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2.2 青少年のインターネット利用環境に関する世論

 ここでは、ドイツにおける青少年のインターネットの利用環境に関する世論について紹介する。Ursula von der Leyen連邦家族相(当時)は、2006年11月28〜29日にかけて「「児童・青少年保護に向けた現在の挑戦−新しいメディアを通じた性的暴力(Technische Entwicklungen neuer Medien und Möglichkeiten frühzeitiger Prävention zum Schutz von Kindern und Jugendlichen vor sexueller Ausbeutung und Gewalt)」という専門家会議を開催した。同会議では、ビデオゲームがいかに未成年者の暴力性を呼び起こすかに議論が集中した。また、オンラインゲーム上で未成年者が有害で性的な写真に遭遇する危険性、性的暴力の被害者になるリスクなども指摘された。その典型的なパターンは、写真やビデオがインターネットや携帯メディアを通じて頒布されるものである。また、チャットサービス内で青少年が不快な内容のコメントを受け取ることも考えられ、注意が必要であるとされた279


 また、連邦家族省の依頼で、アレンスバッハ世論調査研究所が2009年(5月29〜6月11日)に行った口頭インタビュー(16歳以上の1,832人が対象)の結果では、91%が児童ポルノの遮断を歓迎する、と回答している280。これに対して、わずかの回答者(3%)が、これらの青少年保護の手段は、憲法に規定される表現の自由の侵害に当たると回答している。


 他方、2009年に可決され、2010年2月に施行された、いわゆる児童ポルノアクセス防止法は、立法過程において様々な議論を呼んだ281。インターネット・プロバイダに、刑法典182b条に規定される児童ポルノサイトのブロッキングを義務付ける内容を盛り込んだ、当初法案は各界の反対運動を引き起こした282。連邦政府が2009年6月にこの新法案を支持するオンライン署名を実施したところ、署名者は328名だったのに対し283、2009年4月22日から5月4日にかけて連邦政府が実施したこの新法案の否決を求めるオンライン署名では、署名者は134,015人だった。さらに、インターネット遮断と検閲に反対する運動団体(AK-Zensur)は、児童の性的搾取には検閲ではなく、より実効的な取組が必要であるとして反対した。




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