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第2部 子ども・若者育成支援施策の実施状況

第2章 すべての子ども・若者の健やかな成長の支援

第1節 子ども・若者の自己形成支援

1 日常生活能力の習得

(1)基本的な生活習慣の形成
(学校教育における取組)

○平成20(2008)年と21(2009)年に改訂された学習指導要領1(以下「新学習指導要領」という。)では,特に小学校低学年において,あいさつなどの基本的な生活習慣や社会生活上のきまりを身に付け,善悪を判断し,人間としてしてはならないことをしないことに関する指導を重視するなど,道徳教育の充実を図っている。

○文部科学省は,

  • 平成25(2013)年度使用分の「心のノート」をすべての小学生・中学生に配布する。
  • 道徳教育の現状や課題を検証しつつ,「心のノート」の改訂方針や教員の指導力向上方策,道徳の特性を踏まえた新たな枠組みによる教科化の具体的な在り方などについて,「道徳教育の充実に関する懇談会」において検討している。
  • 学校・地域の実情などに応じた多様な道徳教育を支援するため,全国的な事例収集と情報提供,特色ある道徳教育や道徳教材活用への支援などを行う。
(「早寝早起き朝ごはん」国民運動の推進)

○文部科学省は,「早寝早起き朝ごはん」国民運動を推進している2

○独立行政法人国立青少年教育振興機構は,「早寝早起き朝ごはん」全国協議会の事務局として,子どもの生活リズムの向上に努めている。青少年教育施設では,学校や青少年団体に対して広く学習の場や機会が提供されている。

(食育活動の推進)

○第2次食育推進基本計画(平成23年3月食育推進会議決定)では,「小学校5年生のうちほとんど朝食を食べないと回答した者」の割合を,平成27(2015)年度までに0%とすることを目指している。

○内閣府は,一人一人の国民が自ら食育に関する取組が実践できるように,「食育ガイド」を策定し,平成24(2012)年5月に公表した3

○文部科学省は,食に関する指導を行う栄養教諭の各都道府県への配置を促進している。

○厚生労働省は,妊産婦や子育て家庭を対象とした食に関する学習機会や情報の提供を推進している。平成24年度から,新しい様式の母子健康手帳の運用を開始した。また,平成24年3月に「保育所における食事の提供ガイドライン」を作成した。

○農林水産省は,子どもや若者を対象として,栄養バランスに優れた「日本型食生活」の実践を促す食育活動を支援している。

○内閣府食品安全委員会は,ホームページで子ども向けの食品安全に関する情報を解説している。また,小学校5・6年生とその保護者を対象とする「ジュニア食品安全委員会」を夏休み期間中に開催している。

(2)コミュニケーション能力や規範意識等の育成

○学校教育では,教育活動全体を通じて,思いやりの心を持つことや広い心で自分と異なる意見や立場を大切にすることに関する指導が行われている。また,伝え合う力の育成を重視し,発表・討論を積極的に取り入れた学習活動が行われている。

○青少年教育施設では,社会性や協調性を育むため,自然体験や集団宿泊体験といった様々な体験活動の機会が提供されている。

○警察は,職員の学校への派遣や少年警察ボランティアなどの協力により,非行防止教室を開催している。

(3)体力の向上
(地域社会での体力向上の取組の推進)

○文部科学省は,学校や地域における体力向上に向けた取組の推進,子どもの発達段階に応じた体力向上プログラムの普及啓発を行っている。平成25(2013)年度には,地域社会全体が連携して行う取組の定着を図るモデル事業を実施する。

(学校における体育・運動部活動の振興)

○文部科学省は,平成24(2012)年度に,中学校で必修となる「武道」に関する指導資料の作成などを行った。

2 多様な活動機会の提供

(1)集団遊びの機会の確保

○厚生労働省は,児童館4の整備を推進している。平成23(2011)年10月1日現在,全国に4,318か所の児童館が設置されている。

○文部科学省と厚生労働省は,放課後の安全で健やかな居場所づくりを推進している。

(2)読書活動の推進

○文部科学省は,「子どもの読書活動の推進に関する法律」と「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」(第3次)に基づき,市町村計画の策定の促進や「子どもの読書活動推進フォーラム」などにより,子どもの読書活動を推進している5

(3)地域等での多様な活動
(体験の風をおこそう運動)

○独立行政法人国立青少年教育振興機構は,「体験の風をおこそう運動」を推進している6

(環境学習)

○環境省をはじめとする関係府省は,「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」と「環境保全活動,環境保全の意欲の増進及び環境教育並びに協働取組の推進に関する基本的な方針」(平成24年6月閣議決定)に基づき,家庭,学校,職場,地域その他あらゆる場における,生涯にわたる質の高い環境教育の機会を提供している7

○環境省は,「持続可能な開発のための教育」(ESD:Education for Sustainable Development)に従った環境プログラムの作成や実証を通じて,ESDの視点を取り入れた環境教育を推進している。

○文部科学省は,太陽光発電などを環境教育に活用するエコスクール(環境を考慮した学校施設)の整備などを進めている。青少年教育施設では,豊かな自然環境を活用し,体験型の環境学習の機会を提供している。

(自然体験)

○文部科学省は,自然体験活動の指導者養成に取り組むとともに,広く体験活動に対する理解を求めるための家庭や企業に対する普及啓発を推進している。

○独立行政法人国立青少年教育振興機構は,国立青少年教育施設の立地条件や特色を活かした自然体験活動の機会と場の提供を行っている。

○林野庁は,文部科学省と連携して,子どもが森林で様々な体験活動を行う機会を提供する「森の子くらぶ活動推進プロジェクト」を推進している8。また,国有林野事業の中で,学校による体験活動の場を提供する「遊々の森」の設定に取り組んでいる9。(図表2)

図表2 「遊々の森」の活用事例

○環境省は,「みどりの月間」(4月15日~5月14日),「自然に親しむ運動」(7月21日~8月20日),「全国・自然歩道を歩こう月間」(10月)を通じて,子どもが自然とふれあう機会を提供している。

(警察による社会奉仕活動やスポーツ活動の場の提供)

○警察は,環境美化活動をはじめとする少年の社会奉仕活動や生産体験活動といった社会参加活動,警察署の道場を開放した少年柔剣道教室をはじめとするスポーツ活動を行うなど,少年の多様な活動機会の確保と居場所づくりを推進している。

(文化活動の奨励)

○文部科学省は,オーケストラなどの舞台芸術の鑑賞や舞台芸術に身近に触れることができる機会を提供するなど,子どもの文化芸術体験活動を推進している。

(花育活動の推進)

○農林水産省は,文部科学省や国土交通省と連携して,花や緑との触れ合いを通じて子どもに優しさや美しさを感じる気持ちを育む「花育活動」を推進している。

(都市と農山漁村の共生・対流の促進)

○農林水産省,文部科学省,総務省は,小学校における農山漁村での長期宿泊体験活動を推進する「子ども農山漁村交流プロジェクト」を行ってきた。平成25(2013)年度も引き続き,子どもの農山漁村での宿泊体験活動に関する取組に支援を行う。

(体験活動の推進に関する調査研究)

○文部科学省は,平成25(2013)年度に新たに,若者を対象とした生活体験や自然体験に関する実態調査や,体験活動の評価・顕彰に関する調査研究を行う。

(4)生涯学習への対応
(学習した成果の適切な評価)

○文部科学省は,民間教育事業者などが行う検定試験の質の確保や向上を図っている。

(女性の生涯学習)

○文部科学省は,女性のライフプランニング支援に関する情報提供をホームページで行っている。

3 学力の向上

(1)知識・技能や思考力・判断力・表現力,学習意欲等の「確かな学力」の確立

○文部科学省は,新学習指導要領の円滑な実施に向け,教職員定数の改善や新たに必要となる補助教材の作成・配布,理科教育設備の整備への支援,理数教育や外国語教育その他の各教科や活動の充実を支援している。平成25年度には,

  • 全国学力・学習状況調査の悉皆化による対象学年(小6,中3)の全ての子どもの学力の把握や,経年変化の分析,家庭状況と学力などの分析,少人数学級などの検証・改善に資する追加調査
  • 理科教育の推進のため,小学校・中学校に観察実験アシスタントを配置するための補助事業の創設や,設備整備の補助の拡充

などを行う。(図表3,図表4)

図表3 新学習指導要領の理念
図表4 新学習指導要領実施スケジュール
(2)基礎学力の保障等

○文部科学省は,少人数指導,習熟度別指導,ティーム・ティーチングといったきめ細かな指導を行う学校や専科指導を行う小学校に対し,教職員の加配定数を措置している。平成24(2012)年度は,41,523人の加配定数を措置した。平成25(2013)年度には,専科指導を行う小学校に対する加配定数を400人改善するとともに,新たに,放課後や土曜日における学習,補充学習などの学力向上方策として,約7,000人(常勤教員ベースで2,100人相当)の地域人材を指導員として活用する「補習等のための指導員等派遣事業~学校いきいきサポート人材の活用~」を実施する。

(3)高校教育の質の保証

○文部科学省は,学校評価の取組の推進などの多様な施策を実施している。平成25(2013)年度には新たに,高校生の学習到達度把握のための検討や,高校教育を通じて身に付けるべき資質・能力を評価する手法についての調査研究を行う。

(4)学校教育の情報化の推進

○文部科学省10と総務省11は連携して,公立小学校10校,中学校8校,特別支援学校2校の計20校を実証校として,「学びのイノベーション事業」と「フューチャースクール推進事業」を行っている。

4 大学教育等の充実

(1)大学の教育内容の充実
(教育機能の充実)

○文部科学省は,大学の個性・特色ある優れた取組に対する財政支援や情報発信を行っている。

(教育研究の質の維持・向上)

○文部科学省は,認証評価制度により,大学の教育研究の質の維持・向上を図っている。

(高度な大学教育の充実)

○文部科学省は,国内外の大学・機関との連携強化や優れた若手研究者の育成機能の強化などによる国際的に卓越した教育研究拠点の形成を重点的に支援する「グローバルCOEプログラム」を実施している12。また,大学院教育の抜本的改革を支援する「博士課程教育リーディングプログラム」を実施している13

(学習支援サービス)

○文部科学省は,ティーチング・アシスタント制度やオフィスアワー設定など,学生に対する支援サービスの充実に向けた大学の取組を促進している。

(2)専修学校教育の充実

○文部科学省は,専修学校教育の振興を図るため,平成25(2013)年3月に「専修学校における学校評価ガイドライン」を策定するなどしている。

5 経済的支援の充実

(1)新しい「児童手当制度」

○平成24(2012)年4月1日から新しい児童手当制度が施行された。

(2)公立高校授業料無償制・高等学校等就学支援金制度

○文部科学省は,「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」に基づき,公立高校の授業料を無償とし,私立高校などの生徒に対しては高等学校等就学支援金を支給している。

(3)奨学金等の支援
(初等中等教育段階における取組)

○文部科学省は,地方公共団体に対し,幼稚園就園奨励費補助金により所要経費の一部補助を行っている。経済的理由により小学校・中学校への就学が困難と認められる子どもの保護者に対しては,各市町村が学用品の給与などの就学援助を行っている。高校と専修学校高等課程などの子どもに対しては,都道府県が行う奨学金事業を交付金や高校生修学支援基金により支援している。平成24(2012)年度からは,当該基金を利用する都道府県において所得連動返済型奨学金制度14の整備を促進している。

(高等教育段階における取組)

○文部科学省は,独立行政法人日本学生支援機構15が実施する奨学金事業の充実や,各大学が実施する授業料減免への支援を行っている。大学院生に対しては,ティーチング・アシスタント(TA)やリサーチ・アシスタント(RA)としての雇用を通じた支援を行っている。

第2節 子ども・若者の社会形成・社会参加支援

1 社会形成への参画支援

(1)社会形成・社会参加に関する教育(シティズンシップ教育)の推進
(学校教育における取組)

○新学習指導要領では,社会参画という視点を重視し,例えば,「社会生活を営む上で大切な法やきまり」(小学校),「契約の重要性」(中学校),「国民の司法参加」(小学校・中学校・高校)を新たに扱うこととするなど,教育内容の充実が図られている。

○文部科学省は,平成25(2013)年度に,地域の抱える具体的な課題の解決に係る体験的・実践的な学習を学校と地域が連携して行うためのプログラム開発に関する調査研究を教育委員会などに委託して行う。

(法教育)

○法教育推進協議会は,新学習指導要領を踏まえ,学校教育における法教育の実践の在り方や教育関係者と法曹関係者による連携・協働の在り方について多角的な視点から検討を行っている。

(租税教育)

○国税庁は,関係府省や関係民間団体と連携しながら学校の教員を対象とした講習会や学校からの要請に基づく租税教室への講師派遣などにより租税教育の充実に向けた環境整備や支援に努めている。

(金融経済教育)

○金融庁は,「金融トラブルに巻き込まれないためのシンポジウム」の各財務局との共催や「基礎から学べる金融ガイド」の全国の高校・大学への配布や財務局・財務事務所から高校への講師派遣などを実施している。

(労働者の権利・義務に関する教育)

○厚生労働省は,労働者としての権利,義務,各種制度についての教育や啓発活動を推進している。

(2)子ども・若者の意見表明機会の確保

○内閣府は,子どもや若者が積極的に意見を述べる機会を作り,その社会参加意識を高めるため,「青少年意見募集事業」を実施している16

○関係府省は,インターネットを活用した意見の公募などにより,子どもや若者が政策決定過程に参画する機会を確保している。

2 社会参加の促進

(1)ボランティアなど社会参加活動の推進

○青少年教育施設では,ボランティアに関する各種事業が実施されている。独立行政法人国立青少年教育振興機構は,「学生ボランティアと支援者が集う全国研究交流集会」を実施している。

(2)国際交流活動
(グローバル化に対応した国際教育の充実)

○文部科学省17は,グローバル人材の基盤を形成するため,都道府県や民間団体が行う,高校生に対する海外留学費用の一部支援や外国人高校生の日本の高校への短期招致などを支援している。

(国際交流を通じたグローバル人材の育成)

○内閣府は,「東南アジア青年の船事業」「国際青年育成交流事業」「日本・韓国青年親善交流事業」「日本・中国青年親善交流事業」「青年社会活動コアリーダー育成プログラム」などの青年国際交流事業を実施している。平成25(2013)年度は,「グローバルリーダー人材育成事業」を行うこととしている。

○文部科学省は,平成24(2012)年度は新たに,「世界に雄飛するたくましい青少年を育む国際交流事業」により,日本の若者が世界の複数国の若者と共に,自然体験や意見交換といった様々な体験を行うことにより,世界で活躍できる能力・感覚を醸成するなど教育的効果の高い事業を実施した。(図表5)

図表5 「世界に雄飛するたくましい青少年を育む国際交流事業」で討論内容を発表する若者

○独立行政法人国立青少年教育振興機構は,絵本・童話を通してお互いの文化の特徴や共通性の認識を深めることを目的とする「日中韓子ども童話交流事業」を実施している。(図表6)

図表6 日中韓子ども童話交流事業

○外務省は,平成25年からアジア大洋州諸国との交流「JENESYS2.0」を3万人規模で実施するとともに,北米地域において将来世代を担う若者に対してクール・ジャパンを含めた日本ブランド,日本的な「価値」への国際理解を増進するという観点から,5,000人規模で交流を実施する。

第3節 子ども・若者の健康と安心の確保

1 健康の確保・増進

(1)安心で安全な妊娠・出産の確保,小児医療の充実等
(安心で安全な妊娠・出産の確保)

○厚生労働省は,妊娠や出産に係る経済的負担の軽減や,周産期医療体制の整備・救急搬送受入体制の確保,不妊治療への支援を行っている。また,妊娠や出産に関する情報提供や相談支援体制の整備を行うとともに,マタニティマークの普及啓発に努め,妊産婦に優しい環境づくりの推進に取り組んでいる。

(小児医療・予防接種の充実)

○厚生労働省は,小児初期救急センター,小児救急医療拠点病院,小児救命救急センターの整備の支援や,保護者の不安解消のための小児救急電話相談事業(#8000)の実施の支援などにより,小児救急医療を含め,小児医療の充実を図っている。平成24(2012)年度診療報酬改定では,小児救急医療を含め小児医療の評価を充実した。また,「予防接種法」を改正し,平成25(2013)年度から,Hib感染症,小児の肺炎球菌感染症,ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がんなど)の3つの予防接種を,法に基づく定期接種とした。

(2)思春期特有の課題への対応

○文部科学省は,喫煙や飲酒,薬物乱用,感染症などについて総合的に解説した教材18を作成し,小・中・高校などに配布している。

○厚生労働省は,「健康日本21」19と「健やか親子21」20において,未成年者による喫煙と飲酒の根絶を目標に掲げ,シンポジウムやホームページを活用して,喫煙と飲酒による健康に対する影響についての情報提供を行っている。また,「健やか親子21」で10代の人工妊娠中絶の実施率や性感染症罹患率,15歳の女性の思春期やせ症の発生頻度の減少を実現することなどを目標とし,正しい知識の普及啓発をはじめとする各種の取組を推進している。

(3)健康教育の推進

○学校では,「学校保健安全法」に基づき,養護教諭と関係教職員が連携した組織的な保健指導や,地域の医療機関をはじめとする関係機関との連携による救急処置・健康相談・保健指導の充実が図られている。性に関する問題については,子どもが心身の発育・発達や健康,性感染症の予防に関する知識を確実に身に付け適切な行動を取れるようにすることを目的として,体育科や保健体育科,特別活動,道徳を中心に学校教育全体を通じた指導が行われている。

2 相談体制の充実

(1)学校における相談体制の充実

○文部科学省21は,スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置の拡充を図っている。平成24(2012)年度補正予算により,平成25(2013)年2月下旬から3月下旬におけるスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの配置時間を拡充した。平成25年度には,スクールカウンセラーの配置拡充(公立小学校11,690校→13,800校,すべての公立中学校9,835校への配置),スクールソーシャルワーカーの配置拡充(1,113人→1,355人)を行う。

(2)地域における相談,医療機関での対応

○厚生労働省は,以下の取組を行っている。

  • 子育て親子が相談・交流ができる「地域子育て支援拠点」の設置の推進
  • 不登校やひきこもり,摂食障害,性の逸脱行為,薬物乱用といった学童期や思春期に多くみられる心の問題に対応するため,精神保健福祉センターや保健所,児童相談所における,医師,保健師,精神保健福祉士による相談の推進
  • 性に関する健全な意識をかん養し正しい理解の普及を図るため,価値観を共有する同世代の仲間による相談・教育活動(「ピア・カウンセリング」と「ピア・エデュケーション」)の普及促進
  • 障害のある子どもに関しては,「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律」(以下「障害者自立支援法等の一部改正法」という。)により,平成24年4月から福祉サービスの利用の支援を行う障害児相談支援を創設。また,各ライフステージに応じた適切な支援が継続して行われるよう,学校と障害児相談支援事業所などが緊密な連携を図るよう周知
  • 都道府県における拠点病院を中核とし,各医療機関や保健福祉機関と連携した支援体制の構築を図る「子どもの心の診療ネットワーク事業」の実施

第4節 若者の職業的自立,就労等支援

1 就業能力・意欲の習得

(1)勤労観・職業観と職業的自立に必要な能力の形成
(キャリア教育・職業教育の推進)

○文部科学省,厚生労働省,経済産業省の3省は,学校,地域,産業界が一体となって社会全体でキャリア教育を推進していこうという気運を高めるため,「キャリア教育推進連携シンポジウム」を実施している。

○文部科学省と経済産業省は,学校関係者や地域社会,産業界といった関係者の連携・協働による取組を表彰する「キャリア教育推進連携表彰」22を実施している。

○文部科学省は,上記のほか,以下の取組を行っている23

  • 高校の教員に理解を深めてもらうための 「キャリア教育推進アシストキャラバン」の実施
  • 小学校・中学校・高校において学校の特色を生かしたキャリア教育の年間指導計画を作成する際に参考となるパンフレットを作成・配布し,ホームページにも掲載24
  • 学校や教育委員会におけるキャリア教育に関する研修のための動画コンテンツと資料をホームページで配信25
  • 学校が望む支援と地域・社会や産業界などが提供できる支援をマッチングさせる特設サイト「子どもと社会の架け橋となるポータルサイト」26を平成24(2012)年8月から運用(図表7)
    図表7 子どもと社会の架け橋となるポータルサイト

平成25(2013)年度には新たに,企業などによる出前授業などの教育活動支援,職場体験・インターンシップ受入れ先の開拓やマッチングを行う「地域キャリア教育支援協議会」の設置を促進する。

○厚生労働省は,企業で働く者などを講師として中学校や高校に派遣し,職業や産業の実態,働くことの意義,職業生活を子どもに理解させ,考えさせる「キャリア探索プログラム」を実施している。また,キャリア教育の企画・運用を担う人材を養成するための講習を行う「キャリア教育専門人材養成事業」を実施している。

○経済産業省は,先進的な教育支援活動を行っている企業・団体を表彰する「キャリア教育アワード」を実施している27。また,職場や地域社会で仕事をしていく基礎的な力を「社会人基礎力」28として整理し,大学教育を通した育成や評価の取組の普及を図っている。

(インターンシップ(就業体験)の推進)

○文部科学省,厚生労働省,経済産業省は,企業や大学,NPOにおける「インターンシップ推進に当たっての基本的考え方」を見直す。

○文部科学省は,平成25(2013)年2月に体系的なキャリア教育・職業教育の推進に向けたインターンシップの更なる充実に関する調査研究協力者会議29を立ち上げ,大学などにおけるインターンシップの実施実態の把握と検証,キャリア教育・職業教育におけるインターンシップの位置付けの明確化,プログラムの質的向上や参加学生数の増加など質的・量的充実に向けた取組などの検討を行っている。平成25年度には,前述の「地域キャリア教育支援協議会」によるインターン受入れ先の開拓とマッチングの促進も行う。

○経済産業省は,長期インターンシップのひな形の作成やノウハウブックの策定に取り組んだ。

(女性若年層に対する啓発)

○内閣府は,平成24(2012)年12月,「働こう!なでしこ学生サミット」30を開催した

○厚生労働省は,女子学生が的確に職業や進路を選択するために自らの将来を多角的に考える契機となる資料を作成し,高校や大学を通じて配布している。また,文部科学省と連携し,就職先を選択する際には「ポジティブ・アクション応援サイト」31などを参考にするよう,大学や高等専門学校を通じて,学生に対する啓発を図っている。

○経済産業省は,平成24年度から,育児などで一度退職し再就職を希望する女性などに対して職場経験のブランクを埋める機会を提供するため,中小企業・小規模事業者が実施する職場実習を支援する「中小企業新戦力発掘プロジェクト」を実施している。

○独立行政法人国立女性教育会館32は,大学と連携し,女子学生を対象とし,就業も含めた女性としての生涯(ライフサイクル)形成の考え方を学ぶ研修を行っている。

(2)能力開発

○求職者支援制度33により,雇用保険を受給できない若者などに対して,職業訓練を実施しつつ,訓練期間中の生活を支援するための給付金を支給し,ハローワークにおけるきめ細かな就職支援を行っている。

○厚生労働省は,ジョブ・カード制度34を推進し,フリーターなど正社員経験の少ない者を含めた求職者の安定的な雇用への移行を促進している。(図表8)

図表8 ジョブ・カード

○文部科学省は,各成長分野において中核的役割を果たす人材養成の取組を先導する広域的な産学官コンソーシアムを組織化し,社会人や大学生,専門学校生が就労やキャリアアップに必要な知識・技術・技能を習得するための学習システムの構築を図っている。

2 就労等支援の充実

(1)高校生等に対する就職支援

○文部科学省は,都道府県教育委員会などに対し,都道府県労働局と連携した一層の求人開拓と未就職卒業者への配慮を依頼するとともに,経済団体に対しても,新規高校卒業者の求人枠の維持・拡大や求人秩序の確立,適正な採用選考の実施を要請している。また,就職相談や求人企業の開拓を行う「高等学校就職支援教員」(ジョブ・サポート・ティーチャー)を配置する経費が地方財政措置されており,高校で活用されている。

○厚生労働省は,ジョブサポーター35を活用し,講習や高校内企業説明会,求人情報の提供,職業適性検査や各種ガイダンス・セミナー,求人開拓,未内定者に対する一貫した個別支援を,学校と一体となって実施している。

(2)大学生等に対する就職支援等
(学生に対する就職支援)

○文部科学省は,大学のキャリアカウンセラーとハローワークのジョブサポーターとの連携の促進などにより,就職支援体制を強化している。

○厚生労働省は,

  • 学生や卒業後未就職の者を専門に支援する「新卒応援ハローワーク」36を全国に設置(平成25(2013)年4月1日現在,57か所)し,求人情報の提供や,職業紹介,中小企業とのマッチング,求人開拓,就職支援セミナー・面接会の実施を行っている。ジョブサポーターを活用し,就職までの一貫した担当者制による個別支援や臨床心理士による心理的サポートを行っている。新卒応援ハローワークの支援により,平成24(2012)年度は延べ約71万人が利用し,約9万人の就職が決定した。(図表9)
    図表9 新卒応援ハローワークとジョブサポーターの支援による就職決定数
  • 学生向け・第二新卒向けの就職情報ポータルサイトを運営する民間企業の協力により,広報を実施している37
  • 雇用対策法に基づく「青少年雇用機会確保指針」の周知を進めている。
  • 文部科学省と経済産業省と連携し,平成25年1~3月までを集中支援期間とし,「未内定就活生への集中支援2013」を集中的に実施した38。また,4~6月までを未就職卒業生に対する集中支援期間とし,「未就職卒業生への集中支援2013」として同様の支援を集中的に実施している39

平成25年度は,ジョブサポーターの全校担当制や,大学などへのジョブサポーターの相談窓口設置・出張相談の強化などを図る。また,若者の採用・育成に積極的な「若者応援企業」の周知などを行う。

○経済産業省は,新卒者と既卒3年以内の未就職者に対し,中小企業・小規模事業者の事業現場で働く上で必要な技能・技術・ノウハウを習得する機会を提供するための職場実習を支援する「新卒者就職応援プロジェクト」などを実施している。

(秩序ある就職・採用活動への取組)

○文部科学省は,学生の就職・採用活動が公平・公正かつ秩序ある形で行われるための通知を各大学などに対して行っている。

(3)職業的自立に向けての支援
(ジョブカフェにおける支援)

○厚生労働省は,ジョブカフェ40(「若年者のためのワンストップサービスセンター」。)において企業説明会や各種セミナーを民間団体に委託して実施している。また,都道府県からの要望に応じ,ジョブカフェにハローワークを併設(平成25(2013)年4月現在40都道府県)し,若者を対象とした職業相談・職業紹介を行っている。

(ハローワークにおける支援)

○厚生労働省は,平成24(2012)年度から,特にフリーターの多い地域には支援拠点として,東京都・愛知県・大阪府の3か所に「わかものハローワーク」を,県庁所在地を中心にすべての都道府県に「わかもの支援コーナー」(50か所)を,そのほか「わかもの支援窓口」(161か所)を設置し,正規雇用化の支援を強化した41

(若年者等トライアル雇用制度の活用による就職促進)

○厚生労働省は,職業経験や技能,知識の不足により就職が困難な若年者など(45歳未満)を,原則3か月試行雇用することにより,業務遂行に当たっての適性や能力を見極めるとともに求職者と求人者の相互理解を促進し,正規雇用への移行を図っている。

(4)起業支援

○経済産業省は,新規開業しておおむね5年以内の若者に対して,株式会社日本政策金融公庫による低利融資を実施している。


1 文部科学省は,平成20年3月に小・中学校の,平成21年3月に高校の学習指導要領の改訂を行った。
2 http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/asagohan/index.htm
3 https://www8.cao.go.jp/syokuiku/data/guide/index.html
4 児童福祉法第40条に規定する児童厚生施設の1つ。
5 http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/dokusyo/
6 http://www.niye.go.jp/services/taikennokaze/。構成団体は次の通り。NPO法人自然体験活動推進協議会,独立行政法人国立青少年教育振興機構,公益社団法人全国公民館連合会,社団法人全国子ども会連合会,公益財団法人ボーイスカウト日本連盟,公益社団法人ガールスカウト日本連盟,社団法人日本PTA全国協議会,公益財団法人日本レクリエーション協会,公益社団法人日本キャンプ協会,NPO法人日本子守唄協会,公益社団法人全国スポーツ推進委員連合,NPO法人全国ラジオ体操連盟,公益財団法人日本体育協会日本スポーツ少年団。
7 http://www.env.go.jp/policy/suishin_ho/
8 林野庁「子ども森林館」ページ(http://www.rinya.maff.go.jp/kids/top.html)
9 http://www.rinya.maff.go.jp/j/kokuyu_rinya/kokumin_mori/katuyo/kokumin_sanka/kyouteiseido/kyoteiseido.html#yu-yu
10 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/main18_a2.htm
11 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/future_school.html
12 http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/globalcoe/index.htm
13 http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/hakushikatei/1306945.htm
14 貸与を受けた本人が一定の収入を得るまでの間,奨学金の返済を猶予する制度。
15 http://www.jasso.go.jp/
16 http://www.youth-cao.go.jp/
17 http://www.mext.go.jp/a_menu/01_f.htm
18 中学生用 http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/08111804.htm
高校生用 http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/08111805.htm
19 平成24(2012)年7月に全部改正し,平成25(2013)年度から平成34(2022)年度までの国民運動の推進について定めた。
20 http://rhino.med.yamanashi.ac.jp/sukoyaka/(公式ホームページ)
21 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302910.htm
22 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/detail/1312382.htm,http://www.meti.go.jp/press/2012/01/20130131001/20130131001.html
23 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/index.htm
24 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/detail/1312372.htm
25 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/detail/1315412.htm
26 http://kakehashi.mext.go.jp/
27 http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/career-education/index.html
28 http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.htm
29 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/055/index.htm
30 http://www.gender.go.jp/public/event/2012/nadeshiko.html
31 http://www.positiveaction.jp/pa/
32 http://www.nwec.jp/
33 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyushokusha_shien/index.html
34 http://www.mhlw.go.jp/bunya/nouryoku/job_card01/
35 平成24(2012)年度は,2,300人を全国に配置し,ジョブサポーターの支援により高卒と大卒を合わせて約12万人の就職が決定した。
36 http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/05.html
37 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002svpl-att/2r9852000002svr2.pdf
38 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002sw3r.html
39 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xcty-att/2r9852000002xcvf.pdf
40 http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/jakunensha/jobcafe.html
41 窓口の所在地などは厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002k76u.html)を参照。
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