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第1部 子ども・若者の現状

第3章 子ども・若者の安全と問題行動

第2節 犯罪や虐待による被害

1 犯罪被害の状況

(1) 少年が被害者となる刑法犯の状況

少年が被害者となった刑法犯の認知件数は,近年減少傾向にある。

平成23年中に少年(20歳未満)が被害者となった刑法犯の認知件数は22万8025件で,前年に比べ2万8190件(11.0%)減少した(第1―3―8図)。包括罪種※6別に見ると,凶悪犯被害が962件,粗暴犯被害が1万2010件で,前年に比べ凶悪犯は73件(7.1%)減少し,粗暴犯は832件(6.5%)減少した。

第1-3-8図 少年の刑法犯被害認知件数の推移

※6 包括罪種とは,刑法犯を「凶悪犯(殺人,強盗,放火,強姦)」,「粗暴犯(暴行,傷害,脅迫,恐喝,凶器準備集合)」,「窃盗犯(窃盗)」,「知能犯(詐欺,横領(占有離脱物横領罪を除く。),偽造,汚職,背任,「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」に規定する罪)」,「風俗犯(賭博,わいせつ)」,「その他の刑法犯(公務執行妨害,住居侵入,逮捕監禁,器物損壊等上記に掲げるもの以外の刑法犯)」の6種に分類したもの。

また,学職別に見ると高校生が一番多く9万7401件で,前年に比べ1万2932件(11.7%)減少した。

凶悪犯被害について年次推移を見ると,高校生の被害は平成14年,中学生の被害は平成15年をピークに,それぞれ減少傾向にあるが,小学生及び未就学については,ほぼ横ばい傾向にある。

(2) 少年の福祉を害する犯罪

福祉犯の被害者となった少年は,前年に比べ減少。

平成23年中,「児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」(平11法52。以下,「児童買春・児童ポルノ禁止法」という。)違反,「児童福祉法」(昭22法164)違反,青少年保護育成条例違反等の福祉犯の被害者となった少年は7332人で,前年に比べ8人(0.1%)減少した。学職別では,高校生が3243人(44.2%)と最も多く,次いで中学生となっている(第1―3―9図)。

第1-3-9図 少年の福祉犯被害者数(学職別)の推移

このうち,「児童買春・児童ポルノ禁止法」に係る被害者となった少年は,平成23年中に1219人であり,前年に比べ136人(10.0%)減少した。

2 児童虐待の状況

全国の児童相談所における児童虐待に関する相談対応件数は,増加の一途をたどり,児童虐待問題は依然として社会全体で早急に解決すべき重要な課題である。

(1) 児童相談所における相談対応件数等

児童虐待に関する相談対応件数は,年々増加。身体的虐待が最も多く,以下ネグレクト,心理的虐待の順になっている。

(平成22年度は,東日本大震災の影響により,福島県を除いて集計した数値。)

ア 虐待に関する相談対応件数

児童虐待に関する相談対応の件数は,年々増加しており,平成22年度は5万6384件(前年度比27.5%増)となっている(第1―3―10図)。

第1-3-10図 児童相談所における児童虐待に関する相談対応件数の推移

イ 虐待の内容別相談対応件数

虐待の内容では,平成22年度は身体的虐待が38.2%と最も多く,次いでネグレクトが32.5%,以下,心理的虐待,性的虐待の順となっている(第1―3―2表)。

第1-3-2表 児童相談所における児童虐待に関する相談の内容別件数

ウ 虐待を受けた児童の年齢構成

0歳~就学年齢以前の乳幼児が,全体の43.8%を占めており,虐待が早期から始まっていることを示している(第1―3―3表)。

第1-3-3表 児童相談所における児童虐待に関する相談の年齢構成

エ 主たる虐待者の推移

主たる虐待者は,平成22年度においては実母が3万4060件(60.4%)と最も多く,次いで実父が1万4140件(25.1%)となっている(第1―3―11図)。

第1-3-11図 主たる虐待者の推移

(2) 児童虐待事件検挙件数

警察が検挙した児童虐待事件は,最近5年間で約1.3倍。

平成23年中に警察が検挙した児童虐待事件は384件(前年比32件(9.1%)増)であり,検挙人員は409人(前年比24人(6.2%)増)であった。被害児童は398人(前年比38人(10.6%)増)であり,そのうち,死亡児童数は39人(前年比6人(18.2%)増)であった。

年次推移をみると,最近5年間で検挙件数は約1.3倍となっている(第1―3―12図)。

第1-3-12図 児童虐待事件検挙件数の推移

3 要保護児童の状況

(1) 乳児院及び児童養護施設

平成23年度の乳児院及び児童養護施設※7の入所児童数は,乳児院3000人,児童養護施設2万9744人となっている。また,入所率は乳児院77.7%,児童養護施設86.3%となっている(第1―3―13図)。

第1-3-13図 乳児院及び児童養護施設の入所児童数等の推移

※7 乳児院は,乳児(保健上,安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には,幼児を含む。)を入院させて,これを養育し,あわせて退院した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設である。児童養護施設は,保護者のない児童(乳児を除く。ただし,安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には,乳児を含む。),虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて,これを養護し,あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設である。

入所理由別にみると,平成20年現在において,乳児院では「父母の性格異常・精神障害」629件(19.1%),「父母の虐待・酷使」303件(9.2%),「父母の放任・怠だ」289件(8.8%),「両親の未婚」260件(7.9%),児童養護施設では「父母の虐待・酷使」4542件(14.4%・平成10年比2.9倍),「父母の放任・怠だ」4361件(13.8%・平成10年比1.9倍)が近年多くなっている。一方,父母の離婚や行方不明は大きく減少している(第1―3―14図,第1―3―15図)。

第1-3-14図 養護問題発生理由別児童数(乳児院)

第1-3-15図 養護問題発生理由別児童数(児童養護施設)

(2) 自立援助ホーム

自立援助ホームのか所数は前年度より増加。

平成23年度の自立援助ホーム※8の数は82か所となっており平成22年度と比較すると,9か所増加している(第1―3―16図)。

第1-3-16図 自立援助ホームのか所数及び在籍人員数の推移

※8 自立援助ホームは,児童養護施設を退所した20歳未満の子ども等を対象とし,共同生活の中で,日常生活上の援助や就労支援を行うことで自立支援を行う事業である。

また,在籍人員数について見ると,平成23年度は347人となっている。

(3) 里親及びファミリーホーム

平成13年度以降,委託児童数が急増。平成13年度との比較で約2.0倍。

平成22年度の里親及びファミリーホーム※9への委託児童数は4373人となっている(第1―3―17図)。

第1-3-17図 里親等委託児童数の推移

※9 里親とは,養育里親及び4人以下の要保護児童の養育を希望する者であって,養子縁組によって養親となることを希望する者等のうち,都道府県知事が適当と認めるものをいう。また,ファミリーホームとは,要保護児童の養育に関し相当の経験を有する者等の住居において養育を行う事業である。

平成13年度以降,委託児童数が急増しており,平成22年度には,平成13年度の約2.0倍となっている。

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