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第1部 子どもや若者の状況

第2章 健康

第2節 疾病

1 受療率と推計患者数

30歳未満の受療率は低年齢層ほど高い。

受療率3は,0歳が最も高く,1~4歳,5~9歳と続いている。0~14歳の受療率は2000年代に入ってから上昇傾向にある。(第1-2-11図(1))

推計患者数を疾病別にみると,0~14歳では呼吸器系の疾患が最も多く,とりわけ1~4歳では全体の半数を占めている。15~19歳では呼吸器系の疾患と消化器系の疾患がほぼ同数である。20代では,消化器系の疾患が最も多く,全体の約2割を占める。年齢層が上がるにつれ,精神・行動障害の占める割合が増える。(第1-2-11図(2))

2 主な疾病・異常の状況

むし歯のある者の割合は低下しているが,アレルギー性鼻炎や喘息の者の割合が上昇。性感染者は減少,HIV感染者は増加傾向。

主な疾病・異常の状況をみると,裸眼視力1.0未満の者の割合はおおむね緩やかな上昇傾向にあり,平成24(2012)年度は小学生で30.7%,中学生で54.4%,高校生で64.5%となっている。むし歯のある者(処置完了者を含む。)の割合は,全ての年齢層で低下が続いており,平成24年度は4~6割程度となっている。1990年代後半からは,鼻・副鼻腔疾患(アレルギー性鼻炎など)や喘息の者の割合が上昇している。(第1-2-12図)

30歳未満の性感染症の報告数4は,2000年代前半に減少に転じ,平成23(2011)年は25,021件となっている。20~24歳と25~29歳がそれぞれ全体の4割程度を占め,15~19歳が約2割となっている。(第1-2-13図)

30歳未満のHIV感染者・エイズ患者の新規報告数は増加傾向にあり,平成23年にはHIV感染者が346人,エイズ患者が49人報告されている。HIV感染者全体の約3割,エイズ患者の約1割が30歳未満であり,10代の感染者や患者も報告されている。(第1-2-14図)


3 人口10万人当たりの推計患者数。
4 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(平10法114)に基づき,指定届出機関(平成23年は全国937の医療機関)から報告される,性器クラミジア感染症,性器ヘルペスウイルス感染症,尖圭コンジローマ,淋菌感染症の4疾病の報告数を合計したもの。
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