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第1部 子どもや若者の状況

第6章 生活行動・意識

第1節 生活行動

1 生活時間

(1)起床時刻と就寝時刻

低年齢層はこの5年で早寝早起きになっている。

平日の平均起床時刻は,10~14歳が6時38分,15~19歳が6時54分,20~24歳が7時56分,25~29歳が7時17分となっている。低年齢層のほうが早く起きており,また,この5年で起床時刻が早くなっている。平均就寝時刻をみると,10~14歳が22時24分,15~19歳が23時48分,20~24歳が0時31分,25~29歳が0時7分となっている。低年齢層では就寝時刻がこの5年で早くなっている。(第1-6-1表)

第1-6-1表 起床時刻と就寝時刻
(1)平均起床時刻(平日)
  平成18年(2006年) 平成23年(2011年)
10~14歳 6時44分 6時38分
15~19歳 7時01分 6時54分
20~24歳 7時53分 7時56分
25~29歳 7時20分 7時17分
小学生(10歳以上) 6時44分 6時38分
中学生 6時45分 6時41分
高校生 6時43分 6時36分
その他の在学者 7時59分 7時55分
(2)平均就寝時刻(平日)
  平成18年(2006年) 平成23年(2011年)
10~14歳 22時30分 22時24分
15~19歳 23時58分 23時48分
20~24歳 0時31分 0時31分
25~29歳 0時05分 0時07分
小学生(10歳以上) 22時02分 21時57分
中学生 23時04分 22時55分
高校生 23時50分 23時42分
その他の在学者 0時47分 0時37分
(出典)総務省「社会生活基本調査」
(2)睡眠や食事,仕事や家事,自由な時間

睡眠や食事の時間が増加。自由な時間は10代で減少。

睡眠や食事にかける時間はおおむねどの年齢層でも増加している。(第1-6-2図(1))

仕事や家事,学業など社会生活を営む上で義務的な性格の強い活動にかける時間は,2000年代に入ってから,10代では増加傾向にある一方,20代ではほぼ横ばいで推移している。20代は長期的には減少傾向にある。(第1-6-2図(2))

これら以外で各人が自由な活動にかける時間は,2000年代に入るまではどの年齢層でも増加してきたが,その後,10代では減少に転じ,20代では横ばいとなっている。(第1-6-2図(3))

睡眠時間は10代ではおおむね横ばい,20代では増加傾向にある。食事にかける時間は,この10年をみると,10代では増加傾向,20~24歳はおおむね横ばい,25~29歳は減少傾向にある。(第1-6-3図)

有業者の仕事時間は15~19歳と20~24歳で減少傾向にある。学業にかける時間は,2000年代以降,小学生,中学生,高校生,大学生などのいずれでも増加傾向にある。(第1-6-4図)

各人が自由な活動にかける時間では,休養・くつろぎや趣味・娯楽の時間は,いずれの年齢層でも総じて増加傾向にあるが,10代前半では5年前から減少した。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌にかける時間は減少している。学習・自己啓発・訓練の時間は,10~14歳は減少,15~19歳ではほぼ横ばい,20代では若干増えている。スポーツにかける時間は,10代では若干増加,20代ではほぼ横ばいである。(第1-6-5図)

2 行動

(1)親とのかかわり

1週間の会話時間が父親とは5時間に満たない子どもが,母親とは10~19時間程度の子どもが最も多い。特に一緒にすることがない親子が中学生で1割弱,高校生で1割強。

18歳未満の子どもが親とどのくらい会話しているのかをみると,1週間のうちで父親と会話する時間は,4時間以下(31.8%)が最も多く,10~19時間(20.5%),5~9時間(18.7%)と続いている。(第1-6-6図(1))

1週間のうちで母親と会話する時間は,10~19時間(20.1%)が最も多く,次いで,20~29時間(16.5%),5~9時間(13.5%)となっている。1日当たりに換算すると,母親の約半数は子どもたちと1~4時間程度の会話をしていることになる。(第1-6-6図(2))

この背景として,仕事をしていない母親が4割を占めていることや父親の帰宅時間が遅いことが考えられる。母親のうち仕事を持っている者の多くは夕刻までに帰宅しているが,3割以上の父親は夜8時以降に帰宅しており,夜10時以降の者も1割程度いる。(第1-6-7図)

親と子どもたちがよく一緒にすることをみると,例えば,勉強を親がみている小学生が7~8割,中学生が5割程度となっている。スポーツを一緒にする親子は小学生で2割弱,中学生で1割強,高校生で1割以下であるが,この5年ではそうした親子の割合が上昇している。家族会議を開いて話し合う親子は小学生の2割強,中学生と高校生の2割弱であるが,その割合がこの5年で大きく上昇している。しかし,「特に一緒にすることはない」親子が中学生で1割弱,高校生等で1割強となっている。(第1-6-8図)

(2)自由時間における主な活動

外国語活動を行う者の割合は10~14歳と20~24歳で上昇傾向。テレビゲームなどを行う者の割合は10代では低下傾向だが20代では上昇傾向。海外に観光旅行をする20代の割合が1990年代半ば以降大きく低下。

1年間に自己啓発やボランティアに関する活動を行った者の割合をみる。自己啓発として外国語に関する活動を行った者の割合は,1990年代以降,10~14歳と20~24歳では増減を繰り返しつつも上昇傾向にある。15~19歳では2000年代初頭まで上昇した後,低下し,近年再び上昇している。25~29歳ではおおむね横ばいで推移している。この5年では,特に10~14歳の者の割合が大きく上昇している。(第1-6-9図(1))

1年間にボランティア活動を行った者の割合は,10代では低下傾向,20代では横ばいないし上昇傾向にある。(第1-6-9図(2))

趣味・娯楽としてテレビゲームやパソコンゲームを行った者の割合は,10代では低下傾向にある一方,20代で上昇傾向にある。(第1-6-9図(3))

1年間に海外に観光旅行をした者の割合は,1990年代半ば以降,10代では横ばいで推移しているが,20代では大きく低下している。(第1-6-9図(4))

学校の終業後の状況をみると,地域のスポーツクラブなどを含めたクラブ活動を行っている者は,小学校1~3年生で23.9%,小学校4~6年生で42.3%,中学生で70.7%,高校生等で61.7%となっている。(第1-6-10図(1))

塾や習い事に行っている者は,小学校1~3年生で44.0%,小学校4~6年生で53.6%,中学生で56.8%,高校生等で24.4%となっている。(第1-6-10図(2))

(3)遊び

一緒によく遊ぶ友達は4~5人。普段の遊び場は「友達の家」が最も多い。

一緒によく遊ぶ友達の人数をみると小学校高学年と中学生では4~5人が最も多く,高校生等では6人以上が多い。過去5年で,6人以上との回答割合が上昇している。(第1-6-11図)

普段の遊び場は,いずれの層でも友達の家が最も多い。次いで,小学校高学年と中学生では自宅が多く,高校生等では商店街やデパートとなっている。5年間の変化をみると,いずれの層でも自宅が減少している一方で,公園が増加している。中学生と高校生ではファミリーレストランの伸びが大きい。(第1-6-12図)

(4)携帯電話やインターネットの利用

高校生の9割以上が携帯電話を所有しているが,インターネット利用に制限が行われているのは約5割。年齢層が上がるほど,インターネット上のトラブルなどを経験する割合が増える。販売業者からフィルタリングに関する説明があった割合は上昇傾向。

携帯電話の所有状況をみると,小学校4~6年生の24.1%,中学生の46.2%,高校生の97.6%が自分専用の携帯電話を所有している。(第1-6-13図(1))

持っている携帯電話は,小学生では機能限定や子ども向けのものが多いが,年齢が上がるにつれ,その割合は大きく低下する。高校生の55.9%がスマートフォンを持っている。(第1-6-13図(2))

持ち始めた時期は中1(19.7%)が最も多く,高1(16.2%),小6(10.9%)と続いている。中学生になる前に持ち始めた者が45.0%となっている。(第1-6-13図(3))

携帯電話によるインターネットの利用時間(平日)は,小学校4~6年生では30分未満が60.0%を占めているが,中学生では1~2時間程度の者も増えてくる。高校生では1~2時間の者が28.1%で最も多くなり,2時間以上利用している者も全体の45.5%を占めている。(第1-6-13図(4))

フィルタリングやインターネットを使えない機種・設定にするなどインターネット利用に何らかの制限が行われている者は,小学校4~6年生の8割弱,中学生の約7割,高校生の5割強となっている。(第1-6-13図(5))

インターネット利用に関する家庭のルールをみると,「利用料金の上限を決めている」,「守るべき利用マナーを決めている」がそれぞれ2割程度となっている一方,「特にルールを決めていない」が44.7%を占めている。(第1-6-13図(6))

パソコンの利用状況をみると,小学校4~6年生の8割以上がパソコンを使用しており,高校生ではその割合は9割弱に達する。(第1-6-14図(1))

パソコンを使い始めた時期は,小学校1~3年生が4割弱,小学校4~6年生で約4割を占める。(第1-6-14図(2))

パソコンによるインターネットの利用時間(平日)は,小学校4~6年生では30分未満(26.1%)が最も多く,中学生と高校生では1~2時間(中学生27.1%,高校生25.0%)が最も多い。(第1-6-14図(3))

フィルタリングやインターネットを使えない機種・設定にするなどインターネット利用に何らかの制限が行われている者は,小学校4~6年生の約3割,中学生の3割強,高校生の2割強となっている。(第1-6-14図(4))

5割程度は家庭のルールが特に決められていない。(第1-6-14図(5))

携帯電話におけるインターネット上のトラブルや問題行動に関連する行為の経験をみると,年齢層が上がるほど,トラブルなどを経験する割合が高い。全体で最も多い「チェーンメールが送られてきたことがある」は,小学生では9.3%であるが,中学生(45.4%)と高校生(49.4%)では最も多い。また,「SNSサイトやゲームサイトで知り合った人とやりとりしたことがある」も,小学生では1.3%とほとんどみられないが,中学生では4.3%,高校生では13.7%となっている。(第1-6-15図)

インターネットの危険性について説明を受けたり学んだ経験をみると,「学校で教えてもらった」が,小学生では59.5%であるが,中高生では9割前後に達している。一方,「特に教えてもらったり学んだりしたことはない」は,高校生(2.1%)ではほとんどみられないが,小学生では5人に1人(22.6%)となっている。(第1-6-16図)

子どもが自分専用の携帯電話を持っている保護者に対し,携帯電話を購入する際に販売業者からフィルタリングに関する説明を受けたかを聞いたところ,この数年で「説明があった」が増加し,「説明がなかった」は減少している。平成24(2012)年は,「説明があった」が80.0%となっている。(第1-6-17図)

(5)異性との交際状況

18~34歳の未婚者のうち交際している異性がいない者の割合が上昇傾向。

未婚者の異性との交際状況をみると,交際している異性がいない者の割合が男女ともにいずれの年齢層でも上昇傾向にある。平成22(2010)年には,18~19歳の男性の69.9%,女性の59.8%,20~24歳の男性の61.9%,女性の47.4%,25~29歳の男性の55.9%,女性の43.8%となっている。(第1-6-18図)

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