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第1部 子どもや若者の状況

第3章 成育環境

第2節 体験活動

1 現状

体験活動への参加は減少。

体験活動とは,生活・文化体験活動,自然体験活動,社会体験活動の3つに大きく分類される活動であり,子どもが,直接自然や人・社会などとかかわる活動を行うことにより,五感を通じて何かを感じ,学ぶ取組を広く包含している16

近年,子どもの体験活動の場や機会の減少が指摘されている17。例えば自然体験活動についてみると,学校以外の公的機関や民間団体が行う自然体験活動への小学生の参加率は,どの学年でもおおむね低下しており,特に小学校4~6年生は平成18(2006)年度から平成22(2010)年度にかけて10%ポイント以上低下している(第1-3-30図)。1年間にキャンプをした者の割合は10代でも20代でも低下しており,10~14歳では16.6%,15~19歳では6.2%しかいない(第1-3-31図)。小中学生の中で自然体験をほとんどしたことがない者が平成10(1998)年と比較して平成21(2009)年は全般的に増加している(第1-3-32図)。

2 機会の提供

学校における体験活動実施時間数は中学校・高校で増加傾向にある一方,小学校では減少傾向。体験活動を提供する公立の青少年教育施設は減少が続く。

学校における体験活動の実施時間数の推移をみると,中学校・高校では増加傾向にあるものの,小学校では2000年代前半に増加した後,減少傾向となっている。(第1-3-33図)

様々な体験活動の機会を提供している国公立の青少年教育施設の数は,1990年代から2000年代にかけて横ばいであったが,平成17(2005)年度以降大きく減少している。平成23(2011)年度現在,国立青少年教育施設は28施設,公立の青少年教育施設(少年自然の家,青年の家)は443施設である。(第1-3-34図)

子ども会,ボーイスカウト,ガールスカウト,スポーツ少年団などの青少年団体への所属状況をみると,小学校高学年では男子の7割前後,女子の4~5割が所属しているが,中学校2年生では男子の2割強,女子の1割強となり,高校2年生では男子の約1割,女子の5%と,その割合が低くなっている。(第1-3-35図)

3 意義・効果

体験活動が豊富なほど,意欲や関心,規範意識,学力が高い。

文部科学省中央教育審議会は,平成25(2013)年1月に答申した「今後の青少年の体験活動の推進について」18の中で,体験活動の意義・効果として,「社会を生き抜く力」の養成,規範意識や道徳心の育成,学力への好影響などを挙げている。

例えば,小中学生時代の体験が豊富な大人ほど,意欲・関心や規範意識が高い人が多い(第1-3-36図)。学力の面では,自然の中で遊んだことや自然観察をしたことがある小中学生のほうが「全国学力・学習状況調査」での理科の平均正答率が高い(第1-3-37図)。


16 文部科学省中央教育審議会「今後の青少年の体験活動の推進について(答申)」(平成25年1月)
17 上記答申では,かつての多くの子どもたちは仲間とともに自然の中で遊びながら,あるいは,地域において生活,成長していく過程で,様々な自然体験・社会体験を日常的に積み重ねて成長する機会に恵まれていたが,都市化,少子化,電子メディアの普及,地域とのつながりの希薄化といった社会の変化などにより,これまで身近にあった遊びや体験の場や「本物」を見る機会が少なくなったこと,リスクを恐れるあまり周りの大人が子どもに対して過保護になってしまい,必要な体験活動の機会を奪っている面もあることなどが指摘されている。
18 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1330230.htm
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