第2部 子ども・若者育成支援施策の実施状況
第3章 困難を有する子供・若者やその家族の支援
第2節 子供・若者の被害防止・保護
1 児童虐待防止対策
(1)児童虐待の現状(厚生労働省)
「児童虐待の防止等に関する法律」(平12法82)(以下「児童虐待防止法」という。)や「児童福祉法」の累次の改正や,「民法」などの改正による親権の停止制度の創設123により,制度的な充実が図られてきた。
この間,全国の児童相談所における児童虐待に関する相談対応件数は一貫して増加し,平成25(2013)年度には児童虐待防止法制定直前の約6.3倍に当たる73,802件となっている。広報啓発の取組などによりこれまで気付かれなかった児童虐待が児童相談所に繋がるようになってきたと考えられる一方,児童虐待そのものが増えている可能性も否定できない状況にある。子供の生命が奪われるなど重大な児童虐待事件も後を絶たず,虐待による死亡事件も毎年100件前後発生・表面化している。児童虐待の防止は,社会全体で取り組むべき重要な課題である。
このような状況を踏まえ,平成26(2014)年8月29日に関係府省庁による児童虐待防止対策に関する副大臣等会議が開催され,同年12月26日の同会議において,居住実態が把握できない児童への取組とあわせて,児童虐待を未然に防ぐとともに,虐待を受けたとしても重篤化する前に迅速に発見し,的確に対応するための対応策について,以下の5項目を柱として取りまとめられた。
Ⅰ.妊娠期からの切れ目ない支援の在り方
II.初期対応の迅速化や的確な対応のための関係機関の連携強化
III.要保護児童対策地域協議会の機能強化
IV.児童相談所が,虐待通告や子育ての悩み相談に対して確実に対応できる体制整備
V.緊急時における安全確認,安全確保の迅速な実施
(2)児童虐待防止対策の充実
児童虐待は,子供の心身の発達と人格の形成に重大な影響を与えるため,発生予防から早期発見・早期対応,さらには虐待を受けた子供の保護・自立支援に至るまでの切れ目ない総合的な支援体制を整備し,充実していくことが必要である。また,児童虐待は,家族の抱える社会的,経済的,心理的な要因の複合的な相互作用の結果として生じると考えられており,その防止には,福祉,医療,保健はもとより,教育,警察,司法,さらには民間団体など幅広い分野の関係者が共通の認識に立って対応していくことが必要である(第2-3-18図)。

ア 発生予防(文部科学省,厚生労働省)
妊娠・出産・育児期の家庭は,産前産後の心身の不調や妊娠・出産・子育てに関する悩みを抱え,周囲の支えを必要としている場合がある。こうした家庭に適切な支援を行い,痛ましい児童虐待に至ってしまうことを防ぐ必要がある。
厚生労働省は,以下のような取組により,相談しやすい体制の整備を推進している124。
- 生後4か月までの乳児がいる全ての家庭を訪問し,子育て支援に関する情報提供や養育環境などの把握,育児に関する不安や悩みの相談の援助を行う「乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)」
- 養育支援が特に必要な家庭に対して保健師や助産師,保育士が居宅を訪問し,養育に関する相談に応じ,指導や助言により養育能力を向上させるための支援を行う「養育支援訪問事業」
- 子育て中の親子が相談・交流できる「地域子育て支援拠点事業」
養育支援を特に必要とする家庭の把握・支援に関して,市町村の児童福祉・母子保健などの関係部署や要保護児童対策地域協議会(子どもを守る地域ネットワーク)125が具体的に留意すべき事項126や,医療機関との連携強化に関する留意事項127を,地方公共団体に周知している。
平成25(2013)年3月には,児童虐待の一つである乳幼児揺さぶられ症候群の予防を目的としたDVD「赤ちゃんが泣きやまない~泣きへの対処と理解のために~」128を制作し,厚生労働省ホームページで公開するとともに,全国の地方公共団体に配布した。乳幼児健診や両親学級などの場でこのDVDを活用し,赤ちゃんの泣きへの対処の仕方や,乳幼児揺さぶられ症候群のメカニズムやその影響について,周知を図っている(第2-3-19図)。

文部科学省は,保護者の子育て不安の軽減や地域からの孤立の解消のため,地域における就学時健診の機会を活用した子育て講座や,家庭教育に関する学習機会の提供,家庭教育支援チームによる相談対応の取組を支援している(家庭教育支援については,第2部第4章第1節1「保護者等への支援を行う「家庭を開く」取組」を参照)。
イ 早期発見・早期対応,保護(警察庁,法務省,文部科学省,厚生労働省)
虐待を受けている子供や支援を必要としている家庭を早期に発見し,適切な保護や支援を行うためには,関係機関の間で情報や考え方を共有し,適切な連携の下で対応していくことが重要である。
厚生労働省は,虐待に関する通告の徹底,児童相談所の体制強化のための児童福祉司の確保,市町村の体制強化,専門性向上のための研修やノウハウの共有を推進している。平成26(2014)年度には,市町村の対応力向上を図るため,都道府県(児童相談所)による市町村への支援を強化し,適切な役割分担の下に相互連携の促進を図るなどの取組を推進した。また,関係機関の間で子供や保護者に関する情報の交換や支援内容の協議を行う場である要保護児童対策地域協議会については,実践事例129の情報提供などにより,その機能強化に向けた取組を推進している130(第2-3-20図,第2-3-21図)。平成27(2015)年度には,児童相談所全国共通ダイヤル(0570-064-000)について,覚えやすい3桁番号にすることで,より広く一般に周知し,児童虐待を受けたと思われる子供を見つけた時などに,迅速かつ適切に通告・相談ができるように,平成27年7月1日から,これまでの10桁番号から3桁番号(189)に変更し,運用を開始する(第2-3-22図)。さらに,児童相談所の夜間休日の相談体制の充実,要保護児童対策地域協議会に登録されている児童などの情報を関係者が共有するシステムの構築,一時保護所で保護されている児童に対する学習指導の充実を図るなどの取組を推進する(虐待を受けた子供への対応は,第2部第3章第2節2「社会的養護の充実」を参照)。


警察は,街頭補導や相談活動,通報,事件捜査・調査を通じて,児童虐待事案の早期発見・被害児童の早期保護に努めている。「警察官職務執行法」(昭23法136)に基づく犯罪の制止,立入などの権限行使,厳正な捜査,被害を受けた子供の支援,児童相談所の行う立入調査などに対する援助要請への的確な対応など,子供の安全の確認と確保を最優先とした対応を行っている。
法務省の人権擁護機関は,被害を受けた子供からの相談や近隣住民などからの情報によって児童虐待事案の情報を得た場合は,児童相談所などと連携し,被害を受けた子供を一時保護させるといった適切な対応に努めている。また,事案に応じて加害者に対して説示を行うなど適切な措置を講じている。これにより,被害を受けた子供の救済に努めている。
文部科学省は,教職員による児童虐待の早期発見・早期対応のため,学校における相談体制の充実などに取り組んでいる(学校における相談体制については第2章第3節2(1)「学校における相談体制の充実」を参照)。
(3)事例検証・研究・研修(厚生労働省)
厚生労働省は,
- 社会保障審議会児童部会の下に設置されている児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会において児童虐待による死亡事例などを分析,検証し,事例から明らかになった問題点・課題と具体的な対応策を提言として毎年取りまとめている131。平成26(2014)年9月に,平成24(2012)年度に発生・表面化した児童虐待による死亡78事例90人(このうち,心中以外の虐待死は49事例51人)を対象とした検証結果である第10次報告を取りまとめた。
- 児童虐待に特化した研究や研修,情報提供を行う「日本虐待・思春期問題情報研修センター(通称:子どもの虹情報研修センター)」132が行う,児童虐待に関する研究や,指導者の養成を目的に高度かつ最新の専門知識と実践的な援助技術が習得できるような研修に対して支援を行っている。
- 厚生労働科学研究費補助金による研究として,「親支援プログラムの開発と運用に関する研究」や「児童虐待の発生と重症化に関連する個人的要因と社会的要因についての研究」などを,幅広い分野の研究者の参画を得て研究を実施している。
2 社会的養護の充実(厚生労働省)
(1)社会的養護の現状と課題
社会的養護は,保護者のない子供や被虐待児といった家庭環境上養護を必要とする子供,生活指導を必要とする子供に対し,公的な責任として,施設など133で社会的に養護を行う制度であり,約46,000人の子供が社会的養護の対象となっている。保護が必要な子供は増加傾向にあり,ここ十数年で,児童養護施設の入所児童数は1.04倍,乳児院が1.18倍,里親等委託児童は2.65倍に増加している。児童虐待の増加に伴い,児童養護施設に入所している子供のうち半数以上が虐待を受けた子供となっているほか,障害のある児童が増加している。このため,児童虐待防止対策の一層の強化とともに,社会的養護の質・量ともに拡充が必要となっている。
現在,日本の社会的養護は,約85%が乳児院や児童養護施設,約15%が里親・ファミリーホームとなっている。厚生労働省は,ケア形態の小規模化や里親制度を推進することにより,今後十数年かけて,里親・ファミリーホーム134,グループホーム(地域小規模児童養護施設)135,児童養護施設などの施設(全て小規模グループケア136)がそれぞれおおむね3分の1ずつという姿に変えていくことを目指している137。
(2)家庭的養護の推進
児童養護施設などでは,できる限り家庭的な環境の中で職員との個別的な関係性を重視したきめ細かなケアを提供していくことが求められている。
厚生労働省は,ケア形態の小規模化を図るため,児童養護施設,乳児院,情緒障害児短期治療施設,児童自立支援施設を対象とした小規模グループケアの実施や,グループホームの設置を進めている。「児童養護施設等の小規模化及び家庭的養護の推進について」(「小規模化等の手引き」)138により,関係者に対して小規模化の意義や課題の周知を図るとともに,児童養護施設と乳児院に対しては小規模化・地域分散化を進める具体的方策を定めた「家庭的養護推進計画」を策定することを,都道府県に対しては「家庭的養護推進計画」を踏まえ平成26(2014)年度末までに「都道府県推進計画」を策定することを,それぞれ求めている。
(3)里親委託・里親支援の推進
里親制度139は,何らかの事情により家庭での養育が困難になったり受けられなくなったりした子供に,温かい愛情と正しい理解を持った家庭環境の下での養育を提供する制度である。家庭での生活を通じて,子供が成長する上で極めて重要な特定の大人との愛着関係の中で養育を行うことにより,子供の健全な育成を図るものである。
厚生労働省は,里親委託優先の原則を明示した「里親委託ガイドライン」140に基づき,里親委託を推進している。里親支援機関事業や,児童養護施設と乳児院への里親支援専門相談員の配置(平成25年10月現在226か所)により,地方公共団体の取組を促している141。里親制度を普及させるために毎年10月を里親月間とするなど,広く里親制度の周知が図られるよう広報啓発活動にも努めている。(第2-3-23図)

(4)施設退所児童等の自立支援策の推進
社会的養護の下で育った子供は,施設などを退所し自立するに当たって保護者などから支援を受けられない場合が多く,その結果さまざまな困難に突き当たることが多い。このような子供が他の子供と公平なスタートが切れるように自立への支援を進めるとともに,自立した後も引き続き子供を受け止め,支えとなるような支援の充実を図ることが必要である。
厚生労働省は,こうした支援の充実を図るため,以下の取組を実施している。
- 都道府県が行う児童自立生活援助事業(自立援助ホーム)を推進するため,その費用を負担金で支弁
- 施設を退所した後の地域生活と自立を支援するとともに,退所した人同士が集まり,意見交換や情報交換・情報発信を行えるような場を提供する「退所児童等アフターケア事業」
- 施設などを退所する子供は親がいないといった事情により身元保証人を得られないため,就職やアパートの賃借に影響を及ぼすことがないように施設長などが身元保証人となる場合の補助を行う「身元保証人確保対策事業」
(5)施設機能の充実
厚生労働省は,児童養護施設,乳児院,情緒障害児短期治療施設,児童自立支援施設,母子生活支援施設の5つの施設運営指針,里親及びファミリーホーム養育指針,第三者評価の基準により,施設運営の質の向上を図っている。
(6)被措置児童等に対する虐待の防止
施設入所や里親委託などの措置がとられた子供(以下「被措置児童等」という。)への虐待があった場合には,その子供を保護し,適切な養育環境を確保することが必要である。不適切な施設運営や事業運営が行われている場合には,施設や事業者を監督する立場から,「児童福祉法」に基づく適切な対応が必要となる。
厚生労働省は,「被措置児童等虐待対応ガイドライン」142により,被措置児童等への虐待の防止を図っている。このガイドラインでは,都道府県の関係部局の連携体制や通告があった場合の具体的対応のための体制をあらかじめ定めること,都道府県児童福祉審議会の体制を整備すること,関係施設の協議会との連携・協議を強化し被措置児童等への周知や子供の権利についての学習機会の確保を図ることなどが具体的に示されている。
3 子供・若者の福祉を害する犯罪対策
(1)取締り(警察庁,法務省)
「児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(平11法52。平成26年6月一部改正。以下「児童買春・児童ポルノ禁止法」という。)違反や「児童福祉法」違反といった福祉犯は,被害者の心身に有害な影響を及ぼし,その健全な育成を著しく阻害する。
警察は,積極的な取締りと被害者の発見保護に努めている。平成26(2014)年の福祉犯の検挙人員は,7,137人で,前年に比べ239人(3.2%)減少した(第2-3-24図)。このうち,暴力団などの関係者の検挙人員は282人で,福祉犯における検挙人員の4.0%を占めている(第2-3-25表)。
検察は,積極的に関係法令を適用し,厳正な科刑の実現に努めている。
計 | 風営 適正化法 |
売春 防止法 |
児童 福祉法 |
児童買春・ 児童ポルノ 禁止法 |
労働 基準法 |
職業 安定法 |
毒物及び 劇物 取締法 |
覚せい剤 取締法 |
青少年 保護育成 条例 |
その他 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
福祉犯の検挙人員数(A)(人) | 7,137 | 482 | 34 | 398 | 1,967 | 104 | 44 | 1 | 36 | 2,454 | 1,617 |
暴力団等関係者(B)(人) | 282 | 60 | 8 | 87 | 22 | 7 | 11 | 0 | 16 | 59 | 12 |
関与率(B/A)(%) | 4.0 | 12.4 | 23.5 | 21.9 | 1.1 | 6.7 | 25.0 | 0.0 | 44.4 | 2.4 | 0.7 |
暴力団等関係者の構成比(%) | 100 | 21.3 | 2.8 | 30.9 | 7.8 | 2.5 | 3.9 | 0.0 | 5.7 | 20.9 | 4.3 |
(出典)警察庁「児童虐待及び福祉犯の検挙状況等」 |
(2)児童買春・児童ポルノ問題(内閣府,警察庁,総務省,経済産業省,法務省)
児童買春や児童ポルノは,子供の性的な搾取・虐待であり,子供の権利を踏みにじる断じて許しがたいものである。児童ポルノがいったんインターネット上に流出すれば,その回収は事実上不可能であり,被害を受けた子供の苦しみは将来にわたって続くことになる。平成26(2014)年6月,児童買春・児童ポルノ禁止法が一部改正され,自己の性的好奇心を満たす目的での児童ポルノ又はその電磁的記録を所持,保管する行為や,ひそかに児童の姿態を描写することにより児童ポルノを製造する行為を処罰する罰則が新設された。
政府では,児童ポルノの蔓延・氾濫を食い止め,排除を進めていくため,平成25(2013)年5月に策定された「第二次児童ポルノ排除総合対策」に基づき,関係府省が連携して,児童ポルノ排除対策を推進している143(第2-3-26図)。

内閣府は,平成25年11月,関係団体などで構成する第5回「児童ポルノ排除対策推進協議会総会」(会長:内閣府副大臣)を開催した。また,公開シンポジウムにより児童ポルノ根絶に向けた国民運動の輪が更に広がるよう呼び掛けを行っている。平成26年度の公開シンポジウムでは,「児童福祉における性暴力被害と児童ポルノ」についての基調講演が行われたほか「児童ポルノ事犯について考える~未然防止・拡大防止と被害児童の保護・支援~」をテーマにパネルディスカッションが行われた(第2-3-27図)。

警察は,児童ポルノをめぐる情勢が深刻な状態にあることから,「児童買春・児童ポルノ禁止法」による積極的な取締りなどに努めている。平成26年には,1,828件,*1,380人を検挙した。また,出会い系サイトなどを利用し,組織的に児童買春の周旋を行う事犯や,飲食店,マッサージ店などの合法的な営業を装いながら,児童に卑わいな言動などで客に接する業務をさせるものが出現していることから,その実態把握の推進と情報の分析,積極的な取締りなどに努めている。
なお,児童ポルノの流通・閲覧を防止するため,インターネット・サービス・プロバイダなどの関連事業者によるブロッキングが実施されている。
(3)「出会い系サイト」や「コミュニティサイト」の問題(警察庁)
警察は,「出会い系サイト」に起因する事犯について,平成26(2014)年には,「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」(平15法83)違反を検挙している。また,出会い系サイト以外のコミュニティサイトを利用して子供が犯罪被害に遭った事犯については,「児童買春・児童ポルノ禁止法」違反などを検挙している。また,子供が援助交際を求めるなどのインターネット上の不適切な書き込みをサイバーパトロールによって発見し,書き込みを行った子供と接触して直接に注意・指導などを行うサイバー補導を推進している。
(4)子供の犯罪被害の防止
ア 学校における安全管理(文部科学省)
文部科学省は,「学校安全の推進に関する計画」144(平成24年4月閣議決定)に基づき,学校における安全管理を推進している。また,「学校・家庭・地域の連携協力推進事業」として,元警察官などからなるスクールガード・リーダーによる学校の巡回や学校安全ボランティアに対する警備のポイントの指導,学校安全ボランティアの養成,各地域における子供の見守り活動に対する支援を行っている。さらに,「子供安心プロジェクト」として,都道府県教育委員会が行う防犯教室などの講師となる教職員などに対する講習会の開催を支援している。
イ 関係機関・団体からの情報の活用(警察庁)
警察庁は,法務省から子供を対象とした暴力的な性犯罪に係る受刑者の出所情報の提供を受け,出所者の更生や社会復帰を妨げないように配慮しつつ,訪問による所在確認や同意を前提とした面談を取り入れるなど,犯罪の予防や捜査の迅速化への活用を図っている。
警察は,子供が被害に遭った事案や,子供に対する犯罪の前兆と思われる声掛けやつきまといの発生に関する情報が,迅速に保護者などに対して提供されるよう,警察署と学校・教育委員会との間で情報共有体制を整備している。これらの情報を,都道府県警察のウェブサイトで公開し,電子メールなどを活用した発信も行っている。また,被害者本人からの申告が期待しにくく潜在化しやすい犯罪を早期に認知し,検挙や被害者の保護に結び付けるため,警察庁から委託を受けた民間団体が少年福祉犯罪や児童虐待事案,人身取引事犯などに関する通報を国民から電話やインターネットにより匿名で受け付け,事件検挙などへの貢献度に応じて情報料を支払う「匿名通報ダイヤル」を運用している。
ウ 人身取引対策(内閣官房,内閣府,警察庁,法務省,外務省,文部科学省,厚生労働省,国土交通省)
人身取引は,重大な人権侵害であり,被害者に対して,深刻な肉体的・精神的な影響を与え,その被害の回復が非常に困難である。人道的な観点からも,迅速・的確な取組が必要とされている。
政府では,平成21(2009)年12月に策定された「人身取引対策行動計画2009」に基づき対策に取り組んできたところであるが,引き続き人身取引対策に係る情勢に適切に対処し,政府一体となってより強力に,総合的かつ包括的な人身取引対策に取り組んでいくため,平成26(2014)年12月,犯罪対策閣僚会議において「人身取引対策行動計画2014」145を策定するとともに,関係閣僚から成る「人身取引対策推進会議」を随時開催することとした。
同計画に基づき,外国の関係機関,国際機関及びNGOとの協力を強化して,人身取引の防止を図るとともに,潜在化している可能性のある人身取引事案をより積極的に把握し,その撲滅と被害者の適切な保護を推進している。
4 犯罪被害に遭った子供・若者とその家族等への対応(警察庁,法務省,文部科学省,厚生労働省)
人格形成の途上にある少年が犯罪などにより被害を受けた場合,その後の健やかな育成に与える影響が大きい。被害を受けた少年の心のケアに当たっては,その悩みや不安を受け止めて相談に当たることや,家庭・友人関係・地域・学校といった少年が置かれている環境に関する問題を解決すること,関係機関が連携して必要な支援をしていくことが大切である。
警察は,被害者の再被害を防止するとともに,その立ち直りを支援するため,少年補導職員による指導助言や被害者に対するカウンセリングを継続的に行っている。臨床心理学や精神医学といった高度な知識・技能や豊富な経験を有する部外の専門家を「被害少年カウンセリングアドバイザー」として委嘱し,その適切な指導・助言を受けながら,支援を実施している。また,それぞれの地域において,保護者などとの緊密な連携の下に日常の少年を取り巻く環境の変化や生活状況を把握しつつ,きめ細かな訪問活動などを行うボランティアを「被害少年サポーター」として委嘱し,これらの者と連携した支援活動を推進している(第2-3-28図)。

文部科学省は,スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー,関係機関とのネットワークを活用するなど多様な支援方法を用いて,被害を受けた子供の立ち直りを支援する活動を推進している。さらに,子供の心のケアに対する対応の充実を図るため,教職員などを対象とした研修会,シンポジウム,教職員向けの指導参考資料の作成などを行っている。
5 いじめ防止対策,自殺対策
(1)いじめ防止対策
いじめは,いじめを受けた子供の教育を受ける権利を著しく侵害し,その心身の健全な成長と人格の形成に重大な影響を与えるのみならず,その生命や身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであるが,どの子供にも,どの学校でも起こり得るものである。
いじめの防止のための対策は,学校の内外を問わずいじめが行われなくなるようにすることや,全ての子供がいじめを行わず,また,いじめを認識しながら放置することがないよう,いじめの問題に関する子供の理解を深めることを旨として行われなければならない。また,いじめを受けた子供の生命と心身を保護することが特に重要であることを認識しつつ,国,地方公共団体,学校,地域住民,家庭などの関係者が連携することが必要である。
平成25(2013)年6月には,第183回通常国会において,「いじめ防止対策推進法」が成立した。同法の成立を受け,文部科学省では同年10月,「いじめの防止等に関する基本的な方針」を策定した。「いじめの防止等のための普及啓発協議会」や,教員を対象とした「いじめの問題に関する指導者養成研修」を開催するなど,同法や方針の周知に取り組んでいる(第2-3-29図<1>,<2>,<3>)。

ア いじめ防止対策の総合的な推進
文部科学省は,これまでも各種通知などにおいて,都道府県・指定都市教育委員会や学校などに対し,いじめの早期発見・早期対応,いじめを許さない学校づくり,教育委員会による支援,全ての学校でのいじめに関する「アンケート調査」の実施,いじめが生じた際には問題を隠さず学校・教育委員会と家庭・地域が連携して対処していくべきこと,問題行動に対しては懲戒・出席停止を含め毅然とした対応をとることなどを求めてきた。平成27(2015)年度には,引き続きいじめの問題を始めとする生徒指導上の諸課題に対する以下の取組を総合的に推進する。
-
幅広い外部専門家を活用していじめの問題などの解決に向けて調整,支援する取組の促進
- 第三者的立場から調整・解決する取組(平成27年度134地域(継続))
- 外部専門家を活用して学校を支援する取組(平成27年度134地域(継続))
- 学校ネットパトロールへの支援(平成27年度10地域(継続))
-
未然防止
- 道徳教育地域支援事業:社会性や規範意識,思いやりなどの豊かな人間性を育む道徳教育を推進
- 対話・創作・表現活動などを通じた子供の思考力,人間関係形成能力の育成
- 子供の健全育成のための体験活動の推進:小・中・高校などの農山漁村などでの体験活動の取組を支援(平成26(2014)年度468校)
-
早期発見・早期対応
- スクールカウンセラーの配置拡充:生徒指導で大きな課題を抱える公立中学校などで常時子供が相談できる体制づくりを推進するため週5日相談体制の導入(200校),公立小・中学校の相談体制の連携促進のために小中連携型配置の導入(小学校:600校,中学校:300校)
- スクールソーシャルワーカーの配置拡充:教育に関する知識に加え,社会福祉などの専門的な知識と経験を有する専門家であるスクールソーシャルワーカーの配置を拡充(平成26年度1,466人→平成27年度2,247人)
-
教職員定数の加配措置・教員研修の充実
- 教職員定数の加配措置:平成27年度は,いじめなどの問題行動への対応を行う学校への支援などのため,8,582人の加配定数を計上
- 教員研修センターによるいじめの問題に関する指導者養成研修の実施
- いじめの未然防止,早期発見・早期対応,事後支援を行うなど,いじめ問題などへの対応に関する実践的な取組の調査研究を実施
加えて,インターネットや携帯電話を利用したいじめ(ネットいじめ)に対応するため,子供や保護者向けの啓発用リーフレットを,教育委員会などへ配布している。
また,いじめ防止対策推進法に基づく取り組み状況の把握と検証を行うとともに,いじめの問題を含めた生徒指導上の諸問題に関して,より実効的な対策を講じるため,平成26年6月に「いじめ防止対策協議会」を設置した。さらに,いじめの問題に主体的に取り組むリーダーとなる児童生徒を育成するとともに,全国各地での多様な取組の実施を一層推進するため,「全国いじめ問題子供サミット」を開催した。
COLUMN NO.13
「全国いじめ問題子供サミット」の開催について
1 サミットの概要
平成27(2015)年1月24日(土),文部科学省講堂にて,いじめの問題に真剣に向き合えるリーダーを育て,全国各地の取組を更に後押しするため,「全国いじめ問題子供サミット」が開催された。
当日は,全国各地から153名の小,中学生が集い,「SNSでのいじめを含め,いじめの問題にどう立ち向かうか」をテーマに,各地域における取組の発表,ポスターセッション,グループ協議,全体交流などの活動を行った。
2 サミットの当日の様子
(1)各地域における取組の発表
7地域の児童生徒がスライドや動画を活用するなどして,SNSでのいじめを含む,いじめの問題に対する各地域・学校での取組を発表した。
(2)ポスターセッション
22地域の児童生徒が工夫を凝らして作成したポスターを前に,地域や学校の取組を発表した。

(3)グループ協議
20のグループに分かれて,「SNSでのいじめの問題についてどう立ち向かっていくか」を議論し,その成果を決意表明という形で発表した。

(4)全体交流
各グループで表明された決意文を整理するなどして,最終的には,本サミットのまとめを行った。進行は,立候補によって選出された児童生徒3名による司会で進められた。
【まとめられた決意表明】
SNSでのいじめの問題に立ち向かうために,私たちは,
- 傍観者を卒業します!
- コミュニケーションを大切にします!
- いじめが起きない環境をつくります!
(5)講評・閉会行事
教育再生実行会議委員であり,三鷹市教育委員でもある貝ノ瀨滋氏より,本日の取組について講評をいただいた。
閉会行事では,丹羽秀樹文部科学副大臣の挨拶の後,副大臣と貝ノ瀨氏を囲んでの写真撮影があった。
3 おわりに
このサミットで議論した内容や取組を自分の学校の全校集会や学級会などの場で伝えたり,地域の発表会などで伝えたりすることで,いじめの問題に立ち向かう子供たちが一人,二人と増えていくことを期待している。
イ いじめの問題に関する相談対応(警察庁,法務省,文部科学省)
文部科学省は,子供が全国どこからでも,夜間・休日を含めていつでもいじめなどの悩みを相談することができるよう,全国統一の電話番号(0570-0-78310(なやみ言おう))146を設定し,24時間いじめ相談ダイヤルを実施している。このダイヤルに電話すれば,原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関に接続され,電話を受けた相談機関は,都道府県・指定都市教育委員会の実状に応じて,児童相談所,警察,いのちの電話協会,臨床心理士会を始めとする様々な相談機関と連携・協力し,対応している。
警察は,非行防止教室などの様々な機会を通じて子供や保護者に対し,少年相談活動でいじめ事案に関する相談を受け付けていることを周知するとともに,少年サポートセンターの警察施設外への設置,少年相談室の整備,少年相談専用電話のフリーダイヤル化,電子メールによる相談窓口の開設など147,いじめを受けた子供が相談しやすい環境の整備を進めている。また,相談者が求める場合には,警察から学校に連絡して,連携した対応を行うなど,相談者に安心感を与えられるよう努めている。さらに,いじめの被害を受けた子供に対して,保護者及び関係機関・団体との連携を図りつつ,被害を受けた子供の性格,環境,被害の原因,ダメージの程度,保護者の監護能力などに応じて,少年サポートセンターが中心となり,少年補導職員によるカウンセリングの継続的な実施などの支援を行うとともに,被害少年カウンセリングアドバイザーや被害少年サポーターの活用により,きめ細かな支援を行っている。
法務省の人権擁護機関は,
- ホームページ上の「インターネット人権相談受付窓口」(SOS-eメール)148で,パソコンや携帯電話からインターネットでいつでも相談できる窓口の設置
- フリーダイヤルの専用相談電話「子どもの人権110番」(0120-007-110)149の開設
- 全国の小中学生を対象とした「子どもの人権SOSミニレター」(便箋兼封筒)150の配布
などを行い,いじめを始めとする子供の人権問題について相談に応じている(第2-3-30図,第2-3-31図)。平成26(2014)年度には,いじめの被害にあった子供が相談しやすくするため,人権相談窓口の更なる周知広報を図るなど,いじめを始めとする子供の人権問題対策の強化を図った。これらを通じていじめ事案の情報を得た場合には,人権侵犯事件として調査し,教職員や学校と連携していじめ行為の中止や再発防止を図るなど,いじめを受けた子供の救済に努めている(第2-3-32図)。また,教職員や学校のいじめに対する対応が不十分であったと認められたときは,教職員や学校に改善を促すなど,適切な対応に努めている。さらに,人権擁護委員や法務局・地方法務局の職員が学校を訪問したり,インターネット広告を掲載したりするなどして,いじめをなくすための様々な啓発活動も行っている。


(2)自殺対策(内閣府,文部科学省,厚生労働省)
政府では,「自殺対策基本法」(平18法85)に基づく「自殺総合対策大綱」(平成24年8月閣議決定)により,関係府省で連携して,自殺対策を総合的に推進している。同大綱では,思春期は精神的な安定を損ないやすく,受けた心の傷は生涯にわたって影響する可能性があり,子供や若者の自殺対策は重大な課題であるとされている。
文部科学省は,児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議151を開催し,自殺予防教育の在り方について調査研究を行っている。平成26(2014)年度には,学校における自殺予防教育導入の手引きである「子供に伝えたい自殺予防」,「子供の自殺が起きたときの背景調査の指針」の改訂版及び「子供の自殺等の実態分析」について審議のまとめを作成し,公表した。
また,子供の悩みや不安を受け止めて相談に当たることが大切であることから,スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置の拡充など教育相談体制の充実を図っている(スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーについては,第2部第2章第3節2「相談体制の充実」を参照)。
6 被害防止のための教育
(1)安全教育
ア 学校における安全教育(文部科学省)
学校では,子供自身が危険から身を守ることができるよう,発達の段階に応じて,「主体的に行動する態度」を育成し,自ら危険を予測・回避する能力を習得させるとともに,家庭や地域と連携を図りながら,学校の教育活動全体を通じた安全教育を推進している。
文部科学省は,教職員などへの研修や,子供の対応能力の向上を図るための「防犯教室」,「交通安全教室」,「防災教室」の開催を支援している。平成26(2014)年度には,交通安全教育の専門家の協力の下,交通安全教育を実施するモデル事業や東日本大震災の教訓を踏まえた新たな防災教育手法の開発を行うためのモデル事業を行った。
イ 警察が行う防犯教育・交通安全教育(警察庁)
子供が被害者となる略取誘拐事件といった凶悪犯罪が依然として発生しているなど,子供を取り巻く環境は依然厳しい状況にある。
警察は,子供が犯罪に巻き込まれる危険を予見する能力や危険を回避する能力を向上させるため,学校や教育委員会と連携して,幼稚園や保育所,小学校,学習塾などにおいて,防犯教室を開催している。この防犯教室は,学年や理解度に応じて,紙芝居や演劇,ロールプレイ方式などにより,子供が参加,体験できるようにしている。また,関係機関・団体と協力しつつ,保育所や学校などにおいて,発達の段階に応じて以下の習得を目標に,交通安全教育を行っている。
- 幼児に対しては,基本的な交通ルールの遵守,交通マナーを実践する態度,日常生活において安全に道路を通行するために必要な基本的技能と知識
- 小学生に対しては,歩行者や自転車の利用者として必要な技能と知識
- 中学生に対しては,自転車で安全に道路を通行するために必要な技能と知識
- 高校生に対しては,二輪車の運転者や自転車の利用者として安全に道路を通行するために必要な技能と知識
また,保護者を対象とした交通安全講習会や,交通ボランティアによる通学路における子供に対する安全な行動の指導などを行っている。
ウ 防災に関する各種取組(内閣府,消防庁,国土交通省,気象庁)
内閣府は,防災意識の高揚,防災知識の普及を図るため,幼児から成人を対象に防災ポスターコンクールを実施している。また,自然災害の知識を身に付けたり,対策を始める際に参考となる情報として,「みんなで防災」のホームページを公開している152。
消防庁は,ホームページ上に「こどもぼうさいe-ランド」を開設し,幼児から中学生の子供を対象に,地震や風水害などの災害への備えや具体的な対応などを分かりやすく解説している153(第2-3-33図)。また,指導者向けのテキストや参考資料を「チャレンジ!防災48」154ページで公開している。

気象庁は,東日本大震災以降,防災教育の重要性が改めて認識されていることを鑑み,子供が地震・津波,大雨といった自然災害から自らの身を守れるよう,教育関係機関と緊密な連携を図り,教材や資料の公開や避難訓練の支援,教職員向け研修での説明などにより,学校防災教育を支援している。具体的には,大雨に関する防災について学習者が自ら考える学習効果の高い手法である「気象庁ワークショップ『経験したことのない大雨 その時どうする?』」を開催するためのノウハウをまとめた教材の作成・公開155,地震・津波や竜巻などに関するビデオ映像資料やリーフレットなどの提供156,緊急地震速報を利用した避難訓練の支援,教職員向け研修での説明など,全国の気象台が教育関係機関と連携して様々な取組を展開している。
(2)メディアを活用する能力の向上(内閣府,総務省,文部科学省)
社会の情報化が進展する中で,子供が情報活用能力を身に付け,情報を適切に取捨選択して利用するとともに,インターネットによる情報発信を適切に行うことができるようにすることが重要な課題となっている。「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(平20法79。以下「青少年インターネット環境整備法」という。)では,学校教育,社会教育,家庭教育においてインターネットの適切な利用に関する教育の推進に必要な施策を講ずるものと規定されており,同法に基づき策定された青少年インターネット環境整備基本計画(第2次)に関連施策が盛り込まれている。
ア 情報モラル教育の推進(文部科学省)
小学校・中学校・高校の現行学習指導要領では,各教科などの指導を通して「情報モラルを身に付けること」が規定されている。具体的には,小学校・中学校の道徳において「情報モラルに関する指導に留意すること」や,高校の必履修教科である共通教科「情報」において情報モラルを指導することとされている。これらにより,学校における情報モラル教育の充実が図られている。
文部科学省は,情報モラルに関する指導が確実になされるよう,教員による指導の具体的な取組の参考となる「教育の情報化に関する手引」157や,小中学校の教員が情報モラル教育を行うための参考資料である「情報モラル教育実践ガイダンス」158を周知・配布している(第2-3-34図)。また,いわゆる「ネット依存」を始めスマートフォンやソーシャルメディアの普及に伴うトラブルの発生など情報化の進展に伴う新たな課題に対応し適切な指導を行うため,平成25(2013)年度においては,教員が指導する際に役立つ動画教材や159教員向け指導手引書を作成し,教育委員会に周知・配布した。また,スマートフォンの急速な普及に伴い,子供が被害者や加害者となる事案が発生していることを鑑み,平成27(2015)年度は,「情報モラル教育推進事業」において,情報の影の側面に対応した指導の充実を図るための取組を実施し,情報モラル教育の一層の充実を図る予定としている。

イ メディアリテラシーの向上(総務省)
総務省は,子供が安全に安心してインターネットや携帯電話といった多様なICTサービスを使いこなす能力を取得する機会の増進と質の向上のため,以下の取組を行っている。
- 子供のICTメディアリテラシーを総合的に育成するプログラム160の普及
- 可視化を通じたリテラシー能力の向上のために開発した「青少年がインターネットを安全に安心して活用するためのリテラシー指標(ILAS:Intenet Literacy Assessment Indicator for Students)」により,リテラシー能力を測定するためのテストとアンケートを全国の高校など22校の協力を得て実施・分析161
- 「インターネットトラブル事例集」162を用いた啓発
- 各地の学校や自治体・企業・NPOなどの自主的活動の事例を収集した「インターネットリテラシー・マナー等向上事例集」163の取りまとめ
(3)労働者の権利(厚生労働省)
(第2部第2章第2節1(1)「社会形成・社会参加に関する教育(シティズンシップ教育)の推進」を参照。)
(4)消費者教育(消費者庁,文部科学省)
(第2部第2章第2節1(1)「社会形成・社会参加に関する教育(シティズンシップ教育)の推進」を参照。)
(5)女性に対する暴力(内閣府)
内閣府では,女性に対する暴力の加害者及び被害者になることを防止する観点から,若年層に対する効果的な予防啓発を行うため,若年層に対して教育・啓発の機会を持つ者や予防啓発活動に関心のある学生などに対して研修を実施した。
小学校高学年から中学生向けhttp://open.fdma.go.jp/e-college/eland/syou_tyuu.html