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第4節 青年期及びポスト青年期

1 大学教育等の充実

(1)教育内容の充実

ア 大学入学者選抜(文部科学省)

大学入学者選抜については,常により良い方途を求めて,不断の努力を続けていくべき重要な課題である。各大学では,学力検査だけでなく,面接や小論文,リスニングテストの実施や,推薦入試,帰国子女や社会人を対象とした入試の実施,さらには,詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせ,入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲,目的意識等を総合的に判定するアドミッション・オフィス入試(AO入試)を導入する大学(平成20年度は国公私立大学あわせて498大学)が増加するなど,入試方法の多様化及び評価尺度の多元化が進んできている。

文部科学省においては,各大学がそれぞれの大学・学部等の教育理念や教育内容等に応じた入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)を明確にし,入学後の教育との関連も十分踏まえた上で,入試方法の工夫・改善に努めるよう促している。

イ 教育機能の充実(文部科学省,経済産業省)

学部教育については,多年にわたり様々な議論が重ねられてきた。学部教育の充実のためには,各大学が「学位授与の方針」「教育課程編成・実施の方針」「入学者受入れの方針」を明確に示し,学部教育を組織的・総合的に運用するとともに,教職員の職能開発など質保証システムを強化することが必要である。具体的には,各大学における教育内容・方法の改善・充実にあたっては,シラバスの作成,厳格な成績評価の実施,一定期間における履修科目登録の上限設定を通じた単位の実質化に向けた取組,産学連携的なプロジェクト学修,長期インターンシップ等を通じた実践的なキャリア教育,組織的な教育活動の展開や適切な教育指導を行うための教育内容・方法についての教員の職能開発などの取組が重要となる。

このような大学の取組を支援するため,文部科学省としては,国公私立大学を通じた競争的環境の下で,学士力の確保や教育力の向上を図る取組の中から,効果の見込まれる取組を選定し,大学教育の改革への財政支援を行うとともに,フォーラムの開催や事例集の作成など,広く社会に情報提供を行う「大学教育・学生支援推進事業」等を実施し,各大学等における教育改革の取組を推進している。

また,大学の人材育成機能について,大学が注力している点と産業界が大学側に期待する点は必ずしも一致していないというミスマッチを背景に,文部科学省と経済産業省は連携の下,産学双方の対話と取組の場である「産学人材育成パートナーシップ」を推進しており,平成20年7月に中間取りまとめが公表された。文部科学省と経済産業省は,産学連携による人材育成プログラム開発・実証等の取組に対する支援を通じて,大学の教育機能の強化を図っている。

ウ 認証評価制度の導入(文部科学省)

大学の教育研究の質の維持向上を図るため,すべての国公私立大学が,文部科学大臣から認証された評価機関による定期的な評価を受ける認証評価制度が,平成16年度から導入された。

エ 学習支援サービス(文部科学省)

多様化した学生の学習活動をサポートするため,大学においては,優秀な大学院学生に対し,教育的配慮の下に,学部学生等に対する助言や実験,実習等の教育補助業務を行わせるティーチング・アシスタント制度や,大学の教員が学生の授業内容等に関する質問・相談等に応じるための時間(オフィスアワー)を設けるなどの授業時間外における履修上の指導など,学生に対する支援サービスの充実に向けた取組を促進している。

(2)高度な大学教育の充実(文部科学省)

社会経済の大規模な構造変化や国際競争の激化に伴い,国際的視野と高度の専門職業能力を有し,社会の各分野で指導的な役割を担うことのできる人材が強く求められている。

それらの社会的要請にこたえるため,高度専門職業人の養成に特化した実践的な教育を行う大学院として,専門職大学院が平成15年度に制度化された(平成21年4月現在:129大学182専攻)。文部科学省では,高度専門職業人の養成を積極的に推進するため,専門職大学院における教育方法・内容の開発・充実等への取組について,国公私立大学を通じて重点的に支援している。

また,国公私立大学を通じ,国内外の大学・機関との連携強化や優れた若手研究者の育成機能の強化を含め国際的に卓越した教育研究拠点の形成を重点的に支援する「グローバルCOEプログラム」を実施するとともに,国際的水準コースワーク(学修課題を複数の科目等を通じて体系的に履修すること)の充実等による大学院における優れた組織的・体系的な教育の取組を支援する「組織的な大学院教育改革推進プログラム」を実施している。

(3)生涯学習への対応

ア 大学等における生涯学習への対応(文部科学省)

大学等の高等教育機関が広くその門戸を開き,生涯学習機関としての機能を社会一般に提供することは,従来から強く求められているところである。

また,技術革新や産業構造の変化に伴い,職業人が知識及び技術を新たに修得したり,高等教育機関で教育(社会人の再教育)を受け,生涯にわたり,最新かつ高度の知識,技術を身に付けることが重要となっている。このような目的に資するものとして,以下のような対応が実施されている。

<1> 夜間部・昼夜開講制

平成20年度には,39の大学・短期大学に夜間の学部・学科が設置されている。

また,専ら夜間に教育を行う夜間大学院も,平成20年度現在,28大学に設置されている。学生の都合に合わせて,昼間,夜間の両方の授業を受けることができる昼夜開講制を実施している大学は,平成20年度現在,43大学であり,大学院についても,308大学において実施されている。

<2> 通信教育

平成19年度に通信教育課程を設置している大学・短期大学の数は,41校(放送大学を含む。)であり,在学者数は,合計約23万人である。

また,通信教育を行う大学院の修士課程は,平成19年度現在,23大学(放送大学を含む。),博士課程は,8大学に設置されている。

<3> 科目等履修生

大学等における授業科目の一部を履修し,単位を修得することができる科目等履修生制度を導入している大学の数は,平成19年度現在,712大学であり,科目等履修生の数は,1万7,702人(放送大学を除く。)となっている。

<4> 大学・大学院の入学資格

学習の意欲と能力を有する者に,広く入学機会を提供する観点から,「学校教育法施行規則」(昭22文令11)を改正し,平成15年9月には,高校を卒業していない者であっても,大学における個別の入学資格審査により,高校を卒業した者と同等以上の学力があると認められた者で18歳に達した者について,当該大学の入学資格を認めることができるようにする等の大学入学資格の弾力化を図っている。

また,平成11年8月に大学を卒業等していない者であっても,大学院における個別の入学資格審査により,大学を卒業した者と同等以上の学力があると認められた者で22歳に達した者については,当該大学院の入学資格を認めることができることとし,平成17年9月からは,専修学校の専門課程(専門学校)のうち一定の基準を満たすと認められたものを修了した者に対して,大学院入学資格を与えることとする等,大学院入学資格の弾力化を図っている。

高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)は,従前の大学入学資格検定の見直しを行い,高等学校卒業者と同等の学力を認定するための試験として,平成17年1月から創設された。

同試験は,合格者に大学入学資格を付与することだけでなく,就職等においても幅広く社会に活用されることを目的としている。

また,受験資格については,全日制高等学校の在籍者等にも拡大し,多様化する就学形態にも対応できるようにした。平成19年度は3万1,796人(前年度より2,117人増加)の出願があり,うち全日制高等学校在籍者は2,978人(前年度より251人増加)だった。

さらに,就職・資格試験等においても高卒認定合格者が高等学校卒業者と同様に扱われるよう,経済団体や地方公共団体に働きかけ,社会的通用性を高めるよう努めている。

平成19年からは新たに法務省と連携し,受験希望者がいる全国の矯正施設(刑事施設及び少年院)延べ133施設で試験を実施し,388人が出願した。

<5> 社会人入試

近年,キャリアアップや生涯学習のニーズの高まりを受けて,社会人を対象とした小論文や面接等を適切に組み合わせて行う選抜試験(社会人入試)を実施する大学が増加しており,平成20年度入試においては,国公私立合わせて511大学で実施され,2,132人が入学した。

<6> 大学院における社会人の受入れ

平成12年度から,社会人のキャリアアップやスキルアップに資するよう大学院修士課程1年制コース・長期在学コースの設置を可能としている。

また,平成14年の中央教育審議会の「大学等における社会人受入れの推進方策について」の答申を受けて,大学設置基準の改正により,長期履修学生制度の導入,通信制博士課程の制度化を行った。

なお,大学院における社会人の数は,平成20年度現在,5万3,667人となっている。

さらに,「学校教育法」の改正により,社会的・国際的に活躍できる高度専門職業人の養成に特化した教育を行う専門職大学院の制度を平成15年度に整備した。

<7> 履修証明制度

大学等が社会人のキャリアアップに役立つプログラムを提供し,より積極的な社会貢献が促進されるよう,「学校教育法」(昭22法26)の一部改正により,平成19年度からは,大学等において社会人等の学生以外の者が一定のまとまりのある学修を行った場合にその成果を証明する修了証などを授与する「履修証明制度」を創設した。平成20年5月現在,26大学で33の履修証明プログラムが開設されている。

イ 短期大学の地域総合科学科への取組(文部科学省)

短期大学においては,地域の身近な高等教育機関として,地域の多様なニーズにこたえるために,従来の学科のように分野を限定せず,多様なコースを設定した総合的な学科として,地域総合科学科を設置する取組が進んでいる。平成21年4月現在,地域総合科学科は,28短期大学34学科が設置されている。

(4)専修学校教育の充実(文部科学省)

専修学校制度は,職業や実際生活に必要な能力を育成し,又は,教養の向上を図ることを目的として,昭和51年に発足した。以後着実な発展を続け,平成20年度においては,学校数3,401校,生徒数65万7,502人に達しており,社会の変化に即応した実践的な職業教育を行う機関として,大きな役割を果たしている。

専修学校には,入学資格の差異により,3つの課程(専門課程,高等課程及び一般課程)が設けられている。

高等学校卒業程度を入学資格とする専門課程(専門学校)には,高等学校新規卒業者の15.3%が進学しており,高等教育の重要な一翼を担っている。平成11年度から,文部科学大臣の定める要件を満たす専門学校の卒業生が大学に編入学できることとなり,平成20年度は,2,637人が大学に編入学した。

また,平成17年9月には,専門学校の教育内容の高度化及び修業年限の長期化を踏まえ,修業年限が4年以上で授業時数が3,400時間以上等の要件を満たす課程の修了者に対して,「高度専門士」の称号及び大学院への入学資格を付与する制度が創設された。高度専門士の称号及び大学院入学資格が付与される課程(学科)として,平成21年2月までに,274校419学科が官報告示されている。

中学校卒業程度を入学資格とする高等課程(高等専修学校)は,後期中等教育の多様化,活性化の見地から重要な役割を果たしている。一定の要件を備える修業年限3年以上の専修学校の卒業者には,大学入学資格が付与されており,平成20年度の卒業者は,6,855人で,そのうち688人が大学・短期大学へ進学した。

一般課程は,入学資格を問わず,誰でも専門的な知識・技術を学べるところに特色がある。

フリーター・ニートの増加や,急激な雇用情勢の変化等に直面している現在,専修学校がこれまで培ってきた職業教育のノウハウを積極的に活用することが期待されている。

文部科学省では,平成21年度において,大学・専修学校等における社会人等の学び直しの機会の充実を図るため,専修学校の機能を活用して,就業を希望するが技術・知識等の不足からそれが叶わない若者,中高年,女性,ニート等に対し,それぞれの特性等に応じた職業能力向上のための学習機会の提供を「専修学校を活用した就業能力向上支援事業」として実施するほか,若年者の職業意識の涵養を図るため,高等学校と連携し,高校生に対して多種多様な職業体験の機会を提供する「専修学校・高等学校連携等職業教育推進プラン」を行っている。

また,社会的要請の高い課題に対応する教育内容や方法等についての重点的な研究開発を行う「専修学校教育重点支援プラン」を実施しているほか,専修学校に対する大型教育装置・情報処理関係設備の整備費補助及び教員研修事業費補助を引き続き行うとともに,奨学事業等についても充実を図っている。

2 職業能力開発・就業支援の充実

(1)職業的自立に向けての支援

ア 包括的な就職支援施策(内閣府,文部科学省,厚生労働省,経済産業省)

青少年に望ましい勤労観や職業観をはぐくむ取組を推進するため,平成19年5月にキャリア教育等推進会議が取りまとめた「キャリア教育等推進プラン」においては,進学や就職に困難を抱える青少年に対する関係機関等が連携した包括的な支援をプラン策定に当たっての基本的な考え方の一つとして,関連施策を同プランの中に位置付けている。

経済産業省では,地方公共団体,産業界,学校等の連携の下,ワンストップサービスセンター(関係機関の窓口一元化及び関連情報の集約化による包括的な一時相談の窓口)を整備し,地域において,若者に就職支援サービスを提供する「若年者のためのワンストップサービスセンター(ジョブカフェ)」事業を平成16年度から開始した。

平成18年度からは,ジョブカフェ・モデル事業(平成16年度〜平成18年度)の成果・ノウハウを活用し,その事業を自立して実施するジョブカフェへの支援を通じて,若者と中小企業との接点の拡大,中小企業の魅力を発信して中小企業の人材確保支援を行う「若者・中小企業ネットワーク事業」を実施し,平成20年度は,20地域で同事業を実施した。

また,厚生労働省においては,都道府県がワンストップサービスセンターを設置する場合(平成21年4月現在,46都道府県に設置),企業説明会や各種セミナーの実施等の事業(若年者地域連携事業)を委託することや,都道府県からの要望に応じ,ワンストップサービスセンターに公共職業安定所を併設し,若者を対象とした職業相談・職業紹介事業を行うなどの支援を行っている(平成21年4月現在,40都道府県において併設)。平成20年度の実績は,サービス利用者数は約167万人(速報値),就職者数は約8万5千人(速報値)に上る。平成21年度においても,フリーター等正規雇用化プランの一環として,若者の状況に応じたきめ細かな支援を実施している。

なお,平成21年度補正予算において,「緊急人材育成・就職支援基金」を創設し,職業訓練の拡充,職業訓練期間中の生活保障を実施する等,雇用保険を受給できない若者等に対する職業訓練,再就職,生活への支援を総合的に推進することとしている。

経済産業省では,職場や地域社会で求められている力を,「社会人基礎力」(「前に踏み出す力」,「考え抜く力」,「チームで働く力」)として整理し,その育成や評価の取組の普及を図っている。平成19年度には,7つのモデル大学で,企業等から与えられた課題を解決する実践型教育を通じて,学生の社会人基礎力を育成・評価する事業を実施し,そのノウハウ等を取りまとめたリファレンスブックを公表した。

http://warp.da.ndl.go.jp/collections/content/info:ndljp/pid/286890/www.meti.go.jp/press/20080626003/20080626003.pdf

平成20年度には,9つのモデル大学で,様々な科目等により,体系的に社会人基礎力の育成・評価を実施した。また,大学における授業や活動等の中で,学生がどれだけ成長できたかを競い合う「社会人基礎力育成グランプリ2009」を開催し,全国から40大学チームからの参加を得た。

イ 勤労青少年への福祉対策(厚生労働省)

勤労青少年への福祉対策については,「勤労青少年福祉法」(昭45法98)並びにこれに基づき厚生労働大臣が定める「勤労青少年福祉対策基本方針」及び都道府県知事が定める「都道府県勤労青少年福祉事業計画」により,総合的かつ計画的に推進している。

<1> 「勤労青少年福祉対策基本方針」

「勤労青少年福祉対策基本方針」については,昭和46年度以来これまで数次にわたり策定してきたが,その間,少子・高齢化,技術革新,国際化等の経済・社会情勢や雇用情勢が急激に変化するとともに,勤労青少年の高学歴化,就業意識の変化,多様化が進んでおり,勤労青少年福祉対策の推進に当たっては,こうした状況変化に的確に対応していくことが求められている。

特に,将来の活力ある社会を担う勤労青少年には,これまで以上に主体的,積極的に自己を確立し,可能性を伸ばすこと,有為な社会人,職業人として成長し,その責任を果たすことが強く期待されている。

こうした状況を踏まえ,平成18年10月に策定された「第8次勤労青少年福祉対策基本方針」(平成18年度〜平成22年度)においては,勤労青少年福祉対策の対象として,無業ながらも職業人としての自立を目指すべくその成育を支える必要のある青少年をも視野に入れ,勤労青少年福祉対策の一層の推進を図ることとしている。

<2> 「勤労青少年の日」を中心とした啓発活動

「勤労青少年の日」は,広く国民が勤労青少年の福祉についての関心と理解を深めるとともに,働く若者の社会人及び職業人としての自主的な努力を励ますために設けられており,「勤労青少年福祉法」第5条の規定により,毎年7月の第3土曜日と定められている。平成20年は,7月19日であったが,その日を中心に,地方公共団体等の主催により記念式典,スポーツ・レクリエーション大会等が各地で実施された。

(2)職業選択の指導助言等の就職支援

ア 大学等における就職指導の充実(文部科学省,厚生労働省)

昨今の経済情勢の悪化に伴い,新規学校卒業者の内定取消しの問題等が生じる等,学生の雇用環境が不安定となっている。

また,一方で,近年の社会環境の変化や大学進学率の上昇などに伴い,多様な学生が増加する中で,学生の職業観や就職に対する意識も変化してきている。

このような状況に対応して,文部科学省では,各大学等が公共職業安定所等と連携しつつ,新規学校卒業者の内定取消し問題等について適切な対応を行うよう周知徹底するとともに,学生が,自分がどの仕事に向いているか理解した上で,主体的に職業を選択できる能力を育てる,いわゆるキャリア教育や,学生一人一人の個性や能力に応じた,きめ細かな就職指導や就職相談が行われるよう,「大学教育・学生支援推進事業」を実施するなど大学等の就職支援体制の一層の充実に努めている。

また,学生の就職機会の拡充を図るため,大学側と企業側が参加する「全国就職指導ガイダンス」の場などにおいて,企業側に対して,学生の採用枠の拡大や就職の機会均等の確保などについての要請を行っている。

厚生労働省においても,大学等と連携し,適職選択のための自己理解等を促進するための各種セミナーや適職相談を実施している。

イ インターンシップ(就業体験)の推進(文部科学省,厚生労働省,国土交通省)

学生が,在学中に自らの専攻及び将来のキャリアに関連した就業体験を行うインターンシップは,教育の改善充実及び学生の学習意欲の喚起,高い職業意識の育成などの意義を有するものであり,その積極的な推進が重要である。

文部科学省では,インターンシップを推進するための全国フォーラムの開催,インターンシップを実施する大学等への必要な経費の支援などの施策を実施し,インターンシップの推進を図っている。

また,平成18年度からは,国公私立大学を通じた大学教育改革の支援を行う「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」の公募テーマの一つとして「実践的総合キャリア教育の推進」を設定し,大学等におけるキャリア教育の取組を支援している。

厚生労働省では,大学生等を対象とするインターンシップ受入企業開拓事業を経済団体等に委託して実施している。

なお,国土交通省では,砂防を専攻する大学生や砂防に関心を持つ大学・高専の学生を対象に,地元の人々との共同作業や生活を通じて,中山間地域に果たす砂防の役割等を体験的に学ぶキャンプ砂防を推進している。

ウ 職業選択の指導助言

<1> 求人秩序の確立(文部科学省)

大学等卒業予定者の就職採用活動については,学生の学習に支障なく,秩序ある形で行われるように,かつ,学生が適切な職業を選択するための公平な機会が得られるようにするという観点から,大学側と企業側との間で,昭和28年以来「就職協定」に基づき行われていた。実態との乖離が生じていたことなどを踏まえ,協定に代えて,平成9年度から,大学側が「大学,短期大学及び高等専門学校卒業予定者に係る就職について(申合せ)」を,企業側が「新規学卒者の採用・選考に関する企業の倫理憲章」(以下「倫理憲章」という。)をそれぞれ定め,双方が各大学等・企業へ十分周知し,尊重する形となっている。

学生の就職・採用活動はここ数年早期化する傾向にあり,平成21年度卒業予定学生の就職・採用活動については,平成20年10月に「申合せ」「倫理憲章」を互いに尊重することに合意し,趣旨の徹底を図った。

文部科学省では,各大学,短期大学,高等専門学校に「申合せ」の周知徹底と遵守について指導を行うとともに,企業側に対しても,「倫理憲章」の趣旨にのっとり,採用選考活動の早期開始の自粛や大学等の教育を尊重するよう要請している。

<2> 支援体制の整備(厚生労働省)

離職等による挫折感や対人関係に係る不安等を有する若年求職者を対象として,臨床心理士等専門的人材を活用し,個々人の課題に応じた心理面も含む相談サービスを提供し,その就職促進を図っている。

エ 就職支援

<1> 学生に対する就職支援(厚生労働省)

学生職業センター等においては,大学等と連携しつつ,職業指導や職業相談,情報データベースによる広範な求人情報の提供等を実施するとともに,就職面接会の開催等により,新規学卒者及び既卒者の就職支援を実施している。

<2> トライアル雇用(厚生労働省)

職業経験,技能,知識の不足等により就職が困難な若年者等(40歳未満)について,一定期間試行的に雇用することにより,求職者及び求人者の相互理解を促進し,その後の常用雇用への移行を図ることを目的として「若年者等トライアル雇用事業」を実施している。

また,正社員としての就業経験が少ない,特に就職が困難な年長フリーター等(25〜39歳)や採用内定を取り消されて就職先が未決定の学生等について,求人枠を積極的に設けて正規雇用する場合に,「若年者等正規雇用化特別奨励金」を支給することにより,今後3年間で集中的に年長フリーター等の雇用機会の確保を図ることとしている。

<3> 「フリーター等常用就職支援事業」の強化(厚生労働省)

常用雇用での就職を目指すフリーター及び30代後半の不安定就労者に対して,公共職業安定所において,担当者制により,利用者一人一人の課題等を踏まえた常用雇用就職プランを策定するとともに,フリーター常用就職サポーターも活用しつつ,利用者のニーズに応じた就職支援を積極的に実施し,常用就職の促進を図る。

<4> 女性若年層に対する就業促進(内閣府,文部科学省)

内閣府では,平成17年度から,女性若年層に対して,女性の進出が遅れている理工系等の分野に関する情報提供等を行っており,平成21年度も引き続き実施する。

独立行政法人国立女性教育会館では,多様なキャリア形成を支援するための情報提供システムを引き続き運用する。

オ 職場定着支援(厚生労働省)

インターネット等を通じて,働くことにかかわる幅広い相談に身近に応ずる体制を整備している。

(3)能力開発(厚生労働省)

国及び都道府県は,公共職業能力開発施設のほか,専修学校,大学・大学院,NPO,事業主等あらゆる民間教育訓練機関等も活用しつつ,公共職業訓練を推進している。

厚生労働省では,フリーター等の職業能力形成機会に恵まれない者が,その能力を向上させ,安定した雇用へと移行できるようにするため,平成20年4月に「ジョブ・カード制度」を創設した。この制度は,きめ細かなキャリア・コンサルティングを通じた意識啓発や,課題の明確化を行った上で,企業実習と座学を組み合わせた実践的な職業訓練を提供し,企業からの評価結果や職務経歴等を「ジョブ・カード」として取りまとめることにより,就職活動等に活用するものである(第2-2-3図)。

第2-2-3図 「ジョブ・カード制度」の全体像
第2-2-3図 「ジョブ・カード制度」の全体像

また,労働者が職業生活設計に即して更なる職業能力の開発・向上を図るため,労働者が自発的に行う職業能力の開発・向上について経費を負担し,又は,休暇を与えた企業に対し,キャリア形成促進助成金により支援している。

さらに,労働者の主体的な能力開発を支援し,雇用の安定と再就職の促進を図るため,一定の条件を満たす雇用保険の一般被保険者又は被保険者であった方が,厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し修了した場合,本人が負担した費用の一部を「教育訓練給付金」として支給している。

なお,主に若年労働者を対象として,キャリア形成に係る相談(キャリア・コンサルティング)を行うとともに,職業人としての経験が少ない若年労働者特有の悩みや不安にこたえる相談(カウンセリング)を平成17年度から行っている。

(4)能力を評価するための仕組みづくり(文部科学省,厚生労働省,経済産業省)

厚生労働省では,能力を軸とした若年労働市場の基盤を整備するため,初級の技能労働者を対象とする3級技能検定の実施職種を毎年実施している。

また,就職基礎能力の修得の目安を示し,能力を修得するための講座・試験の認定や修得した能力の公証等を行う若年者就職基礎能力支援事業(YES-プログラム;Youth Employability Support Program)を実施している(平成20年10月現在:認定講座数1,566講座(201機関),認定試験数313試験(46機関))。

なお,平成19年度における認定講座修了者数は116,401人(対前年度比8,815人増),認定試験合格者数は273,518人(同58,104人増)となっている。

さらに,文部科学省と経済産業省が連携して推進する「産学人材育成パートナーシップ」においても,「化学」や「機械」といった業種・分野ごと,及び,共通に求められる人材像や産学の課題等について議論が行われ,平成20年7月に中間取りまとめが公表された。文部科学省と経済産業省は,産学がこうした議論を踏まえて行う人材育成プログラムの開発・実証等の取組に対して,支援を行っている。

(5)農林漁業への就業支援(厚生労働省,農林水産省)

農林水産省においては,農林漁業に就く意欲を持つ若者の様々な希望や能力にこたえるため,相談窓口における情報提供,技術習得のための技術・経営研修,就業支援のための資金の貸付等の施策を講じている。

具体的には,農業の新たな担い手を確保・育成するため,道府県農業大学校など農業者研修教育施設等における実践的な研修教育への支援や農村青少年が自ら取り組む経営改善や技術向上の活動等への支援を実施しているとともに,平成19年度からは,農業の経験が無い若者等でも就農できるよう,就農支援機関やインターネット等を介した各自治体の支援措置や,各種研修・求人等の情報提供,農業法人でのインターンシップ,就農の際に必要な資金の無利子貸付など就農までの各段階に対応した,きめ細かな支援を実施している。さらに平成20年度には,農業法人等が就業希望者を雇い入れ,実践的な研修を行う費用を支援する「農の雇用事業」を創設したところである。

また,林業の担い手を確保・育成するため,平成19年度は「緑の雇用」により,林業就業に意欲を有する若者等に対して就業相談会を実施するとともに,林業に必要な基本的な技術が習得できるよう,OJT研修等に対しても支援を実施している。

さらに,漁業の新たな担い手を確保・育成するため,平成20年度は,従来からある漁業就業希望者への情報提供,就業準備講習会や漁業就業相談会の開催,漁業現場での長期研修等を実施し,経験ゼロからでも漁業に就業できるよう,就業までの各段階に応じたきめ細かな支援措置を講じている。

厚生労働省においては,平成15年4月に農林水産省と連携して策定した「農林業をやってみよう」プログラムに基づき,「U・Iターンフェア」と農林水産省による「新・農林漁業人フェア」の合同開催,各都道府県1か所の公共職業安定所に「就農等支援コーナー」を設置する等の施策を講じ,農林漁業の求人情報,農林漁業体験など農林漁業に関する幅広い情報提供等を行う等,農林漁業への多様な就職希望に応じた職業相談・紹介を実施している。

また,平成18年度から農林水産省と連携し,新たに農業への就業を希望するフリーター等若者を重点に,「就農等支援コーナー」において,農業で働くことについての理解を深めさせるとともに,個人の状況・希望に応じて,農業就業のための情報提供,農業法人等への職業紹介や農業研修施設へのあっせんを行う等,きめ細かな相談を実施している。

(6)起業支援(厚生労働省,経済産業省)

経済産業省では,多様な事業者による新規事業の成長を支援するため,女性・若者/シニア起業家支援資金制度により,女性や若年者(30歳未満)又は高齢者(55歳以上)のうち,新規開業しておおむね5年以内の者に対して,株式会社日本政策金融公庫による低利融資を実施している。

厚生労働省では,雇用保険の受給資格者自らが事業を起こし,事業開始後1年以内に雇用保険の適用事業主となった場合に,創業に係る経費の一部を助成する制度により,失業者の自立を積極的に支援している。

3 生活設計・人生設計の支援

(1)奨学金等の支援(文部科学省)

学ぶ意欲と能力のある学生等が,経済的な面で心配することなく,安心して学べるよう,奨学金を希望する学生等を支援するため,これまでも,毎年奨学金事業の充実を図ってきている。

平成21年度の奨学金事業においては,9,475億円(対前年度比462億円増)の事業費,115万人(対前年度比6万人増)の学生等に奨学金を貸与することとしている。

(2)居住の支援(国土交通省)

若い世帯が自立した住生活を営むことができるよう,公営住宅,地域優良賃貸住宅制度,高齢者等の住み替え支援制度,あんしん賃貸支援事業などを推進しており,また,住宅金融支援機構においては,証券化支援事業を通じて民間金融機関の長期・固定金利の住宅ローン供給を支援することにより,住宅取得を促進している。

ア 良質な住宅の確保(国土交通省)

「住生活基本法」(平18法61),「住生活基本計画」(平成18年9月19日閣議決定)及び「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」(平19法112)においては,子どもを育成する家庭など住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定確保を図ることを旨としており,国土交通省では,以下の施策を総合的に推進している。

<1> 子育てを支援するゆとりある住宅の確保の支援

持家の取得を促進するため,住宅金融支援機構の証券化支援事業の枠組みを活用し,親子リレー返済制度による子育てに適した広い住宅の建設の支援や,優良住宅取得支援制度による耐久・可変性能が特に高い住宅に係る金利引下げを行っている。

高齢者等が所有する戸建て住宅等を,広い住宅を必要とする子育て世帯等へ賃貸することを円滑化する高齢者等の住み替え支援制度により,子育て世帯等に広い住宅を供給する取組を支援している。

子育て世帯等を対象とした良質な賃貸住宅の供給を支援するため,地域優良賃貸住宅制度により,整備費助成や家賃低廉化助成を行っている。また,都市再生機構の民間供給支援型賃貸住宅制度により,良質なファミリー向け賃貸住宅の供給を促進している。さらに,あんしん賃貸支援事業により,民間賃貸住宅における子育て世帯等の入居の円滑化と安定した賃貸借関係の構築を支援している。

<2> 公共賃貸住宅における多子世帯等への支援

公営住宅においては,小さな子どものいる世帯や多子世帯等について,入居者の選考に際し地方自治体の判断により優先入居の取り扱いを行っている。また,小学校就学前の子どものいる世帯について,入居収入基準を緩和している。都市再生機構賃貸住宅においては,子育て世帯や子育て世帯との近居を希望する支援世帯に対して,新規賃貸住宅募集時の当選倍率優遇や,既存賃貸住宅募集時の優先申込期間の設定をしている。

<3> 保育所等を併設した住宅の供給

大規模な公共賃貸住宅団地の建替えに際し保育所等との併設を推進するとともに,2008(平成20)年度からは公的賃貸住宅団地を地域の福祉拠点として再整備する安心住空間創出プロジェクトを推進している。また,市街地再開発事業等における施設建築物内への保育所等の導入の促進,総合設計制度における保育所等に係る容積率制限の緩和等を行っている。

さらに,平成21年4月の改正児童福祉法(昭22法164)の施行に併せ,地域子育て支援拠点事業及び一時預かり事業の用に供する施設を,公営住宅建替事業において建替後の戸数要件が緩和される特例対象に追加した。

イ 良好な居住環境の確保(国土交通省)

大都市等の既成市街地において,快適な居住環境の創出等を図りつつ職住近接型の良質な市街地住宅の供給を推進するため,住宅・公共施設等の整備を総合的に行っている。

また,シックハウス対策として,建築基準法(昭25法201)においてホルムアルデヒドに関する建材の制限,換気設備設置の義務付け等が規定されている。さらに,子どもの健康への影響を考慮し,シックハウス対策に係る調査研究を進めている。

(3)社会保険機関,教育機関等の連携による情報提供

ア 国民年金保険料免除制度等の周知(厚生労働省・社会保険庁)

国民年金保険料を納付することが困難な者に対して,社会保険事務所と大学等及び社会保険事務所と公共職業安定所が連携し,学生納付特例制度や免除制度の周知等を行っている。

具体的には,国民年金の第1号被保険者となっている学生に対しては,国民年金保険料を社会人になってから後払いできる「学生納付特例制度」について,大学等の協力を得て制度周知用リーフレットを配布する,ガイダンスや学園祭などで相談窓口を設置するなど,制度の周知や申請書の受付を実施している。

また,失業等により,国民年金保険料を納付することが困難な者に対しては,公共職業安定所の失業者向け生活関連情報提供サービス事業の生活関連情報相談窓口及びハローワークインターネットサービスにおいて,失業等の場合に申請により国民年金保険料が免除される免除制度の相談・情報提供等を行っている。

(4)社会保障制度についての情報提供・意識啓発(厚生労働省)

医療保険制度,介護保険制度,年金制度などの社会保障制度の意義・役割の周知を図るため,ホームページ上での情報提供,ポスターの配布,白書の作成等を行っている。

4 社会への参画の促進

(1)公的制度に関する情報提供・意識啓発

ア 租税(財務省・国税庁)

国税庁では,青年層を含む納税者が,租税の意義や役割,税務手続について,正しく理解し,自らが適正な申告と納税を行えるよう,様々な広報媒体を通じて広く税に関する情報を提供している。

具体的には,納税者が知りたい情報をいつでも入手できるようにするため,国税庁ホームページで税務手続・案内,統計情報,通達,報道発表資料などの様々な情報を掲載したり,動画と図解で分かりやすく税情報などを解説するインターネット番組「Web−TAX−TV〜ジャンルで選べる税金ガイド〜」を配信するなどインターネットを中心とした情報提供に努めるほか,ポスター,パンフレット等の各種広報媒体も活用している。

また,全国的な広報活動として,毎年11月11日〜17日を「税を考える週間」として,全国各地で講演会,座談会等の各種施策を実施し,納税者意識の高揚に努めている。

イ 外交(外務省)

外交問題に関する青少年層の理解を深めるために,外務省ホームページにおいて,動画や画像等を含む理解しやすいコンテンツの制作に努力するとともに,外交をより身近に感じるよう,外務省職員のエッセイ,インタビュー記事等「生の声」を掲載している。

また,国際社会における我が国の役割と責任がますます大きくなっている情勢の下,将来,我が国の様々な分野で活躍すると考えられる大学生が,国際情勢・外交問題に関する関心を持ち,理解を深めることを目的に,外務省職員等が全国各地の大学に赴き,講演を行っている。この「外交講座」を平成20年度は,61校で開催した。

さらに,若手外務省職員との直接的な意見交換・交流の機会を設けることにより,大学生が国際情勢や外交政策に対する理解を深め,国際社会に対する関心を高めることを目的に,「学生と語る」を実施している。平成20年度は,東京及び京都で合わせて3回開催した。

なお,平成20年度は,大学生を対象とした「国際問題討論会フォーラム2008」を京都で開催し,日本外交が直面する問題について,質の高い議論が行われた。

ウ 防衛(防衛省)

自衛隊に対する青少年の理解を一層深めるため,ホームページを活用した情報提供,大学生を対象とした隊内生活体験等の広報活動を実施している。

(2)政策形成過程への参画促進(内閣府)

平成14年から日本の社会や青少年を取り巻く様々な問題などについてインターネットを利用して青少年から意見要望等を聴取する「青少年電子モニター」制度を実施してきた。平成20年度においては,同制度を見直し,平成21年度から,「ユース特命報告員」を募集し,内閣府から提示する課題等について,Eメールにより意見等を報告してもらう「青少年目安箱事業」を開始した。

なお,青少年育成施策大綱(前大綱)の見直しに当たっては,子どもたちからの意見募集や内閣府特命担当大臣と青少年との懇談の開催などを実施してきたところであり,これらの取組も踏まえ,平成20年12月に新しい「青少年育成施策大綱」が青少年育成推進本部において決定された。

(3)社会貢献活動

ア ボランティア活動の支援・推進(文部科学省)

ボランティア団体,企業,学校及び行政などが協力して推進体制を作っていくため,関係者による連携協力関係を構築する協議の場として,「青少年ボランティア活動等促進連絡協議会」を開催し,都道府県青少年行政主管課及び青少年関係各課の担当者並びに関係機関等の担当者の参加により,活動に関する情報提供及び活動報告等を行っている。

また,青少年教育施設においては,青少年が地域社会へ参画することを支援するため,ボランティア活動に関する研修等を実施し,ボランティア活動を通じて社会性をはぐくむ機会を提供している。

イ 青年海外協力隊派遣事業(外務省)

政府ベースの技術協力の一環として,昭和40年に発足した「青年海外協力隊派遣事業」は,開発途上国が要請する技術・技能を有する青年男女を募集,選考及び訓練の上,相手国と締結した「派遣取極」に基づき,開発途上国へ,原則として2年間派遣する事業である。派遣された協力隊員は,相手国の住民と生活を共にしつつ,草の根レベルの技術協力を行い,相手国の経済・社会の発展に寄与している。

協力隊の派遣分野は,農林水産,加工,保守操作,土木建築,保健衛生,教育文化,スポーツ及び計画・行政の8分野である。平成21年4月末現在,75か国に対し,2,373名(うち女性は,1,450名)を派遣中であり,累積の派遣人数は,32,761名(うち女性は,14,152名)である。

ウ 国の行う国際交流事業(内閣府,文部科学省)

多様な文化とともに生きていく意識を向上させ,国際的な活動や地域における社会的な活動への貢献を促進するためには,次代を担う青少年が,諸外国の青年と生活をともにし,忌たんのない意見交換を行い,交流を深めることが極めて効果的である。

内閣府では,日本と各国の青年が,国際的視野に立ち,共通の課題の研究・討論,自国の文化紹介などの各種活動や産業・文化・教育施設の訪問,ホームステイ,ボランティア活動の体験などを行うことにより,相互の理解と友好を促進するとともに,国際協調の精神を養い,次代を担うにふさわしい青年を育成することを目指し,青年国際交流事業を実施している。これは,我が国のイニシアティブの下,各国政府の協力も得つつ,人材育成という観点から我が国として目に見えるかたちで国際社会に貢献しようとするものである。

この青年国際交流事業として,内閣府では,「国際青年育成交流」事業,「日本・中国青年親善交流」事業,「日本・韓国青年親善交流」事業,「世界青年の船」事業,「東南アジア青年の船」事業及び「青年社会活動コアリーダー育成プログラム」を毎年実施している。

「国際青年育成交流」事業は,日本青年を世界各国に派遣し,また,各国の青年を我が国に招へいし,日本や各国で各種交流活動を行うもので,平成20年度は,合計68名の日本青年を4か国・地域に21日間派遣するとともに,合計88名の外国青年を11か国から21日間招へいした。

「日本・中国青年親善交流」事業は,日本青年を中国に派遣し,また,中国の青年を我が国に招へいし,日本や中国で各種交流活動を行うもので,平成20年度は,30名の日本青年を19日間派遣するとともに,29名の中国青年を19日間招へいした。

「日本・韓国青年親善交流」事業は,日本青年を韓国に派遣し,また,韓国の青年を我が国に招へいし,日本や韓国で各種交流活動を行うもので,平成20年度は,29名の日本青年を15日間派遣するとともに,30名の韓国青年を15日間招へいした。

「日本・韓国青年親善交流」事業

「世界青年の船」事業は,日本と世界各国の青年が,船内で共同生活をしながら,船で各国を訪問し,船内・訪問国で各種交流活動を行うもので,平成20年度は,108名の日本青年と12か国の合計138名の外国青年とが40日間の航海を行い,日本以外に2か国に寄港した。

「東南アジア青年の船」事業は,日本とASEAN(東南アジア諸国連合)各国の青年が,船内で共同生活をしながら,船でASEAN各国を訪問し,船内・訪問国で各種交流活動を行うもので,平成20年度は,40名の日本青年とASEAN10か国の合計282名の外国青年とが42日間の航海を行い,日本以外に5か国に寄港した。

「東南アジア青年の船」事業

「青年社会活動コアリーダー育成プログラム」は,日本で,青少年関連,高齢者関連,障害者関連の各分野で社会活動に携わっている青年を各国に派遣し,また,各国で実際に3分野の社会活動を運営しているリーダーを我が国に招へいし,両者の交流により,国際的なネットワークを持った,社会活動の中核を担う青年リーダーを育成するもので,平成20年度は,合計27名の日本青年を,社会活動の盛んな先進国3か国に10日間派遣するとともに,合計35名の外国青年を,同じ3か国から15日間招へいした。

内閣府の青年国際交流事業の参加者は,これまでに日本青年約1万5千名,外国青年は約1万8千名を数える。事業既参加青年たちは,事業を通じて得た知識や経験,ネットワークを活かし,各国・各地域で,国際交流や青少年育成などの社会貢献活動を始め,多くの事後活動を活発に展開している。また,既参加青年たちは,各国で自主的に事後活動組織を立ち上げ,現在,日本を含む世界約50か国で事後活動組織が設立されている。

事後活動の例としては,各国への訪問研修,独自の青年相互交流プログラム,被災国の子どもたちに絵本を贈る取組など,ネットワークを活かした国際的な活動から,外国文化の紹介イベントや在住外国人との交流会といった地域密着型の活動まで多岐に渡る。

これらの事後活動は,既参加青年たちが自主的に行っているものであるが,内閣府としても,各国事後活動組織の代表者を日本に招へいし,代表者間で事後活動について意見・情報交換を行う会議を開催したり,既参加青年向けに各国・各地域の事後活動を紹介するニュースレターを発行するなど,既参加青年を核とする国際的な人的ネットワークの充実強化を側面支援し,事後活動の一層の活性化を推進してきているところである。

文部科学省では,我が国の青少年の海外派遣・海外の青少年の日本招へいを行い,両国の共同体験活動,各国の伝統・文化の体験活動などの交流事業を行う「青少年交流推進事業」を青少年団体に委託して実施している。

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