第2章 全ての子供・若者の健やかな育成(第3節)

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第3節 若者の職業的自立,就労等支援

1 職業能力・意欲の習得

(1)キャリア教育の推進

ア キャリア教育・職業教育の推進(文部科学省,厚生労働省,経済産業省)

非正規雇用率の高さや雇用のミスマッチ,若年無業者の存在など「学校から社会・職業への移行」が円滑に行われていないことが課題として挙げられる。また,職業意識・職業観が未熟なこと,進路意識・目的意識が希薄なまま進学する者の増加など,若者の「社会的・職業的自立」に向けた課題がみられる。これらの原因・背景には,産業構造や就業構造の変化など社会全体を通じた構造的問題が存在しており,社会が一体となった対応が必要である。このような中で,学校教育においては,キャリア教育・職業教育を充実していくことが重要である41

文部科学省,厚生労働省,経済産業省の3省は,学校,地域,産業界が一体となって社会全体でキャリア教育を推進する気運を高めるため,「キャリア教育推進連携シンポジウム」を実施している42。平成27(2015)年度は,「新しい時代に向けて社会とつくるキャリア教育」をテーマに,基調講演,事例発表,パネルディスカッションを行った(第2-29図)。

第2-29図 キャリア教育推進連携シンポジウム

文部科学省と経済産業省は,学校関係者や地域社会,産業界といった関係者の連携・協働による取組を表彰する「キャリア教育推進連携表彰」を実施している。平成27年度は,応募のあった23件の中から,最優秀賞1件,優秀賞1件,奨励賞3件を選定した(第2-30図)。

第2-30図 第5回キャリア教育推進連携表彰

このほか,文部科学省は,次の取組を行っている43

  • 企業による出前授業などの教育活動支援,職場体験
  • インターンシップ受入先の開拓やマッチングなど,地域における学校のキャリア教育を支援する組織の整備の促進(地域キャリア教育支援協議会設置促進事業)44。平成27(2015)年度は12地域を採択。
  • キャリア教育に係る中核的な時間の在り方に関する研究45
  • キャリア教育の趣旨の周知と指導内容の充実を図るため,小学校・中学校・高校において,学校の特色を生かしたキャリア教育の年間指導計画を作成する際に参考となるパンフレットを作成・配布し,文部科学省ホームページにも掲載46
  • 学校や教育委員会におけるキャリア教育に関する研修のための動画コンテンツと資料を文部科学省ホームページで配信47
  • 学校が望む支援と地域・社会や産業界などが提供できる支援をマッチングさせる特設サイト「子どもと社会の架け橋となるポータルサイト」48の運用(第2-31図)
    第2-31図 子どもと社会の架け橋となるポータルサイト

また,社会の変化や産業の動向などに対応した高度な知識・技能を身に付け,社会の第一線で活躍できる専門的職業人を育成するため,先進的な卓越した取組を行う専門高校を「スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール」として指定し,調査研究を全国10校で行っており,平成27(2015)年度には,指定校を20校に増加し,さらに取組を充実させた。

厚生労働省は,企業で働く者などを講師として中学校や高校に派遣し,職業や産業の実態,働くことの意義,職業生活を子供に理解させ,考えさせる「キャリア探索プログラム」を実施している。平成26(2014)年度は,3,284校において,約31.0万人の生徒が参加した。

経済産業省は,先進的な教育支援活動を行っている企業・団体を表彰する「キャリア教育アワード」を実施している49。平成27年度は,応募のあった39件の中から,最優秀賞3件(内1件大賞),優秀賞4件,奨励賞5件を選定した(第2-32図)。

第2-32図 キャリア教育アワード

なお,経済産業省の実施事業により,平成23(2011)年3月に設立された一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会では,キャリア教育コーディネーターの育成・研修や認定を行っており,平成28(2016)年2月時点で約250名のキャリア教育コーディネーターが全国で活動を行っている(第2-33図)。

第2-33図 キャリア教育コーディネーター

また,職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力を「社会人基礎力」50として整理し,大学教育を通した育成や評価の取組の普及を図っている(第2-34図)。平成27年度は,以下の取組を行っており,地域の産学が互いに協働する教育が浸透し始めている。

  • 「社会人基礎力」の育成事例を学生自身がプレゼンテーションする「社会人基礎力育成グランプリ」の開催(平成27年度で9回目,全国46大学の55チームが参加)
  • 大学教職員や企業人事担当者を対象に社会人基礎力の教育手法などについて発信・意見交換を行う「社会人基礎力育成研修会」の実施(全国6か所)
第2-34図 社会人基礎力

文部科学省は,平成27年度には新たに,地域を担う人材育成のためのキャリアプランニングスーパーバイザーを配置する事業を実施した。

本事業は,都道府県や指定都市などに「キャリアプランニングスーパーバイザー」を配置し,地域社会や地元産業などの実情を踏まえつつ,児童生徒の地元産業に対する理解やそこでの体験活動・インターンシップの推進などを行い,最終的に地元に根付く人材育成と地元での就労促進を図ることを目標にするものである。

イ インターンシップ(就業体験)の推進(文部科学省,厚生労働省,経済産業省)

  • 中学校における職場体験実施率は,おおむね上昇傾向が続いている。
  • 実施期間は2~3日間が7割を占めているが,5日以上設けている学校もある。
  • 高校におけるインターンシップの実施率は,平成26年,国公私立ともに前年より下がった。また,体験者数の割合については,職業関係学科が6割以上であるのに対し,普通科では2割弱にとどまっている。
  • 大学・大学院におけるインターンシップの実施率は,微増である。

職場体験やインターンシップ(就業体験)は,子供や若者が教員や保護者以外の大人と接する貴重な機会となる。異世代とのコミュニケーション能力の向上が期待されること,子供や若者が自己の職業適性や将来設計について考える機会となり主体的な職業選択の能力や高い職業意識の育成が促進されること,学校における学習と職業との関係について子供や若者の理解を促進し学習意欲を喚起すること,職業の現場における実際的な知識や技術・技能に触れることが可能となることから,極めて高い教育効果が期待される。

文部科学省,厚生労働省,経済産業省では,「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(平成9年文部省,通商産業省,労働省)を平成26(2014)年4月に一部改正し,各大学・産業界に周知を行い,インターンシップの普及・促進に努めている。

また,文部科学省では,前述の「子どもと社会の架け橋となるポータルサイト」などにより,キャリア教育の中核的な取組の一つとして,学校における職場体験やインターンシップの普及・促進や「地域キャリア教育支援協議会」によるインターン受入先の開拓とマッチングの促進も行っている。

経済産業省は,地域における起業や中堅中小企業の中核的な人材の育成に教育的な効果が高い長期インターンシップを推進するため,受入促進に向けたツール・メソッドの整備や産学をつなぐ専門人材のための活用ガイドを策定してホームページで公開している51。また,地域において,産学官が協働して構築している連携組織の実態を調査し,シンポジウムを開催するなど,普及に取り組んだ(第2-38図)。

第2-38図 経済産業省主催産学協働教育シンポジウム

ウ 女性若年層に対する啓発(内閣府,厚生労働省,文部科学省,経済産業省)

内閣府は,女性若年層に対して,女性の進出が遅れている理工系などの分野に関する情報提供を行っている。平成26(2014)年には,主に中学生・高校生を対象とし,研究者による講演や研究者とキャリアなどについて討議を行う「女子中高生の医理系進路選択支援~医理系の研究って,すっごくおもしろい!」52や,大学,企業,研究機関,メディア,海外などの様々な分野の最前線で活躍する理系の女性による講演やグループディスカッションを行う「理系の仕事~いつか未来を創るあなたへ」53を開催した。

厚生労働省は,女子学生が的確に職業や進路を選択するために自らの将来を多角的に考える契機となる資料を作成し,高校や大学を通じて配布している。また,就職先を選択する際には「女性の活躍・両立支援総合サイト」54などを参考にして各企業の女性の活躍状況やポジティブ・アクションの取組も考慮するよう,大学等を通じて,学生に対する啓発を図っている(第2-39図)。

第2-39図 女性の活躍・両立支援総合サイト

文部科学省は,男女ともに多様な選択が可能となるよう,男女共同参画の視点に立ったキャリア形成支援の推進を図るため,ブックレットを作成し,普及・啓発を図っている。

経済産業省は,地域の中小企業・小規模事業者が必要とする人材を発掘するために,地域人材コーディネート機関を全国47箇所に設置し,地域の関係機関と協力しながら,地域事業者の魅力発信や,地域内外の女性・若者・シニア等多様な人材とのマッチングの促進を図る支援イベント等を2,800回以上55実施した。

独立行政法人国立女性教育会館56は,大学などと連携し,女子学生を対象に,就業も含めた女性としてのキャリア形成について学ぶ研修や支援サイトによる情報提供を行っている。

(2)能力開発施策の充実

ア 公的職業訓練(厚生労働省)

厚生労働省は,都道府県とともに,職業に必要な知識・技能を習得させることにより若者の就職を支援するため,公共職業能力開発施設のほか,大学を含む多様な民間教育訓練機関なども活用しつつ,公共職業訓練を実施している。また,求職者支援制度57により,雇用保険を受給できない若者などに対して,職業訓練を実施しつつ,訓練期間中の生活を支援するための給付金を支給し,ハローワークにおけるきめ細かな就職支援を行っている(第2-40図)。

第2-40図 公的職業訓練の概要

イ ジョブ・カード,若年技能者の人材育成(文部科学省,厚生労働省)

厚生労働省は,平成27(2015)年10月からジョブ・カード58を「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力証明」のツールとして活用し,個人のキャリアアップや,多様な人材の円滑な就職などを促進しており,平成28(2016)年1月末現在,ジョブ・カード取得者数は約143万人に達している(第2-41図,第2-42図)。

第2-41図 ジョブ・カード制度
第2-42図 ジョブ・カード取得者数
  • 生涯を通じたキャリア・プランニングのツール

    個人の履歴や職業経験の棚卸し,職業生活設計等の情報を蓄積し,生涯におけるキャリア選択等の場面において活用する。

  • 職業能力証明のツール

    免許・資格,学習歴・訓練歴,職業経験,訓練成果の評価,職場での仕事振りの評価等に関する職業能力証明の情報を蓄積し,必要に応じて情報を抽出・編集し,求職活動の際の応募書類,キャリアコンサルティングの際の資料等として活用する。

また,若年技能者の人材育成を図るため,工業高校や職業訓練校で技能を学ぶ学生や訓練生を対象として3級技能検定を毎年実施している。さらに,若年者のものづくり離れ・技能離れがみられる中で,技能の魅力・重要性を啓発し,若年ものづくり人材の確保・育成を促すため「若年技能者人材育成支援等事業」を実施しており,ものづくり体験など若者へのものづくり技能の魅力発信を図るとともに,「ものづくりマイスター」による実技指導を実施し,若者のものづくり技能分野への積極的な誘導に取り組んでいる。

こうした取組を通じて,若年者の技能修得意欲を向上させるとともに,教育訓練の成果を社会一般の評価として明確化するなど,能力を軸とした若年労働市場の基盤整備を図っている。

企業内の人材育成に取り組む事業主などに対して訓練経費や賃金の一部を助成する「キャリア形成促進助成金」について,平成27年10月より,若者雇用促進法に基づく認定事業主が「若年人材育成コース」を実施した場合に助成率引上げを行ったところであるが,さらに平成28(2016)年度は他のコース(「雇用型訓練コース」及び「重点訓練コース」)を実施した場合にも同様に助成率引上げを行うことにより,企業内における若者への技能継承や中核人材の育成を図っている。

文部科学省は,産業界のニーズを踏まえた中核的専門人材養成を推進していく観点から,専修学校,大学,大学院,短期大学,高等専門学校,高校と産業界などが産学官コンソーシアムを組織し,社会人や大学生,専門学校生,高校生が就労やキャリアアップに必要な知識・技術・技能を習得するための学習システムの構築を図っている。

2 就労等支援の充実

(1)新卒者等に対する就職支援

  • 高校,短期大学,大学の卒業者の就職率は上昇が見られる。
  • ここ数年,求人倍率は上昇している。

ア 学生に対する就職支援(文部科学省,厚生労働省,経済産業省)

文部科学省は,関係府省と連携しつつ,大学などの就職相談員とハローワークのジョブサポーターとの連携の促進などにより,大学などにおける就職支援体制を強化している。また,教育課程内外にわたり就業力の育成を目指して各大学が行う取組などを総合的に支援している。

厚生労働省は,

  • 大学院・大学・短大・高専・専修学校などの学生や卒業後未就職の者を専門に支援する「新卒応援ハローワーク」59を全国に設置(平成27年4月1日現在,57か所)し,広域的な求人情報の提供や,職業紹介,中小企業とのマッチング,求人開拓,就職支援セミナー・面接会の実施を行っている。ジョブサポーター60による,就職活動から職場で定着するまでの一貫した担当者制による個別支援(求人情報の提供,就職活動の進め方,エントリーシートの添削,面接指導,職場定着支援など)や臨床心理士による心理的サポートを行っている。また,大学などへのジョブサポーターの相談窓口設置・出張相談を実施するなど,学校などとも連携を強化している。これらの新卒応援ハローワークの支援により,平成26(2014)年度は延べ約64万人が利用し,約11万人の就職が決定した。
  • 文部科学省,経済産業省と連携し,未内定の学生・生徒の就職先が1人でも多く卒業までに決まるよう,平成28(2016)年1~3月を集中支援期間とし,「未内定就活生への集中支援2016」として,新卒応援ハローワークによる支援や,就職面接会,中小企業とのマッチングなどを集中的に実施した61。また,4~6月までを未就職卒業生に対する集中支援期間とし,「未就職卒業生への集中支援2016」として同様の支援を集中的に実施している62

平成28(2016)年2月に創設した,既卒者等が応募可能な新卒求人の申込み又は募集を新たに行い,採用後一定期間定着させた事業主に対して奨励金を支給する「三年以内既卒者等採用定着奨励金」により,既卒者及び中退者の新規学卒枠での応募機会の拡大及び採用・定着の促進を図っていく。

経済産業省は,地域の中小企業・小規模事業者が必要とする人材を発掘するために,地域人材コーディネート機関を全国47箇所に設置し,地域の関係機関と協力しながら,地域事業者の魅力発信や,地域内外の若者・女性・シニア等多様な人材とのマッチングの促進や定着を図る支援イベント等を2,800回以上63実施した。

イ 秩序ある就職・採用活動への取組(文部科学省)

大学生等の就職・採用活動の開始時期については,大学等関係団体や各経済団体からの提言を踏まえ,平成25(2013)年4月,政府から経済団体に対し,学生の学修時間や留学等の多様な経験を行う機会を確保するため,平成27(2015)年度卒業・修了予定者から,広報活動の開始時期を卒業・修了前年度の3月以降(従来は同12月以降)に,採用選考活動の開始時期を卒業・修了年度の8月以降(従来は同4月以降)に変更することを要請した。

これを受け,平成25年9月,日本経済団体連合会は「採用選考に関する指針」を策定し,就職問題懇談会(国公私立大学などの代表者で構成)は,就職活動の秩序を維持し,正常な学校教育と学生の学修環境を確保するため,「大学,短期大学及び高等専門学校卒業予定者に係る就職について(申合せ)」を定めた。

平成27年度の就職・採用活動については,広報活動開始時期の後ろ倒しにより,卒業・修了前年度までは学生が学業に専念できたと評価されるなど,就職・採用活動開始時期の変更の成果が確認された。一方で,採用選考活動を開始時期の8月より前に実施した企業等が多くあったこと等により,結果として学生の就職活動が長期化した等の課題が指摘された。こうした課題に対応し,就職・採用活動開始時期の変更の趣旨である,学生が学業に専念し,多様な経験ができる環境づくりをさらに進めるため,企業側,大学側,関係府省において議論を行い,平成28(2016)年度卒業・修了予定者について,学生の学業への配慮を十分に行いながら,採用選考活動開始時期を卒業・修了年度の6月以降に変更することになった。

これを踏まえ,平成27年12月7日には,日本経済団体連合会において「採用選考に関する指針」を改定するとともに,翌8日には就職問題懇談会において「平成28年度大学,短期大学及び高等専門学校卒業・修了予定者に係る就職について(申合せ)」を策定した。政府においても,就職・採用活動開始時期の変更が円滑に実現されるよう,同月10日及び平成28年2月19日に,約440の経済団体・業界団体を通じて各企業に対し,内閣官房,文部科学省,厚生労働省及び経済産業省から,就職・採用活動開始時期の変更の趣旨に沿った広報活動・採用選考活動を実施するよう要請を行った。

文部科学省としては,引き続き関係府省とともに,大学等,経済界と連携しながら,就職・採用活動が円滑に実施されるよう,必要な取組を進めていくこととしている。

(2)職業的自立に向けての支援

ア わかものハローワーク等における支援(厚生労働省)

厚生労働省は,フリーターなどが安定した職に就くことができるよう,ハローワークにおいて,支援対象者一人一人の課題に応じて,トライアル雇用奨励金64の活用など,正規雇用化に向けた一貫したきめ細かな支援を実施している。また,支援拠点として,「わかものハローワーク」(平成27年4月1日現在,全国28か所),「わかもの支援コーナー」「わかもの支援窓口」を設置し,若者の就職支援を実施している。これらの支援拠点では,

  • 求職者の希望職種やスキルを基に,個人の状況に応じたプランの作成
  • 担当者制による個別の職業相談・照会
  • 求職者向け各種セミナー
  • 職場定着支援

などを実施している。

イ ジョブカフェにおける支援(厚生労働省)

厚生労働省は,都道府県が主体的に設置するジョブカフェ65(「若年者のためのワンストップサービスセンター」。平成27(2015)年4月現在46都道府県に設置。)において,企業説明会や各種セミナーを民間団体に委託して実施している。また,都道府県からの要望に応じ,ジョブカフェにハローワークを併設(平成27年4月現在40都道府県)し,若者を対象とした職業相談・職業紹介を行っている。平成26(2014)年度のサービス利用者数は約169万人,就職者数は約12万人に上る。

ウ 若者の農林漁業への就業促進(農林水産省)

農林水産省は,若者が安心して農林漁業に就業していけるよう,給付金(年間最大150万円)の給付,資金の無利子貸付け,情報提供,就業相談会を実施するとともに,作業実態や就労条件を理解してもらうためのトライアル雇用,就業の場での研修を進めるための雇い主への助成,教育機関における研修を推進している。

(3)非正規雇用対策の推進(厚生労働省)

厚生労働省は,正社員を希望する人の正社員転換や非正規雇用を選択する人の待遇改善を進めるため,平成28(2016)年1月に策定した「正社員転換・待遇改善実現プラン」等に基づき,各都道府県と連携して,非正規雇用労働者の希望や意欲・能力に応じた正社員転換・待遇改善を強力に推進している。

(4)若者雇用促進法の施行による就職支援(厚生労働省)

青少年の雇用の促進等を図り,その能力を有効に発揮できる環境を整備するため,青少年の適職の選択並びに職業能力の開発及び向上に関する措置等を総合的に講ずる「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律」(平27法72)が,平成27(2015)年9月18日に公布された。

同法において改正された「青少年の雇用の促進等に関する法律」(昭45法98)(以下「若者雇用促進法」という。)においては,<1>若者の適職選択に資するように職場情報を提供する仕組みの創設,<2>一定の労働関係法令違反の求人者について,ハローワークで新卒求人を受理しないこと,<3>若者の雇用管理が優良な中小企業についての認定制度の創設などの内容を盛り込んでおり,その取組を進めていく(<3>については平成27年10月1日,<1>,<2>については平成28(2016)年3月1日施行)。

COLUMN NO.4
 知ってますか? ユースエール認定制度

若者の採用及び育成に積極的な中小企業と,大企業志向の強い若者の間でミスマッチが存在していることを踏まえ,若者の雇用管理の状況が優良な中小企業について,若者雇用促進法に基づき厚生労働大臣が認定する制度(ユースエール認定制度)が平成27(2015)年10月より新たに創設された。

以下の基準を満たした認定企業に対して情報発信を後押しすること等によって,企業が求める人材の円滑な採用を支援し,仕事を探す若者とのマッチング向上を図ることとしている。

〈主な認定基準〉

  • 若者の採用や人材育成に積極的に取り組む企業であること
  • 直近3事業年度の新卒者等の正社員として就職した人の離職率が20%以下
  • 前事業年度の正社員の月平均所定外労働時間が20時間以下または週労働時間が60時間以上の正社員の割合が5%以下
  • 前事業年度の正社員の有給休暇の年平均取得率が70%以上または年平均取得日数が10日以上
  • 直近3事業年度において,男性労働者の育児休業などの取得者が1人以上または女性労働者の育児休業等の取得率が75%以上
  • 「直近3事業年度の新卒者等の採用者数・離職者数」等の若者雇用促進法に基づく青少年雇用情報を全て公表していること

など

認定企業の例 ~株式会社エステーモータースクール~

自動車運転教習所の労働条件や就労実態に対する誤解から,必要な人材を確保することが難しいという状況にあった。27年12月にユースエール認定を取得するなどにより,就業実態が優良であることを積極的にPRすることで,自社や業界に対する評価やイメージの向上を図り,優秀な若手の円滑な採用を目指している。

ユースエール認定マーク

(5)若者の「使い捨て」が疑われる企業等への対策の推進(厚生労働省)

厚生労働省では,若者が安心して働くことができる環境づくりに向けて,過重労働や賃金不払残業など若者の「使い捨て」が疑われる企業等に対する取組を強化しており,平成27(2015)年11月に,5,031事業場に対して重点的な監督指導を行い,その結果,約74%に当たる3,718事業場で労働基準関係法令違反等を確認したため,是正・改善に向けた指導を行った。

また,学生アルバイトの労働条件の確保については,「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査」の結果を踏まえ,平成27年12月に,文部科学省と連携し,学生アルバイトが多い業界団体に対し,労働基準関係法令の遵守のほか,シフト設定等の課題への配慮を要請した。

さらに,厚生労働大臣を本部長とする「長時間労働削減推進本部」の決定に基づき,

  • 平成27年1月から,月100時間超の残業を把握したすべての事業場等に対する監督指導の徹底
  • 4月から,複数の労働局にまたがる過重労働に係る事案等に対応する特別チーム(通称「かとく」)を東京労働局及び大阪労働局に設置
  • 5月から,社会的に影響力の大きい企業が,違法な長時間労働を繰り返している場合に,是正を指導した段階で公表すること

など,長時間労働の解消に向けての取組を強化している。


41 平成23(2011)年1月の中央教育審議会の答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」でこのような指摘がなされている。この答申では,<1>幼児期の教育から高等教育に至るまでの体系的なキャリア教育の推進,<2>実践的な職業教育の重視と職業教育の意義の再評価,<3>生涯学習の観点に立ったキャリア形成支援(生涯学習機会の充実,中途退学者などの支援)という3つの基本的方向性に沿った具体的な方策が提言されている。
42 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/detail/1342369.htm
43 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/index.htm
44 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/detail/1339053.htm
45 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/detail/1338650.htm
46 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/detail/1312372.htm
47 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/detail/1315412.htm
48 http://kakehashi.mext.go.jp/
49 http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/career-education/index.html
50 http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.html
51 http.//www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/intern/intern.html
52 公立大学法人奈良県立医科大学などと共催して1月に奈良県で実施。
 http://www.gender.go.jp/public/event/2013/renkeievent0111.html
53 日本女性科学者の会などと共催して2月に福島県で実施。
 http://www.gender.go.jp/public/event/2013/renkeievent0202.html
54 http://www.positive-ryouritsu.jp/
55 平成27年12月までの開催分(平成28年2月18日時点把握分)。
56 http://www.nwec.jp/
57 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyushokusha_shien/index.html
58 http://jobcard.mhlw.go.jp/
59 http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/05.html
60 平成26(2014)年度は,1,865人を全国に配置し,ジョブサポーターの支援により高卒と大卒等を合わせて約20万人の就職が決定した。
61 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000069886.html
62 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000073750.html
63 平成27年12月までの開催分(平成28年2月18日時点把握分)。
64 職業経験,技能,知識などから安定的な就職が困難な求職者について,一定期間試行雇用した場合に助成するもの。求職者の適性や業務遂行可能性を見極め,求職者と求人者の相互理解を促進することなどを通じて,その早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることが目的。
65 http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/jakunensha/jobcafe.html
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