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 イギリス・韓国における青少年のインターネット環境整備状況等調査

第2章 韓国における青少年のインターネット環境整備状況

3 青少年のインターネット利用環境に関する制度、法及び政策とその背景

(1)インターネット環境において青少年保護に係る行政機関

インターネット環境において青少年を保護することを目的とした審議委員会には、青少年保護委員会、放送通信審議委員会、ゲーム物等級委員会、映像物等級委員会、刊行物倫理委員会の合計5つの委員会がある406。これらの各委員会の大まかな構成については、青少年保護法第7条各号において、「青少年保護委員会」及び「各審議機関」として規定されている。すなわち、上記5つの委員会のうち、青少年保護委員会を除く放送通信審議委員会、ゲーム物等級委員会、映像物等級委員会、刊行物倫理委員会の4つが、各審議機関に該当する。(詳細は以下ア~オを参照)。

ア 青少年保護委員会

青少年保護委員会は1997年に設立され、現在は女性家族部の所管にある。
青少年保護委員会の事務に関しては、青少年保護法第27条が規定している。

第1号:
有害環境から青少年を保護するための青少年有害媒体物、青少年有害物、青少年有害物件407、青少年有害業者等の審議・決定等に関する事項。


第2号:
青少年に有害な定期刊行物等を発行又は輸入した者に対する課徴金の審議・決定に関する事項。


第3号:
青少年保護のために、女性家族大臣が必要として審議を要請した事項。


第4号:
その他、他法律で青少年保護委員会が審議・決定するよう定めた事項。


特に、青少年保護委員会が行う青少年有害媒体物の審議・決定に関しては、青少年保護法第8条で定められている408

青少年保護法第8条第1項:
青少年保護委員会は媒体物が青少年に有害であるか否かを審議し、青少年に対し有害であると認定された媒体物を青少年有害媒体物として決定しなければならない。ただし、他の法令により該当媒体物の倫理性・健全性を審議することのできる機関(以下、「各審議機関」)がある場合にはこの限りではない。


第2項:
青少年保護委員会は、各審議機関が該当媒体物について青少年に対する有害の有無を審議していない場合、青少年保護のために必要だと認定するときには審議をするよう要請することができる。


第3項:
青少年保護委員会は第1項但書にもかかわらず、次の各号の一つに該当する媒体物に対しては、青少年に対する有害の有無を審議して、青少年に有害であると認定する場合には、その媒体物を青少年有害媒体物と決定することができる。

第1号:各審議機関の要請のある媒体物

第2号:各審議機関の青少年有害の有無の審議を受けずに流通される媒体物


第4項:
青少年保護委員会又は各審議機関が媒体物の審議結果、その媒体物の内容が憲法等の他の法令により流通が禁止される内容であると判断される場合には、その媒体物に対し青少年有害媒体物としての決定を行う前に関係機関に刑事処罰や行政処分を要請しなければならない。ただし、各審議機関別で該当の法令で別途の手続きがある場合は、その手続きに従う。


第5項:
青少年保護委員会または各審議機関は、製作・発行の目的などに照らして青少年でない相手に製作・発行されていたり、媒体物各々に対して青少年有害媒体物に決定されていない当該媒体物が青少年に流通するのを遮断出来ない媒体物に対しては、申請または職権によって媒体物の種類、題目、内容などを特定して青少年有害媒体物に決定することができる。


第6項:
青少年保護委員会の審議・決定方法等その他必要な事項は、大統領令に定める。

以上の規定から、審議対象の情報がすでに流通・公開されている場合にかかわらず、すなわち、流通や公開の以前・以降を問わず、青少年保護委員会は青少年に有害な情報であるか否かを審議することができる。

イ 放送通信審議委員会

放送通信審議委員会は、「放送法(방송법)409」(法律第10856号)第32条によって規定されており情報が有害又は不法であるか否かを、当該情報が公開された後に審議する機関である。

放送法第32条:
放送通信審議委員会は放送・中継有線放送及び電光板放送の内容とその他電気通信回線を通じて公開を目的に公開される情報のうち、放送と類似したものと大統領令が定める情報の内容が公正性と公共性を維持しているか否か、並びに、公的責任を遵守しているか否かを、放送又は流通後に審議・議決する。この場合、媒体別・チャンネル別の特性を考慮しなければならない。

放送通信審議委員会は2008年に設立され、放送通信委員会の傘下にあるが、政府組織ではなく、放送通信委員会から独立して違法情報の審議を行うという形態をとっている。委員会は与党によって指名された3名、野党によって指名された3名、大統領によって指名された3名の、計9名の審議委員から構成されている。9名のうち、通信担当の審議委員は3名であり、実質的にはこの3名によって審議が行われている410
放送通信審議委員会は有害情報・違法情報の申告を受け付けている。申告は放送通信審議委員会ホームページ411より行うことができる。申告があると、放送通信審議委員会内に設けられた通信審議企画チームが受付部署に派遣される。そして申告内容がその部署から通信審議企画チームを通じて審議機関に送られ、審議が行われる。
放送通信審議委員会の審議内容については、放送法第33条で規定されている。そのうち本調査と関連するものは、同法第33条第1項、第2項第3号である。

放送法第33条第1項:
放送通信審議委員会は放送の公正性及び公共性を審議するために放送審議に関する規定(以下、審議規定)を規定・公布しなければならない。


第2項:
前項の審議規定には以下の各号の事項が含まれなければならない。


第3号:
児童及び青少年の保護と健全な人格形成に関する事項

なお、放送通信審議委員会が情報通信網を通して流通する情報について、青少年有害媒体物の観点から審議したものは、4つの類型に分けることができる412


<1>社会秩序違反
(文書偽造に関する情報、不法食品販売・不法医薬品販売に関する情報)
<2>射倖行為への関心を助長する情報
(賭博行為関連情報等)
<3>淫らで煽動性のある情報
(性器、陰毛の露出、刺激的な性行為の描写)
<4>権利侵害
(名誉毀損、肖像権等の侵害)


2010年に審議されたこれらの項目に関する違反事例の割合については以下のとおりである413


<1>社会秩序違反 41%
<2>射倖行為への関心を助長する情報 33%
<3>淫らで扇動性のある情報 22%
<4>権利侵害 4%

ウ ゲーム物等級委員会
(ア)概要

ゲーム物等級委員会は2006年に設立され414、ゲーム物が青少年に有害であるか否かについて審議を行う機関であり、文化体育観光部の傘下にある。同委員会は、「ゲーム物産業振興に関する法律(게임산업진흥에 관한 법률)415」(法律第11048号)第16条によって規定されている。そのうち本調査に関連するものは、第16条第1項及び、第2項第1号から第5号である。

ゲーム物産業振興に関する法律第16条第1項:
ゲーム物の倫理性及び公共性を確保し、射倖心の誘発又は助長を防止し、青少年を保護するためにゲーム物等級委員会(以下、「等級委員会」という。)を置く。


第2項:
等級委員会は次の各号の事項を審議・決議する。

第1号:ゲーム物の等級分類に関する事項
第2号:青少年有害性確認に関する事項
第3号:ゲーム物の射倖性確認に関する事項
第4号:ゲーム物の等級分類による製作・流通又は利用提供の有無の確認等、等級分類の事後管理に関する事項
第5号:ゲーム物の等級分類の客観性確保のための調査・研究に関する事項

ゲーム物の等級分類に関しては、同法第21条第2項各号に規定されている。

ゲーム物産業振興に関する法律第21条第2項:
ゲーム物の等級は次の各号のとおりである。

第1号:全体利用可:誰でも利用できるゲーム物
第2号:12歳利用可:12歳未満は利用することができないゲーム物
第3号:15歳利用可:15歳未満は利用することができないゲーム物
第4号:青少年利用不可:青少年は利用することができないゲーム物

(イ)職務

ゲーム物等級委員会の重要職務について、本委員会ホームページにおいて次の4つが列記されている。

・ゲーム物等級分類の専門性を高めること
・審議委員会の倫理性強化を通じた審議の公正性の確保
・ゲーム物等級分類の世界化、先進化
・ゲーム物に対する事後管理強化を通じた不法行為の根絶


上記職務を遂行するために具体的に以下の活動が行われている。

・不法ゲーム物監視団の運営
・等級審議会議等、各種会議の運営
・調査研究
・事後管理
・広報出版
・審議総合情報システムの構築


韓国ではスマートフォンの利用が急速に増えつつある。2009年ほど前まではネットブックと呼ばれる携帯用のノート型コンピュータが市場に多数出回っていたが、その後、サムスン電子の開発もあり、スマートフォンの需要が急激に伸び、利用者数は2011年末の時点で2,000万を超えている416。韓国の人口は約5,000万人弱であることを勘案すると、人口の5分の2以上がスマートフォンを利用していることになる。
こうした状況を受けて、ゲーム物等級委員会は、モバイルゲーム物のダウンロード時における年齢区分確認手続きと利用等級表示方法がいまだ充実していないことから、移動体通信各社にその改善を要求した417

エ 映像物等級委員会

1999年に発足した映像物等級委員会は、文化体育観光部の傘下にある特殊法人である。同委員会の設置根拠は、「映像及びビデオ物の振興に関する法律(영화 및 비디오물의 진흥에 관한 법률)418」 (法律第10219号)の第71条において規定されている。

映像及びビデオ物の振興に関する法律第71条:
映画及びビデオ物とその広告・宣伝物(以下、映像物等)の倫理性及び公共性を確保し、青少年を保護するため、映像物等級委員会を設置する。

(ア)沿革

映像物等級委員会の設立は、その前身を含めると1966年までさかのぼる。
1966年1月に韓国芸術文化倫理委員会が「公演法(공연법)419」(法律第11048号)を根拠として設置された。同委員会の名称は、1976年には韓国公演倫理委員会、1986年には公演倫理委員会と変更されたが、1997年に韓国公演芸術振興協議会に再編成されたのち、1999年6月の公演法改正に伴い映像物等級委員会が発足した。2006年より根拠法が公演法から映像及びビデオ物の振興に関する法律に変更され現在に至っている。

(イ)職務

映像物等級委員会の職務については、映像及びビデオ物の振興に関する法律第72条及び同条各号に規定されている。そのなかで、特に本調査と関連があるのは、第72条第1号及び第2号である。

映像及びビデオ物の振興に関する法律第72条:
映像物等級委員会は次の各号の事項を審議・議決する。

第1号:映像物等の等級分類及び内容情報、青少年有害性の確認に関する事項
第2号:映像物等の製作・流通又は視聴提供の実態調査及び管理に関する事項

映像物の等級区分については、同法第29条第2項各号及び第50条第3項において定められている。観覧・視聴を可能とする年代区分はどちらも共通しているのでまとめて記載すると、以下のようになる。


・全体観覧可:すべての年齢の者が観覧・視聴可能である映像物
・12歳以上観覧可:12歳以上の者が観覧・視聴可能である映像物
・15歳以上観覧可:15歳以上の者が観覧・視聴可能である映像物
・青少年観覧不可:青少年は観覧・視聴が不可である映像物
・制限観覧可:煽情性・暴力性・社会的行為等の表現が過度であり人間の普遍的尊厳、社会的価値、善良な風俗又は国民の情緒を顕著に害する恐れがあり、観覧・視聴提供・流通等に一定の制限が必要な映像物

オ 刊行物倫理委員会

刊行物倫理委員会は、文化体育観光部の傘下にある社団法人である。同委員会の設置根拠は、「出版文化産業振興法420(출판문화산업 진흥법)」(法律第11048号)第16条において規定されている。

出版文化産業振興法第16条:
刊行物の倫理的・社会的責任を具現し刊行物の有害性の有無を審議するため、韓国刊行物倫理委員会を置く。

(ア)沿革

刊行物倫理委員会はその前身を含めると、設立は1970年までさかのぼる。1970年1月、韓国図書出版倫理委員会、韓国雑誌倫理委員会、韓国児童漫画倫理委員会の3つを統合し、韓国図書雑誌倫理委員会として発足した。1976年には韓国図書雑誌週刊新聞倫理委員会に名称を変更し、1980年の改変を経て1989年に韓国刊行物倫理委員会となった。

(イ)職務

刊行物倫理委員会の職務については、出版文化産業振興法第18条及び 第19条に規定されている。本調査と特に関連があるのは、第18条第3項(青少年保護法第2条引用)及び第19条第2項第2号(青少年保護法第9条第1項引用)である。その職務内容は、「青少年に有害な図書(印刷出版物及び電子出版物)の審議決定、青少年に有害な漫画単行本(印刷出版物及び電子出版物)、漫画雑誌の審議決定、青少年に有害な定期刊行物の審議決定」である。

カ 青少年保護委員会及び各審議機関の役割分担

青少年保護委員会は、青少年保護法第7条に規定されている「各審議機関」の所掌する対象について審議等は行わず、例えばゲーム物や映像物等に対する審議はゲーム物等級委員会や映像物等級委員会に委ねられる。
2006年10月に「音楽産業振興に関する法律(음악산업진흥에 관한 법률)421」(法律第10629号)が制定されて以降、青少年保護法に基づき、音楽を録音した物理的メディア全般に関する青少年有害性の有無については青少年保護委員会が審議を行っている422

キ 有害情報に対する処置

2001年に制定された「情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律(정보통신망 이용촉진 및 정보보호 등에 관한법):以下、「情報通信網法」という423。)」(法律第11048号)第42条により、青少年保護法上の青少年有害媒体物を一般に公開する者は、19歳未満の青少年にとって有害であるという表示を付すことが義務付けられている。有害情報と決定された情報については、19歳未満の青少年をアクセスさせないといった閲覧禁止の措置がインターネット上でとられており、ポータルサイトの検索キーワードが「アダルト」「ギャンブル」等特定分野に該当する場合、19歳未満は参照できないようになっている。例えば、「ポルノ」という言葉で検索を行った場合、青少年有害情報指定マーク(図2-3-1)と共に「本情報内容は青少年有害媒体物であり、情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律、青少年保護法の規定により、19歳未満の青少年は利用できません」というメッセージが現れ、ここで住民登録番号又は外国人登録番号の入力が要求される424。青少年でないことが認証されなければ閲覧は許可されない。また、携帯電話・スマートフォンからインターネットにアクセスした場合にも同じメッセージが表示される。
ただし、青少年が両親の住民登録番号を入力して検索を行うことも可能なため、アクセス制限には限界があることも指摘されている。これについては住民登録番号に代替する本人確認手段の開発が進められている425
なお、インターネットの媒体としての特性上、放送等に容認されている公的規制がインターネットに直ちに正当化されるとは言えず、公的規制が適用される場合にも限界があるとされる426

図2-3-1 青少年有害情報指定マークが示された住民登録入力画面

図2-3-1 青少年有害情報指定マークが示された住民登録入力画面

※上から1番目が氏名の入力欄、2番目が住民登録番号の入力欄である。

(出典:韓国インターネット安全委員会427(Korean Internet Safety Commission))

ク 違法情報に対する処置について

情報通信網法は、情報通信網を利用して流通・公開される青少年有害媒体物に対する表示義務(第42条)や広告禁止(第42条の2)といった規制に加え、「違法情報428」の名の下での広範囲な情報の流通を禁じ、放送通信委員会に、ISP等に対し放送通信審議委員会の審議を経た違法情報の取扱いの否定・停止・制限命令を行使する権利を付与している(第44条の7)。同法42条の2に違反する青少年有害媒体物の流通行為や44条の7に規定される命令違反に対しては、2年以下の懲役又は1,000万ウォン以下の罰金が科せられる(第73条)。

ケ 青少年有害情報の規制政策

違法情報を含む有害情報に対する規制は、民主的国家及び非民主的国家又は情報通信先進国と非先進国、といった国家の性格を問わず存在する429。韓国の青少年保護法第4条は、これを「社会責任」であると間接的に示唆している。
規制の目的は、各国家が置かれている状況に応じて異なることもあるが、効率性のある規制方法を求めている点では共通している。
規制の種類には、大きく分けて強制的規制と自主規制の2つがある。

(ア)強制規制

【等級区分】

青少年保護法第9条に基づき、青少年保護委員会及び各審議機関は、青少年有害媒体物と審議・決定をした時点で、等級区分を行う(第1号)。 一方、青少年有害媒体物として審議・決定されなかった媒体物に対しても、青少年有害性の程度、利用青少年の年齢、当該媒体物の特性、利用時間・場所等に鑑み、必要な場合には当該媒体物の等級を区分することができる(第8条第1号)。また、青少年保護委員会は、各審議機関が該当媒体物に対する青少年有害の可否の審議・決定時において、第9条第1号の規定による等級区分を行うよう要請することができる。
等級区分の種類・方法については、青少年保護委員会と各審議機関は青少年有害媒体物として審議・決定しなかった媒体物に対し、各審議機関で所管している媒体物に対し別途の等級区分をしている場合の他、媒体物利用に関し、9歳以上、12歳以上、15歳以上の3段階で年代別の等級区分を行っている(同法施行令第6条)。
2001年に制定された情報通信網法に基づき、通信会社にはブロッキングを行う義務が課せられている。ブロッキング対象となるサイトをレイティングし、データベースを作成、提供しているのは放送通信審議委員会430である。
また、実際のブロッキングの運用については、放送通信委員会が直接命令を下すのではなく、「放送通信委員会設置法(방송통신위원회의 설치 및 운영에 관한 법률)431」(法律第10165号)第21条第4項に基づき、放送通信審議委員会がISPに対する是正要求を出すという形で実施されている。


【審議基準】

青少年保護委員会と各審議機関は、青少年有害媒体物の審議基準として以下に当てはまるものに関して、青少年有害媒体物の決定を行わなければならないと規定されている(青少年保護法第10条)。

 ・青少年に性的な欲求を刺激する煽情的なもの又は淫らなもの
・青少年に暴悪性や犯罪の衝動を駆り立たせるもの
・性暴力を含む各種形態の暴力行使と薬物の乱用を刺激又は美化するもの
・青少年の健全な人格と市民意識の形成を阻害する反社会的・非倫理的なもの
・その他、青少年の精神的・身体的健康に対し明白に害を及ぼしうるもの

本規定に基づく規準を具体的に適用する際には、現在「国内社会での一般的な通念」に従うとともに、当該媒体物が有する「文学的・芸術的・教育的・医学的・科学的側面とその媒体物の特性」を同時に考慮しなければならない。その具体的な審議基準とその適用については、大統領令で定める。
外国から流入した不法及び有害情報に関しても、「何人も営利を目的として、外国で製作・発行された媒体物のうち国内の審議基準に該当する媒体物を青少年に流通(翻訳、翻案、編集、字幕挿入等の方法で流通させる場合を含む)させ、又は同目的で所持してはならない」と規定されている。

(イ)自主規制

以下に詳述するように、青少年保護法第12条以下に基づき、自主規制団体等(「媒体物の製作・発行者、流通行為者又は媒体物と関連のある団体」)には、青少年有害媒体物の「要請権」及び「自主決定権」が付与されている。自主決定は青少年保護委員会の裁量的な決定を受けなければならない。
有害媒体物の自主規制については青少年保護法第12条で定められている。青少年保護委員会と各審議機関は、自主規制団体等の自律審議を活性化し、その専門性を高めるべく、必要な場合には自主規制団体等が適用すると見込まれる審議基準及び審議方法等に関し教育を実施する等、自主規制団体等に対し支援を行う(第12条)。
自主規制団体等は、自律的に青少年有害性の有無に関する決定を行い、青少年保護委員会又は各審議機関に対して決定内容の確認を行うよう要請する権利を持つ。確認要請を受けた青少年保護委員会又は各審議機関は、審議結果と自主規制団体等による決定内容が合致した場合青少年有害媒体物に決定することができる。青少年保護委員会又は各審議機関が自主規制団体等による決定を確認すると、該当媒体物の確認を終えた旨の表示を行うことができる。
自主規制団体等は、青少年に有害と判断される媒体物に対し、青少年保護委員会又は各審議機関の決定なしに、青少年有害表示又は包装を行うことができる。自主規制団体等が規定により青少年有害表示又は包装をした媒体物は、「青少年保護委員会又は各審議機関の最終決定が下される日」まで、青少年保護法規定による青少年有害媒体物とみなされる。「青少年保護委員会又は各審議機関の最終決定が下される日」とは、青少年保護委員会が当該媒体物を青少年有害媒体物と決定し、女性家族大臣が同法第22条の規定により青少年有害媒体物として告示した日のことをいう。この場合、告示の効力が発生するのは大臣による告示日である。

コ インターネットにおける青少年保護の必要性とその認識

2010年8月、中央大学校産学協力団により放送通信委員会に提出された研究報告書「インターネット上における青少年保護に関する法制研究」においては、「青少年のインターネット利用は既存の媒体の利用と比較するとその利用頻度の増加は顕著であり、国内法の限界により規制の実効性に対して疑問が投げかけられているという実情がある。このため、インターネット上における青少年保護の必要性は、放送、新聞、映画等既存のメディア環境に比べて更に重要な意味を持つようになった」と、韓国でのインターネット上における青少年保護の必要性が指摘されている432

さらに、同報告書では、「これまで青少年保護に関する法制度はオフラインを中心として形成されており、現在のインターネット環境に十分に対処しきれているとは言えず、インターネット環境での青少年保護に関する法制度に対する補完は、切実な課題の一つに数え上げられるもの」であると述べられている。


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