(家庭,学校及び地域の相互の関係の再構築)
平成20年度から授業の補助,読み聞かせや環境整備,登下校パトロールなどについて,地域住民がボランティアとして学校をサポートする「学校支援地域本部事業」が実施されており,平成22年5月現在では,1,001市町村で2,528本部が設置されている。こうした取組を通じて,学校と学校外の社会の連携・協力が強化され,開かれた学校づくりの促進も期待される。
平成21年度より「都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業」を創設し,都市公園のバリアフリー化等の安全・安心対策に対する支援を実施している。
(多様な主体による取組の推進)
各市区町村においては,地域の関係機関が子どもやその家庭に関する情報や考え方を共有し,適切な連携の下で対応していくための「子どもを守る地域ネットワーク(要保護児童対策地域協議会)」の設置が進められており,平成21年4月1日現在,要保護児童対策地域協議会又は任意設置の虐待防止ネットワークを設置している市区町村の割合は97.6%である。
(子育て支援等の充実)
保育所の整備等,認定こども園等の新たな保育需要への対応及び保育の質の向上のための研修等を実施するため,平成20年度第2次補正予算において都道府県に「安心こども基金」を創設するとともに,平成21年度第1次・第2次補正予算において増額した。また,平成22年度予算においては,保育所整備に対応した保育所運営費の確保により,子どもを安心して育てることができるような体制整備を進め,保育サービス等の充実・拡充を行っている。
また,平成22年度が実施期限となっていた「安心こども基金」については,「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」(平成22年10月8日閣議決定)において,基金を積み増すとともに事業実施期限を平成23年度まで延長することとした。
(子ども・若者を取り巻く有害環境等への対応)
平成21年6月,青少年インターネット環境整備法に基づき,<1>青少年が自立して主体的にインターネットを利用できるようにするための教育・啓発の推進,<2>保護者が青少年のインターネット利用を適切に管理できるようにするための啓発活動の実施,<3>事業者等による青少年が青少年有害情報に触れないようにするための取組の促進,<4>国民によるインターネット上の問題解決に向けた自主的な取組の推進,を基本的な方針とする青少年インターネット環境整備基本計画が策定された。
今後,同法及び同計画に基づき,関係府省庁や民間団体等が連携して青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境を整備するための施策を実施する。
平成22年2月には,携帯電話のインターネット利用に際しての留意点等を盛り込んだ啓発リーフレットを作成し,全国の小学校6年生全員(約120万人)に配布するとともに,携帯電話の利用に関する家庭でのルールづくり等に関する保護者向けのリーフレットを作成し,都道府県教育委員会・PTA団体等へ配布した。
平成22年3月には,携帯電話利用に際しての犯罪・被害・トラブルの事例を集めた有害情報意識啓発DVDを作成し,各都道府県教育委員会等へ配布した。
総務省では,青少年による携帯電話からのインターネットの利用が進む一方,青少年のCGM(SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に代表される消費者生成メディア)サービス利用に伴う被害が増加していることから,平成21年11月,「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」に「CGM検討WG」を設置し,有識者や関係事業者等による検討を行った。
平成22年5月,検討の成果として,<1>利用者情報の確認強化等のフィルタリングサービスの普及改善に向けた更なる取組の在り方,<2>「ミニメール」(SNS会員間のメッセージ交換サービス)の内容確認に関する法的整理及び実施の在り方,<3>利用者の年齢認証の確実化に向けた取組強化の必要性,を提言として取りまとめ,これを受けて関係事業者等による自主的取組が進められている。