第2部 子ども・若者育成支援施策の実施状況
第4章 子ども・若者の健やかな成長を社会全体で支えるための環境整備
第5節 子ども・若者を取り巻く有害環境等への対応
1 青少年インターネット環境整備法の的確な施行等
(1)青少年インターネット環境整備法(内閣府)
「青少年インターネット環境整備法」169では,
- 政府において青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策に関する基本的な計画を策定し,実施すること
- 学校教育,社会教育及び家庭教育におけるインターネットの適切な利用に関する教育・啓発活動の推進などを図ること
- 携帯電話・PHS事業者,インターネット接続サービスを提供する事業者(ISP),インターネット接続機器製造事業者などが青少年有害情報のフィルタリングソフトの提供義務などを負うこと
- 国及び地方公共団体がインターネットの適切な利用に関する活動を行う民間団体などを支援すること
などが規定されている。(第2-4-14図)

平成24(2012)年7月6日,この法律に基づく「青少年インターネット環境整備基本計画(第2次)」170が子ども・若者育成支援推進本部で決定された。
COLUMN NO.10
「青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策に関する基本的な計画(第2次)」の策定
1 策定の趣旨
青少年のインターネット利用環境の整備については,平成21年4月に施行された「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」を受けて,基本計画が同年6月に策定された。この基本計画では,青少年インターネット環境をめぐる諸情勢の変化などを踏まえ「3年後を目途に基本計画を見直すものとする」とされていたことから,平成24年7月6日に見直しが行われた。
2 見直しの主なポイント
①スマートフォンを始めとする新たな機器への対応
青少年のインターネット利用環境は,スマートフォンの登場などにも見られる技術の進展に伴い大きく変化してきている。そのため,新たな環境変化に適合できるよう,取組方法の見直しを行う。
②保護者に対する普及啓発の強化
保護者は,青少年の発達段階や教育方針に応じて青少年のインターネット利用を適切に管理することが求められる。保護者が,必要な知識・能力を身につけることができるよう,より一層普及啓発を強化する。
③国,地方公共団体,民間団体の連携強化
青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策を迅速かつ効果的に推進するため,地方公共団体とともに,官民の連携を強化する。
3 具体的な取組

(2)実態の把握(内閣府)
内閣府は,「青少年インターネット環境整備法」の実施状況のフォローアップのための基礎データを得ることを目的として,18歳未満の者とその保護者を対象に,インターネットの利用状況やフィルタリングの普及状況を調査する「青少年のインターネット利用環境実態調査」を実施している171。平成24(2012)年度調査結果を平成25(2013)年3月に公表した。
(3)フィルタリングの普及啓発(内閣府,警察庁,総務省,文部科学省,経済産業省)
「青少年インターネット環境整備法」では,国などがフィルタリングについて広報啓発活動を行うことが規定されており,関係府省が民間団体などと連携して,フィルタリングの普及啓発を推進している。
警察は,違法情報に対する取締りや,有害情報から子どもを守るためのフィルタリングソフトやサービスの普及などの推進,プロバイダの自主的措置の促進に努めている。特に,子どもが使用する携帯電話に係るフィルタリングの100%普及を目指し,関係府省などと連携・協力して,関係事業者に対する指導・要請,保護者に対する啓発活動の徹底といった取組を強力に推進している。また,子どもにもスマートフォンが急速に普及しつつあり,その利用に係る福祉犯被害なども発生していることから,スマートフォンにおける無線LAN回線へのフィルタリングや保護者によるアプリの管理の必要性などについての広報啓発を推進している。
総務省は,インターネット上の有害な情報から子どもを保護するため,携帯電話事業者などに対するフィルタリングサービスの改善要請や,学校関係者や保護者をはじめとする住民に対するフィルタリングの普及促進活動を推進している。なお,民間の取組として,利用者・産業界・教育関係者などが相互に連携するために設立された安心ネットづくり促進協議会172が挙げられる。この協議会では,広く国民一般を対象としたリテラシー向上の推進に取り組んでおり,インターネットや様々なメディアを活用し,リテラシー向上やフィルタリングの普及などの活動を全国各地で実施している。平成24(2012)年6月には,スマートフォンにおける無線LANとアプリを経由する場合のフィルタリングの課題に関する検討結果が「青少年保護・バイ・デザイン及び利用者のインターネット・リテラシー向上に向けて」として取りまとめられた。
文部科学省は,卒業,入学,進学を機に携帯電話を購入する家庭が多いことを受け,学校で行う入学説明会や新入学時の保護者説明会など効果的な説明の機会をとらえて保護者に周知するよう協力を依頼している。
経済産業省は,
- インターネットの利用環境の変化に対応するため,望ましいフィルタリング提供のあり方についての判断基準173を策定している。当該基準を用いた判断に資するべく,ゲーム機をはじめとする利用状況を調査し,その結果を事業者にフィードバックしている。
- フィルタリングを保護者がより適切に利用できるよう,保護者に対して事業者などがなし得る支援策を検討し,事業者の取組を促した。
- 学校関係者・保護者など向けのフィルタリングセミナーなどを通して,子どものインターネット利用にかかるリスクとその対策を説明することで,関係者全体のインターネットリテラシーの向上と保護者などによる実効的な自主的対策を促進した。
以上のような取組の結果,(社)電気通信事業者協会の発表によると,携帯電話などのフィルタリングサービスの利用者数は,平成24年9月末時点で約847万人となっている。平成18(2006)年9月末時点の約63万人と比較すると約13倍となっており,着実にフィルタリングの利用が広がっている。
(4)悪質な違法行為の取締りなど(警察庁,法務省)
警察庁は,一般のインターネット利用者からの違法情報・有害情報に関する通報を受理し,警察への通報やプロバイダ,サイト管理者などへの削除依頼を行うインターネット・ホットラインセンターを運用している(第2-4-15図)。同センターでは,平成24(2012)年には196,474件の通報を受理しており,プロバイダなどに対して25,241件の違法情報・有害情報の削除依頼を行い,そのうち22,039件(87.3%)が削除された。外国のウェブサーバに蔵置された児童ポルノ情報についても,当該外国の同種の機関に対し削除に向けた取組を依頼している。

警察は,サイバーパトロールや,都道府県警察が委嘱した民間のサイバーパトロールモニター,インターネット・ホットラインセンターからの通報により,インターネット上に流通する違法情報・有害情報の把握に努め,全国の警察が連携して,以下の取組を進めている。
- 「出会い系サイト」の利用に起因する犯罪から子どもを保護するため,当該サイトを利用して子どもを性交などの相手となるよう誘引する行為などの積極的な取締り
- 「出会い系サイト」以外のコミュニティサイトの利用に起因する子どもの被害が未だ高い水準で推移していることを受け,関係機関・団体と連携し,実効性のあるゾーニングの促進といった各種対策
- これらのサイトの利用に起因する子どもの被害を防止するための広報啓発
- インターネット利用者の規範意識を醸成するため,サイバー防犯ボランティアの育成・支援
法務省は,人権擁護機関において,インターネットによるプライバシー侵害といった人権侵害情報について相談を受けた場合,プロバイダなどに対する発信者情報の開示請求や当該情報の削除依頼の方法について助言している。人権侵害情報による被害の回復を被害者自ら図ることが困難な場合は,表現の自由に配慮しつつ,「プロバイダ責任制限法 名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」に基づいて,プロバイダなどに当該情報の削除を要請するなど被害者の救済に努めている。
(5)子どもや保護者に対する啓発(内閣府,警察庁,総務省,法務省,文部科学省)
内閣府は,関係府省や地方公共団体と連携し,インターネット利用におけるフィルタリングの普及や適切な利用を推進するため,パンフレットの配布などによる啓発活動に取り組んでいる。
警察は,出会い系サイトやコミュニティサイトの利用に起因する犯罪による被害やインターネット上の違法情報・有害情報の影響から子どもを守るための広報啓発を推進している。平成25(2013)年2月の広報重点を「サイバー空間の脅威に対する社会全体の対処能力の強化」として,全国の小学校や中学校などにおいて情報セキュリティに関する講習を開催した。この講習では,子どもや保護者,学校の教職員などに対し,インターネット上の違法情報・有害情報に起因した犯罪,子どもを被害者とするサイバー犯罪の具体的事例や対応策を紹介するとともに,フィルタリングソフトやサービスの導入などを勧めている。
総務省は,文部科学省や通信関係団体と連携し,子どものインターネットの安全・安心利用に向けて,主に保護者・教職員や子どもを対象とした啓発講座を全国規模で行う「e-ネットキャラバン」の活動を全国で実施している。また,インターネットリテラシー指標に関する開発,実施を通じた全国的な啓発活動を行っている。
法務省は,人権擁護機関において,「インターネットを悪用した人権侵害をやめよう」を啓発活動の年間強調事項として掲げ,1年を通して全国各地で,講演会や研修会の開催や,啓発冊子の配布といった活動を実施している。また,これまで作成した小・中・高校生や保護者向けの啓発教材を活用したり,ブログサイトやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)サイトに,人権に関する正しい理解を深めることや相談先や救済手続を案内することを目的としたインターネットバナー広告を掲載している。
文部科学省は,保護者や学校関係者,地方公共団体,事業者の効果的な取組を推進するため,「ネット安全安心全国推進フォーラム」を開催している。平成25(2013)年は3月に開催し,「インターネット社会に向き合う子どもたちのために」をテーマに,事例発表やパネルディスカッションを行い,これからインターネット社会に向き合い,共に生きていく子どものために大人として何をすべきなのか,青少年を取り巻く現状や取組の紹介などを通じて,考える機会を提供した。
(6)関係業界の自主的な取組の促進(内閣府,警察庁)
メディアが提供する情報には,有用なものも多い反面,特に性・暴力表現に関する情報などは子どもに悪影響を及ぼす場合があるとの指摘もあるなど懸念される状況にある。子どもを取り巻く有害情報対策には,まず,関係業界自身が自主的な取組を図ることが大切であり,マスコミをはじめ関係業界では自主的な取組が行われている。(第2-4-16表)
警察は,有害図書類の少年への提供について,関係機関や地域住民と連携して業界の自主的措置を促進するよう指導を強化するとともに,悪質な業者に対する取締りの強化を図っている。
関係業界 | 内容 |
---|---|
マスコミ全般 | ○新聞,放送,出版,映画,広告及びレコードの各業界によりマスコミ倫理懇談会全国協議会が設置され,マスコミと青少年とのかかわり方に関する研究協議等を実施 |
出版 | ○出版倫理協議会が,有害出版物の取扱いについて独自の自主規制措置を実施(同協議会に加入している4団体もそれぞれの倫理綱領を定めている) ○出版倫理懇話会(成人娯楽雑誌等を刊行する35 社により組織)が,青少年の保護育成を勘案した自主規制の編集倫理綱領を定め活動 ○露骨な性描写を内容とした成人向けコミック誌,単行本等の出版物について,販売店における区分陳列の実施 ○成人向け雑誌マーク,出版ゾーニングマークの表示 ○成人コーナーの設置 ○対面販売の実施 ○販売店における区分けを可能にするために,2か所小口シール留め実施(グレーゾーン誌) |
○(社)日本雑誌協会の編集倫理委員会に,倫理専門委員会を設け,毎月2回,協会加盟誌の通覧作業を実施 | |
映画・ビデオ・ コンピューター ソフト等 |
○映画倫理活動の自主規制機関として映画倫理委員会を設置し,「映画倫理綱領」に基づき主に劇場で公開される映画の審査を実施している。青少年への影響に配慮し,年齢層別に4つの区分,「R18+」(18 歳未満観覧禁止),「R15+」(15 歳未満観覧禁止),PG12(12歳未満の年少者の観覧には親又は保護者の助言・指導が必要),G(誰でも観覧可)に分類している。 ○ビデオソフト倫理活動のため,(社)映像倫理機構(業界の第三者的自主規制審査機関として組織)において,「映像ソフト倫理規程」を設け,独自の審査を実施している。(成人指定(18歳未満への映示,貸出,販売禁止),R-15(15 歳未満への映示,貸出,販売禁止)の審査)また,審査規則により,自動販売機(貸出機)への収納を原則禁止している。 ○その他 ・一般向けのオリジナルビデオや劇場未公開のビデオ関係についても,求めに応じ映画倫理委員会において審査を実施 ・パーソナルコンピュータソフト関係では,(社)コンピュータソフトウェア倫理機構が業界の自主規制として年齢別レーティングを採用し,倫理規程を定め審査を実施している。 ・ゲームセンター設置ゲーム機及び同ソフト関係では,(一社)日本アミューズメントマシン協会が業界自主基準に基づき,ゲーム機,ソフトの映像審査,メダルゲーム機の検査を実施し,健全で適正なゲーム機器が設置されるように努めている。 ・ゲームセンター施設関係では,(一社)全日本アミューズメント施設営業者協会連合会が,18歳未満の年少者の立ち入りについて風適法に定められた許可営業店における時間制限の徹底を図るとともに,青少年健全育成に寄与すべく店舗責任者を対象にした「青少年指導員養成講座」を全国防犯協会連合会共催で年2回実施している。 ・家庭用ゲームソフト関係では,(社)コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が,業界の自主規制として年齢別レーティング制度の必要性の高まりに対応して,平成14年,有識者らと第三者審査機関としての特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)を設立した。CEROは,今日まで10年以上にわたり,およそ11,000件以上のタイトルを審査してきており,年齢別レーティングマークの表示率は,ほぼ100%となっている。 |
放送 | ○日本放送協会及び(一社)日本民間放送連盟は平成11年に,共同あるいは連携しながら, ①青少年向けの放送番組の充実 ②メディアリテラシーの向上 ③第三者機関等の活用 ④青少年と放送に関する調査等の推進 ⑤放送時間帯の配慮 ⑥番組に関する情報提供の充実 について具体的に推進。その後もそれぞれの取組を継続している。 ○日本放送協会は,「日本放送協会番組基準」の「国内番組基準」(昭和34 年制定,平成10 年改正)において青少年等に配慮した一般的基準を設けている。具体的には, ①青少年向け放送番組を積極的に編成する時間帯の設置 ②小学校5,6年生を対象とした「NHK 放送体験クラブ」の実施や,メディアリテラシー関連番組の制作 ③青少年の見やすい番組を意識した編成の実施 ④番組情報の充実化 などの取組を行っている。 ○(一社)日本民間放送連盟は,「日本民間放送連盟放送基準」(昭和26 年制定,平成16 年改正)において,「児童および青少年への配慮」,「家庭と社会」,「教育・教養の向上」,「表現上の配慮」,「暴力表現」,「犯罪表現」,「性表現」などの章を設け,加盟各社の自主規制を促している。また,「児童向けコマーシャルに関する留意事項」,「アニメーション等の映像手法について」(NHKと共同で作成),「消費者金融CM の取り扱いについて」などで特に注意すべき事項を指標として提示。さらに,平成11 年6 月には「『青少年と放送』問題への対応について」を作成し,実践している。 具体的には, ①「青少年に見てもらいたい番組」を各社が選定し,週3時間以上放送 ②青少年にとりわけ配慮する時間帯として,17時から21時までを設定 ③メディアリテラシー活動の推進のため,民放各社の活動に対する助成事業を実施 ④番組情報の事前表示に関する考え方の取りまとめ など。 ○「放送倫理・番組向上機構[BPO]」(NHKと民放連が設置した放送界の第三者機関)内の「放送と青少年に関する委員会」(青少年委員会)は,BPO に寄せられた視聴者からの放送と青少年に関する苦情・要望等を基に審議している。必要に応じて審議結果を「見解」「提言」等としてまとめ,放送局に通知するとともに公表し,青少年関係機関にも配布。放送番組の自主的な改善・向上を促している。また,青少年と放送にかかわる調査を継続実施している。 ○ CS放送の(一社)衛星放送協会は,「放送基準」(平成11年1月制定,平成16年1月改定)において,児童及び青少年の人格形成に対する影響を考慮し,健全な精神を尊重させるよう配慮するとの条項を設けている。 具体的には, ① 児童向け番組には,児童の品性を損なったり,児童の心身に過度な影響を与えるような言葉や表現・内容がないように注意する。 ② 武力や暴力を表現する場合には,児童及び青少年に対する影響がないよう考慮する。 ③ 法律で未成年者に禁じられている行為を正当化することのないようにする。 併せて,「性,暴力等の表現を含む番組に係るガイドライン」(平成 24年3月9日制定)や「広告放送のガイドライン2009」(平成21年7月31日発行)においても青少年保護条項を設けている。 また,専門委員会として倫理委員会を設け,日頃より青少年健全育成活動の推進に努めている。 ○成人番組倫理委員会(成人向け番組を提供するCS 放送事業者並びにブロードバンド放送事業者により組織)においては,「放送番組倫理規定」及び「番組審査基準」並びに「番組審査に関するガイドライン」,「番組宣伝・広告などに関するガイドライン」などを定めて厳正な自主審査を実施し,専門的な部会を設けて倫理規準の維持,高揚に努めている。 また,成人番組の審査についての基準を示し,「成人番組倫理委員会モザイクサンプル」を作成配布 |
広告 | ○各関係団体が,自主規制基準をそれぞれ設けているほか,広告主,新聞,放送,出版,広告業,広告制作の各社が会員となる(公社)日本広告審査機構(JARO)が,青少年問題の観点を含めた広告に対する苦情の処理等を実施 |
興行 | ○全国興行生活衛生同業組合連合会(映画,演劇,演芸の各業種で結成)が,一般向け映画(G)とPG-12・R15+・R18+制限付映画の併映禁止,制限付映画の上映の際における組合の定める注意書の掲示及び制限該当者の立ち入りの禁止等を内容とした自主規制遵守事項を制定 また,各自治体に制定されている「青少年の健全な育成に関する条例」を遵守することを制定している。 ○映画産業団体連合会(映画関係団体によって組織)が,制限付映画への制限該当者の観覧及び18 歳未満の者の深夜興行館への立入りを禁止すること等を内容とした「深夜興行等に関する申合せ」を制定 |
カラオケボックス | ○(一社)日本カラオケボックス協会連合会が,青少年の利用時間の制限,未成年者の飲酒・喫煙防止,薬物の乱用防止,内鍵の不設置,外部から室内が見渡せる開口部の取付け等を内容とした自主規制基準の制定や全国各地で管理者等を集め講習会を実施している |
インターネット | ○(社)電気通信事業者協会が「インターネット接続サービスの提供にあたっての指針」を公表(http://www.tca.or.jp) ○(一社)テレコムサービス協会等の業界団体が中心となり,下記ガイドライン及び契約約款モデル条項を改訂し公表 プロバイダ責任制限法 名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン (http://www.telesa.or.jp/consortium/provider/pdf/provider_mguideline_20110921_1.pdf) プロバイダ責任制限法 発信者情報開示関係ガイドライン (http://www.telesa.or.jp/consortium/provider/pdf/provider_hguideline_20110921_1.pdf) インターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン (http://www.telesa.or.jp/consortium/illegal_info/pdf/20100907guideline.pdf) 違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項 (http://www.telesa.or.jp/consortium/illegal_info/pdf/The_contract_article_model_Ver6.pdf) ○(財)インターネット協会が,フィルタリングシステムに関する専用のホームページを開設。パンフレット「フィルタリングソフトのしくみ」「フィルタリングしてみよう」や,フィルタリング事業者同士の連携のための協議会「フィルタリング連絡協議会」の事務局として各社サービス一覧「フィルタリング知っていますか」を掲載(http://www.iajapan.org/filtering/)。 インターネットにおけるルール&マナー検定の実施(http://rm.iajapan.org/) インターネットにおけるルール&マナー集の公開(http://www.iajapan.org/rule/) インターネットホットライン連絡協議会(http://www.iajapan.org/hotline/)にて,インターネットに係わる様々なトラブルについての相談窓口を紹介。 ○(一社)インターネットコンテンツ審査監視機構〔通称:I-ROI〕は,Webサイトとコンテンツの表現を,青少年の精神的な成長に見合った年齢区分を設けて健全性を評価する基準を策定している。会員企業は基準を遵守するようにWebサイトとコンテンツの管理を行い,I-ROIはそれに適合するWebサイトに健全性認定マークを交付している。青少年は,Webサイトに掲載された認定マークにより,自分に相応しい年齢区分のコンテンツであることを閲覧前に識別できる。 http://www.i-roi.jp/ また,青少年のインターネットリテラシーの育成に資する教育活動として「デジタルコンテンツアセッサ」制度を推進しており,資格化を進めている。 |
インターネット カフェ・ まんが喫茶 |
○日本複合カフェ協会(JCCA)が店舗運営ガイドラインを制定。2009年9月改定により, ①本人確認のため会員制を導入 ②未成年者利用のパソコンへのフィルタリングソフトの導入 ③16歳未満は午後8時以降,18歳未満は午後10時以降の入店拒否 ④有害指定図書類等の区分陳列 等を制定。 以上を含む基準項目を満たす店舗に対して『優良店マーク』交付の実施。 |
携帯電話・PHS | ○インターネットの安全・安心な利用環境を整備するため,(社)電気通信事業者協会等の業界団体が中心となり,フィルタリングサービスの普及に向けた取組及び利用者に対するインターネットの安全な利用方法に関する啓発活動等を推進 ○関係各社が,未成年者と契約する場合は親権者の同意を得ているほか,公式コンテンツ提供に関するガイドラインの策定,カタログやホームページ上などでの利用者に対する注意喚起,インターネット接続制限機能の提供,公式コンテンツを提供するプロバイダに対して掲示板への掲載内容の確認を依頼するなどの措置を実施 ○(社)モバイルコンテンツ審査・運用監視機構が,青少年の利用に配慮したサイトやスマートフォンのアプリにおける運用管理体制の審査・認定及び運用監視業務,青少年保護と健全育成を目的としたフィルタリングの改善,及びICT(情報通信技術)リテラシーの啓発・教育活動を実施 |
2 携帯電話等をめぐる問題への取組(総務省,文部科学省)
文部科学省は,携帯電話をめぐるトラブルから子どもを守るためのインターネット上のマナーや家庭でのルール作りの重要性を周知するため,
- 平成24(2012)年度に,有識者による「ケータイモラルキャラバン隊」174を結成し,全国6か所で,保護者などを対象とした学習・参加型のシンポジウムを開催した。平成25(2013)年度には,「ケータイモラルキャラバン隊」を「ネットモラルキャラバン隊」と名称変更し,全国12か所に拡充して開催する。
- スマートフォンなどインターネットにつながる新たな機器への対応方法や,緊急時に有効なインターネットの活用法について子どもが自ら学び,その成果を同世代や保護者に対して発信する「青少年安心ネット・ワークショップ」を実施した。
また,「地域における有害情報対策推進事業」により地域の実情に応じた有害情報対策事業を支援している。平成25年度には,インターネットに依存していると言われている子どもを対象に青少年教育施設などを活用した自然体験活動に取り組ませることで生活リズムを改善させるプログラムを新たに加えて実施する。
総務省は,平成24年9月に発表した「スマートフォン安心・安全利用促進プログラム」175に基づく施策を推進している。このプログラムには,スマートフォンが急速する中,プライバシーや情報セキュリティ面での課題に対処する観点から,スマートフォンに関する総合的・重点的な周知啓発活動の全国展開,スマートフォン関係事業者による安心・安全な利用環境整備に対する支援,青少年・高齢者への配慮など,利用者が安心・安全にスマートフォンを利用できる環境を整備するために取り組むべき項目が盛り込まれている。(第2-4-17図)

3 性風俗関連特殊営業の取締り等(警察庁)
警察は,「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき,学校などの周辺や住宅地域における違法な性風俗関連特殊営業,18歳未満の者に客の接待などをさせる違法な風俗営業などの取締りを積極的に進めている。
4 酒類,たばこの未成年者に対する販売等の禁止
(1)取締り・処分等(警察庁,法務省)
警察は,「未成年者喫煙禁止法」(明33法33)と「未成年者飲酒禁止法」(大11法20)に基づき,未成年者が酒類やたばこを容易に入手できないような環境を整備するため,指導取締りを徹底するとともに,関係業界が自主的に措置をとるよう働き掛けている。
検察庁は,「未成年者飲酒禁止法」や「未成年者喫煙禁止法」に違反する事案について,必要な捜査を行い,事案に応じた処分を行っている。
(2)飲酒防止(国税庁)
国税庁176は,未成年者飲酒防止をはじめとする酒類の販売管理の徹底を図る観点から,「未成年者の飲酒防止に関する表示基準」(以下「表示基準」という。)を制定している。国税局長が委嘱した酒類販売管理協力員が収集した情報などを踏まえ,職員が表示基準の遵守状況を確認し,違反のあった場合には是正指導を行っている。また,酒類業界に対して,未成年者飲酒防止に配意して販売,広告・宣伝を行うよう要請するとともに,購入者の年齢確認ができない従来型自動販売機の撤廃といった取組を支援している。
酒類に係る社会的規制等関係省庁等連絡協議会(内閣府,警察庁,公正取引委員会,総務省,文部科学省,厚生労働省,国税庁)は,毎年4月を未成年者飲酒防止強調月間と定め,啓発用ポスターの作成・配布による全国的な広報啓発活動を連携して行っている。また,全国小売酒販組合中央会が実施している「未成年者飲酒防止・飲酒運転撲滅全国統一キャンペーン」やビール酒造組合を中心に実施している「STOP! 未成年者飲酒」プロジェクトの取組を支援するなど,国民の未成年者飲酒防止に関する意識の高揚を図っている。
(3)喫煙防止(財務省)
財務省177は,未成年者喫煙防止の観点から,自動販売機を設置する場合には成人識別自動販売機とすることをたばこ小売販売業の許可の条件としている。また,インターネットによるたばこ販売については,販売時に購入希望者の年齢識別が適切に講じられるよう,あらかじめ公的な証明書により購入希望者の年齢確認などを行った上で販売することをたばこ小売販売業の許可の条件としている。これらの条件に対する違反のあった場合には,「たばこ事業法」(昭59法68)に基づく行政処分(許可の取消し・営業停止)の対象となる。