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アメリカ・ドイツにおける青少年のインターネット環境整備状況等調査報告書

第II部 調査の結果

第1章 アメリカにおける調査

1.4 青少年のインターネット利用環境に関する民間機関の取組

1.4.2 ウェブサイト運営者に対するガイドライン策定175

 FCCは数年前、青少年が安全にインターネットを利用できるよう、環境改善を行うよう各インターネット事業者に対して働きかけを行っており、この推奨により業界の自主ガイドラインなどが作成されている。また、事業者はフィルタリング・ツールなどの提供も積極的に行っており、最終的には保護者に選択が委ねられている。そのため、事業者の間では保護者への教育・啓発活動も積極的に実施されている176


Family Online Safety Institute177
 Family Online Safety Institute(以下、FOSI)は、ワシントンを拠点とする国際的な組織で、家庭におけるインターネットの安全な利用促進を目的に活動しており、インターネット、SNS、電話会社などの業界メンバーで構成されている。
 インターネットのコンテンツ・レイティングを提供しているthe Internet Content Rating Association178(以下、ICRA)は、同機関の一部である。ICRAは、デジタル・コンテンツが自由に普及すると同時に、青少年保護を推進するためには業界の自己規制が必要であるという理念の下、1994年に設立された組織である。
 FOSIは、表現の自由を尊重しつつ、安全管理を促すことで、インターネット上における子どもと家族の安全を守る活動を行っている。FOSIの活動内容には、一般市民の理解を促進するために、公共政策、技術、教育に関するイベントを展開している。FOSIは、政府、産業界、非営利団体等と協力し、ウェブ2.0を子どもが安全に利用できる技術的な解決策を考案している。また、同団体は、ウェブサイトの運営者向けのガイドラインを設けており、ラベリングやコンテンツに関するアドバイスも行っている。ただ、最近、そのサービスは中止されており、詳細のガイドラインは閲覧できない状態となっている。


CTIAとワイアレス協会
 CTIAは、モバイル環境における責任あるワイアレス技術の使用について、子ども、保護者、教師を教育するために、ワイアレス財団(The Wireless Foundation)とともに、最近、「Be Smart. Be Fair. Be Safe: Responsible Wireless Use179」という情報サイトを設立した。
 同サイトは、子どもが安全に携帯電話を使用できるように、保護者等に対して必要な素材とツールを提供している。さらに、CTIAと同プログラムに参加している携帯電話プロバイダとベンダーは、消費者、特に青少年保護を目的として、自主ガイドラインを開発している。また、2010年4月にCTIAは、その自主ガイドラインにおいて顧客の位置情報に関するガイドラインを設け、Best Practices and Guidelines for Location-Based Services(以下、位置情報のガイドライン180)を発表した。このガイドラインの他にCTIAは、Guidelines for Carrier Content Classification and Internet Access (以下、コンテンツのガイドライン)や、Best Practices and Guidelines for Mobile Financial Services(以下、携帯電話での金融サービスガイドライン)等を発表している。
 なお、コンテンツに関するガイドラインには、以下の項目が含まれ、青少年にとっての有害情報への対応について、消費者への情報提供と指導を定めている。


Mobile Marketing Association
 Mobile Marketing Association(以下、MMA)は、世界40カ国以上750社のメンバー会員を持つ携帯電話サービスの非営利団体で、携帯電話市場とその関連技術の成長を推進する目的で設立された。
 MMAでも、「Consumer Best Practices Guidelines for Carrier Content Classification and Internet Access(以下、消費者へのガイドライン)」を作成しており、青少年をターゲットとしたマーケティングに関して幅広いガイドラインを定めている。このガイドラインの最新改定版が、2010年6月に発表された。
 特に「13歳未満の子どもに対してのショート・メッセージ・サービス(SMS)や、マルチメディア・メッセージ・サービス ( MMS/画像)などを含むコンテンツに関しては、業界が責任を持たないといけない」、とガイドラインでは説明をしている。
 CTIAのコンテンツ・ガイドラインと同様に、「合衆国法典、州法など関するキャリアの義務」や「消費者のプライバシーの保護」の他に、「業者が発信するShortCode、MMA Global Codeを正しく使用する」、などが定められている。


Facebook181
 FaceBookではサイトの各ページの下部にプライバシー・リンクを貼っている。また、現在、6人の民間非営利組織の代表者で構成されている安全諮問委員会(Safety Advisory Board)の援助を受け、安全センター(Safety Center)を設立する過程にある。また、FaceBookは、同委員会が実施する消費者向け教育プログラムの支援のために基金も提供している。
 電気通信情報局の報告書によると、2009年にFaceBookは新たなプライバシー規定を発表し、メンバー全員にプライバシー設定をするよう義務付けている。この初期設定に対してユーザーの反応は、多少の抵抗感は感じていたようだが、現在は、世界中の3億人以上のユーザーが同設定を実施ししている。


 インターネットの安全な利用に関しての教育を促すページに加えて、同社はサイトにContextual messagingを設置している。例えば、新規ユーザーが登録手続を行う際にユーザーは、プライバシー・オプションを問われるようになっている。また、自身のステータス情報を変更する際に、現在の内容に関するプライバシー設定を表示する小さな鍵型アイコンがあり、そこでユーザーが設定を変更することもできるようになっている。
 その他、ユーザー登録が18歳未満の未成年者である場合には各種機能が制限される設定を用意している。例えば、未成年者がチェックしたものはその友人だけが見ることができる。また、未成年者に対しては、友人の輪を広げていくオプションは設定されていない。もし誰かが未成年者がいる場所にタグをした場合は、未成年者の名前は友人にのみ表示される。また、未成年者の名前が「ヒア・ナウ(Here Now)」というページにある場合は、未成年者の友人以外は表示されないようになっている。


 他方、FaceBookは情報プライバシーの普及活動をしているData Privacy Dayと共同で、2010年1月、プライバシーに関するガイドラインを発表している。このガイドラインは、特にFaceBookのユーザーに対してのもので、その内容は例えば、「絶対にユーザー・アカウントやパスワードを他人に教えないこと」、「プライバシーの設定では、自分にとって何が一番適しているのかを判断すること」、「誰もが自分の記事にアクセスできるという点に気をつけ、その詳細をプライバシー・コントロールで設定すること」、などが記載してある。


MySpaceやYahoo!の対応182
 インターネットの安全な利用を目指し、MySpaceと複数のSNSサイトが2008年に結成した「Internet Safety Technical Task Force(以下、ISTTF)」による、「子どもの安全とオンライン・テクノロジーの強化(Enhancing Child Safety & Online Technologies)」の最終報告によると、例えば、MySpaceでは不適切な領域へのアクセスに関しては、18歳未満のユーザーに対して閲覧の制限や拒否をしている。また、アルコール、喫煙、飲酒に関連する広告へのアクセスもブロックしている。同サイトでは、安全な利用への助言(SafetyTips)のページで、サイトの安全な設定の方法についてのガイドラインを設けている183
 このガイドラインには、MySpace Forumは公共のスペースだということを常に念頭に入れて、公表されたくない自身の情報は控えることを促している。また、自分のグループに見知らぬ者を追加する際には、その者の名前が必ずしも本名ではないことに注意するなどが挙げられている184


 また、Yahoo!は未成年者に対する成人向けコンテンツの表示を防止する検索機能を設置している。さらに、サイト画面の下部には安全利用についてのリンクを貼っており、インターネットの安全な利用についてのガイドラインを設定している185。このガイドラインでは、Yahoo!が児童オンライン・プライバシー保護法(COPPA)に基づいていることを明記し、ウェブサイトを利用する前に保護者が行うこととして、まず、子どもが閲覧しようとするウェブサイトについて理解し、子ども用のコンピューターの設置場所への配慮や、ペアレンタル・コントロールのソフトウェアの利用、あるいは、家庭におけるインターネットの安全な利用に関してのルールを設定すること、などが指示されている。
 また、実際に子どもがインターネットを利用する際には、パスワードを絶対に公開しないことや、個人情報の保護、チャット・ルーム等での全く知らないユーザーには気をつけること、あるいは、個人的に会うことをリクエストされないように気をつけたり、ネットいじめにも気を配るなどのガイドラインが紹介されている。



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