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2.4.2 ウェブサイト運営者に対するガイドライン策定等

 州政府は、有害なメディアサービスを監視するための機関として青少年保護ネットを設立し、インターネット・プロバイダ側も1997年にFSMを設立した394
 FSMは2005年より青少年メディア保護委員会の認可を受けて、青少年保護のための自主規制を行っており、ウェブサイトの違法性などの判断について、同委員会はFSMの決定を追認することになっている。これはFSMがオンラインサービスに関する自主規制を長年行ってきたことが評価されたものである。FSMはサーチエンジン提供者による自主規制を管理しており、この自主規制にはAOLドイツ、Google、LYCOSヨーロッパ、MSNドイツ、t-info、T-Online、Yahooドイツが設立メンバーとして参加した。これらの企業とFSMの協力によって青少年保護に向けた一般的な行動憲章とサブ憲章が設けられ、参加企業は遵守が義務付けられている。行動憲章とは主に、青少年に有害なコンテンツを提供せず、コンテンツ提供者が違法なコンテンツを提供してい場合には速やかにこれを変更・削除するように取り組むことである。この一環として、自主協定に参加するにはサーチエンジンとフィルタリングには連邦青少年有害メディア審査会が作成したBPjM-Modulの採用が義務付けられている395


 先述のとおり、FSMは加入企業のウェブサイトを監視し、不適切な内容があれば修正を提供者に要請することができる。その監視は48名の職員によって行われており、一般にウェブサイトの中身を目視により確認する。繰り返しになるが、FSM傘下の事業者は、青少年メディア保護委員会または青少年保護ネットの監視対象外となる。また、青少年メディア保護委員会はFSM参加企業のウェブサイトについて通報などがあった場合には独自に判断せず、FSMに情報を提供することになっている。FSMは通報を受けた場合、またはFSMが独自に発見した場合には、その違法性を判断し、違法と判断したウェブサイトに関しては、事業者に修正を要請する。当該事業者がこれを拒否した場合、定期的に開催される外部専門家による委員会396が違法性を協議する。ここで違法と判断され、通告があってもなお事業者による自主的な是正が見られない場合には、その事業者には罰金が課される。ただし、罰金が課された例は今まで一つもない。


 また、青少年メディア保護委員会が、FSM加盟の事業者のウェブサイトなどの違法性を指摘し、それがFSMによって違法ではないと判断され、しかし、さらに青少年メディア保護委員会が違法であると判断した場合には両者による審議となるが、そういった事例は未だ発生していない397
 FSMはecoと共同で、ホットライン(www.internet-beschwerdestelle.de)を運営している398。FSMがWWWなどのウェブサイト、ecoはスパムメールやニュースグループの監視を担当している。ecoによる是正手続きもFSMとほぼ同様である。FSMとecoは通報システムを共同で管理しているが、FSMの担当する案件に関してecoに通報が行った場合や、その逆の場合などもあり、常に情報交換をすることになっている。また海外のウェブサイトについては、国際組織INHOPEに報告し、速やかに内容の変更を要請することとなっている。
 サイトの監視は専門家が行うが、彼らは常にこの任務に就いている訳ではなく、他の職員と交代で業務に当たっている。そのため、各自の判断に差がでないように、FSMは判断規格「Prüfgrundsätze」を作成し、職員はそれに則った判断を行うことになっている。判断規格は定期的に改定され、最新版は2011年1月に発行される予定である399


「携帯電話における青少年保護のためのドイツ携帯事業者による行動憲章400
 「携帯電話における青少年保護のためのドイツ携帯事業者による行動憲章(Verhaltenskodex der Mobilfunkanbieter in Deutschland zum Jugendschutz im Mobilfunk)」は、全ての携帯電話事業者に共通の規格を提供する。これら規格の対象は、携帯電話によるチャット、ビデオやゲームのダウンロードなども含むものである。携帯電話事業者の代表として、debitel、E-Plus、mobilcom、O2 Germany、Phone House Telecom、Talkline、T-Mobile Deutschland、Vodafone D2が2005年夏に行動憲章に参加することを表明した。同時に、適切な技術発展のために定期的に進捗状況を報告することとなっている。
  青少年メディア保護委員会は、先述のとおり、中央当局としてこの行動憲章を歓迎する旨を表明した。なお、Vodafone、T-Mobile、The PhonehouseとO2は、2005年7月にFSMに参加した。これによって業界の規制活動はFSMの監督の下で行われることになった。





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