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(3)青少年のインターネット利用数・利用率

イギリス全体における家庭でのインターネット利用率は、既に人口の半数以上を超える77%を占めている。スマートフォンの登場により、携帯端末からのインターネット利用が増加しており、携帯端末からのインターネット利用はこのうち45%を占める。2010年の国民統計局の調査では、前年2009年だけでも携帯端末からインターネットにアクセスしたのは600万人に上り、さらにWi-Fiを利用したインターネット・アクセスは前年(2008年)の2倍の490万人であった20。また、現在イギリスの子どもは平均8歳でインターネットの利用を始めている。2010年9月からは、義務教育開始年齢である5歳から必須科目としてインターネット安全教育が教えられることとなった21

表1-1-3 インターネット利用数・利用率(年齢別)22

表1-1-3 インターネット利用数・利用率(年齢別)

(出典:国民統計局)

※ Q1= 上半期、Q2= 下半期

ア インターネットの利用目的内訳

インターネットを利用する目的は、一般(16歳以上)と15歳以下とで異なる(図1-1-1、表1-1-4)。特に成人は、インターネット・バンキングや、仕事などの訪問先所在地を知るために必要な地図の検索、ニュースのサイトを見ることが多いようだが、15歳以下の利用目的は、下記が主である。

・宿題、学校関連
・コミュニケーション(インスタント・メッセージの送信など)
・SNS
・情報収集
・音楽(ダウンロードを含む)
・ゲーム(オンライン・ゲームを含む)
・ニュース
・ラジオ

図1-1-1 インターネット利用目的(2009~2010年子ども/年齢・性別)23

(単位:%)

図1-1-1 インターネット利用目的(2009~2010年子ども/年齢・性別)

(出典:通信庁(Ofcom)

表1-1-4 インターネット利用目的(2011年/一般/年齢・性別)24

表1-1-4 インターネット利用目的(2011年/一般/年齢・性別)

(出典:国民統計局)

特に8~15歳にかけては、ビデオクリップ、音楽、テレビ番組、映画の視聴、またはダウンロードするケースが一般的である(図1-1-2、表1-1-5)。また、12~15歳の約40%が、音楽や映画は合法かつ無料でのダウンロードが可能であるべきだと答えている25

図1-1-2 視聴・ダウンロード内容/子ども(2010年/8~15歳)26

(単位:%)

図1-1-2 視聴・ダウンロード内容/子ども(2010年/8~15歳)

(出典:通信庁(Ofcom)

表1-1-5 視聴・ダウンロード内容(2011年/一般/年齢・性別)27

年齢

16-24

25-34

35-44

45-54

55-64

65+

男性

女性

全員

 

映画・音楽

42

47

45

29

34

34

48

32

40

(電子版)本、雑誌、
新聞、教材

25

35

33

26

25

23

34

24

29

PCソフトウェア、
ビデオゲーム

53

51

50

54

63

63

60

43

54

(出典:国民統計局)

テレビやゲーム機が自室にあると回答した5~15歳が70%近くを占めたのに対し(図1-1-3)、インターネット環境が自室にあると回答した者は半数に満たず、自宅ではリビングルームで利用するとの回答が大半を占める一方(図1-1-4)、インターネット利用時にそばに誰もいないと回答した5~15歳は3分の1を超えている(図1-1-5)。

図1-1-3 自室にあるメディアの種類(2010年/年齢別)28

(単位:%)

図1-1-3 自室にあるメディアの種類(2010年/年齢別)

(出典:通信庁(Ofcom)

図1-1-4 自宅のインターネット利用場所(2010年/年齢・性別)29

(単位:%)

図1-1-4 自宅のインターネット利用場所(2010年/年齢・性別)

(出典:通信庁(Ofcom)

図1-1-5 インターネット利用時に近くにいる人物(2010年/年齢別)30

(単位:%)

図1-1-5 インターネット利用時に近くにいる人物(2010年/年齢別)

(出典:通信庁(Ofcom)

イ インターネット利用機器

国民統計局(Office for National Statistics)の16歳以上を対象とした調査によれば、携帯電話からインターネットにアクセスする状況を年齢別にみると、16~24歳が最も多く2011年では71%が利用しており、前年の44%に比べ急速に増加している(表1-1-6)31

表1-1-6 携帯電話からのインターネットアクセス(年齢別)32
(単位:%)

 

2009

2010

2011

16-24

33

44

71

25-34

32

47

65

35-44

27

32

49

45-54

19

25

33

55-64

10

13

21

65+

3

6

8

(出典:国民統計局)

スマートフォンの登場により、携帯端末によるインターネット・アクセスが増えてはいるものの、2009年時点では、PCによるアクセスが圧倒的に多い。

図1-1-6 インターネットアクセスに利用したデバイス(2009年/一般/年齢別)33

(単位:%)

図1-1-6 インターネットアクセスに利用したデバイス(2009年/一般/年齢別)

(出典:通信庁(Ofcom)

図1-1-7 インターネットアクセスに利用したデバイス
(2009年及び2010年の比較/子ども/年齢別)34

(単位:%)

図1-1-7 インターネットアクセスに利用したデバイス

※各項目左が2009年、右が2010年のデータである。
(出典:通信庁(Ofcom)

ウ ブログ

ソーシャルメディア調査会社Sysomos35が2010年に行った調査によると、ブログ利用者の半数以上である53.3%は21~35歳である。年齢別のグラフは下記のとおりである。

図1-1-8 ブログ利用率(2010年/年齢別)36

(単位:%)

図1-1-8 ブログ利用率(2010年/年齢別)

(出典:Sysomosウェブサイト)

国別の利用率は下記のとおりで、イギリスは第2位である。

表1-1-7 ブログ利用率(2010年/国別)37

国名

利用率(%)

アメリカ

62.14

イギリス

7.87

カナダ

5.69

オーストラリア

2.80

ブラジル

2.00

ドイツ

1.51

オランダ

1.28

フランス

0.90

インド

0.87

南アフリカ

0.85

日本

0.71

フィリピン

0.64

ノルウェー

0.63

スペイン

0.63

スウェーデン

0.54

ニュージーランド

0.50

中国

0.49

※調査対象は全年齢である。

(出典:Sysomosウェブサイト)

エ SNS

通信庁(Office of Communications:以下「Ofcom」という。)の報告によれば、12~15歳のうち約79%が何らかのSNS上に個人プロフィールを持っている(図1-1-9)38。この割合は、欧州他国の平均に比べると、低めである。SNSサイト内における多くのコンテンツは18歳以上が対象のため、13歳未満の利用は禁止されていることが多いが、会員として認められる年齢に達していない青少年も利用しているのが実態である。イギリスにおいて最も会員登録数が多いSNSはFacebookで、2010年は8~11歳及び12~15歳の96%が利用している(図1-1-10)。

図1-1-9 プロフィールを持っている子ども(2009~2010年/年齢別)39

(単位:%)

図1-1-9 プロフィールを持っている子ども(2009~2010年/年齢別)

(出典:Ofcom)

図1-1-10 利用SNSの種類と各利用率(2009年及び2010年の比較/年齢別)40

(単位:%)

図1-1-10 利用SNSの種類と各利用率(2009年及び2010年の比較/年齢別)

※各項目左が2009年、右が2010年のデータである。
(出典:Ofcom)

SNSの利用目的としては、主に下記が挙げられている。

・友人や家族との対話
・友人の友人との対話
・他人のプロフィール閲覧(メッセージを残さない)
・音楽を聴く/バンドやグループを探す
・過去の友人、知人の検索
・知らない人との対話
・キャンペーンやオンライン・フォーラム参加

図1-1-11 SNS利用目的(2010年/年齢別)41

(単位:%)

図1-1-11 SNS利用目的(2010年/年齢別)

(出典:Ofcom)

プロフィール公開設定は、「友人のみ」に公開としている者が大半である(図1-1-12)。

図1-1-12 プロフィール公表設定(2010年/年齢別)42

(単位:%)

図1-1-12 プロフィール公表設定(2010年/年齢別)

(出典:Ofcom)

12~15歳を対象にした公開している個人情報に関する統計によると、自宅住所、携帯番号、及びメールアドレスは「公表しない」とする回答が多く、思考、行動、写真は「公表する」とする回答が多い(図1-1-13)。ただし、自宅住所と携帯番号を「心配だが公表する」又は「公表する」という回答はそれぞれ19%と28%になっている。

図1-1-13 公開している個人情報(2010年)43

(単位:%)

図1-1-13 公開している個人情報(2010年)

※対象は12~15歳である。
(出典:Ofcom)

Sysomosが2009年に行った短文投稿型SNSのTwitter44に関する調査を年齢別にみると、20歳未満の利用者が31%を占めている。

図1-1-14 Twitter利用率(2010年/年齢別)45

図1-1-14 Twitter利用率(2010年/年齢別)

(出典:Sysomosウェブサイト)

Twitterの国別利用率はアメリカが圧倒的に多く、次いでイギリスとなっている。

表1-1-8 Twitter利用率(2010年/国別)46

国名

利用率(%)

アメリカ

29.22

イギリス

6.75

日本

4.88

ブラジル

4.19

カナダ

3.93

ドイツ

3.34

イタリア

3.21

スペイン

3.14

フランス

2.87

ロシア

2.31

オーストラリア

2.22

インド

2.14

スウェーデン

2.05

マレーシア

1.7

オランダ

1.69

(出典:Sysomosウェブサイト)

オ ゲーム

ゲームを所有する家庭は92%を占める。1週間のうちゲームに費やす時間は7.7時間であり、1日平均1時間ゲームに費やすという結果がある47。ゲームをする子どもの大半がゲーム機を使用しているが、PCや携帯電話も利用している(図1-1-15)。

図1-1-15 ゲームに使用するデバイス(2010年/年齢別)48

(単位:%)

図1-1-15 ゲームに使用するデバイス(2010年/年齢別)

※各項目左が2009年、右が2010年のデータである。
(出典:Ofcom)

また、人気のあるゲームの種類は、下記の表のとおりである。

表1-1-9 子どもに人気のあるゲームの種類49

インターネットゲーム

ブラウザ内で行う、フラッシュゲームを含む。

オンライン・ゲーム

オンライン上、同時進行で別の場所から他のユーザーとプレーできる。

マルチプレイヤー・ゲーム

戦闘ゲーム(World Warcraft)など、複数でプレーできる。

ビデオゲーム

コンピュータやゲーム機などを使う。(プレーステーション、Xbox、任天堂Wiiなど)

バーチャルワールド・ゲーム

ディズニーのClub Penguin50など、ゲーム上の架空の世界で自分の分身を作ることができるゲーム

(出典:Vodafone, Digital Parenting Magazine, 2010)

オンライン・ゲームの利用率は5~7歳が21%、8~11歳が28%、12~15歳が39%である。利用率は年齢の上昇とともに少しずつ増えてはいる(図1-1-16)。また、5~15歳の子どもの半数以上が一人でゲームをすると回答している(図1-1-17)。12~15歳の子どもの12%がオンライン上で他人とゲームをしたことがあると答え(図1-1-17)、男女別では、男子が19%と一人でゲームをする割合が高い傾向にある51

図1-1-16 オンライン・ゲーム利用率(2010年/年齢別)52

(単位:%)

図1-1-16 オンライン・ゲーム利用率(2010年/年齢別)

(出典:Ofcom)

図1-1-17 誰とゲームをするか(2010年/年齢別)53

(単位:%)

図1-1-17 誰とゲームをするか(2010年/年齢別)

(出典:Ofcom)

ゲームに関しては賛否両論があるが、マイケル・ゴウブ(Michael Gove)教育相が子どもたちの教育においてゲームは大きな可能性を秘めていると発言し、注目を集めている54。子どもたちが大好きなゲームを利用することにより、ゲームをする中で特に数学などの苦手科目に楽しめながら取り組めるのではないかというのがゴウブ教育相の考えである55


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