第2部 調査の結果

第3章 オーストラリア

4 青少年のインターネット利用環境(レイティング、ゾーニング)に関する民間機関の取組や現時点における青少年のインターネット利用環境に関する民間団体の取組の内容

(4)ウェブサイト運営者とコンテンツ掲載者、フィルタリング提供事業者等における民間紛争の解決活動

オーストラリアでは、政府による強制的なフィルタリング導入(いわゆる検閲)に対する反対運動があり、デモ行進や政府サイトへの攻撃、通信・メディア庁が保有するブラックリストを入手しての公開(ウィキリークス)などがある。しかし、インターネットサービス事業者の中には自主的にブラックリストに基づいてサイトをブロックしているところもすでにある。法律改革委員会による検討の報告書にあるように、政府主導のシステムやコンテンツ・レイティング及び評価には改善すべき点がいくつかあるものの、今後も検討を重ねながらもトップダウン形式で政府主導の法による規制が行われていくものと考えられる。
そのため、民間同士の紛争よりも、政府と反対派との間の紛争が目立つ。通信・メディア庁が実際に削除要請を出し、従わない場合は罰金を課すという命令を出した例としては、通信・メディア庁が保有するブラックリストへのリンクを掲載したサイトや、殺人の映像が挙げられる。いずれも、罰金額は1日あたり11,000であり、両者とも削除要請に応じた。そのほか、先住民アボリジニーに関する記事が人種差別であるとしてGoogleオーストラリアの検索エンジンから削除された例もある390

(5)青少年に対して危険性があるインターネット上の情報についての相談や苦情受付などの活動

エンドユーザーがオンラインコンテンツについて苦情を申し立てる場合、利用サービスを提供しているインターネットサービス事業者、コンテンツサービス事業者、及びコンテンツ提供者のいずれかに苦情を申し立てることができる。また、通信・メディア庁に直接申請することもできる。苦情を受け付けた事業者は、苦情内容について調査を行い、必要に応じて当該コンテンツを非公開にした上でレイティングの再評価を依頼する。苦情申立人と事業者の間で意見の相違などが起こり、解決に至らない場合は、通信・メディア庁に通報できることをユーザーに伝える。以上は、本報告書「4(2)ウェブサイト運営者に対するガイドライン」の節で紹介した業界規範に述べられている。
通信・メディア庁が通報を受け付けた場合は、その内容について調査をおこない、有害コンテンツであると考えられる場合はレイティング理事会にサイトのレイティングを依頼する。禁止コンテンツであるとレイティング・確認されたら、通信・メディア庁はコンテンツサービス事業者にコンテンツの削除や閲覧制限を通告している391