第1章 アメリカ

4 青少年のインターネット利用環境(レイティング、ゾーニング)に関する民間機関の取組や現時点における青少年のインターネット利用環境に関する民間団体の取組の内容

(5)青少年に対して危険性があるインターネット上の情報についての相談や苦情受付などの活動

ア サイバー・チップライン(Cyber Tipline)116

サイバー・チップラインは、1998年に連邦政府によって設立されたインターネットネットの苦情、相談ホットラインで、連邦政府及び民間企業からの寄付によって運営されている非営利団体の全米失踪・被搾取児童センター(National Center for Missing & Exploited Children)が主体となっている。主な提携政府機関には、国土安全保障省の移民入国管理局(Immigration and Customs Enforcement (ICE))、連邦捜査局 (The Federal Bureau of Investigation (FBI))、 米国郵便検査サービス局 (U.S. Postal Inspection Service (USPIS))、 ICACタスクフォース、米国シークレットサービス局 ( U.S. Secret Service (USSS))、司法省の児童搾取・わいせつ課(Child Exploitation and Obscenity Section (CEOS))などがあり、その他にも国際、州、地方レベルの法執行機関がある。
苦情、相談の対象は、児童ポルノの製造、配給、所持を含む性的搾取、オンラインでの児童誘惑、児童買春、未成年者との性行為を目的とする旅行、家庭外での児童に対する性的虐待、児童に対して送付されるわいせつ文書や紛らわしいドメイン名、言葉、デジタル画像などである。また、連邦法(18 U.S.C. §2258A)は、電子サービスプロバイダー(ESPs)に対し、CyberTiplineに登録することを義務付けており、児童ポルノなどを見つけた場合には、通報しなければならない。
サイバー・チップラインは、1日24時間、週7日、休まず運営されており、オンラインまたは電話によって届け出された被害に関する情報は、FBI、ICE、USPIS、ICACタスクフォース、その他国際、州、地方レベルの関連法執行機関と共有される。これによって、オンライン犯罪を未然に防ぎ、取締りをより効率的に実施することができる。

表1-4-6:内容別サイバー・チップラインへの苦情・相談件数117
サイバー・チップラインへの苦情
届出内容
2012年1~3月
(件数)
1998年3月~2012年3月の累計
(件)
児童ポルノ 71,201 1,271,374
未成年売春 402 11,462
未成年相手の性交ツアー 39 3,921
家庭外児童への性的虐待 512 21,332
紛らわしいドメイン名 95 10,344
オンライン上の紛らわしい言葉、デジタル画像 322 7,724
オンラインでの性行為への誘惑 1,151 56,209
オンラインでわいせつなものを児童へ送付 135 9,468
被害の種類の明記のない苦情 1 866
合計 73,858 1,392,700

(出典:Cyber Tiplineサイト)

イ その他インターネット犯罪に関する苦情申立て先118

その他インターネット犯罪に関する苦情申立て先を、以下にまとめた。

表1-4-7:その他インターネット犯罪に関する苦情申立て先
連絡先 業務内容
・インターネット犯罪苦情センター119
(Internet Crime Complaint Center,以下IC3とする)
連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation (FBI))と全国ホワイトカラー犯罪センター120(National White Collar Crime Center(NW3C))との提携による政府機関。インターネット関連犯罪に関する苦情受付や調査を行い、内容に応じ、適切な連邦、州、地方、または国際法的執行機関等へ転送する。
・犯罪被害者のための全国センター121
(National Center for Victims of Crime)
犯罪の被害者達の人権擁護、安全、生活保護、教育・訓練の提供を行う。
・個人情報権利情報センター
(Privacy Rights Clearinghouse)122
インターネット上でのプライバシー侵害に関する苦情の受付、消費者啓蒙のための情報提供など。
・米国連邦司法省
(U.S. Department of Justice)123
司法省のウェブサイトでは、コンピューターハッキング、子どもポルノ、詐欺等のインターネット関連犯罪、及びオンライン上での知的財産侵害に関する苦情申し立て先のリンクを全て掲載する。
・オンライン乱用阻止運動
(Working to Halt Online Abuse)124
安全なインターネット環境実現を目標に、消費者啓蒙、法執行機関関係者の教育、被害者への教育等を通し、オンライン犯罪や嫌がらせに対抗すべく1997年に立ち上げられたボランティア団体。