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2.3.10 その他

 児童ポルノに対して素早い対応をとるための第一歩として、前述のとおり、von der Leyen連邦家族相(当時)は自主規制という形での遮断の取り決めの必要性を強調していた。これを受けて2009年、1&1、ドイツテレコムなどのインターネット・サービス・プロバイダと連邦警察庁との間で自主協定の作成に向けた協定が結ばれた386。しかし、その後、議論は錯綜し、結果的にvon der Leyen氏の提案は実施には至っていない。このように青少年有害メディアの規制動向が不明確である現状は、多くのプロバイダにとってリスクとなりうる。あるプロバイダが自主的にまたは強制によって検閲を実施した場合、顧客がそれをよしとせずにプロバイダとの契約を解消して検閲を実施していない他のプロバイダに乗り換えることは充分にありうるからである。プロバイダが恐れているのは、検閲の実施のやり方次第(例えば一定規模以上のプロバイダのみが検閲の実施を義務付けられるなど)では特定のプロバイダのみが顧客を失い、経済の不利益を被る可能性である。そのため、業界団体のecoでは、「(全業者に一斉に適用される)法による規制なくしてはウェブサイトの遮断はありえない」としている。
 ブロッキングは現在実施されていないが、プロバイダ業界は依然として検閲の先例を作ること恐れている。1&1のスポークスマン(Michael Frenzel氏)は、「児童ポルノを禁止するにあたっての我々の関心ごとは、インターネット検閲のパンドラの箱を開けてしまうことになるかどうかである。」、「児童ポルノに限らず、すべてが検閲の結果遮断されてしまうことになりはしないかと恐れている。」と述べている。





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