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第1部 子どもや若者の状況

第5章 安全と問題行動

第3節 非行・問題行動

1 犯罪少年,触法少年,ぐ犯少年

刑法犯少年と触法少年(刑法)の検挙人員・補導人員は減少傾向にある一方,軽犯罪法違反などの特別法犯少年と触法少年(特別法)が増加傾向。

刑法犯少年27の検挙人員,触法少年28(刑法)の補導人員,ぐ犯少年29の補導人員は,いずれも減少傾向にある。平成24(2012)年には,刑法犯少年の検挙人員は65,448人(14~19歳人口1,000人当たり9.1人),触法少年(刑法)の補導人員は13,945人となっている。軽犯罪法違反といった特別法犯少年30の送致人員は平成24年に大きく減少したが,触法少年(特別法)は増加傾向が続いている。(第1-5-13図)

年齢別にみると,刑法犯少年では15歳(22.8%)が最も多く,16歳(21.5%)が続いている。この10年で14,15歳の占める割合が上昇傾向にある。触法少年(刑法)では13歳(58.7%)が多くを占めているが,12歳以下の割合が上昇している。(第1-5-14図)

罪種別にみると,刑法犯少年でも触法少年(刑法)でも窃盗が最も多い。(第1-5-15図)

初発型非行(万引き,自転車盗,オートバイ盗,占有離脱物横領の4罪種をいう。)の検挙人員はこの10年で減少傾向にあり,平成24年には43,302人となっている。初発型非行の刑法犯少年総数に占める割合はこの数年で7割弱まで低下している。初発型非行の内訳をみると,万引きの占める割合が増加していたが平成24年には低下した。(第1-5-16図)

刑法犯少年の非行時間帯をみると,16~18時(19.9%)が最も多く,次いで,14~16時(14.6%),18~20時(13.8%)で,14~20時で全体の半分弱を占めている。(第1-5-17図(1))

原因・動機をみると,所有・消費目的(70.3%)が最も多く,遊び・好奇心・スリル(5.9%),遊興費充当(5.5%)が続く。(第1-5-17図(2))

2 問題行動

(1)薬物乱用

覚醒剤事犯,大麻事犯で検挙した30歳未満の者は,いずれも減少傾向。

覚醒剤事犯や大麻事犯で検挙された30歳未満の者は減少傾向にあり,平成24(2012)年にはそれぞれ,2,081人,781人となっている。検挙人員全体に占める30歳未満の者の割合も低下傾向にあるが,大麻事犯では依然として30歳未満の者が全体の半数弱となっている。(第1-5-18図)

(2)暴走族

20歳未満の暴走族の数は減少傾向。年齢別には低年齢層の占める割合が上昇傾向。

警察が把握した暴走族の人員のうち20歳未満の者は減少傾向にあり,平成23(2011)年は4,455人となっている。年齢別にみると,18歳と19歳で約半分を占めているが,近年は17歳以下の者の占める割合が上昇傾向にある。刑法犯として検挙された者も減少傾向にあり,平成23年は669人となっている。(第1-5-19図)

(3)不良行為

警察が補導した不良行為少年は,深夜はいかいと喫煙が大部分。近年は深夜はいかいの割合が上昇。

警察が補導した不良行為少年(非行少年には該当しないが,飲酒,喫煙,深夜はいかいなどを行って警察に補導された20歳未満の者)は,2000年代前半に急増した後,低下傾向にある。平成24(2012)年には917,926人と,11年ぶりに100万人台を割った。態様別にみると,深夜はいかい(57.3%)と喫煙(33.0%)で全体の9割程度を占めている。近年は深夜はいかいの割合が上昇し,喫煙や飲酒の割合は低下している。(第1-5-20図)

(4)家庭内暴力

警察が認知した家庭内暴力は,この数年で急増。中学生の割合が上昇。原因・動機はしつけへの反発が多い。

警察が相談や補導活動を通じて認知した20歳未満の者による家庭内暴力の認知件数は,この数年で急増し,平成23(2011)年は1,470件となっている。(第1-5-21図(1))

学職別にみると,中学生が45.4%を占めており,その割合が上昇している。小学生の占める割合も上昇している。(第1-5-21図(2))

対象別には,母親が全体の約6割を占めている。(第1-5-21図(3))

原因・動機をみると,しつけなどへの反発が約6割を占め,その割合が上昇傾向にある。(第1-5-21図(4))

(5)家出

警察により発見,保護された者は過去10年でみると減少傾向。小学生と中学生の割合が上昇。

警察により発見・保護された,家出をした20歳未満の者は,この10年間で減少傾向にあり,平成23(2011)年には15,917人となっている。中学生(42.5%)が最も多く,高校生(25.6%)が続いている。小学生と中学生の占める割合が上昇している。(第1-5-22図)


27 刑法犯少年とは,刑法犯の罪を犯した者で,犯行時及び処理時の年齢がともに14歳以上20歳未満の者。
28 触法少年とは,14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした者。
29 ぐ犯少年とは,保護者の正当な監督に服しない性癖があるなど,一定の事由があって,その性格又は環境から判断して,将来,罪を犯し,又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある20歳未満の者。
30 特別法犯少年とは,刑法犯を除くすべての犯罪(条例に規定する罪を含む。)を犯した14歳以上20歳未満の者。
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