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2.4 青少年のインターネット利用環境に関する民間機関の取組

2.4.1 青少年のリテラシー能力向上のための活動

 チャットサービスを提供する事業者は、チャットサービスの安全性の確保について多大な努力義務を負っており、特に、プロバイダはフィルタリング・サービスの提供などの技術的プラットフォームを確保すること、また、警察と緊密に協力することが重要である。しかし、青少年が自らオンラインサービス上で遭遇する性犯罪などのの危険性を自覚し、犯罪行為から逃れることができるようになるためには、児童・青少年・成年のインターネット利用者がインターネットに関する知識を十分に持ち、自らを保護することも重要である。以下では、青少年のリテラシー能力向上のための民間の取組を取り上げる。


■FSM
 FSMではドイツ児童社会奉仕団体(Deutschland Kinderhilfswerk:MSNドイツ)と協力して、先述した「ネットの中の安全なドイツ(Deutschland sicher im Netz)」の枠組みの下、メディア教育のための児童向けウェブサイト(www.internauten.de)を立ち上げている。このウェブサイトInternauten.deの対象は8〜13歳の児童である。このウェブサイトでは、著名なインターネットの専門家の監修のもと、ゲームやインタラクティブなサービスを通じて、児童がインターネットを利用する際の機会やリスクについて学習できるようになっている。Internauten.deを利用する児童は、キャラクターのNina、Rio、Benと共に、インターネットの危険性を学び、スパム、コンピューターウイルス、ワーム、トロイの木馬、ダイアラーなどについて、さらにはチャットを行う際の注意事項について学習することができる。また広告、インターネット上の著作権保護や、正しく責任ある携帯電話の利用などについても学ぶことができる387


■ProPK388
 内務省の主催したシンポジウムを受けて、2003年、連邦全土に広がるワーキンググループ「児童と青少年に関するインターネットの危険性(Gefahren des Internets für Kinder undJugendliche)」が、警察プログラム(Programm polizeiliche Kriminalprävention der Länder und des Bundes:ProPK)とドイツ犯罪予防会議(DeutschenForums für Kriminalprävention:DFK)、株式会社Kripo、そして州と連邦の協力の下で設置された。
 このワーキンググループは「特定のグループに対する予防イニシアチブを設置し、保護者、教育者、教師、児童、青少年に潜在的な危険性について啓発し、安全なインターネット利用に対する意識の向上を促すこと」を目的に開催されたものである。また、同時期には内務相、文科相、青少年相会議(Die Konferenzen der Innen-, Kultus-, und Jugendminister: IMK,KMK, und JMK)によって、様々なワーキンググループが設置された。これらは既に実施されている予防措置、青少年保護のための施策を統合するためのものである。


 例えば、ドイツ教育サーバー(deutscher bildungsserver389)は情報提供者や専門家のための学校に関するポータルの中心的なプラットフォームとしてIMK、KMK、JMKの代理機関としてProPKの協力のもと設置された。他にも、T-OnlineとProPKの全体的な青少年メディア保護協力キャンペーンの枠組内で、メディアの専門知識を提供する保護者向けのポータルサイトが設置された。また、ProPKはKlicksafe.deとSchulen ans Netzとの共同キャンペーンの一環として、教師のための連邦教育プログラムも開始した。
 さらに、政府とプロバイダとの共同作業も開始され、T-Onlineのウェブサイトでは、警察による犯罪予防情報を提供する、両親向け、保護者向けポータルが設置されている。そのコンテンツの一つとして、保護者向けの問題集(Elternquiz)がある。ProPKの目的は、インタラクティブなフォーラムを通じて、これらのテーマに対する関心を喚起するものとなっている。


 また、2004年夏にProPKはドイツ全土でインターネット上の児童ポルノ撲滅の啓発と感度向上のためのキャンペーンを開始した。このキャンペーンには、FSMやAOL、Arcor、T-Online、Microsoft Networkなども参加している。このキャンペーンは、現状についての情報を提供し、重要な予防策と行動に関するヒントを提供している。さらに担当の州刑事局へのオンライン通報サービスも提供されている。
 前述したとおりProPKは、保護者にメディアに関する知識を持ってもらうために、2005年初頭に「クリックの瞬間Klicks-Momente390」というパンフレットを作成した。このパンフレットはメディアに関する重要な知識を提供するものである。また、未成年者のメディアの利用に関する基本的な質問を通じて、親子のメディア教育を手助けするものとなっている。 


 また、ProPKは、問題解決において暴力が使用されるビデオゲーム391は、青少年の問題解決志向に影響を与え、暴力的になる、短絡的な問題解決を試行する可能性があるとの問題意識から、2006年、暴力ビデオに関する保護者と教師のための情報誌を発行するとともに、青少年教育プログラムの一環としてLukaという基礎学校の生徒向けゲームを発表した392。専門家とメディア教育者を支援するために作成されたこのゲームは、暴力を避けることを青少年に教えることを目的としており、そこでは紛争を平和的に暴力なしで解決することが求められる。このゲームは、ドイツ国内で無料で配布され、インターネットでダウンロードすることも可能である。


 他に州レベルでは、未成年者の年齢にあった発展を促すためにバーデン・ヴュルテンベルグ州刑事局は、インターネット上で期間限定のプログラムを実施した。2006年にこのプログラムはProPKによって連邦レベルの取り組みとすべく引き取られた。現在は、未成年者はこれらのインターネットや携帯電話のテーマに関する情報をwww.time4teen.deから手に入れることできる。


 その他メディア・リテラシー向上のためのプロジェクトのリストは以下のとおりである393




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