコンプライアンス委員会内に倫理部会を設け「成人向けエンターテイメント放送基準」を制定,さらに「広告放送のガイドライン」に青少年保護条項を設けるなど,放送倫理の高揚に努めている。
○CS放送成人番組倫理委員会(成人向け番組を提供するCS放送事業者並びにブロードバンド放送事業者により組織)においては,「放送番組倫理規定」及び「番組審査基準」並びに「番組審査に関するガイドライン」,「番組宣伝・広告などに関するガイドライン」などを定めて厳正な自主審査を実施し,専門的な部会を設けて倫理規準の維持,高揚に努めている。
また,成人番組の審査についての基準を示し,「CS放送成人番組倫理委員会モザイクサンプル」を作成配布
広告 ○各関係団体が,自主規制基準をそれぞれ設けているほか,広告主,新聞,放送,出版,広告制作,広告業の各社が共同して(社)日本広告審査機構(JARO)を設立し,青少年問題の観点を含めた広告に対する苦情の処理等を実施
興行 ○全国興行生活衛生同業組合連合会(映画,演劇,演芸の各業種で結成)が,一般向け映画とPG-12・R-15・R-18制限付映画の併映禁止,制限付映画の上映の際における組合の定める注意書の掲示及び制限該当者の立ち入りの禁止等を内容とした自主規制遵守事項を制定
また,各自治体に制定されている「青少年の健全な育成に関する条例」を遵守することを制定している。
○映画産業団体連合会(映画関係団体によって組織)が,制限付映画への制限該当者の観覧及び18歳未満の者の深夜興行館への立入りを禁止すること等を内容とした「深夜興行等に関する申合せ」を制定
カラオケボックス ○日本カラオケスタジオ協会が,青少年の利用時間の制限,未成年者の飲酒・喫煙防止,薬物の乱用防止,内鍵の不設置,外部から室内が見渡せる開口部の取付け等を内容とした自主規制基準の制定や全国各地で管理者等を集め講習会を実施している。
インターネット ○(社)電気通信事業者協会が「インターネット接続サービスの提供にあたっての指針」を公表(http://www.tca.or.jp
○(社)テレコムサービス協会が,e-ネットキャラバンの実施の他,「フィルタリング」の普及啓発アクションプラン,インターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン,違法・有害情報への対応に関する契約約款モデル条項及びプロバイダ責任制限法発信者情報開示関係ガイドラインをそれぞれ公表(http://www.telesa.or.jp
○(財)インターネット協会が,情報の受信者側でアクセスできる情報を主体的に選択できる仕組み(フィルタリングシステム)に関する専用のホームページを開設するとともに,フィルタリングソフトを無償で提供。パンフレット「フィルタリングソフトのしくみ」「フィルタリングしてみよう」を掲載(http://www.iajapan.org/rating/)。また,フィルタリング事業者同士の連携のための協議会「フィルタリング連絡協議会」の事務局を運営し,各社サービス一覧「フィルタリング知っていますか」を掲載(http://www.iajapan.org/filtering/
インターネットカフェ・まんが喫茶 ○日本複合カフェ協会が,店舗運営ガイドラインを制定。会員制に基づく年齢確認を踏まえ青少年の利用時間を制限するなどの基準項目を満たす店舗に対して「優良店」マークを交付
携帯電話・PHS ○インターネットの安全・安心な利用環境を整備するため,(社)電気通信事業者協会等の業界団体が中心となり,フィルタリングサービスの普及に向けた取組及び利用者に対するインターネットの安全な利用方法に関する啓発活動等を推進
○関係各社が,未成年者と契約する場合は親権者の同意を得ているほか,公式コンテンツ提供に関するガイドラインの策定,カタログやホームページ上などでの利用者に対する注意喚起,インターネット接続制限機能の提供,公式コンテンツを提供するプロバイダに対して掲示板への掲載内容の確認を依頼するなどの措置を実施
資料:内閣府調べ
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イ 実態の把握(文部科学省)

青少年とメディアに関する実態や意識を把握するため,青少年を対象とした調査を実施している。

(2)インターネット上の違法・有害情報への対応

ア 総合的対策の推進(内閣官房)

近年は,インターネットを通じて違法・有害情報が家庭に入り込み,青少年が出会い系サイトなどで被害に遭ったり,有害情報を利用して犯罪を起こす事案などが発生している。

政府では,このような問題に対応するため,関係省庁の課長級を構成員とする「インターネット上における違法・有害情報等に関する関係省庁連絡会議(通称:IT安心会議)」を平成17年2月に設置し,国内外の情報の収集・共有,対応策の検討,取りまとめを行っているが,平成20年7月には,局長級を構成員とする「IT安心局長会議」を設置し,関係省庁間のさらなる連携強化を図ることとしている。

IT安心会議においては,平成17年6月には,政府全体のインターネット上の違法・有害情報に関する対策を取りまとめており,平成19年10月には,さらなる対策を盛り込んだ「インターネット上の違法・有害情報に関する集中対策」を取りまとめ,平成20年7月には,携帯電話等における更なるフィルタリングの導入推進等の施策を含め,その進捗状況の取りまとめを行っている。

イ 関係府省や関係団体等の連携による取組体制の整備(内閣府,総務省,警察庁,文部科学省,経済産業省)

平成20年6月18日に公布された「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」においては,

<1> 携帯電話・PHS事業者が,青少年(同法では,18歳未満の者)が携帯電話等によりインターネットを利用する場合には,保護者が利用しないと申し出た場合を除き,有害情報のフィルタリングサービスを提供すること

<2> インターネット接続サービスを提供する事業者(ISP)が,利用者の求めに応じて有害情報のフィルタリングソフト又はサービスを提供すること

<3> インターネットに接続する機能を有する機器を製造する事業者は,有害情報のフィルタリングソフト又はサービスの利用を容易にする措置を講ずること

<4> 有害情報のフィルタリングソフト又はサービスを開発・提供する事業者が,その精度を向上するとともに青少年の発達段階等に応じてきめ細かい設定ができるようにするよう努めること

<5> インターネットを通じて有害情報を発信するサーバの管理者は,青少年が閲覧することを防止する措置を講じるよう努めること

などを規定している。

今後,同法に基づき,民間における有害情報対策が進むよう,関係省庁において同法の周知などを実施する。

文部科学省では,インターネットや携帯電話,出版物等の各種メディア上の有害情報が深刻な問題となっていることを踏まえ,関係府省が連携して社会の有害環境から子どもたちを守る体制の整備を行っている。

全国規模の教育関係団体,青少年団体,PTA,メディア関連団体,有識者,行政機関等から構成される「ネット安全安心全国推進会議」により団体間の全国横断的なネットワークを構築するとともに,都道府県規模における関係機関を構成員とした「地域コンソーシアム」を構築し,実行委員会の開催,取組方針の策定等を行い,全国レベル及び地域レベルにおける推進体制を整備し,有害環境に対する取組を促進している。

また,フィルタリング(有害サイトアクセス制限)の理解増進に関する啓発活動として,平成20年2月に,携帯電話のインターネット利用に際しての留意点やトラブルの例,対応方法のアドバイスなどを盛り込んだ啓発リーフレットを作成し,全国の小学校6年生に配布している。

さらに,携帯電話のフィルタリングの利用促進を図るため,平成19年2月及び平成20年3月,文部科学省,総務省及び警察庁は合同で,都道府県知事,都道府県教育委員会及び都道府県警察等に対して,啓発活動に取り組むよう依頼している。

なお,平成20年度においては,新たに有害情報に関する意識向上のための映像資料の作成・配布,携帯電話に関する親子のルールづくり等の実施により,一層の広報啓発活動の充実を図ることとしている。

おって,文部科学省では,平成20年7月には,各都道府県教育委員会等に向けて通知を発出し,学校における携帯電話の取扱い等,有害情報に関する啓発活動等について,各地域の実情に合わせた更なる取組の充実を図るよう指導を行った。

ウ フィルタリングの普及啓発(警察庁,総務省,文部科学省,経済産業省)

経済産業省では,多様なコンテンツ(性,暴力等)に対応したフィルタリングの基準の策定の支援を進めるとともに,同基準に基づいて開発されたフィルタリングソフトの無償配布や,学校関係者・保護者向けのフィルタリングセミナー,関係各省,全国家電量販店及び関係事業者と協力して実施したフィルタリングの普及啓発キャンペーン等を通して,普及啓発を行っている。

また,経済産業省及び総務省の協力の下,民間関係事業者は「フィルタリングの普及啓発アクションプラン」を平成19年6月に取りまとめ,フィルタリングの普及に向けた取組を推進している。

さらに,経済産業省からの要請の結果,パソコンメーカー9社が一般向けパソコンの販売時点でのフィルタリングソフトの搭載等を開始しており,今後,搭載状況のフォローアップ及びゲーム機等インターネット接続機器の利用状況調査等を通じ,一層のフィルタリング普及に向けた取組の在り方について検討する。

総務省では,インターネット上の有害な情報から青少年を保護するため,平成19年12月に総務大臣から携帯電話事業者等に対し,フィルタリングサービスの利用を原則とした意思確認を行うよう要請を行った。さらに,平成20年4月には,総務大臣から携帯電話事業者等に対し,フィルタリングサービスの改善等に取り組むよう要請を行っている。

また,平成19年2月及び平成20年3月には,総務省,警察庁及び文部科学省が合同で,携帯電話のフィルタリングについて,学校関係者や保護者を始めとする住民に対し周知啓発活動に取り組むよう,都道府県知事,教育委員会及び都道府県警察等に依頼を行うなど,フィルタリングの普及促進活動を推進している。

このような取組の結果,携帯電話等のフィルタリングサービスの利用者数は,(社)電気通信事業者協会の発表によると,平成20年7月末時点で約429万となっている。これは,平成18年9月末時点の約63万人と比較すると約6.8倍となっており,着実に利用が広がっているところである。

さらに,平成17年8月から開催していた「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する研究会」において,平成18年8月に最終報告書が取りまとめられ,これを受け,総務省の支援の下,電気通信事業者団体において平成18年11月に「インターネット上の違法情報への対応に関するガイドライン」及び「違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項」が策定された。総務省では,平成19年11月に全国4箇所で事業者向けのガイドライン等に関する説明会を実施する等の周知・支援に努めている。

平成19年11月からは,インターネット上の違法・有害情報への総合的な対策を検討するため,総務省において「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」を開催しており,平成20年4月には携帯電話等のフィルタリングサービスの改善とより一層の普及促進に向けた取組を主な内容とする「中間取りまとめ」が取りまとめられたところ。同検討会では,平成20年内を目途に,包括的な政策パッケージとして「安心ネットづくり」促進プログラムを策定し,順次実施していく予定であり,それに向けた議論を行っている。

なお,サイトの利用の是非を閲覧者が事前に容易に判断できるよう,第三者機関の審査を経て,情報発信者が自らのコンテンツの表現レベル等をマークとして表示する仕組みの実用化を目指す民間の自主的な取組を支援している。

警察では,違法情報に対する取締り,フィルタリングソフト又はサービスの普及等有害情報から少年を守るための対策の推進やプロバイダの自主的措置の促進等に努めている。

エ 違法情報,有害情報への対策(警察庁,法務省)

警察では,サイバーパトロール,都道府県警察が委嘱した民間のサイバーパトロールモニターあるいは,インターネット・ホットラインセンターからの通報等により,インターネット上を流通する違法情報,有害情報の把握に努めるとともに,違法情報については,悪質なものに重点を指向して取締りを進めている。

警察庁では,一般のインターネット利用者からの違法情報,有害情報に関する通報を受理し,警察への通報やプロバイダ,サイト管理者等への削除依頼を行うインターネット・ホットラインセンターの運用を平成18年6月に開始した。同センターでは,平成19年中に84,964件の通報を受理しており,プロバイダ等に対して7,231件の違法情報,有害情報の削除依頼を行い,そのうち5,962件(82.5%)が削除された。平成19年度から,外国のウェブサーバに蔵置された違法情報等について,当該外国の同種の機関に対し,削除に向けた取組を依頼している。

このほか,「出会い系サイト」の利用に起因する犯罪から児童を保護するため,当該サイトを利用して児童を性交等の相手となるよう誘引する行為等の積極的な取締りを推進するとともに,児童による当該サイトの利用を防止するための広報啓発や事業者への警告等を行っている。

インターネットを通じて,わいせつ画像及び児童ポルノを内容とするデータへの不特定多数の者からのアクセスを可能とする行為については,わいせつ物公然陳列罪(「刑法」第175条),児童ポルノ公然陳列罪(「児童買春・児童ポルノ法」第7条第4項)に該当するところ,検察庁においては,これらの犯罪について積極的に訴追し,厳正な科刑の実現に努めている。

さらに,インターネットを通じてわいせつな電磁的記録を頒布する行為等に適切に対処するため,第163回国会に「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」を提出し,現在審議中である。

法務省の人権擁護機関は,インターネット上のプライバシー侵害等の人権侵害情報について,被害を受け,又は受けるおそれがある旨の申告があった場合や,関係行政機関等からの通報,情報により事件の端緒となる事実に接した場合においては,速やかに人権侵犯事件として調査を行い,プロバイダ等に当該情報の削除を要請するなどの被害者の救済のための所要の措置を講じている。

オ 青少年及び保護者等への啓発(警察庁,総務省,文部科学省)

警察では,子どもをサイバー犯罪による被害やインターネット上の違法情報,有害情報の影響から守るため,子どもやその保護者等に対する広報啓発を推進している。特に,平成20年から,「サイバー犯罪防止のための情報セキュリティ対策の推進」を2月の広報重点に定め,全国の小・中学校等においてサイバーセキュリティに関する講習を開催した。サイバーセキュリティに関する講習においては,子ども,保護者,学校職員等に対し,インターネット上の違法情報,有害情報に起因した犯罪,子どもを被害者とするサイバー犯罪等の具体的事例を紹介するとともに,フィルタリングソフト又はサービスの導入を勧めるなどしている。

総務省では,通信業界団体及び文部科学省と連携し,インターネットの一般ユーザーの啓発のための取組として,児童生徒を保護・教育する立場にある保護者及び教職員を主な対象として講座を実施する「e-ネットキャラバン」(「e-ネット安心講座 通信業界キャラバン」の略称。)を平成18年度から全国規模で実施しており,平成19年度は,1,089件の講座を実施し,約12万人が受講した。平成20年度は,9月末現在で634件の講座を実施している。

経済産業省では,警察庁・各都道府県警との協力の下実施した一般利用者向けの「インターネット安全教室」の開催等を通して,フィルタリングソフト及び情報セキュリティに関する基礎知識に関する普及啓発を行っている。

(3)風俗営業,性風俗関連特殊営業の適正化(警察庁)

青少年の健全育成に障害を及ぼす行為の防止等のため,「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(以下「風営法」という。)及び同法施行条例により,学校等の周辺や住宅地域における性風俗関連特殊営業等を営むことは禁止されている。

しかし,近年,当該地域において,外国式エステと称する,いわゆる店舗型ファッションヘルス営業等を違法に営む者が多数見られており,警察では,風営法等による取締りを積極的に進めている。

また,平成17年の改正風営法により,人の住居へのいわゆるピンクビラ等の頒布行為が罰則付きで禁止されたことを踏まえ,ピンクビラ等の頒布行為の取締りを積極的に進めている。

(4)酒類・たばこの未成年者に対する販売等の防止

ア 取締り・処分等(警察庁,法務省)

「未成年者喫煙禁止法」(明33法33)及び「未成年者飲酒禁止法」(大11法20)が平成13年に改正され,酒類やたばこの販売者等は,年齢確認その他の必要な措置をとるものとすることが規定された。未成年者が酒類やたばこを容易に入手できるような環境を浄化するため,法令に基づく指導取締りを徹底するとともに,関係業界が自主的に措置をとるよう働き掛けている。

検察庁においては,「未成年者飲酒禁止法」,「未成年者喫煙禁止法」などに違反する事案について,必要な捜査を行い,事案に応じた処分を行っている。

イ 飲酒防止(財務省・国税庁)

国税庁においては,致酔性及び依存性を有する酒類の特性にかんがみ,より良い飲酒環境を形成して,消費者利益の増進と酒類産業の健全な発達を期する観点から,酒類の販売管理の徹底を図るための所要の措置を講じてきているほか,酒類業界に対し,未成年者飲酒防止に配意した販売,広告及び宣伝を行うよう要請している。

また,酒類業界における購入者の年齢確認ができない従来型自動販売機の撤廃や広告宣伝に関する自主基準の策定,遵守などの未成年者の飲酒防止のための取組を支援している。

なお,「酒類に係る社会的規制等関係省庁等連絡協議会」(内閣府,警察庁,公正取引委員会,財務省,文部科学省及び厚生労働省)は,毎年4月を未成年者飲酒防止強調月間とし,全国的な広報啓発活動を行い,国民の未成年者飲酒防止に関する意識の高揚等を図っている。

平成19年度は,これまでの取組を確実に実施するほか,平成19年9月30日で経過措置が終了する「20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売しない」旨の表示について徹底を図るとともに,国税局長が委嘱した酒類販売管理協力員を活用して,酒類小売販売場における表示が適切に行われるよう努めた。

ウ 喫煙防止(財務省)

これまで関係業界に対し,未成年者と思われる者に対する年齢確認の徹底等の要請を行っているほか,製造たばこに係る広告を行う際の指針の改正により,屋外広告(公共交通機関を含む。)におけるたばこ広告を原則として禁止する等,未成年者の喫煙防止に資する措置を講じているところである。関係業界においても,「未成年者喫煙防止対策協議会」への参加及び青少年指導員養成講座の開催など,未成年者の喫煙防止に積極的に取り組んでいる。

たばこ自動販売機については,関係業界の自主的な取組として,成人識別自動販売機への切り替えが行われており,平成20年3月を皮切りに順次対象地域を拡大し,同年7月から全国で稼動を開始している。

財務省としても,世界保健機関(WHO)「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」を踏まえ,未成年者喫煙防止の観点から成人識別自動販売機の全国導入を確実に行うため,成人識別自動販売機の導入を義務付けることとし,具体的には以下の措置を実施することとしている。

<1> 平成20年7月1日以降,新規のたばこ小売販売業の許可すべてに成人識別自動販売機の導入を条件として付す。

<2> 平成20年6月30日以前にたばこ小売販売業の許可を受けている者については,平成20年7月以降,成人識別自動販売機の導入状況を調査し,成人識別自動販売機を導入していない者に対し成人識別自動販売機導入の許可条件を付す。

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