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第2部 子ども・若者育成支援施策の実施状況

第5章 今後の施策の推進体制等

第1節 子ども・若者に関する実態等の把握,知見の集積と共有

1 調査研究

○内閣府は,子どもや若者に関する調査研究を実施し,広く国民の間で積極的に活用されるようホームページ131などで公開している。

○法務省の法務総合研究所は,平成24(2012)年度に「青少年の生活意識と価値観に関する研究」を研究部報告として取りまとめ,公表した132

2 調査データ等の共有・活用のための環境整備

○総務省は,政府統計ポータルサイト「e-stat」133により各府省の統計関係情報を一元的に提供している。また,「統計法」に基づき,統計データの二次利用制度を適切に運用している。

第2節 広報啓発等

1 広報啓発・情報提供等

(1)広報啓発活動
(子ども・若者育成支援強調月間)

○内閣府は,昭和53(1978)年から,毎年11月を「子ども・若者育成支援強調月間」134と定め,関係府省,地方公共団体,関係団体と共に,諸事業,諸活動を集中的に実施している。平成24(2012)年度は,以下の4点を重要事項とした。

  • 子ども・若者の社会的自立支援の促進
  • 生活習慣の見直しと家庭への支援
  • 児童虐待の予防と対応
  • 子ども・若者を犯罪や有害環境などから守るための取組の推進
(子ども若者育成・子育て支援功労者表彰,社会貢献青少年表彰等)

○内閣府は,子どもや若者を育成支援する活動などにおいて顕著な功績があった企業,団体,個人に対し「子ども若者育成・子育て支援功労者表彰」を,社会貢献活動において顕著な功績があった青少年(団体を含む。)に対し「社会貢献青少年表彰」を実施している135。また,子どもや若者を育成支援する優れた活動などを広く社会に紹介する「子ども若者育成・子育て支援活動事例紹介事業」を実施している。

(青少年の非行・被害防止全国強調月間)

○内閣府は,昭和54(1979)年から,学校が夏休みに入る毎年7月を「青少年の非行・被害防止全国強調月間」として定め,幅広い関係省庁の参加と関係団体の協力・協賛を得て,国民の非行防止意識の高揚,非行など問題行動への対応の強化を図っている。平成24(2012)年度は,次の事項を重点課題とした。

  • インターネット利用に係る非行及び犯罪被害防止対策
  • 有害環境への適切な対応
  • 薬物乱用対策などの推進
  • 不良行為及び初発型非行(犯罪)の防止
  • 再非行(犯罪)の防止
  • いじめ・暴力行為などの問題行動への対応
  • 青少年の福祉を害する犯罪被害の防止

○警察庁は,平成24年7月の「青少年の非行・被害防止全国強調月間」に合わせ,「目で見る非行防止運動」として,非行防止を訴えるポスター約7万枚を作成して全国各地に掲示するなどした。

(児童虐待防止推進月間)

○厚生労働省は,内閣府と共に,平成16(2004)年から,毎年11月を「児童虐待防止推進月間」と位置付け,児童虐待問題に対する社会的関心の喚起を図っている。

("社会を明るくする運動"~犯罪や非行を防止し,立ち直りを支える地域のチカラ~)

○法務省は,犯罪や非行のない明るい社会を実現するため,昭和26(1951)年から,"社会を明るくする運動"136を主唱し,毎年7月を強調月間として世論の啓発などに努めている。

(人権に関する啓発活動)

○法務省は,人権擁護機関において,年間を通じて全国各地で,児童虐待やいじめ,児童の権利に関する条約,子どもの人権に関する講演会,シンポジウム,座談会などの開催,各種啓発冊子の配布などの様々な啓発広報活動を実施している。また,毎年12月4日から10日までの人権週間を中心に「子どもの人権を守ろう」を年間強調事項として掲げ,啓発広報活動を実施している。

(国民運動としての「食育」の推進)

○内閣府は,毎年6月を「食育月間」,と定め,広報啓発活動を重点的に実施するとともに,毎月19日を「食育の日」と定め,食育推進運動を継続的に展開している。

(2)子どもや若者向けの情報提供

○各府省は,キッズページなどを活用し,各種の情報が子どもや若者に届きやすく,かつ,わかりやすいものとなるよう努めている。電子政府の総合窓口イーガブでは,「子供向けページ集」として,各府省のキッズページなどのリンク集を公開している137

第3節 国際的な連携・協力

1 国際機関等における取組への協力

○政府は,「児童の権利に関する条約」と同条約を補完する「武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書」と「児童の売買,児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書」の実施の確保に努めている。

2 情報の収集・発信

○国連の場において,我が国の子ども・若者育成支援に関する国内施策について,国際社会に向けた情報の発信を行っている。

第4節 施策の推進等

1 関係施策の実施状況の点検・評価

○子ども・若者育成支援推進点検・評価会議では,施策の実施状況の点検・評価などが行われている138

○平成24(2012)年度には,重点テーマとして「ニート,ひきこもり,不登校の子ども・若者への支援等」が取り上げられ,報告が取りまとめられた。

2 子ども・若者の意見聴取等

【コラム1】 長期キャンプを通して,子どもの規範意識をはぐくむ

国立妙高青少年自然の家では,全長367kmという長さでは日本一の「信濃川」を辿る11泊12日の移動型長期キャンプ「YES, I CAN ! IN 信濃川 2012」(平成24年7月25日~8月5日)を実施した。1都6県から参加した18名の小学生たちが,生活や活動を共にした。信濃川の源流から河口までを,登山,マウンテンバイク,ボート,手作りいかだと活動ごとに4つのステージに分け,それぞれ目標を定め踏破した。気温35度を超える真夏日が続く中で,ステージごとに様々な困難が発生した。参加者は自分の行動を省みながら,仲間と話し合いを繰り返し,合意形成を図りながら困難を乗り越え,全員がゴールすることができた。様々な困難を集団で乗り越える自然体験活動で規範意識をはぐくむことができた。

キャンプ写真

このキャンプの評価に当たっては,自然の家が開発した「リーダーシップ測定尺度」を活用した。図示したグラフは,その中の「集団維持機能」の一つとして「役割を意識し,集団の規範を守る力」という指標であり,以下の4項目について自己評価した結果である。1項目5点満点で参加者全員の合計点を示している。

役割を意識し,集団の規範を守る力
  • 自分がするべき役割をはっきりわかっている。
  • 全体の目標に合わせて活動に取り組んでいる。
  • ルールや約束を必ず守ることができる。
  • 親や先生に言われなくても規則にしたがう。

グラフが示すとおり,活動の開始時と活動後では,参加者の規範意識は伸びた。特に大きく伸びた活動は,登山と,手作りいかだであった。登山では,「全員で登頂する」といった目標を立てていたが,山道で信濃川の水源地を発見し,「もう引き返したい」というグループがある一方,「みんなで決めた目標は守ろう」というグループがあり,意見の対立が起こった。しかし,みんなで話し合った結果,目標に向かって山頂まで全員で登頂することができた。困難に直面した時,これを乗り越えるために集団として合意形成を図る中で「目標や約束を守る」といった集団規範がはぐくまれた活動であった。

また,手作りいかだでゴールを目指すためには,「つらくてもみんなに合わせていかだを漕ぐ」という自分の役割を果たす責任感が必要である。その責任感が,上記の4つの項目の向上をもたらしたと考えている。

キャンプ後のアンケートでも「クラス全体のことを考えて行動できている」「活動に計画的に取り組んでいる」といった感想があった。

集団で行う自然体験活動には,様々な困難が伴い,必然的に仲間との合意形成が求められる場面が多くある。仲間とのかかわりの中で,自分の役割を果たしたり,約束を守ったりといった活動を通して,集団規範や規範意識が育っていくものと考えられる。たくさんの子どもが自然体験活動に親しんでくれることを願っている。

【コラム2】 地域の大人とリアルな起業体験「ジュニアエコノミーカレッジ」

【コラム3】 若者・女性の活躍推進に向けた取組 若者・女性活躍推進フォーラム

【コラム4】 発達障害者支援センターにおける支援

【コラム5】 「親子や地域との絆の再生」による非行少年を生まない社会づくり

【コラム6】 合法ハーブなどと称して販売される薬物に関する当面の乱用防止対策

【コラム7】 いじめなどをテーマとした人権教室

【コラム8】 体罰の問題に対する取組の推進

【コラム9】 民生委員・児童委員による被災地支援

【コラム10】 「青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策に関する基本的な計画(第2次)」の策定

【コラム11】 学生によるオレンジリボン運動

【コラム12】 Facebookを活用した若者からの試行的意見聴取


131 https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu.htm
132 http://www.moj.go.jp/housouken/housouken03_00060.html
133 http://www.e-stat.go.jp/
134 昭和53(1978)年度から平成21(2009)年度までは,「全国青少年健全育成強調月間」として実施してきたが,平成22(2010)年度からは「子ども・若者育成支援推進法」の施行を踏まえ,名称を「子ども・若者育成支援強調月間」と変更した。https://www8.cao.go.jp/youth/ikusei/index.html
135 https://www8.cao.go.jp/youth/ikusei.htm
136 http://www.moj.go.jp/hogo1/kouseihogoshinkou/hogo_hogo06.html
137 http://www.e-gov.go.jp/link/kids/index.html
138 https://www8.cao.go.jp/youth/suisin/hyouka/index.html
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