前頁 次頁

第2部 子ども・若者に関する国の施策

第4章 子ども・若者の健やかな成長を社会全体で支えるための環境整備

第2節 大人社会の在り方の見直し

1 雇用・労働の在り方の見直し

(1) 新たな「憲章」・「行動指針」に基づく取組の推進(内閣府)

平成19年12月,「仕事と生活の調和推進官民トップ会議」(経済界,労働界,地方公共団体の代表者,関係閣僚等により構成。以下「トップ会議」という。)において,「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及びその「行動指針」が策定されて以降,経済情勢等の変化や,労働基準法及び育児・介護休業法等の改正等の施策の進展を受け,平成22年6月,「憲章」・「行動指針」を改定した。

また,「行動指針」には,就業率,フリーターの数,週労働時間60時間以上の雇用者の割合,年次有給休暇取得率,第1子出産前後の女性の継続就業率等,仕事と生活の調和した社会の実現に向けた各主体の取組を推進するための社会全体の目標として,2020(平成32)年までの数値目標が設定されている。

トップ会議の下に設置された「仕事と生活の調和連携推進・評価部会」では,「憲章」・「行動指針」に基づき,仕事と生活の調和の実現の状況及び数値目標を定めた指標の現状について,最新の各種調査結果をもとに点検・評価等を行うとともに,その結果を政策や取組に反映させることで,各主体における実態に即した効果的な取組を推進している。

(2) 仕事と生活の調和実現に向けた社会的気運の醸成(内閣府)

内閣府では,「働き方を変える」ことを通じて,「日本を変える」という思いを,親しみやすいカエルのキャラクターに託し,このマークを活用して各界・各層の国民を巻き込んだ国民運動「カエル!ジャパン」キャンペーンを展開している※37

また,各層のワーク・ライフ・バランスに対する理解を深めるため,企業と働く者,国民,国,地方公共団体等の取組を今後の展開を含めて紹介するとともに,今後重点的に取り組むべき事項を提示した,「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)レポート」を毎年発行している。

このほか,ワーク・ライフ・バランスに関する各種施策,具体的な取組事例,有識者の解説,各種データ等の情報をまとめたメールマガジン「カエル!ジャパン通信」を毎月1回配信している※38

※37 カエル!ジャパン

※38 カエル!ジャパン通信

(3) 仕事と子育ての両立支援(厚生労働省)

男女ともに子育て等をしながら働き続けることができる環境を整備することを目的に,平成21年6月に育児・介護休業法の一部が改正され,平成22年6月30日に施行されている。また,これまで従業員数が100人以下の事業主に適用が猶予されていた短時間勤務制度,所定外労働の制限の制度及び介護休暇について,平成24年7月1日より全面的に適用になる。

この改正育児・介護休業法の周知・徹底を図るとともに,法律に規定されている育児・介護休業や所定労働時間の短縮等の措置などの両立支援制度を安心して利用できる職場環境の整備を支援している。

また,次の世代を担う子どもたちが健やかに生まれ育つ環境をつくるために,次世代育成支援対策推進法(以下「次世代法」という。)に基づき,国,地方公共団体,事業主,国民がそれぞれの立場で次世代育成支援を進めている。

地域や企業の更なる取組を促進するため,平成20年12月に次世代法が改正された。この改正法の施行により,平成23年4月1日から一般事業主行動計画(以下「行動計画」という。)の策定・届出等が義務となる企業が常時雇用する従業員数301人以上企業から101人以上企業へ拡大したことから,厚生労働省では,次世代育成支援対策推進センター,労使団体及び地方公共団体等と連携し,行動計画の策定・届出等の促進を図っている。

次世代法では,適切な行動計画を策定・実施し,その目標を達成するなど一定の要件を満たした企業は厚生労働大臣の認定を受け,認定マーク(愛称:くるみん)を使用することができるとされているところである。この認定制度及び認定マークの認知度を高めるため,認定企業の取組事例や認定を受けるメリット等を積極的に紹介するとともに,平成23年6月に創設された認定企業に対する税制上の措置を周知し,認定の取得促進を図っている。

さらに,助成金の支給やファミリー・フレンドリー企業の普及促進,表彰制度等を通して仕事と家庭の両立に向けた企業の自主的な取組を促進している。

(4) 農山漁村の女性の育児と労働の両立支援(農林水産省)

農林水産省では,農村漁村の女性は仕事に加え家事・育児等の負担が大きいことから,出産育児期の女性の負担を軽減し,農林漁業経営及び地域社会活動への参画を支援するため,家族間で仕事や家事の役割分担等を定める家族経営協定の締結の促進や,女性の労働環境改善に関する研修の開催等を通じた普及啓発を行っている。

2 乳幼児と触れ合う活動の推進(厚生労働省)

「子ども・子育てビジョン」に基づいて,保育所,児童館,保健センター等の公的施設等を活用して,中・高校生等が乳幼児と出会い触れ合う機会を広げるための取組を推進している。

3 虐待を行った保護者に対する対応等(厚生労働省)

保護者への支援については,児童虐待を行った保護者に対する親子の再統合の促進への配慮や児童虐待を受けた児童が良好な家庭的環境で生活するために必要な指導・支援を行うことが重要である。このため,保護者への援助内容を明示した「児童虐待を行った保護者に対する援助ガイドライン」を平成20年3月に策定し,児童福祉司等による面接や家庭訪問での指導・支援,関係機関が実施する親子の再統合に向けたプログラムへの参加の促進などを示すことにより,児童相談所における保護者援助に関する取組を進めている。

また,このガイドラインに基づいて,個々の事例に即した保護者への援助に係る調査研究を行っている。

4 少年院在院者の保護者等に対する指導(法務省,最高裁判所)

少年院においては,家族関係にかっとうを抱えた在院者も少なくないことから,保護者会,各種行事や面会のため保護者が来庁した機会等を通して,家族関係調整のための取組を実施している。在院者の保護者に対する指導及び助言として,矯正教育に関する情報の提供,職員による面談の実施,教育活動への参加の促進及び保護者会・講習会等の積極的な開催に努めている。

保護観察所においては,少年院に収容されている者の生活環境の調整や少年に対する保護観察処遇の中で,保護観察官や保護司が家族と面接を行っているが,家族関係や親の養育態度に問題が認められる場合には,少年の監護に関する責任を自覚させるために,保護者に対し,保護者会を実施するなどして監護能力が向上するよう働き掛けたり,適切に監護に当たるよう指導,助言等を行っている。

さらに,家庭裁判所や少年院でなされた保護者への働き掛け等との連携に努め,それらと一貫性のある生活環境の調整や保護観察処遇を実施するなど,保護処分の効果が最大限のものとなるよう努めている。

なお,家庭裁判所における保護者等に対する指導については,第3章第1節3(4)イに記載されている。

5 家族や地域の大切さ等についての理解促進(内閣府)

子どもと子育てを応援する社会の実現のためには,多様な家庭や家族の形態があることを踏まえつつ,生命の大切さ,家庭の役割等について,国民一人一人に理解されることが必要である。

このような観点から,政府においては,平成19年度から,11月の第3日曜日を「家族の日」,その前後各1週間を「家族の週間」と定めて,この期間を中心に地方公共団体,関係団体等と連携して,「生命を次代に伝え育んでいくことや,子育てを支える家族と地域の大切さ」を呼びかけてきた。

具体的には,フォーラムの開催や作品コンクールの実施を通じて普及・啓発活動を実施しており,フォーラムについては「家族の日」に,地方公共団体等の協力を得て,家族や地域の大切さを呼びかけるための大会を開催している。

平成23年度は,新潟県長岡市でフォーラムを開催した。全体大会では,有識者の基調講演のほか,地域で子育て支援に携わる方々等によるパネルディスカッション等が行われた。また,長岡市内3か所の子育て支援施設で,親と子で参加し,家族の新たな触れ合いや多世代交流のきっかけとなる体験型コーナーを設け,多くの参加者に子どもを大切にし,子育てを社会全体で支える意識の醸成を図る機会とした。

また,子育てを支える家族や地域の大切さの意識の高揚を図ることを目的として作品コンクールを行い,家族や地域の大切さに関する「写真」及び「手紙・メール」を公募し,優秀な作品を表彰している。平成23年度は,写真は,<1>子育て家族の力,<2>子育てを応援する地域の力,の2テーマを,「手紙・メール」は,小学生,中・高校生及び一般の3区分で募集したところ,250作品の応募があった。

▲このページの上へ

前頁 次頁