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第2部 子ども・若者に関する国の施策

第2章 すべての子ども・若者の健やかな成長の支援

第3節 子ども・若者の健康と安心の確保

1 健康の確保・増進

(1) 安心で安全な妊娠・出産の確保,小児医療の充実

ア 安心で安全な妊娠・出産の確保(厚生労働省)

「子ども・子育てビジョン」に基づき,安心して妊娠・出産できるよう,平成24年度についても,妊婦健康診査に対する公費助成を継続する(平成23年度第4次補正予算)など,妊娠や出産に係る経済的負担の軽減,周産期医療体制の整備・救急搬送受入体制の確保や不妊治療への支援を図っている。

また,妊娠期から育児期を通して安心して健康に過ごせるよう,平成24年度から新しい様式の母子健康手帳の運用を開始するなど,妊娠・出産等に関する情報提供や相談支援体制の整備を行うとともに,マタニティマーク等の普及啓発に努め,妊産婦に優しい環境づくりの推進に取り組んでいる。

イ 地域保健の充実(厚生労働省)

妊産婦と乳幼児の心身の健康保持・増進のため,市町村において,妊産婦・乳幼児に対する健康診査や保健指導等の母子保健事業を推進している。

ウ 小児医療の充実(厚生労働省)

子どもが地域において,いつでも安心して医療サービスを受けられるよう,都道府県が定める医療計画を通じて,小児医療(小児救急医療を含む。)に係る医療提供施設相互の医療連携体制の構築を推進するとともに,小児初期救急センターや小児救急医療拠点病院,小児救命救急センター等の整備の支援や,保護者等の不安解消等のための小児救急電話相談事業(#8000)実施の支援などにより,小児救急医療を含め,小児医療の充実を図っている。

平成24年度診療報酬改定においても,平成22年度診療報酬改定に引き続き,小児救急患者に対する急性期の救命医療の評価を充実したところである。

(2) 思春期特有の課題への対応(文部科学省,厚生労働省,各省庁)

思春期の若者には,その年代に特有の課題として飲酒や喫煙,薬物乱用,性に関する問題等があり,政府では,これらの問題発生の防止等について,次のような取組を推進している。

学校における飲酒・喫煙防止教育については,未成年の段階から飲酒や喫煙をしないという態度を育てることをねらいとして,学校の教育活動全体を通じて行われている。

文部科学省では,子どもが自らの心と体の健康を守ることができるよう,喫煙,飲酒,薬物乱用等について総合的に解説した教材を作成・配布している。

学校における性に関する指導については,児童生徒が性に関して心身の発育・発達と健康,性感染症等の予防等に関する知識を確実に身に付け,適切な行動を取れるようにすることを目的として実施されており,体育科,保健体育科,特別活動,道徳等を中心に学校教育全体を通じて指導することとしている。

なお,指導に当たっては,児童生徒の発達の段階を踏まえること,学校全体で共通理解を図ること,保護者の理解を得ること等に配慮すること,集団指導と個別指導の連携を密にして効果的に行うこと等に配慮することが大切である。

厚生労働省では,「健康日本21」及び「健やか親子21」において,未成年者による喫煙及び飲酒の根絶を目標に掲げており,シンポジウム,ホームページ等の手段を活用して,喫煙及び飲酒による健康に対する影響について情報提供を行っている。

さらに,「健やか親子21」では,10代の人工妊娠中絶の実施率,性感染症罹患率及び女性の思春期やせ症の発生頻度の減少を実現することを目標とし,正しい知識の普及啓発等各種の取組を推進している。

また,さらに,薬物乱用防止対策として,「麻薬・覚せい剤乱用防止運動」等を通じて広報啓発を積極的に展開している。

近年,青少年による大麻の乱用が問題となっていることから,大麻の有害性・違法性※9に関する正しい知識の周知に努めるとともに,文部科学省と連携し,小学校から大学生等に向けて,広く薬物乱用防止に係る啓発資料を作成し配布している。

※9 薬物乱用防止に関する情報 厚生労働省別ウインドウで開きます

(3) 健康教育の推進(文部科学省)

平成20年6月に「学校保健法」(昭33法56)の改正が行われ,平成21年4月に「学校保健安全法」として施行された。今回の改正においては,養護教諭と関係教職員が連携した組織的な保健指導や,地域の医療機関その他の関係機関との連携による児童生徒等の救急処置・健康相談・保健指導の充実等が図られたところである。

2 相談体制の充実

(1) 学校における相談体制の充実(文部科学省)

児童生徒の問題行動等や不登校の未然防止及び早期発見・早期対応のためには,子どもたちの悩みや不安を受け止めて相談に当たることや,関係機関等と連携して必要な支援をしていくことが大切である。

平成20年6月には「学校保健法」の改正が行われ,平成21年4月に「学校保健安全法」として施行された。今回の改正において,養護教諭と関係教職員が連携して健康相談や保健指導を行うことや,必要に応じて地域の医療機関その他の関係機関と連携して健康相談や保健指導を行うことが規定されたところである。

また,「心の専門家」であるスクールカウンセラー等を平成23年度においては,全公立中学校約1万校及び公立小学校約1万2000校に配置できるよう必要な経費を支援するとともに,子ども等がいつでも相談できるよう,各都道府県及び指定都市の教育委員会が実施している電話相談について,夜間・休日を含めた24時間体制で対応できるよう必要な経費を支援している。

さらに,児童生徒の問題行動等の状況や背景には,児童生徒の心の問題とともに,家庭,友人関係,地域等の児童生徒が置かれている環境の問題が複雑に絡み合っているものと考えられる。そこで,教育分野に関する知識に加えて,社会福祉等の専門的な知識・技術を有するスクールソーシャルワーカーが,児童生徒が置かれた様々な環境に働き掛けたり,児童相談所等の関係機関等とのネットワークを活用するなど多様な方法を用いて,問題を抱える児童生徒に支援を行うことができるよう,その適切な配置に必要な経費を支援している。

平成22年3月には生徒指導に関する学校・教員向けの基本書として「生徒指導提要」を作成し,各教育委員会及び学校に配布した。本書では,教育相談の体制づくり,スクールカウンセラー,専門機関等との連携について解説している。

(2) 地域における相談,医療機関での対応(厚生労働省)

少子化や核家族化の進行,地域のつながりの希薄化等社会環境が変化する中で,身近な地域に相談できる相手がいないなど子育てをする者が孤立化し,負担感が大きくなっている。

このようなことから,身近な場所に子育て親子が気軽に集まって,相談・交流ができる「地域子育て支援拠点(ひろば型,センター型及び児童館型)」の設置を推進している。

さらに,地域においては,若者の心の健康,薬物乱用防止,薬物依存症,性感染症対策等に関する相談の充実を図るとともに,医療機関による対応の充実を図っている。特に,性に関する健全な意識を涵養し,正しい理解の普及を図るため,価値観を共有する同世代の仲間による相談・教育活動(「ピア・カウンセリング」及び「ピア・エデュケーション」)を普及させるなど相談体制の充実を進めている。

障害児については,市町村が障害児やその保護者からの各種の相談に応じるとともに,障害者自立支援法等の一部改正により,平成24年4月から福祉サービスの利用の支援を行う障害児相談支援の創設等,その充実を図ることとしている。

また,様々な子どもの心の問題,被虐待児の心のケア及び発達障害に対応するため,都道府県における拠点病院を中核とし,各医療機関や保健福祉機関等と連携した支援体制の構築を図るための事業を平成20年度から3か年のモデル事業として実施してきたところであり,平成23年度から,本モデル事業の成果を踏まえ,「子どもの心の診療ネットワーク事業」として本格実施している。

さらに,妊娠や出産等の悩みを抱える者に対して,訪問指導等の母子保健事業を活用した支援や,保健医療施設等の相談者が利用しやすい施設において実施する女性健康支援センター事業を通じ,相談体制の充実を図っている。その他,不妊専門相談センター事業により,不妊治療等に関する相談支援を行っている。

薬物問題に関連する相談窓口については,厚生労働省ホームページ等で紹介しており,平成22年度実績で,保健所6931件,精神保健福祉センター3474件の相談があった。

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