第1章 子供・若者育成支援施策の総合的な推進

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子供・若者育成支援施策の推進に向けたこれまでの法整備、大綱策定等の動向を紹介。

特集 新たな「子供・若者育成支援推進大綱」の策定
~全ての子供・若者が自らの居場所を得て,成長・活躍できる社会を目指して~

子供・若者育成支援推進大綱は、子ども・若者育成支援推進法に基づき、子供・若者育成支援の基本的な方針と関連する施策等をパッケージにしたものである。内閣総理大臣を本部長とし、全閣僚で構成する子ども・若者育成支援推進本部において、令和3年4月6日、第3次となる新たな大綱が決定された。本特集では、そのポイント等を紹介する。

1.子供・若者を取り巻く状況

【1】社会全体の状況(子供・若者の健全育成に関連する主な社会課題)

生命・安全の危機  孤独・孤立の顕在化  低いWell-being  格差拡大への懸念  持続可能多様性・包摂性ある社会づくり 
リアルな体験の充実とデジタル・トランスフォーメーション(DX)の両面展開  成年年齢の引下げ  人権・権利の保障 
ポストコロナ時代の国家・社会の形成者育成

【2】子供・若者が過ごす「場」ごとの状況

家 庭

虐待、貧困、ひきこもり、ヤングケアラー等が社会問題化。コロナ禍は、困難を抱える家庭に特に深刻な影響を与える一方、「増えた家族との時間を保ちたい」とする者が多いなど、家族観の前向きな変化も。

学 校

特別支援教育や日本語指導が必要な者が増加するなど、児童生徒は多様化。

自殺、不登校、いじめなど、生徒指導上の課題が深刻化。学校現場の負担は年々増大。

地 域

近所付き合いの減少など住民のつながりの希薄化、地域活動の担い手の高齢化・固定化等が指摘される一方、コロナ禍で若者の地方移住への関心が高まり、都心部からの転出の動きも。

情報通信環境(ネット空間)

教育や行政、医療などあらゆる分野でデジタル化が加速し、ネットの利活用が進む一方、SNSに起因する犯罪被害、誹謗中傷等の弊害も深刻化。

就業(働く場)

近年、若者の失業率や平均賃金、非正規雇用者の割合等は改善傾向にあったが、若年無業者の増加などコロナ禍で悪化が懸念。一方、テレワークが急速に普及するなど、新たな働き方の動きも。

参考

前回の大綱策定時(2015年度)以降の子供・若者を取り巻く状況の変化

参考の図表

2.子供・若者育成支援の基本的な方針と基本施策

1全ての子供・若者の健やかな育成

全ての子供・若者が、かけがえのない幼年・若年期を健やかに過ごすことができ、かつ人生100年時代、絶え間ない変化の時代を幸せ(Well-being)に、自立して生き抜く基礎を形成できるよう、育成する。

【基本施策】
自然・文化体験の充実と1人1台ICT環境の有効活用、少人数学級の実施、健康・安全教育、消費者教育の推進、社会形成に参画する態度、若者の雇用安定化 等

2困難を有する子供・若者やその家族の支援

困難を有する子供・若者が、速やかに困難な状態から脱し、あるいは困難な状況を軽減・コントロールしつつ成長・活躍していけるよう、家族を含め、誰ひとり取り残さず、かつ非常時においても途切れることなく支援する。

【基本施策】
担当大臣のリーダーシップの下での孤独・孤立対策、
自殺、虐待、貧困等への対策、複合的課題への包括的支援、SNS相談やアウトリーチの充実、SOSを出し、受け止める力の育成 等

3創造的な未来を切り拓く子供・若者の応援

子供・若者が、一人一人異なる長所を伸ばし、特技を磨き、才能を開花させ、世界や日本、地域社会の未来を切り拓いていけるよう、応援する。

【基本施策】
STEAM(Science,Technology,Engineering,Art,Mathematics)教育、起業家教育、“出る杭”の応援、地方移住、地域貢献活動の促進 等

4子供・若者の成長のための社会環境の整備

家庭、学校、地域等が、子供・若者の成長の場として、安心・安全な居場所として、Well-beingの観点からより良い環境となるよう、社会全体、地域全体で子供・若者を育てる機運を高め、ネットワークを整え、活動を促進する。

【基本施策】
多様な居場所づくり、子育て支援、家庭教育支援、地域と学校の協働、ネット利用の適正化、働き方改革、テレワーク、子供・若者への投資の推進 等

5子供・若者の成長を支える担い手の養成・支援

教育・心理・福祉等の専門人材から、地域の身近な大人、ひいては当事者たる子供・若者自身に至るまで、多様な担い手を養成・確保するとともに、それぞれの連携・協働の下、持続的な活躍が可能となるよう、支援する。

【基本施策】
企業等の参画促進、教師の資質能力の向上、専門や地域を超えた共助の推進、先端技術・データ活用(Child-Youth Tech)等

3.施策の推進体制

▶子供・若者の多様化や課題の複雑化、孤独・孤立やWell-beingの観点等を踏まえ、多様なデータを参考指標(子供・若者インデックス)に設定。それらを可視化した子供・若者インデックスボードを作成し、総合的・多面的な評価、社会全体での支援推進に活用

▶子供・若者育成支援施策等の形成過程において子供・若者の意見が積極的かつ適切に反映されるよう、審議会等の委員構成に配慮するとともに、インターネットによる意見募集等を推進。

▶総理のリーダーシップの下に縦割りを超え、関係行政機関・組織相互間の緊密な連携・協力、施策相互間の十分な調整を図る。

大綱の期間はおおむね5年(令和3~7年度)としつつ、社会情勢、政策動向等に応じ適時改定。3年目に中間評価を新たに実施。政策的に関連の深い他の大綱等の見直し状況を踏まえ終期を判断。

column1 コロナ禍における子供・若者育成支援団体の活動状況

全国18団体へのインタビュー結果をもとに、コロナ禍が支援団体やその支援対象者に与えた影響及びそれらを踏まえた対応等について概観するとともに、NPOによる具体的な活動事例を紹介する。

topic1 コロナ禍における子供・若者に対する政府の主な対応

コロナ禍において政府がとった対応のうち、子供・若者を対象とする主なものについて、分野ごとに概要を整理する。

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