第4章 韓国

1 青少年のインターネット利用環境に関する実態

(5)インターネット上のウェブサイトを利用して児童買春等の犯罪被害に遭った青少年の数・実態

一部の青少年が自分の裸を撮影した、いわゆる「モムサ(몸사;ヌード画像)」や「モムヨンサン(몸 영상;ヌード動画)」をスマートフォンのカカオトークなどのモバイルメッセンジャーを通じて売買する事件が頻繁に起こっている。また、一部の青少年はこのような画像・動画を教室やオンラインカフェ等で交換しながら収集・販売しているとされる。このようなわいせつ画像等の売買は、売買春や性犯罪などの二次犯罪につながる可能性が高く、深刻な問題となっている 551

実際に「モムサ」や「モムヨンサン」をインターネット上にアップロードして流布させた多数の青少年が補導されている。例えば、忠南警察庁は2013年3~10月に取締りを行い、児童・青少年利用わいせつ物を共有・配布した青少年93人を摘発した。放送通信審議委員会によると、2013年の全裸等のわいせつ物関連是正要求件数は、2012年の250件から4,068件(11月現在)と16倍以上に激増した 552

女性家族部の2013年11月12日の報道資料によると、2012年度は1,675人の性犯罪者の身上情報が登録されていた。性犯罪類型別に分析したところ、強制わいせつが55.9%(936人)と最も多く、次いで強姦38.8%(650人)、売買春の強要・斡旋、売買春、わいせつ物の制作の順であった。また、強姦被害者が犯罪者と知り合うようになった経路としては、インターネットのチャットを通じて知り合った比率が全体の18.6%であった(表48参照)。これは前年度の21%に比べ、小幅ではあるが減少している 553

表48 韓国においてインターネットのチャットを通じて知り合いになった人による性犯罪の件数(2012年)
犯罪類型 合計
強姦 強制わいせつ
129件
18.6%
42件
3.6%
171件
9.1%

出典:女性家族部の報道資料 554をもとに作成。

このような状況を受け、ソウル市は売買春などの危機に瀕している10代女性を対象にヌルプルン女性支援センターを運営している。主な事業は10代女性を対象にした性教育、アカデミーや情報資料室及び自立学校の運営などである 555


(6)青少年の間のネットいじめ

2013年に韓国青少年政策研究院が発表した『スマートフォン拡散に伴う青少年保護対策研究』報告書によると、調査対象である全国の中高生3,000人中の6.2%が、スマートフォンを通じていじめ被害に遭ったことがあると答えた 556

具体的には、グループでカカオトークルームを作り、いじめの対象となる学生を招待して数名が同時にひどい悪口を浴びせた事例や、学生数人がソーシャルメディアで特定の学生を話題に挙げて中傷した事例が多いとされ 557、そのほかにも、被害学生のおかしな姿を撮影してインターネットに公開したり、虚偽の情報をインターネット上に上げて名誉毀損に至ったりする場合もあるという 558

教育科学技術部が2012年に実施した「校内暴力実態全数調査」によると、全回答者の12.3%が、過去1年間に校内暴力を経験しており、そのうち被害者の13.3%がインターネットやスマートフォンを利用した悪口、誹謗及び集団いじめを受けていた(表49参照)。

表49 韓国における校内暴力の経験の有無及び区分(2012年)
区分 校内暴力を受けたことがある 校内暴力を受けたことがない わからない

無回答
脅迫

悪口
インターネットを通じた悪口、誹謗、集団いじめ 窃盗 殴打

監禁
強制的な使い走りなどのいやがらせ 性的いやがらせ
回答者全体に占める
比率
件数
111,725件
39,104件
37,707件
30,724件
20,948件
15,362件
1,080,942件
143,846件
比率
8.0%
2.8%
2.7%
2.2%
1.5%
1.1%
77.4%
10.3%
被害件数に
占める比率
37.9%
13.3%
12.8%
10.4%
7.1%
5.2%

出典:韓国青少年政策研究所の報告書 559をもとに作成。