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第II部 調査の結果

第1章 イギリスにおける青少年のインターネット環境整備状況等

前置き

イギリスと呼ばれている国は、公式には「グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国」(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)である。イギリスは、イングランド、ウェールズ及びスコットランド、北アイルランドの4つから成り、法体系、行政もそれぞれ異なるところがある。ただ、法体系においては、イングランドとウェールズは単一の法域を構成する1 。本報告書において主として対象にするのは、イングランド及びウェールズである。
なお、本稿においては、原則として、国名を表記するときには「イギリス」とし、団体名等を表記するときは、「英国」「英」を用いることにする。また、UKが使われているときは、「連合王国」とする。

1 青少年のインターネット利用環境に関する実態

 青少年のインターネット利用に関しては、様々な対策が考えられ、実行に移されてはいるが、インターネット技術は専門家や技術者でさえ追いつくのが必死なほど目まぐるしい速さで発達しており、技術が進歩していく限りは、ますます適切な対策が必要とされる2 。最近では英語の携帯端末(mobile)と社交(social)を組み合わせた造語「mocial」も生まれ、少しずつ社会に浸透しつつある。全世界のインターネット利用者の半数が携帯端末からアクセスしているとされ、携帯端末やインターネットがどれだけイギリス人の日常生活の一部を占めつつあるかが伺える3

(1)青少年の定義

イギリスにおける「青少年(teen、young adult、youth等に訳される)」の定義としては、概ね未成年者で7歳から18歳頃までの世代とされるものと、12~25歳を青少年(teen又はadolescent)とする定義があるが、その年齢定義は統一されておらず曖昧である。全英児童虐待防止協会(The National Society for Prevention of Cluelty to Children:NSPCC)による定義では、18歳未満を「子ども」であるとしている4
1978年児童保護法(The Protection of Children Act 1978)第7条第6項5によれば、同法第7条第8項6に定義された擬似写真(pseudo-photograph)が与える印象としての子ども(child)は16歳未満であるが、2003年性犯罪法(The Sexual Offences Act 2003)第45条第2項7により、18歳未満に改正された。
国連は、統計上の理由から下記の表(表1-1-1)のとおり、青少年(Youth)を15~24 歳と定義しているため、14歳以下を「子ども」と定義する。また、イングランド及びウェールズにおける青少年の犯罪率の統計調査を行った市民社会研究機関は、青少年(Youth)を18歳未満として分類している。
イギリスにおいて、飲酒及び運転免許取得が認許される成人年齢は18歳以上、法的責任が発生する年齢は10歳以上である。

表1-1-1 青少年と年齢定義の違い

定義の場所

定義

 

Child/Children

Teen

Young adult

Youth

国連(United Nations(UN)8

 

13~19歳

20~24歳

15~24歳

全英児童虐待防止協会(National Society for the Prevention of Cruelty to Children(NSPCC9

18歳未満

 

 

 

1978年児童保護法

18歳未満

 

 

 

市民社会研究機関(CIVITAS Institute for the Study of Civil Society)10

 

 

 

18歳未満

(出典:各文献を参考に作成)


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