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第2部 子ども・若者に関する国の施策

第3章 困難を有する子ども・若者やその家族の支援

第1節 困難な状況ごとの取組

(ニート,ひきこもり,不登校の子ども・若者への支援等)

内閣府では,子ども・若者支援地域協議会の設置の促進を図る「子ども・若者支援地域協議会体制整備モデル事業」を実施している。

また,困難を有する子ども・若者に対する支援に携わる人材の養成を図るため,各種研修を実施している。

ニート等の若者の職業的自立を支援するため,各地域に「地域若者サポートステーション」を設置し,若者の置かれた状況に応じた専門的な相談を行うとともに,地域若者支援機関のネットワークの中核として各機関のサービスが効果的に受けられるようにしており,平成22年度は,設置拠点を拡充(平成21年度の92か所から100か所に増設)するとともに,高校中退者等を対象とした訪問支援(アウトリーチ)による学校教育からの円滑な誘導,学力を含む基礎力向上に向けた継続的支援等を実施している。

(障害のある子ども・若者の支援)

文部科学省では,発達障害を含め障害のある幼児児童生徒への学校における支援体制を充実するため,「特別支援教育総合推進事業」を実施し,「専門家チーム」の設置,教員に指導内容の助言等を行う「巡回相談」の実施,学校と福祉・医療・労働などの関係機関が連携するための「特別支援連携協議会」の設置など,学校や地域における支援体制を強化する取組を行っている。

また,学校の教職員や保護者等に対し,発達障害に関する正しい理解や支援等に関する様々な教育情報や教員研修用の講座等をWEBサイトにて提供するため「発達障害教育情報センター」を独立行政法人国立特別支援教育総合研究所に設置し,厚生労働省とも連携をしながら,必要なコンテンツ等の充実を図っている。

(非行・犯罪に陥った子ども・若者の支援等)

警察では,少年の非行,家出,自殺等の未然防止とその兆候の早期発見や犯罪,いじめ,児童虐待等に係る被害少年等の保護のために少年相談窓口を設け,心理学等の知識を有する少年補導職員や経験豊かな警察官等が,少年や保護者等からの相談を受け,必要な指導や助言を行っている。

また,ヤングテレホンコーナー等の名称で電話による相談を受けているほか,フリーダイヤルを導入したり,FAXや電子メールを活用したりするなど,少年相談を利用しやすい環境の整備に努めている。

政府では,昨今の大学生等を中心とした大麻問題や著名人による薬物事犯の発生等を受け,未然防止対策・再乱用対策を中心に,「第三次薬物乱用防止五か年戦略」(平成20年8月決定)を強化する「薬物乱用防止戦略加速化プラン」(平成22年7月決定)を取りまとめた。

(子どもの貧困問題への対応)

安心こども基金を活用して,平成21年6月から平成23年度末までに修業を開始した者について高等技能訓練促進費の支給期間を修業期間全期間へ延長するなど,母子家庭の母の就業支援策等の充実を図っている。

平成22年8月分より父子家庭の父にも児童扶養手当を支給し(最初の支給時期は平成22年12月),ひとり親家庭の自立支援の拡充を図っている。また,生活保護受給者に対しては,母子加算を支給している。

(困難を有する子ども・若者の居場所づくり)

警察では,少年が非行を繰り返さないために,少年本人に対する助言,指導等の補導を継続的に実施しているほか,社会奉仕活動や社会参加活動等の居場所づくりを推進するなど,少年の規範意識の向上及び社会との絆の強化を図る観点から,問題を抱えた少年の立ち直り支援活動を積極的に推進している。

家庭的な環境の下で児童を養育する「里親制度」について,里親への委託を推進し,里親家庭への支援体制の充実を図るため,平成20年度から「里親支援機関事業」を実施し,里親と関係機関との連絡調整,里親家庭への訪問支援,里親による相互交流の促進など,里親への子どもの養育に関する支援や里親制度の積極的な普及啓発等を総合的に実施している。

児童養護施設等を退所した後に就労・自立を目指す子ども・若者が生活できる自立援助ホームの拡充を図っている。また,児童養護施設の本体施設の支援の下,地域社会の民間住宅を活用して,近隣住民との適切な関係を保持しつつ,家庭的な環境の中で養護するグループホーム(地域小規模児童養護施設)を計画的に整備している。

なお,児童養護施設等を退所し就職をしたものの仕事が続かない子ども・若者や住居等生活の基盤が確保できなくなる子ども・若者に対し,社会的に自立した地域生活を営むことができるよう,施設退所児童等アフターケア事業によりきめ細かな支援を行っている。

(外国人等特に配慮が必要な子ども・若者の支援)

義務教育段階にある外国人の子どもについても,公立の義務教育諸学校へ就学を希望する場合には,国際人権規約等に基づき,日本人児童生徒と同様に無償で受け入れており,教科書の無償配布及び就学援助を含め,日本人と同一の教育を受ける機会を保障している。

平成22年度の新規事業として,<1>就学前の外国人の子どもへの初期指導教室(プレクラス)の実施など,外国人児童生徒の公立学校への受入体制の整備を支援する補助事業(帰国・外国人児童生徒受入促進事業),<2>教員を中心とする関係者が,外国人児童生徒に対して適応指導,日本語指導を行えるような環境づくりを支援することに資する取組(外国人児童生徒の総合的な学習支援事業)を実施している。

第2節 子ども・若者の被害防止・保護

(児童虐待防止対策)

全国の児童相談所における児童虐待に関する相談対応件数は増加を続け,平成21年度には4万4,211件となるなど,依然として,社会全体で早急に取り組むべき重要な課題となっている。

関係機関や民間団体が連携し,子どもを対象とした相談体制の充実や学校・地域における子どもの居場所づくり等の取組を推進するため平成22年1月に設置した「子どもを見守り育てるネットワーク推進会議」(平成22年7月時点で5関係府省と38民間団体が参加)においては,児童虐待を発見しやすい立場にある教育と福祉・医療の関係者が,関係者間における円滑な連携の在り方等について検討している。

(子ども・若者の福祉を害する犯罪対策)

児童ポルノは被害に遭った児童の心身に深刻な影響を与え,その健全な育成を阻害することから,政府は,「児童ポルノ排除総合対策」(平成22年7月犯罪対策閣僚会議決定)を取りまとめた。

本対策では,関係省庁が連携し,児童ポルノ排除に向けた国民運動の推進,被害防止対策の推進,インターネット上の児童ポルノ画像等の流通・閲覧防止対策の推進,被害児童の早期発見及び支援活動の推進等に取り組み,今後3年間を目途に概ね1年ごとにフォローアップを行っていくこととしている。

(いじめ被害,自殺対策)

文部科学省では,「生徒指導・進路指導総合推進事業」において,いじめ等の問題行動が生じた際に外部の専門家の協力を得た効果的な取組の在り方や,いじめの未然防止・早期発見等に関する学校の取組等について自治体が行っている調査研究を支援し,成果の普及を図っている。

警察では,いじめの被害を受けた少年等に対して,保護者及び関係機関・団体との連携を図りつつ,被害少年の性格,環境,被害の原因,ダメージ程度,保護者の監護能力等に応じて,少年サポートセンターが中心となり,少年補導職員によるカウンセリングの継続的な実施等,きめ細かな支援を行っている。

さらに,法務省の人権擁護機関では,専用相談電話「子どもの人権110番」(フリーダイヤル)を開設するなど,子どもが相談しやすい体制の整備に努めている。

自殺総合対策会議において,「いのちを守る自殺対策緊急プラン」(平成22年2月5日決定)を策定し,自殺対策を緊急的に強化した。 同プランにおいては,子どもを対象とする相談体制の強化や,子どもの自殺への対応等について盛り込まれたほか,3月が「自殺対策強化月間」と定められた。

さらに,平成22年の年間の自殺者数を可能な限り減少させるため,平成22年9月7日,自殺総合対策会議の下に自殺対策タスクフォースを設置し,年内に集中的に自殺対策の取組を実施することとしている。

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