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第2部 子ども・若者に関する国の施策

第2章 すべての子ども・若者の健やかな成長の支援

第4節 若者の職業的自立,就労等支援

1 就業能力・意欲の習得

(1) 勤労観・職業観と職業的自立に必要な能力の形成

ア キャリア教育・職業教育の推進(文部科学省,厚生労働省,経済産業省)

平成23年1月,中央教育審議会において「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」の答申が行われた※10

※10 今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について 文部科学省別ウインドウで開きます

答申では,若年者の完全失業率や非正規雇用率の高さ,若年無業者や新卒者の早期離職者の存在など「学校から社会・職業への移行」が円滑に行われていないこと,また,コミュニケーション能力など職業人としての基本的な能力の低下や,職業意識・職業観の未熟さ,進路意識・目的意識が希薄なまま進学する者の増加など「社会的・職業的自立」に向けた課題が見られることを指摘している。

このような中,学校教育は,重要な役割を果たすものであり,答申では,人々の生涯にわたるキャリア形成を支援する観点から,次の3つの基本的方向性に沿った具体的な方策が提言されている。

<1> 幼児期の教育から高等教育に至るまでの体系的なキャリア教育の推進

<2> 実践的な職業教育の重視と職業教育の意義の再評価

<3> 生涯学習の観点に立ったキャリア形成支援(生涯学習機会の充実,中途退学者等の支援)

厚生労働省では,キャリア教育の充実を図る観点から,厚生労働行政としてこれまで培ってきたキャリア・コンサルティングの専門性を活かし,キャリア教育の企画・運用を担う人材を養成するための講習を行う「キャリア教育専門人材養成事業」を実施している。平成22年度は,高校のキャリア教育に携わる者を対象に実施し,平成23年度は,中学のキャリア教育に携わる者を対象に実施したところである。平成24年度は大学等のキャリアセンターの中核人材等を対象に講習を実施し,大学等におけるキャリア教育を推進するとともに,大学等におけるキャリア・コンサルタントの活用促進を図ることとしている。

経済産業省では,平成17年度から平成19年度にかけて,キャリア教育の支援組織(コーディネーター)を活用し,初等中等教育の段階から働く意義や面白さの理解を深めるための教育を行う「地域自律・民間活用型キャリア教育事業」を実施し,これらのノウハウ等を「キャリア教育ガイドブック」として取りまとめ,公表した※11

※11 キャリア教育ガイドブック 経済産業省別ウインドウで開きます

こうした地域一体となったキャリア教育の推進モデルに対するニーズの高まりを受け,平成20年度からはキャリア教育をコーディネートする人材を育成する「キャリア教育民間コーディネーター育成・評価システム開発事業」を開始し,平成22年度には,「キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会」が設立され,同協議会がコーディネーターの育成・研修事業や認定等を行っている。また,平成22年度より先進的な教育支援活動を行っている企業・団体を表彰する「キャリア教育アワード」を創設し,キャリア教育の普及・推進を行っている。

また,経済産業省では,学生と中小・中堅・ベンチャー企業との間にある就職におけるミスマッチの解消のため,大学教育等を通じて学生と中小・中堅・ベンチャー企業を結びつける機会を提供することで,これら企業の魅力を感じてもらい,職業選択時の視野拡大や職業観・勤労観を養うプロジェクトを実施した。具体的には,企業経営者等によるリレー講義や,企業への取材やインターンシップを通して企業の魅力を発信するレポートの作成,そしてこれら取組を発信するホームページの開設などを実施した。約220社の協力を得て,全国40大学,約1400名が参加しており,アンケートによると,事業に参加した約7割の学生が就職先として「中小企業」を考えるようになったとの回答があった。

イ 職業に関する体験学習のためのプログラム等(厚生労働省)

ハローワークにおいて,企業で働く者等を講師として中学校や高等学校等に派遣し,職業や産業の実態,働くことの意義,職業生活等に関して生徒に理解させ,自ら考えさせる「キャリア探索プログラム」を実施しており,平成23年度には,約3376校において,約32万人の生徒が参加した(数値はいずれも暫定値)。

ウ インターンシップ(就業体験)の推進(文部科学省,厚生労働省,国土交通省)

職場体験やインターンシップ(就業体験)は,生徒が教員や保護者以外の大人と接する貴重な機会となり,異世代とのコミュニケーション能力の向上が期待されること,生徒が自己の職業適性や将来設計について考える機会となり,主体的な職業選択の能力や高い職業意識の育成が促進されること,学校における学習と職業との関係についての生徒の理解を促進し,学習意欲を喚起すること,職業の現場における実際的な知識や技術・技能に触れることが可能となることなど,極めて高い教育効果が期待され,キャリア教育の中核的な取組の一つとして,文部科学省としても,学校における職場体験,インターンシップの普及・促進に努めている。

公立中学校における職場体験は実施率が97.1パーセント(平成22年度)と,ほとんどの中学校において実施されているが,職場体験活動を一過性のイベントとして終わらせるのではなく,体験活動とそのための事前指導・事後指導を日常の教育活動と関連付け,体系的・系統的な指導が可能となるよう,さらなる工夫も必要となっている。

また,公立高等学校(全日制・定時制)におけるインターンシップの実施率は67.4パーセントとなっているが,その参加は希望制となっている学校が多いため,在学中にインターンシップを体験した生徒の割合は,全体で29.0パーセント,普通科では16.7パーセントとなっており,生徒の参加率の向上が期待されている。

国土交通省では,砂防を専攻する大学生や砂防に関心を持つ大学院・大学の学生を対象に,砂防事業等の現場体験,地元の人々との共同作業や生活を通じて,中山間地域に果たす砂防の役割等を体験的に学ぶキャンプ砂防を推進している。

エ 女性若年層に対する就業促進(内閣府,文部科学省,厚生労働省)

内閣府では,女性若年層に対して,女性の進出が遅れている理工系等の分野に関する情報提供等を行っている。

厚生労働省では,女子学生等が的確に職業や進路を選択するために,自らの将来を多角的に考える契機となる資料を作成し,大学や高等学校を通じて配布することにより,意識啓発を図っている。

独立行政法人国立女性教育会館では,多様なキャリア形成を支援するための研修や,情報提供システムの運用に加えて,女性学生を対象に,就業も含めた女性としての生涯(ライフサイクル)形成の考え方を学ぶ研修を大学と連携して実施している。

(2) 能力開発(文部科学省,厚生労働省)

職業に必要な知識・技能を習得させることにより若者の就職を支援するため,国及び都道府県は,公共職業能力開発施設のほか,大学,短大等を含む多様な民間教育訓練機関等も活用しつつ,公共職業訓練を実施している。

また,平成23年10月,雇用保険を受給できない若者等に対し,職業訓練の実施,訓練期間中の生活を支援するための給付金の支給,ハローワークにおける就職支援を一体的に実施する求職者支援制度を開始した。

厚生労働省では,フリーター等の正社員経験の少ない者を含め,広く求職者等を対象として,

○ ジョブ・カードを活用した,きめ細かなキャリア・コンサルティング

○ 企業実習と座学を組み合わせた訓練を含む実践的な職業訓練(職業能力形成プログラム)の機会の提供

○ 企業や訓練実施機関からの能力評価や職務経歴等のジョブ・カードへの取りまとめ

を行い,安定的な雇用への移行等を促進するジョブ・カード制度を推進している(第2―2―1図)※12

※12 ジョブ・カード制度とは 厚生労働省別ウインドウで開きます

第2-2-1図 ジョブ・カード制度の活用による就職促進の流れ

また,工業高校や職業訓練校等で技能を学ぶ学生や訓練生等を対象として,若年技能者の人材育成を目的とした3級技能検定を毎年実施しており,若年者の技能修得意欲を向上させるとともに,技能及び職業に関する教育訓練の成果を社会一般の評価として明確化するなど,能力を軸とした若年労働市場の基盤整備を図っている。

さらに,文部科学省では,産業界等のニーズを踏まえた中核的専門人材養成を戦略的に推進していく観点から,各成長分野における人材育成に係る取組を先導する広域的な産学コンソーシアムを組織化し,中核的専門人材養成のためのあらたな学習システムを整備する取組を行った。

2 就労等支援の充実

(1) 高校生等に対する就職支援(文部科学省,厚生労働省)

文部科学省では,各都道府県教育委員会等に対し,都道府県労働局と連携した一層の求人開拓と未就職卒業者への配慮を依頼するとともに,経済団体に対しても,新規高等学校卒業者等の求人枠の維持・拡大や,求人秩序の確立,適正な採用選考の実施等について要請している。

また,地方交付税措置において,進路指導主事等と連携して,就職を希望する生徒に就職相談・求人企業の開拓等を行う「高等学校就職支援教員」(ジョブ・サポート・ティーチャー)を配置する経費が措置されており,高等学校において活用されている。

厚生労働省では,ジョブサポーター※13を活用し,保護者等も対象に在学中からの働く意義や職業生活についての講習,地元企業を活用した高校内企業説明会,関係者への積極的な情報発信等学校と一体となった就職支援を実施する。

※13 ハローワークにおいて又は高校・大学等に出向き,学生・生徒への就職活動の相談,職業適性検査,就職活動についてのセミナーの開催等により,新卒者・既卒者一人一人の就職を支援している。また,企業を訪問しての求人開拓,地域の中小企業と新卒者等とのマッチングを実施している。ジョブサポーターの支援により平成23年度は約16.3万人の就職が決定した。平成24年度は全国に2300人を配置。

(2) 大学生等に対する就職支援等

ア 学生に対する就職支援と就業能力向上(文部科学省,厚生労働省,経済産業省)

学生の厳しい雇用情勢を受け,文部科学省では,関係省庁と連携しつつ,大学等のキャリアカウンセラーとハローワークのジョブサポーターとの連携の促進などによる大学等における就職支援体制の強化を行っている。

さらに,政府全体としては(社)日本経済団体連合会などの経済団体・業界団体等に対して,文部科学,厚生労働及び経済産業の3大臣から新規学校卒業者の採用拡大等に関する要請を行うなど,関係府省が連携しつつ,新卒者及び既卒者の支援に取り組んでいる。

また,学生の資質能力に対する社会からの要請や,学生の多様化に伴う卒業後の職業生活等への移行支援の必要性が高まっていることから,大学等が教育課程の内外を通じて社会的・職業的自立に関する指導等に取り組む体制を整えることについて,平成22年2月に「大学設置基準」及び「短期大学設置基準」が改正され,平成23年4月からすべての大学で取り組まれることになった。これを踏まえ,文部科学省では,各大学が教育課程内外にわたり就業力の育成等を目指す取組等を総合的に支援していくこととしている。

厚生労働省では,新卒者・既卒者専門の「新卒応援ハローワーク」を全国に設置(平成24年4月1日現在,57か所)し,広域的な求人情報の提供や,就職支援セミナー・面接会の実施を行っている。平成23年度はのべ約58万人が利用し,約7.5万人が就職決定した。また,ジョブサポーター※13を活用し,学生等にきめ細かな支援を行うとともに,大学等と一体となった就職支援や中小企業とのマッチングを進めている。

経済産業省では,職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力を,「社会人基礎力」(「前に踏み出す力」,「考え抜く力」及び「チームで働く力」)として整理し,大学教育を通した育成や評価の取組の普及を図っている。具体的には,全国のモデル大学におけるゼミ・研究室等の教育活動を通して体系的には社会人基礎力の育成・評価を実施するプログラムの開発や,そうした教育活動をより多くの大学に普及させるための「社会人基礎力育成事例研究セミナー」の開催,ノウハウブック「社会人基礎力育成の手引き」の制作を行った。平成23年度から事業を民間に移管し,日本の人材育成のあり方や社会人基礎力の普及・促進について検討する,「社会人基礎力人材育成協議会」を設置・開催している。平成20年からは,大学におけるゼミや研究室等の取組を通した,「社会人基礎力」の成長の様子を学生が発表する「社会人基礎力育成グランプリ」を開催し,平成24年は,全国から88大学(108チーム)が参加し,全国6都市で予選大会を開催するなど広がりを見せている。

また,中小・中堅・ベンチャー企業と若年者とのミスマッチの解消を図るため,平成22年度補正予算により,既存のジョブカフェにおける雇用意欲のある企業の人材確保の取組を拡充し,これまでの既卒者に加え,新たに新卒者(現・大学4年生等)を採用する意欲のある企業の求人開拓の一層の深掘り,そうした企業の情報発信や若者との出会いの場の設置等を行う事業について,22道府県を支援した。

加えて,若い人材を採用して成長したいとする中小企業と,社会に出て活躍したいとする新卒者等とのマッチングを支援する「ドリーム・マッチプロジェクト」において,インターネット求人サイト等を活用して,中小企業と新卒者等の求人と求職のミスマッチの解消を図った。平成23年度の実績は,参画企業数:3124社,登録学生数:1万6621名,内定者数:1344名であった。

文部科学,厚生労働及び経済産業の3大臣から新規学校卒業者の採用拡大等に関する要請を行うなど,関係府省が連携しつつ,新卒者及び既卒者の支援に取り組んでいる。

イ 秩序ある就職・採用活動への取組(文部科学省)

大学等卒業予定者の就職採用活動については,学生の学修に支障なく,秩序ある形で行われるように,かつ,学生が適切な職業を選択するための公平な機会が得られるようにするという観点から,大学側と企業側との間で,昭和28年以来「就職協定」に基づき行われていた。その後,実態との乖離が生じていたこと等を踏まえ,協定に代えて,平成9年度から,大学側が「大学,短期大学及び高等専門学校卒業予定者に係る就職について(申合せ)」を,企業側が「新規学卒者の採用・選考に関する企業の倫理憲章」をそれぞれ定め,双方が各大学等・企業へ十分周知し,尊重する形となっている。

平成24年度(平成25年3月)卒業予定の学生の就職・採用活動については,平成22年度と同様に,大学側(国公私立大学等で構成される「就職問題懇談会」)が「平成23年度大学,短期大学及び高等専門学校卒業・修了予定者に係る就職について」の申合せを行い,企業側((社)日本経済団体連合会)が「大学卒業予定者・大学院修士課程修了予定者などの採用選考に関する企業の倫理憲章」(以下「倫理憲章」という。)を定め,双方がそれぞれを尊重する形で行う予定である。

文部科学省では,両者の合意を尊重し,学生の就職・採用活動が公平・公正かつ秩序ある形で行われるよう,その趣旨を周知徹底するため,各大学等に対し,通知した。

さらに,大学側,企業側団体,労働団体及び関係府省が参加して,就職採用活動の長期化・早期化,雇用のミスマッチ等の問題について意見交換を行う場として平成22年度に「新卒者等の就職採用活動に関する懇話会」を設け,平成22年11月22日に第1回,平成23年2月16日に第2回,平成23年度7月20日に第3回を開催した。

ウ 若者に対する就職支援(厚生労働省)

<1> ハローワークにおけるフリーター等正規雇用化支援

厚生労働省では,ハローワークにおいて,フリーター等が安定した職に就くことができるよう,支援対象者一人一人の課題に応じて,正規雇用化に向け,一貫したきめ細かな支援を実施している。

<2> 若年者等トライアル雇用制度等の助成制度の活用による就職促進

厚生労働省では,職業経験,技能,知識の不足等により就職が困難な若年者等について,一定期間(原則3か月)試行的に雇用することにより,業務遂行に当たっての適性や能力等を見極めるとともに,求職者及び求人者の相互理解を促進し,その後の正規雇用への移行を図る若年者等トライアル雇用を実施し,事業主に対し「試行雇用奨励金」(1人月4万円,最長3か月)を支給している。

<3> 若年求職者に対する職業能力開発支援

厚生労働省では,フリーター等の正社員経験の少ない若者に対して,企業実習と座学を組み合わせた訓練を含む実践的な職業訓練の機会を提供するジョブ・カード制度を推進することにより,安定的な雇用等への移行を促進している。

(3) 職業的自立に向けての支援(厚生労働省,農林水産省,経済産業省)

ア 包括的な就職支援施策

関係府省の政策の連携強化及び総合的な推進を図るとともに,地域による若年者対策への主体的な取組を推進するため,地方公共団体,産業界,学校等の連携の下,地域において,若者に就職支援サービスを提供する「若年者のためのワンストップサービスセンター(以下「ジョブカフェ」という。)」事業を平成16年度から開始した。

厚生労働省においては,都道府県が設置するジョブカフェ(平成23年4月現在46都道府県に設置),において,民間団体に委託して企業説明会や各種セミナー等の事業(若年者地域連携事業)を実施するほか,都道府県からの要望に応じ,ジョブカフェにハローワークを併設(平成23年4月現在40都道府県において併設)し,若者を対象とした職業相談・職業紹介を行うなどの支援を行っている。平成23年度の実績は,サービス利用者数は約184万人,就職者数は約10.9万人に上る(数値はいずれも暫定値)。

また,経済産業省では,中小・中堅・ベンチャー企業と若年者とのミスマッチ解消を図るため,平成22年度補正予算により,既存のジョブカフェにおける雇用意欲のある企業の人材確保の取組を拡充し,これまでの既卒者に加え,新たに新卒者(現・大学4年生等)を採用する意欲のある企業の求人開拓の一層の深掘り,そうした企業の情報発信や若者との出会いの場の設置等を行う事業について,22道府県を支援した。

農林水産省においては,担い手不足の深刻化や高齢化といった厳しい状況に直面している我が国の農林漁業の再生に向けて,農林漁業に意欲と関心を持った若者が安心して就業していけるよう各般の支援策を講じている。

具体的には,農業においては,就農時の資金の無利子貸付け,農業法人への雇用支援,就農に向けた情報提供などの支援を実施しているところである。

また,林業の担い手を確保・育成するため,平成23年度は「緑の雇用」現場技能者育成対策により,林業就業に意欲を有する若者等に対する就業相談会を開催,林業に必要な基本的な知識や技術・技能を習得するためのOJT研修等や現場管理責任者等へのキャリアアップ研修に対しても支援を実施するとともに,研修修了者のレベルに応じて農林水産大臣が備える名簿に登録できる制度を創設した。さらに,林業の作業実態や就労条件等の理解を図るための3か月程度のトライアル雇用に対しても引き続き支援を実施している。

さらに,漁業の新たな担い手を確保・育成するため,漁業就業希望者への情報提供,就業準備講習会や漁業就業相談会の開催,漁業現場での長期研修等を実施し,経験ゼロからでも円滑に漁業に就業できるよう,就業までの各段階に応じたきめ細かな支援措置を講じている。また,平成23年度補正予算により,東日本大震災からの復興に必要な担い手を確保・育成するため,漁業関係の雇用機会を通じた若青年漁業者の技術習得の支援や漁家子弟の就業等の支援を実施している。

イ 勤労青少年への福祉対策(厚生労働省)

勤労青少年への福祉対策については,「勤労青少年福祉法」(昭45法98)及びこれに基づき厚生労働大臣が定める「勤労青少年福祉対策基本方針」により,総合的かつ計画的に推進している。

<1> 「勤労青少年福祉対策基本方針」

「勤労青少年福祉対策基本方針」については,昭和46年度以来これまで数次にわたり策定してきたが,その間,少子・高齢化,技術革新,国際化等経済・社会情勢や雇用情勢が急激に変化するとともに,勤労青少年の高学歴化,就業意識の変化,多様化が進んでおり,勤労青少年福祉対策の推進に当たっては,こうした状況変化に的確に対応していくことが求められている。

特に,将来の活力ある社会を担う勤労青少年には,これまで以上に主体的,積極的に自己を確立し,可能性を伸ばすこと,有為な社会人及び職業人として成長し,その責任を果たすことが強く期待されている。

こうした状況を踏まえ,平成23年4月に策定された「第9次勤労青少年福祉対策基本方針」(平成23~27年度)においては,勤労青少年をはじめとした若者のより充実した職業生涯の実現に向け,その基盤となるキャリア形成の促進,自立を支える社会ネットワークの構築を目指し,勤労青少年福祉対策の一層の推進を図ることとしている。

<2> 「勤労青少年の日」を中心とした啓発活動

「勤労青少年の日」は,広く国民が勤労青少年の福祉についての関心と理解を深めるとともに,働く若者の社会人及び職業人としての自主的な努力を励ますために設けられており,「勤労青少年福祉法」第5条の規定により,毎年7月の第3土曜日と定められている。平成23年は,7月16日であり,その日を中心に,地方公共団体等の主催により記念式典,スポーツ・レクリエーション大会等が各地で実施された。

(4) 起業支援(厚生労働省,経済産業省)

経済産業省では,多様な事業者による新規事業の成長を支援するため,女性・若者/シニア起業家支援資金制度により,女性や若年者(30歳未満)又は高齢者(55歳以上)のうち,新規開業しておおむね5年以内の者に対して,株式会社日本政策金融公庫による低利融資を実施している。

厚生労働省では,雇用保険の受給資格者自らが事業を起こし,1年以内に雇用保険の適用事業の事業主となった場合に,創業に係る経費の一部を助成する制度により,失業者の自立を積極的に支援している※14

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