第3章 困難を有する子供・若者やその家族の支援

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第1節 子供・若者の抱える課題の複合性・複雑性を踏まえた重層的な支援の充実

1 子ども・若者支援地域協議会を通じた縦と横の支援ネットワークの構築

  • 内閣府は,子ども・若者支援地域協議会の設置促進を図るため,平成27(2015)年度は,同協議会の設置されていない都道府県等を対象とした「子ども・若者支援地域協議会設置促進事業」を実施した(図表24,図表25)。
図表24 子ども・若者支援地域協議会
図表25 子ども・若者支援地域協議会設置数の推移

2 アウトリーチの充実

  • 内閣府は,アウトリーチに携わる人材の養成を目的とした「アウトリーチ(訪問支援)研修」,困難を有する子供・若者に対する相談業務に従事する公的相談機関の職員やNPO法人等の職員を対象に,適切な支援を行うために必要な知見等の習得を目的とした研修を実施し,子供・若者育成支援に関わる幅広い人材の養成に努めている。

第2節 困難な状況ごとの取組

1 ニート,ひきこもり,不登校の子供・若者の支援等

(1)ニート等の若者の支援

  • 15~39歳の若年無業者数は,ここ数年減少傾向が見られる。
  • 15~34歳人口に占める若年無業者の割合は平成27年は2.1%。
図表26 若年無業者数
  • 厚生労働省は,「地域若者サポートステーション」(以下「サポステ」という。)において,地方自治体と協働し,職業的自立に向けた専門的相談支援,就職後の定着・ステップアップ支援,若年無業者等集中訓練プログラムを実施している(15~39歳対象)(図表27)。
図表27 地域若者サポートステーション事業

(2)ひきこもりの支援

  • 厚生労働省は,関係機関と連携の下でひきこもり専門相談窓口としての機能を担う「ひきこもり地域支援センター」の整備を推進している。また,継続的な訪問支援などを行う「ひきこもりサポーター」を都道府県又は市町村が養成し,市町村が家族や本人へサポーターを派遣する事業を行っている。

(3)不登校の子供・若者の支援

  • 文部科学省は,平成27(2015)年1月より「不登校に関する調査研究協力者会議」を開催し,8月に中間まとめを公表した。これを受けて,不登校児童生徒への支援モデル事業として,教育支援センターの設置促進支援等を実施している。また,不登校の子供への相談・指導を行うために都道府県・市町村教育委員会が設置している教育支援センター(適応指導教室)では,不登校の子供が在籍する学校とも連絡をとりながら,子供の実情に応じた学習指導が行われている。

(4)高校中途退学者及び進路未決定卒業者の支援

  • 文部科学省は,「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の中で,高校中退の状況を把握し,公表している。
  • 厚生労働省は,平成28(2016)年度より,学校等関係機関,ハローワーク,サポステが連携し,高校中退者等に対する切れ目ない支援の充実を図っていく。

2 障害等のある子供・若者の支援

(1)障害のある子供・若者の支援

(特別支援教育の推進)
  • 文部科学省は,特別支援教育を推進するための以下のような取組を行っている。
    • 早期支援コーディネーターの配置による早期からの教育相談・支援体制の構築,合理的配慮協力員等の配置による学校における合理的配慮の充実
    • 「インクルーシブ教育システム構築モデル事業」で得られた実践事例を独立行政法人国立特別支援教育総合研究所の「『合理的配慮』実践事例データベース」上で公表し,障害のある子供への「合理的配慮」の充実に役立つ情報の発信
(障害のある子供たちへの就学支援)
  • 文部科学省と地方公共団体は,障害のある子供の特別支援学校や小・中学校への就学の特殊事情に鑑み,これらの学校に就学する子供の保護者などの経済的負担を軽減するため,保護者の経済的負担能力に応じて就学奨励費を支給している。
(障害のある子供と障害のない子供や地域の人々との交流及び共同学習)
  • 文部科学省は,現行学習指導要領などにおいて障害のある子供と障害のない子供との交流及び共同学習の機会を設けることを規定するとともに,「交流及び共同学習ガイド」のホームページへの掲載を行っている。
  • 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所は,教職員を対象に「交流及び共同学習推進指導者研究協議会」を開催し,交流・共同学習の理解促進と具体的な方策の普及を図っている。
(スポーツ活動)
  • 平成27(2015)年度より,スポーツ関係者と障害福祉関係者が連携・協働体制を構築し,地域において一体的に障害者スポーツを推進する取組を支援している。平成28(2016)年度より,障害児を含めた障害者の日常的なスポーツ活動を推進するため,特別支援学校等を拠点とした障害者のスポーツ活動の拠点づくりを推進するための支援を実施することとしている。

(2)発達障害のある子供・若者の支援

(「発達障害者支援センター」を核とした地域支援体制の強化)
  • 厚生労働省は,「発達障害者支援法」(平16法167)に基づき,ペアレントメンターの養成,発達障害者地域支援マネジャーの発達障害者支援センターへの配置等により,発達障害者やその家族に対する相談支援を推進している。
(学校における支援体制の整備)
  • 発達障害の可能性のある子供は通常の学級にも在籍しており,文部科学省は,発達障害を含む障害のある子供への学校における支援体制の整備を推進している。
  • 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所は,発達障害に関する正しい理解や支援に関する様々な教育情報,教員研修用の講座を提供するとともに,発達障害教育指導者研究協議会を開催している。

(3)障害者に対する就労支援等

  • 厚生労働省は,障害者雇用率の達成に向け,ハローワークなどにおいて厳正な達成指導を実施しているほか,就職から職場定着まで一貫した支援を行う「チーム支援」,一般就労への移行を支援する「就労移行支援」と一般就労が困難な者に対して働く場を提供する「就労継続支援」等を実施している。
  • 特別支援学校では,例えば,コンピュータや情報通信ネットワークを活用して,情報技術や情報処理の能力を育成したり,産業界との連携を図った職場体験の機会を設けたりするなど,時代の進展や社会の変化に対応した職業教育が行われている。

(4)障害者に対する文化芸術活動の支援

  • 文部科学省においては,全国高等学校総合文化祭において特別支援学校の生徒による作品の展示や実演芸術の発表の場を提供するとともに,小学校・中学校等に障害のある芸術家等を派遣し,車いすダンスの披露や車いすダンス体験等の機会等を提供している。また,障害者の優れた芸術活動に関する試行的展覧会等の実施や,障害者の芸術活動を支援する人材育成事業に対する支援,障害者が芸術作品を鑑賞しやすい環境づくりを進めている。

(5)慢性疾病を抱える児童等や難病患者の支援

  • 小児慢性特定疾病対策及び難病対策については,平成27(2015)年1月の「児童福祉法の一部を改正する法律」(平26法47)及び「難病の患者に対する医療等に関する法律」(平26法50)の施行により,各法に基づく医療費助成制度や小児慢性特定疾病児童等自立支援事業等が都道府県等において実施されている。さらに,難病対策については平成27年9月に,小児慢性特定疾病対策については同年10月に基本方針が策定され,厚生労働省では,これらの法律及び基本方針に基づき小児慢性特定疾病児童等や難病患者に対して,総合的な対策を推進していくこととしている。

3 非行・犯罪に陥った子供・若者の支援等

(1)総合的取組

(関係府省の連携)
  • 政府では,非行対策の推進について密接な連絡や情報交換,協議等を行うため,子ども・若者育成支援推進本部の下に少年非行対策課長会議を設置し,関係府省が連携して対策の充実強化を図っている。
  • 平成27(2015)年2月に神奈川県川崎市で発生した中学1年生殺害事件を受け,文部科学省では,関係府省庁とも連携し,対応方策を取りまとめ,教育委員会等への周知を行った。
(家庭,学校,地域の連携)
  • 多様化,深刻化している少年の問題行動の個々の状況に着目し,的確な支援を行うため,学校,警察,児童相談所,保護観察所といった関係機関が「サポートチーム」を編成し,適切な役割分担の下に連携して対処している。
  • 警察署の管轄区域,市町村の区域等を単位に,全ての都道府県で学校警察連絡協議会が設置されている。また,非行少年,不良行為少年等に関する情報を警察・学校間で通知する「学校・警察連絡制度」が各地で構築されている。
  • 警察は,退職した警察官などをスクールサポーターとして警察署などに配置するとともに,学校からの要請に応じて派遣している。
  • 「更生保護サポートセンター」では,保護司が駐在して,様々な関係機関・団体と協力し,保護観察を受けている人の立ち直り支援や,非行防止セミナー,住民からの非行相談を行っている。
  • 少年鑑別所は,「法務少年支援センター」として,少年や保護者などの個人からの相談に応じて情報の提供・助言等を行っている。

(2)非行防止,相談活動等

(非行少年を生まない社会づくり)
  • 警察は,少年の規範意識の向上及び社会との絆の強化を図るため,「非行少年を生まない社会づくり」の取組を全国的に推進している。
(非行防止教室)
  • 警察は,職員の学校への派遣や少年警察ボランティアなどの協力により,非行防止教室を開催している。
  • 文部科学省は,道徳教育の充実を図るとともに,関係機関と連携した非行防止教室の開催などにより規範意識を養い,子供の非行防止に努めている。
  • 法務省は,「中学生サポート・アクションプラン」として,中学生の犯罪・非行の未然防止と健全育成を図っている。
(相談活動)
  • 青少年センターでは,相談活動や街頭補導,有害環境の適正化に関する活動が行われている。
  • 警察では,相談窓口を設け,少年補導職員や警察官などが,必要な指導や助言を行っている。また,電話相談窓口「ヤングテレホンコーナー」を設置しているほか, FAXや電子メールによる相談も受け付けるなど,相談者が利用しやすい環境の整備を行っている。
  • 法務省は,人権擁護委員や法務局・地方法務局の職員による相談対応を行っている。また,少年鑑別所でも,「法務少年支援センター」として保護者や学校関係者などからの相談に応じている。「更生保護サポートセンター」でも,保護司が親からの相談に応じている。
(補導活動)
  • 警察は,全国に設置された少年サポートセンターを中心として,警察が委嘱する少年警察ボランティアなどと連携し,繁華街や公園といった非行が行われやすい場所に重点を置いて,家出少年などの発見・保護活動及び深夜はいかいなど不良行為少年に対する補導活動を推進し,問題行動を早期に発見して,少年及びその保護者に対する的確な助言・指導を行っている。
(事件の捜査・調査)
  • 警察は,非行少年を発見した場合は,必要な捜査や調査を行い,検察官や家庭裁判所,児童相談所といった関係機関へ送致または通告するほか,その少年の保護者に助言を与えるなど,非行少年に対して適切な指導がなされるよう措置している。
  • 検察官は,警察からの送致などを受けて必要な捜査を行い,犯罪の嫌疑があると認めたときは,事件を家庭裁判所に送致する。その際,処遇に関する意見を付している。
(非行集団対策)
  • 警察は,非行集団の実態把握を徹底し,取締りによる非行集団の弱体化と解体,少年の非行集団及び暴力団への加入阻止や離脱支援,暴走族対策などの取組を推進している。

(3)薬物乱用防止

  • 政府では,「第四次薬物乱用防止五か年戦略」(平成25年8月)及び「危険ドラッグの乱用の根絶のための緊急対策」(平成26年7月)に基づき,危険ドラッグを始めとする薬物乱用の根絶に向けた総合的な対策を推進している。
  • 内閣府は,薬物乱用の危険性や正しい知識を青少年に分かりやすく伝えるため,平成28(2016)年3月に,薬物乱用対策マンガを作成し,ホームページに公表した(図表28)。
  • 警察は,薬物密輸・密売組織の実態解明及びその壊滅に向けた取締り,関係機関との連携による水際対策の強化などにより,薬物供給を遮断するとともに,規制薬物や指定薬物の乱用者の徹底検挙,子供に対する薬物乱用防止教室,大学生や新社会人に対する薬物乱用防止講習会などを行い,薬物需要の根絶を図っている。
  • 法務省は,少年院において,薬物に対する依存のある者を対象に,薬物非行防止指導を実施している。刑事施設では,麻薬や覚醒剤などの薬物に対する依存がある受刑者を対象に,薬物依存離脱指導を実施している。保護観察所では,保護観察に付されている者に対し,自発的意思に基づく簡易薬物検出検査を実施するとともに,一定の条件を満たした者に対して認知行動療法などに基づく薬物再乱用防止プログラムを実施している。
  • 文部科学省は,小学校,中学校,高校において薬物乱用防止教室を開催している。また,広く薬物乱用防止に係る啓発資料を作成し,配布している。
  • 厚生労働省は,インターネットを利用した密売事犯や外国人による密売事犯などに対する取締りの強化,地域における薬物乱用防止・薬物依存症に関する相談体制の充実,医療機関による対応の充実,危険ドラッグの指定薬物への迅速な指定,検査命令及び販売等停止命令の実施,危険ドラッグのインターネット販売店についてプロバイダなどに対する削除要請等を実施している。
図表28 薬物乱用対策マンガ
  • 覚醒剤及び大麻による検挙人員は,減少傾向が続いていたが平成27年に上昇した。大麻については,検挙された者のうち約半数が30歳未満の者である。
図表29 薬物乱用で検挙された30 歳未満の者
  • 危険ドラッグ乱用による検挙人員のうち20代,30代が半数以上を占めている。
図表30 危険ドラッグ乱用者の検挙状況(平成27年)
  人数 構成率
50歳以上 75 7.8%
40~49歳 236 24.4%
30~39歳 330 34.2%
20~29歳 297 30.7%
20歳未満 28 2.9%
全体 966
(出典)警察庁「薬物・銃器情勢」
(備考)危険ドラッグ乱用者とは,危険ドラッグ事犯検挙人員のうち,危険ドラッグを販売するなどにより検挙された供給者側の検挙を除いたものをいう。

(4)少年審判

(受理の状況)
  • 平成27(2015)年における少年保護事件の全国の家庭裁判所での新規受理人員は,93,395人であった。
(処理の状況)
  • 平成27(2015)年における少年保護事件の既済人員は96,328人で,終局決定別にみると,審判不開始が41.0%と最も多く,次いで保護処分が22.1%となっている。

(5)加害者に対するしょく罪指導と被害者への配慮

(被害者への情報提供などの様々な制度や取組)
  • 警察は,捜査状況などに関する情報を可能な限り被害者などに提供するように努めている。
  • 法務省は,検察庁において,被害者に,事件の処理結果などの情報を提供している。少年院,地方更生保護委員会,保護観察所において,少年院での処遇状況に関する事項や仮退院審理に関する事項,保護観察の開始・終了や保護観察中の処遇状況に関する事項を通知している。
(被害者の心情を踏まえた適切な加害者処遇)
  • 少年院や少年刑務所等では,「被害者の視点を取り入れた教育」が意図的・計画的に実施されるよう,矯正教育や改善指導の充実に努めている。
  • 保護観察でも,少年が自らの犯罪と向き合い,犯した罪の大きさや被害者の心情などを認識し,被害者に対して誠意をもって対応していくことができるようになるための助言指導を行っている。

(6)施設内処遇を通じた取組等

(少年鑑別所)
  • 法務省は,平成25(2013)年度から導入した,再非行の可能性及び教育上の必要性を定量的に把握する「法務省式ケースアセスメントツール(MJCA)」を効果的に活用し,再非行防止に資する鑑別の充実に取り組んでいる。
(少年院・少年刑務所等)
  • 少年院では,少年の特性に応じた矯正教育の目標,内容,期間や実施方法を具体的に定めた個人別矯正教育計画を作成し,きめ細かく行われている。
(児童自立支援施設)
  • 厚生労働省は,児童自立支援施設運営指針などにより,児童自立支援施設の質の確保と向上を図っている。

(7)社会内処遇を通じた取組等

(少年院からの仮退院,少年刑務所等からの仮釈放)
  • 保護観察所は,引受人などとの人間関係や出院・出所後の職業などについて調整を行い,受入体制の整備を図っている。
(保護観察)
  • 複雑かつ困難な問題を抱えた少年に対しては,保護観察官による直接的関与の程度を強めるなどにより,重点的な働き掛けを行っている。
(処遇全般の充実・多様化)
  • 法務省は,少年院において処遇ケース検討会を実施するなどにより,保護処分の適正かつ円滑な執行を図っている。
  • 「刑法等の一部を改正する法律」(平25法49)により,「更生保護法」(平19法88)に基づく保護観察の特別遵守事項の類型の一つに,社会貢献活動に関する規定が加えられ,平成27(2015)年6月に施行された。保護観察所では,一層多様で効果的な活動の実施に努めている。

(8)非行少年に対する就労支援等

  • 少年院や少年刑務所等は,処遇の一環として,就労に対する心構えを身に付けさせ,就労意欲を喚起し,各種の資格取得を奨励している。また,ハローワークなどとの連携による就労支援を実施している。
  • 保護観察所は,矯正施設や家族,学校と協力し,出院・出所後の少年の就労先の調整・確保に努めている。協力雇用主に対する支援の強化として,平成27(2015)年度から「就労・職場定着奨励金」及び「就労継続奨励金」の支給を実施している。
  • ハローワークは,少年院や少年刑務所等,保護観察所と連携して,出院・出所予定者や保護観察に付された少年を対象とした就労支援を推進している。
  • 厚生労働省は,施設などを退所したが社会的自立が十分ではない若者に対し,日常生活上の援助や就業支援を行う「自立援助ホーム」(児童自立生活援助事業)の充実に努めている。

4 子供の貧困問題への対応

  • 「子どもの貧困対策の推進に関する法律」(平25法64)を踏まえ,政府は,平成26(2014)年8月に子供の貧困対策に関する基本的な方針を始め,子供の貧困に関する指標,指標の改善に向けた当面の重点施策,子供の貧困に関する調査研究等及び施策の推進体制等を定めた「子供の貧困対策に関する大綱」を策定し,子供の貧困対策を総合的に推進することとした。(第1章第3節1参照)

5 特に配慮が必要な子供・若者の支援

(1)自殺対策

  • 政府では,「自殺対策基本法」(平18法85)に基づく「自殺総合対策大綱」(平成24年8月閣議決定)により,関係府省で連携して,自殺対策を総合的に推進している。
  • 文部科学省では,スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置の拡充など教育相談体制の充実を図っている。

(2)外国人の子供や帰国児童生徒の教育の充実等

  • 文部科学省は,外国人の子供の公立学校への受入れや帰国児童生徒を含む日本語指導が必要な児童生徒の教育の充実に当たって,日本語指導のための教職員の加配措置等を行っている。

(3)定住外国人の若者の就職の促進等

  • ハローワークでは,日系人を中心とした定住外国人の若者の就職を促進するため,就業支援ガイダンスや個別の就職支援を実施している。

(4)性同一性障害者等に対する理解促進

  • 法務省の人権擁護機関では,「性同一性障害を理由とする偏見や差別をなくそう」などを啓発活動の年間強調事項として掲げ,各種啓発活動を実施している。
  • 文部科学省は,性同一性障害のある子供への対応について,子供の心情に十分配慮した教育相談の徹底を関係者に対して依頼している。また,平成28(2016)年4月に,性同一性障害や性的指向・性自認に係る,児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施についての教職員向け資料を公表し,全国の教育委員会等に周知した。

第3節 子供・若者の被害防止・保護

1 児童虐待防止対策

第1章第3節2参照)

2 子供・若者の福祉を害する犯罪対策

(1)取締り

  • 警察は,積極的な取締りと被害者の発見保護に努めている。
  • 検察は,積極的に関係法令を適用し,厳正な科刑の実現に努めている。

(2)児童買春・児童ポルノ問題

  • 福祉犯の被害者となった20歳未満の者は,このところ減少している。
  • 全体として,児童買春事犯の被害者が減少傾向にある一方,児童ポルノ事犯の被害者は増加傾向にある。
図表31 福祉犯の被害にあった20 歳未満の者
  • 平成26(2014)年6月,「児童買春・児童ポルノ禁止法」(平11法52)が一部改正され,平成27(2015)年7月から,自己の性的好奇心を満たす目的での児童ポルノの所持・保管罪について適用が開始された。
  • 政府では,平成25(2013)年5月に策定された「第二次児童ポルノ排除総合対策」に基づき,関係府省が連携して,児童ポルノ排除対策を推進している。
  • 内閣府は,平成27(2015)年11月,関係団体などで構成する第6回「児童ポルノ排除対策推進協議会総会」を開催した。また,公開シンポジウムにより児童ポルノ根絶に向けた国民運動の輪が更に広がるよう呼び掛けを行っている。
  • 警察は,「児童買春・児童ポルノ禁止法」(平11法52)による積極的な取締りなどを行っている。

(3)出会い系サイトやコミュニティサイトの問題

  • 出会い系サイトに起因して犯罪被害に遭った18歳未満の者が減少する一方,SNSなどのコミュニティサイトを起因として犯罪被害に遭う者の増加が続いている。
  • 出会い系サイトに比してコミュニティサイトでは,より低年齢の被害者が多い。
図表32 出会い系サイト及びコミュニティサイトに起因する事犯の被害に遭った18 歳未満の者
  • 警察は,子供が援助交際を求めるなどのインターネット上の不適切な書き込みをサイバーパトロールによって発見し,書き込みを行った子供と接触して直接に注意・指導などを行うサイバー補導を推進している。

(4)子供の犯罪被害の防止

(学校における安全管理)
  • 文部科学省は,「学校安全の推進に関する計画」(平成24年4月)に基づき,学校における安全管理を推進している。また,元警察官などからなるスクールガード・リーダーによる学校の巡回等を行っている。
(関係機関・団体からの情報の活用)
  • 警察庁は,法務省から子供を対象とした暴力的な性犯罪に係る受刑者の出所情報の提供を受け,犯罪の予防や捜査の迅速化への活用を図っている。
  • 警察は,子供が被害に遭った事案や,子供に対する犯罪の前兆と思われる声掛けやつきまといの発生に関する情報が,迅速に保護者などに対して提供されるよう,警察署と学校・教育委員会との間で情報共有体制を整備している。

3 犯罪被害に遭った子供・若者とその家族等への対応

  • 警察は,少年補導職員による指導助言や被害者に対するカウンセリングを継続的に行っている。
  • 文部科学省は,スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー,関係機関とのネットワークを活用するなど多様な支援方法を用いて,被害を受けた子供の立ち直りを支援する活動を推進している。
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