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4 青少年育成施策大綱(平成20年12月青少年育成推進本部決定)(概要)

1 はじめに

青少年期は,社会の担い手として生活の基盤を確立し,公共への参画を通して社会へ貢献するとともに,能力や適性等に応じて国の内外に活躍の場を広げていく時期。

政府は,平成15年12月,青少年の育成に係る基本的理念と中長期的な施策の基本的方向を定めた青少年育成施策大綱を策定し,様々な施策を推進してきたが,ニートやフリーターなど,若者の抱える様々な問題が複雑化していく危険性や,情報化の一段と急速な進展に伴う子どもへの影響,青少年による重大事件,子どもが被害者となる事件の続発等,近年の状況の変化に対応し,我が国のすべての青少年が健やかな成長を遂げていけるよう,前大綱に盛り込んだ理念等を継承しつつ,時代の変化に対応した青少年育成施策の一層の推進を図るため,新たな「青少年育成施策大綱」を策定

2 基本理念

以下の3点を基本理念として青少年育成施策を推進

<1> 青少年の立場を第一に考える

青少年が現代の我が国社会において,健やかに成長し,それぞれの可能性を最大限に発揮できるよう,何よりもまず青少年の立場に立って,現在の生活の充実と将来への成長の両面を支援

<2> 社会的な自立と他者との共生を目指して,青少年の健やかな成長を支援する

青少年が心身ともに健康で,他者を思いやる心を持ち,挑戦と試行錯誤の過程を経つつ,自己を確立し,自らの可能性を発揮できる,社会的に自立した個人として成長し,他者や地域社会とともに生きていけるよう支援

<3> 青少年一人一人の状況に応じた支援を社会総がかりで実施する

青少年への対応は,個々の状況に応じたきめ細やかなものとすることが重要であるとの認識の下,すべての組織や個人が当事者意識を持って,青少年との信頼関係の上に,それぞれの役割や責任を果たしつつ,相互に協力・補完しながら取組を推進

3 重点課題

0歳からおおむね30歳未満までの年齢層にある者を「青少年」と総称し,成長段階ごとの特性及び課題並びに社会的自立の遅れ等昨今の状況を踏まえ,各年齢期を通じて,青少年が健やかな成長を積み上げていくことができるよう,以下の4つの課題について重点的に対応

<1> 健やかな成長の基礎形成のための取組

青少年の成長の基礎形成を促進するため,基本的な生活習慣,体力,基礎学力及び社会性等の習得,食育等を推進。また,家庭における取組を支援する観点から,各種の子育て支援や仕事と生活の調和等により環境整備を推進

<2> 豊かな人間性をはぐくみ,社会で生きる力と創造力を身につけていくための取組

自他の生命を尊重する心や,社会的に自立するために必要な知識,経験,社会性をはぐくむとともに,新たな価値を生み出し,未来を切り拓く創造力を養成するため,自然・社会体験,集団遊び,世代間交流,異文化理解のための国際交流の充実や高度な知識・技能の習得等を推進

<3> 困難を抱える青少年の成長を支援するための取組

青少年が様々な困難や不利な状況に直面したり,そのおそれがある場合,関係機関の連携による問題発生の未然防止,早期発見・早期対応及び困難克服までの切れ目ない支援を,青少年本人のみならずその家族に対しても総合的に実施

<4> 青少年の日々の生活を支える環境整備のための取組

すべての組織や個人が,相互に連携・協力し,地域等における青少年の居場所づくりや様々な困難の解決を図るため,家庭,学校及び地域の相互の関係の再構築,有害環境対策,安全・安心なまちづくり等社会環境の整備及び青少年の育成のための国民運動の推進による気運醸成等を実施

4 青少年等に対する施策の基本的方向

(1) 年齢期ごとの施策

青少年の成長段階に応じた支援を実施。その際,青少年が直面する困難等を未然に防止又は軽減する必要にもかんがみ,学力や基本的な生活習慣等の習得はもとより,様々な体験・交流等の充実等を通じ,社会性を養い,生きる力をはぐくむことに特に留意。施策の実施に当たっては,個人差に配慮するとともに,各年齢期の連続性を重視

<1> 乳幼児期

人間への基本的信頼と愛情を育てていく基礎となる親や特定少数の人との強い情愛的きずなを形成するとともに,複数の人々との多様なかかわりを通じて認知や情緒を発達させ,人格を形成していくことが重要

i 母子の健康の確保・増進

・安心で安全な妊娠・出産の確保

・地域保健の充実

・小児医療の充実

・食育の推進

ii 子育て支援の充実

・子育て家庭の支援

・男女ともに子育てと就業が両立しやすい職場づくり

・育児等退職者の再就職支援

・新待機児童ゼロ作戦

・多様な主体による子育て支援とネットワークづくり

・経済的支援

iii 保育所・幼稚園等での養護・教育の充実

・保育所と幼稚園の連携強化と認定こども園制度の推進

・保育所・幼稚園と小学校との連携

・サービスの第三者評価の推進

・認可外保育施設の質の維持・向上

・多様な体験の機会

・安全教育

<2> 学童期

後の成長の基礎となる体力・運動能力を身に付け,多様な知識・経験を蓄積し,家族や仲間との相互関係の中で自分の役割や連帯感などの社会性を獲得していくことが重要

i 健康の確保・増進

・学校における教育・相談体制の充実

・地域における相談

・小児医療の充実

ii 日常生活能力の習得

・基本的な生活習慣の形成

・体力の向上

・コミュニケーション能力や規範意識等の育成

・安全教育

・環境教育

iii 学力の向上

・知識・技能や思考力・判断力・表現力,学習意欲等の「確かな学力」の確立

・全国的な学力の把握・評価

iv 社会的自立につながる活動機会の保障

・集団遊びの機会の確保

・ボランティアなど社会奉仕体験活動

・学校での特別活動の推進

・都市と農山漁村の共生・対流の促進

・地域等での多様な活動

<3> 思春期

自分らしさを確立するために模索し,社会規範や知識・能力を習得しながら,大人への移行を開始することが重要。思春期にある若者の特性を踏まえ,適切な距離を保ちつつ成長を支援することや性差に応じたきめ細かな相談・支援を行うよう配慮

i 健康の確保・増進

・学校における教育・相談体制の充実

・地域における相談,医療機関での対応

・思春期特有の課題への対応

ii 日常生活能力及び社会生活能力の習得

・基本的な生活習慣の形成

・体力の向上

・コミュニケーション能力や規範意識等の育成

・安全教育

・社会や経済の仕組についての現実的理解と知識の習得

・ボランティアなど社会奉仕体験活動

・学校での特別活動の推進

・国際交流活動

・都市と農山漁村の交流の促進

・地域等での多様な活動

・環境教育

iii 学力の向上

・知識・技能や思考力・判断力・表現力,学習意欲等の「確かな学力」の確立

・全国的な学力の把握・評価

iv 就業能力・意欲の習得

・勤労観・職業観と職業に関する知識,技能の育成

・就職支援

<4> 青年期及びポスト青年期

親の保護から抜け出し,就職することや家族を形成すること等を通じて,社会の一員として自立した生活を営むとともに,公共に参画し,貢献していくことが重要。大学等において社会の各分野を支え,発展させていく資質・能力を養う努力を続けている者や社会的自立に困難を抱え,何らかの支援を必要としている者など,青年期を過ぎた(ポスト青年期)者も含めた施策を実施

i 大学教育等の充実

・教育内容の充実

・高度な大学教育の充実

・生涯学習への対応

・専修学校の充実

ii 職業能力開発・就業支援の充実

・職業的自立に向けての支援

・職業選択の指導助言等の就職支援

・能力開発

・能力を評価するための仕組みづくり

・農林漁業への就業支援

・起業支援

iii 生活設計・人生設計の支援

・奨学金等の支援

・居住の支援

・社会保険機関,教育機関等の連携による情報提供

・年金等社会保障についての情報提供・意識啓発

iv 社会への参画の促進

・公的制度に関する情報提供・意識啓発

・政策形成過程への参画促進

・社会貢献活動

(2) 困難を抱える青少年等に対する施策

様々な事情で,健やかな成長を遂げていく上での困難を抱えたり,不利な立場に置かれている等のために特別な支援を必要とする青少年に対する施策を実施。その際,こうした困難や不利な状況が他の要因と影響し合って状況をより複雑化していく危険性のあることに留意。また,青少年自身への対応に加え,青少年の保護者等への助言,指導等,家庭を含めた総合的支援を実施

<1> 困難な状況ごとの取組

i 障害のある青少年の支援

・障害のある青少年の支援

・発達障害のある青少年の支援

ii 少年非行対策等

・総合的取組

・非行防止,相談活動

・薬物乱用防止

・補導活動及び事件の捜査・調査

・被害者への配慮

・非行集団対策

・施設内処遇

・更生保護,自立・立ち直り支援

・いじめ・暴力対策

iii 不登校・ひきこもり対策等

・心の問題への対応

・不登校対策

・高校中途退学者対策

・ひきこもり対策

iv 労働市場で不利な条件下にある青少年の自立支援

・若年失業者等に対する支援等

・障害者に対する支援等

・非行少年に対する支援等

v 青少年の被害防止・保護

・児童虐待防止対策

・その他の要保護児童への対応

・青少年の福祉を害する犯罪対策

・その他の犯罪対策

・犯罪被害に遭った青少年とその家族等への対応

・いじめによる被害対策

・自殺対策

・災害・事故防止対策

vi 外国人青少年の支援

<2> 困難を抱える青少年を総合的に支援するための取組

i 地域における支援ネットワークの整備,青少年やその保護者に対する訪問支援(アウトリーチ)の実施,国の体制整備等について,新たな法的措置によることも含め,推進方策を検討

ii 困難を抱えた青少年の継続的な状況把握,効果的な支援方法の研究,人材を養成するための研修プログラムの開発等を推進

iii 一定年齢層の困難を抱える青少年の状況を全体的に把握し,その適切な活用により一人一人の状況に応じた支援を行うための仕組を検討

iv 先進的な取組事例についての情報収集・整理,提供等の支援を推進

5 青少年の健やかな成長を社会全体で支えるための環境整備施策の基本的方向

(1) 家庭,学校及び地域の相互の関係の再構築

<1> 保護者等への支援を行う「家庭を開く」取組

・家庭教育支援

・ひとり親家庭への支援

・経済的困難を抱える家庭への支援

<2> 外部の力も活用した「開かれた学校」づくり

・家庭・地域と一体となった学校の活性化

・教育・相談の体制や機能の充実

・安全管理の徹底

<3> 豊かな体験・交流のための取組

・体験・交流活動等の場づくり

・読書活動の推進

<4> 青少年が犯罪等の被害に遭いにくいまちづくり

・青少年が犯罪等の被害に遭いにくいまちづくり

・安心して外出や外遊びができる環境の整備

(2) 総合的なネットワークづくり

<1> 地方公共団体や民間団体との連携の推進

・官民の連携・協力の下での取組の推進

<2> 関係機関の機能強化,利用しやすいサービス体制づくり

i 専門職の養成・確保

・医療・保健関係専門職

・児童福祉に関する専門職

・思春期の心理関係専門職

・少年補導や非行少年の処遇に関する専門職

・ネットワークの中核的人材

ii 若年・壮年世代も含めた民間協力者の確保と研修

・民間協力者の確保と研修

・同世代又は年齢の近い世代による相談・支援

・体験活動指導者

・民間主体による自主的な活動の促進

(3) 情報・消費環境の変化への対応

<1> 情報・消費環境の変化に対応した知識・能力の習得支援

・メディアを活用する能力の向上

・消費者教育

<2> 青少年を取り巻く有害環境への対応

・青少年インターネット環境整備法の的確な施行等

・携帯電話等をめぐる問題への取組

・性風俗関連特殊営業の取締り等

・酒類,たばこの未成年者に対する販売等の禁止

6 推進体制

(1) 青少年に関する実態等の把握,知見の集積と共有

・調査研究

・調査データ等の共有・活用のための環境整備

(2) 広報及び広聴等

・広報啓発・情報提供等

・広聴活動

(3) 国際的な連携・協力

<1> 国際機関等における取組への協力

<2> 情報の収集・発信

(4) 施策の推進等

<1> 国の関係機関の連携・協働の促進

<2> 関係施策の実施状況の点検・評価

<3> 大綱の見直し

用語

青少年:子どもと若者の総称(0歳からおおむね30歳未満までの者)

大 人:青少年期を脱した者

子ども:乳幼児期(義務教育年齢に達するまで)と学童期(小学生)の者

若 者:思春期(中学生からおおむね18歳まで)と青年期(おおむね18歳からおおむね30歳未満まで)の者

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