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第1部 子ども・若者の現状

第1章 子ども・若者の成育環境

第1節 子ども・若者の近年の状況

1 子ども・若者人口の現状と推移

子ども・若者人口及び総人口に占めるその割合は,昭和50年以降ほぼ一貫して減少。

人口推計によれば,平成23年10月1日現在の我が国の総人口は1億2779万9000人となっており,このうち,「子ども・若者ビジョン」(平成22年7月決定)でいう子ども・若者(0~29歳)の人口は3637万人で,総人口の28.5%を占めている(第1―1―1図)。

第1-1-1図 子ども・若者人口及び総人口に占める子ども・若者人口の割合の推移

子ども・若者人口を男女別にみると,男子は1859万9000人,女子は1777万1000人で,男子が女子を82万8000人上回っており,女子100人に対して男子105人の割合となっている(第1―1―1表)。

第1-1-1表 年齢別,男女別青少年人口(平成23年10月1日現在)

子ども・若者人口の推移を見ると,昭和50年以降ほぼ一貫して減少している。また,総人口に占める子ども・若者人口の割合も,昭和49年に初めて半数を下回り,その後も低下を続けている。平成23年は28.5%で,前年に比べ0.3ポイント低下した。

2 子ども・若者人口の動態

(1)出生・婚姻

出生数は,近年増減を繰り返している。合計特殊出生率は,緩やかな上昇傾向となっている。

我が国の出生数と合計特殊出生率※1の推移を見ると,昭和22年から24年の第1次ベビーブーム期を経た後,数・率ともに急激に減少・低下した。その後,昭和41年の「ひのえうま」を除けば緩やかな増加傾向となるが,昭和46年から49年の第2次ベビーブーム期を境に減少・低下した(第1―1―2図)。

第1-1-2図 出生数及び合計特殊出生率の年次推移

※1 合計特殊出生率とは,15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので,一人の女性が仮にその年次の年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当する。

その後,出生数は平成3年からは増減を繰り返していたが,平成13年以降は5年連続で減少した。平成18年からは再び増減を繰り返しており,平成22年は前年から増加し107万1304人となった。

合計特殊出生率は,昭和50年代からは低下傾向が続いていたが,平成18年からは3年連続上昇した。平成21年は前年と同率であったが,平成22年は上昇し1.39となった(第1―1―2図)。

また,婚姻について,我が国における平均初婚年齢を見ると,平成22年では,夫30.5歳,妻28.8歳となっている。その推移を見ると,夫婦とも,昭和30年代中頃までは高まる方向で推移し,昭和40年代中頃に一時低下傾向を示したものの,昭和40年代後半から一貫して上昇傾向にある(第1―1―3図)。

第1-1-3図 平均初婚年齢の推移

さらに,18歳から24歳までの各国の青年に,結婚についての考えを聞いたところ,日本と韓国では,「結婚したほうがよい」(日本54.4%,韓国38.4%)と回答した者の割合が最も高く,次いで「結婚すべきだ」(日本22.9%,韓国34.9%)となっている。一方,イギリスやフランスでは,「結婚しなくてもよい」(イギリス36.2%,フランス44.1%)と回答した者の割合が最も高くなっている(第1―1―4図)。

第1-1-4図 世界の青年の結婚観

また,日本の青年の結婚観について時系列比較で見ると,「結婚すべきだ」と回答した者の割合は,平成20年度調査(22.9%)では,前回(平成15年度)調査(16.0%)より約7ポイント高くなっている(第1―1―5図)。

第1-1-5図 日本の青年の結婚観の推移

(2)死亡

乳児死亡率において,我が国は,世界でも有数の低率国であり,平成22年の乳児死亡率は2.3。

平成22年における子ども・若者(0~29歳)の死亡率をみると,5~9歳,10~14歳では「不慮の事故」及び「悪性新生物」が,15~19歳,20~24歳及び25~29歳では「自殺」及び「不慮の事故」が高くなっている(第1―1―2表)。

第1-1-2表 年齢階級・死因順位(1~5位)別にみた死亡率(人口10万対)

一方,地域及び社会全体の保健水準や生活水準を反映する指標の一つと考えられている乳児死亡率(出生1000人当たりの生後1年未満の死亡数)に着目して見ると,我が国においては,戦後,急速な改善をみせ,現在では世界でも有数の低率国であり,平成22年の乳児死亡率は2.3となっている(第1―1―6図)。

第1-1-6図 乳児死亡数・死亡率の推移

乳児死亡の原因としては,戦後直後は肺炎や腸炎等の感染症疾患が多かったが,これらの疾患は,昭和50年には全死因数の10%まで減少し,現在では,「先天奇形,変形及び染色体異常」,「出生時仮死及び周産期に特異的な呼吸障害等※2」,「乳幼児突然死症候群(SIDS)※3」等が高い割合を占めるようになっている(第1―1―3表)。

第1-1-3表 主な死因別乳児死亡数の推移

※2 周産期に特異的な呼吸障害等とは,「新生児の呼吸窮迫」,「周産期に発生した肺出血」,「周産期に発生した心血管障害」及び「その他の周産期に特異的な呼吸障害及び心血管障害」の計である。

※3 乳幼児突然死症候群(SIDS;Sudden Infant Death Syndrome)とは,乳幼児が何の予兆や既往症もないまま睡眠中に突然死亡する疾患であり,未だに原因は解明されていない。

3 子ども・若者の発育

(1)子ども・若者の食育

年齢が上がるのに伴い,子ども・若者の欠食率は上昇。

「平成17年度乳幼児栄養調査」によると,子どもの年齢別にみた「授乳や食事について不安な時期」の割合は,全体として,「出産直後」をピークに減少し,「4~6か月」で再び増加し,「1歳前後」で高くなる傾向にあり,授乳や離乳食の開始時期での親の不安がうかがわれる(第1―1―7図)。

第1-1-7図 乳幼児期の授乳や食事の不安な時期の推移

乳幼児期は,心身機能や食行動の発達が著しい時期であること,また,食習慣の基礎を培い,健やかな親子関係を形成する上でも重要な時期にあることから,保健医療機関等において,発達段階に応じた栄養指導や支援の充実を図ることが重要である。

子どもが豊かな人間性を育み,生きる力を身に付けていくために,また,子どもの健康支援のために「食」は大変重要である。乳幼児期における望ましい食習慣の定着及び食を通じた人間性の形成・家族関係づくりによる心身の健全育成を図るため,保育所では食に関する取組を積極的に進めていくことが求められており,平成21年4月に施行された「保育所保育指針」においても,保育所における食育は,「健康な生活の基本としての「食を営む力」の育成に向け,その基礎を培う」ことを目標としている。そして,子どもが毎日の生活と遊びの中で,食に関わる体験を積み重ね,食べることを楽しみ,食事を楽しみ合う子どもに成長していくこと等に留意して実施しなければならないとしている。

成長期である学童期から思春期においては,健全な食生活の実践を通して,心身の成長とともに,豊かな人間性を育むことが極めて重要である。

生活習慣の形成途上にあるこの時期においては,朝食欠食の問題が見られる。小学生・中学生の朝食の欠食率について,平成22年度全国学力・学習状況調査の結果を見ると,「朝食を毎日食べていますか」という質問に対し,食べていない小学生(あまり食べていない3.0%及び全く食べていない0.6%の合計)は3.6%であり,食べていない中学生(あまり食べていない4.8%及び全く食べていない1.9%の合計)は6.7%である。21年度に比べやや減少しているものの,依然として,小学生・中学生の朝食欠食の割合の高さが目立つ(第1―1―8図)。

第1-1-8図 朝食欠食状況(小学生・中学生)

一方,7~29歳の朝食の欠食率について,国民健康・栄養調査の結果を見ると,平成22年は,7~14歳では,男性5.6%,女性5.2%,15~19歳では,男性14.5%,女性14.0%,20~29歳では,男性29.7%,女性28.6%となっており,年齢が上がるのに伴い欠食率が上昇する傾向にある(第1―1―9図)。

第1-1-9図 朝食欠食状況の推移(7~29歳)

また,「平成22年度全国学力・学習状況調査」の結果より,家庭でのコミュニケーションに関して,「家の人と普段(月~金曜日),夕食を一緒に食べているかどうか」について見ると,「全く食べていない」小学生が2.2%,中学生が4.7%である(第1―1―10図)。

第1-1-10図 家族と一緒に夕食をとる頻度

こうした現状を踏まえ,学童期から思春期においては,健康な食習慣を身に付け,しっかりと維持させるとともに,家族と一緒の食事の機会を充実させるなど,家庭,学校等の連携を通して,健やかな心身の成長のための支援が必要である。

(2)子ども・若者の疾病

子ども・若者の受療率が最も高いのは0歳。

厚生労働省の「患者調査」から平成20年の子ども・若者の受療率(人口10万人当たりの推計患者数)を年齢階級別に見ると,最も高いのは0歳(6867)で,1~4歳(6273)がこれに次いでいる。一方,最も低いのは15~19歳(2037)である。男女別に見ると,0~14歳では男子が高いが,15~29歳では女子が高くなっている。疾病別にみると,0~14歳では呼吸器系の疾患が最も高く,15~29歳では消化器系の疾患が最も高い。

また,性感染症については,「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(平10法114)に基づき,発生動向の調査を行っており,性器クラミジア感染症,性器ヘルペスウイルス感染症,尖圭コンジローマ及び淋菌感染症の4疾病については,指定届出機関(平成23年は全国967の医療機関)からの報告を受けている。10~29歳について年次推移を見ると,報告数の最も多い性器クラミジア感染症の報告数は平成14年をピークに減少しているが,全報告数の58%を占めている(第1―1―11図)。

第1-1-11図 性感染症の報告数の推移(10~29歳計)

HIV感染症については,HIV感染者,AIDS患者を診断した医師が最寄りの保健所に届出を行い,都道府県等がその報告を受け,全数把握を行っているところである。近年においては,新規に報告される感染者のうち,20歳代が全体の約30%を占めており,10歳代のHIV感染者も報告されている(第1―1―12図)。

第1-1-12図 新規HIV感染者数及び新規HIV感染者・新規AIDS患者数の割合の推移

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