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アメリカ・ドイツにおける青少年のインターネット環境整備状況等調査報告書

第II部 調査の結果

第1章 アメリカにおける調査

1.4 青少年のインターネット利用環境に関する民間機関の取組

1.4.4 ウェブサイト運営者とコンテンツ掲載者、フィルタリング提供事業者等における民事紛争の解決活動194

 有害情報の削除等に関するウェブサイト運営者とコンテンツ掲載者、フィルタリング提供事業者等における民事紛争の解決活動については、把握されている情報はない。関連情報としては、例えば、以下のものがある。


FaceBook195の訴訟例
 FaceBookは、2008年に、メンバーの商品の購入履歴などを含む顧客情報を不当に共有したとしてユーザー側から集団訴訟を受けた。同サイトはこの訴訟について事実を否定したが、2009年、950万ドルの示談金の70%にあたる600万ドルを、プライバシーの権利保護を促進する財団へ寄付することに同意し、和解を提案した。この財団は、ユーザーのプライバシーとインターネットの安全な利用についての研究と支持活動をしている独立財団である196。この和解判決に関しては、反論も出ているため、審査は現在検討中である。
 その他、FaceBookは毎年テキサス州の「ダラスの子ども支援活動センターとダラスの警察局(the Dallas Children's Advocacy Center and the Dallas Police Department)」が開催している全米子ども危機会議も支援している。


 最近の訴訟和解対策として、部外者の非営利、事業者団体へ寄付をするケースが増加している197
集団訴訟を研究しているNorthwestern大学法学部(Northwestern University Law School)の Martin Redish教授によれば、集団訴訟においては、実際の被害者が多すぎるために、各個人への代償が困難であることを原告弁護士が理解している場合、和解の条件として、被告側が事業者団体へ寄付金の支払う、といった現状があるという。また、最近の大規模な集団訴訟の傾向としても、和解をするために事業者団体へ寄付を行うケースが多くあり、実際、非難を受けている。ちなみに、2001〜2008年までには少なくとも65件の集団訴訟で寄付金により和解が成立している。
 また今年初めにオハイオ州では、裁判官が訴訟に協定を導入することを推奨しており、この種の大規模な集団訴訟では、被告側が和解金の一部または全額を慈善事業者に寄付をするといった和解方法がますます一般的になっている198
 実際にどのような民間組織が、訴訟の和解や裁判外紛争処理(Alternative Dispute Resolution、ADR)に関わっているか、具体例は見られないが、大抵の場合は、和解や裁判外紛争処理専門の弁護士団体など法律の弁護士集団が行っているようである199


カリフォルニア州
 上記の連邦で既述のFaceBookの場合と同様に、昨年末にはAOLが、ユーザーのメールに不適切にフッターを挿入したと主張する集団訴訟で、Christina Snyder、ロサンゼルス裁判所の判事は、裁判官の夫が委員を務める「ロサンゼルス法律扶助組織(Angeles legal-aid organization)」に和解資金として2万5000ドルを寄付したという判例が挙げられている200





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