平成26年度アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアにおける青少年のインターネット環境整備状況等調査
平成27年3月 内閣府

第2部 調査の結果

第2章 イギリス

1 青少年のインターネット利用環境に関する実態

(5) 青少年のインターネット利用の際のフィルタリング利用率
ア フィルタリング利用の動向

Ofcomの調査によると、フィルタリングやペアレンタル・コントロールにおける保護者の考え方は、保護者の養育スタイルと一致する場合が多い。ルールと子供の自由や子供への信頼のバランスが保護者には重要になるが、子供のインターネット利用の対策を多くの保護者が取り入れている。例えば、家庭で利用するパソコン、ラップトップ等のコンピュータにおける保護者によるインターネット利用対策として5歳から15歳の43%、3歳から4歳の40%がペアレンタル・コントロールを設定している。また、検索エンジンでのフィルタリング等の安全対策を行なっている。

  • 安全検索設定:検索エンジンを利用するときに安全検索設定を行っている。5歳から15歳の保護者の25%が利用すると答えた。
  • 時間制限のソフト: 子供がインターネットを利用する時間を限るソフトをコンピュータにインストールして利用。5歳から15歳の保護者の10%が利用している。
  • YouTube安全モード:動画ウェブサイトYouTubeを利用する際に安全モードをセットする。20%の保護者が、利用している。PC、ラップトップ等のコンピュータによってYouTubeを実際利用する子供の保護者の場合は、この割合が高くなり30%になる。
  • コンテント事業者ガイダンス:3人に1人が、テレビ放送局のウェブサイトを利用してテレビを見ている。ガイダンスレベルの認識がある保護者の約25%は、暗証番号あるいはパスワードを設定している。ガイダンスのレベルによって番組の視聴をする前にこれら暗証番号・パスワードの入力が、必要となる。ガイダンスレベルの認識のある保護者は、67%で、その中の24%は暗証番号あるいはパスワードの設定を行なっている347。また、携帯電話においては、オンライン利用ができる携帯電話を持つ子供12から15歳の保護者は40%、8歳から11歳の場合47%が18歳以上のコンテンツのフィルター制限を適応している348

Ofcom2014年1月調査報告書によると、5歳から15歳の保護者の62%が子供のインターネット利用対策としてパソコン、ラップトップ、ネットブックにフィルタリング等のテクニカルな方法を使用している349

図 111 保護者によるフィルタリングの設定タイプ (単位:%)350

(出典:Ofcom)

検索エンジンでのフィルタリング利用において3歳から15歳の保護者の間では、8歳から11歳の保護者が49%と一番多く利用する傾向である。また、コンピュータでは、5歳から7歳の保護者で45%、8歳から11歳の保護者では51%となり、年齢層の高い子供の保護者より利用している。YouTubeでの安全モードの利用率は、8歳から15歳の保護者のほうが平均20%と低い年齢層より多くなる。ソフトによる時間制限及び放送局のウェブサイトのパスワードの設定をする割合については年齢層であまり変化は見られない。全体的に8歳から11歳の保護者は他の年齢層よりこれらのペアレンタル・コントロールの技術を利用したフィルタリングを行なっている351

図 112 年齢層別フィルタリングの設定タイプ(2011年~2013年)(単位:%)352

(出典:Ofcom)

5歳から15歳の保護者の約半数(43%)が、コンピュータに何かしらのペアレンタル・コントロールを設定している。主に利用されているフィルタリングのタイプは、ISPによって提供されているペアレンタル・コントロールである。22%がトークトーク社(TalkTalk)の「ホームセーフ」や、マカフィー社(McAfee)のファミリープロテクションのソフト等、ISPから提供されているコンピュータにインストールするタイプのネットワークフィルタリングを利用していると答えている。Windowsや Mac等、コンピュータのOSシステム会社によって提供されているペアレンタル・コントロールは、二番目に利用されているタイプであり、5歳から15歳の保護者の15%がこれを利用している。また、9%はインストールあるいはダウンロードしたNet Nanny、Open DNS、Family Shield等を利用している。6%はインストールしてあるコントロールのタイプがどれなのかわからないと答え、10%はペアレンタル・コントロールの設定又はインストールされているか不明だとしている353

図 113 ペアレンタル・コントロール設定理由年齢層別の割合(2012年~2013年)(単位:%)354

(出典:Ofcom)

Ofcom2013年10月の報告書によると355、携帯電話でオンライン利用を行なっている12歳から15歳の青少年の保護者に「18歳以上向けのコンテンツの制限をしているか」という質問をすると、8歳から11歳の保護者の47%、12歳から15歳の保護者の40%が、18歳以上向けのコンテンツの制限を行なっていると答えた。「携帯電話購入時でのペアレンタル・コントロールの設定」は、8歳から11歳の保護者で23%、12歳から15歳の保護者で19%となり、「購入後に家庭で設定した」とするのが、8歳から11歳の保護者で24%、12歳から15歳の保護者で21%となった。12歳から15歳の「スマートフォンでのコントロール」(40%)と「一般携帯電話でのコントロール」(33%)では差はみられなかった。性別でみると12歳から15歳の男子(48%)のほうがフィルタリングを利用している割合が女子(32%)より高い。「携帯電話でフィルタリングを利用していない」と答えた保護者の理由として、12歳~15歳の保護者で、一番多かったのが、「子供が責任のある利用をすると信じている」(55%)となっているが、31%は「携帯電話でのフィルタリングができることを知らなかった」と答えている。また、7%は「ペアレンタル・コントロールの設定の方法を知らないとしている」12歳から15歳の保護者の6%は「子供が安全な携帯電話の利用の方法を学校で教わっている」と回答しており、5%は「ペアレンタル・コントロールを設定するには子供の年齢が高い」としている。

図 114 12歳~15歳の保護者による携帯電話のフィルター利用(2011年~2013年)(単位:%)356

(出典:Ofcom)

検索エンジン利用時のフィルタリングの利用についてみると、5歳から15歳の青少年の保護者の43%が安全検索設定を利用している。また、ホームページの履歴機能の利用は38%と、2番目に高く、11%は時間制限ができるソフトをインストールしている。62%が検索エンジン利用に何かしらのフィルタリングを行なっている357

図 115 5歳~15歳の保護者によるオンライン上安全対策(2011年~2013年)(単位:%)358

(出典:Ofcom)

年齢的にみると、8歳から11歳の青少年の保護者が48%と、他の年齢層の保護者より安全検索設定を利用する傾向がある。履歴機能は3歳から4歳の保護者(21%)は、5歳から15歳の保護者(38%)とより利用率が低い傾向にある。時間制限のソフトの利用は、年齢別に変化は見られない。全体的に8歳から11歳の保護者は66%と、他の年齢層の保護者より検索エンジンに何かしらのフィルタリングを利用する傾向にある。2012年と比較すると、何らかの対策をするという5歳から15歳の保護者の割合は、67%から62%に減っている。また、5歳から7歳の保護者の検索エンジンの安全検索設定の利用数が、48%から40%と減少している359

図 116 年齢層別に行われているオンライン上安全対策(2011年~2013年)(単位:%)360

(出典:Ofcom)

(6) 青少年のインターネット利用に関する親子間の話し合い並びにルール設定の有無及び内容

Ofcomによると、3歳から15歳の青少年の保護者のほとんどが子供の携帯電話、ゲーム及びインターネットについてルールあるいは制限を決めている。また、保護者の多くが子供のオンライン利用について何かの介入を行なっており、多くは複数の介入方法を使っている361 。子供のオンライン利用への介入方法362としては、1安全なインターネットの利用方法について話し合う(10人に8人【79%】の保護者が、この方法を取っており、45%は最低1ヶ月に1度は話し合いをするとしている)。2保護者による監督についてのルールを決めている(子供がオンラインで何をしているかを定期的に確認しているを含めて保護者の半数以上がインターネット利用にルールを決めている)。310人に6人が、ペアレンタル・コントロールや安全検索設定、YouTube安全モード、時間制限のソフトあるいは、放送局のウェブサイト上のパスワード等のテクニカルなツールを利用した介入も行なっている。全体的にみて、85%はパソコン、ラップトップ等、家庭でのインターネット利用のコンピュータに、これらの三つの方法のどれかを使っている。また、20%はこれら全ての対策を行なっている。15%はこれらの介入方法を利用していないと答えている。

図 117 5歳~15歳の保護者による子供のパソコン/ラップトップ/ノートブックによるインターネット利用時のオンライン利用介入策(2013年)363

(出典:Ofcom)

インターネット利用のルール・制限の保護者の管理364としては、5歳から15歳の保護者の45%が子供のオンライン上での活動を定期的に確認している。3歳から4歳の保護者では、この割合が25%になる。「監督下あるいは、1人でない時のみインターネットの利用」については年齢が高くなるほどこの割合が下がる。3歳から4歳の保護者では、42%がこのルールを決めているが、12歳から15歳の保護者になると、7%になる。複数のルールを決めているとする保護者の回答によると、5歳から15歳の保護者の53%が、子供のインターネットの利用について積極的に監督している。年齢別に見ると、この割合も子供の年齢が低いほうが高い傾向にある。

図 118 年齢別保護者の監視におけるインターネットのルール及び規制(2013年)(単位:%)365

(出典:Ofcom)

Ofcomによると、家庭でインターネットを利用する5歳から15歳の青少年の保護者の79%が、インターネット利用のルールを決めているとしている366。年齢別に見ると、5歳から7歳で92%、8歳から11歳で86%、12歳から15歳で65%と、ルールがある子供の割合は低年齢層ほど高い。ただし、3歳から4歳の保護者でルールを決めているのは84%で、5歳から7歳の92%より低い。

ルールの内容を見ると3歳から4歳及び5歳から7歳で割合の高い特定のルールはない。3歳から4歳では、子供向きのウェブサイトのみ利用とするのが44%で、1人でない時、監督下にあるときのみ利用する割合は42%となっている。5歳から7歳では「オンライン上の活動を確認する」と「子供向きのウェブサイトを利用する」というのが、44%である。監督下の時のみ利用できるというのは37%で、特定の時間の後は利用できないとしているのは33%であった。8歳から11歳では51%の保護者がオンライン上での活動を確認している。8歳から11歳でも特に割合の高い特定のルールはないが、5歳から7歳あるいは12歳~15歳の保護者に比べてオンライン上で買い物をしないルールを決めている傾向がある。

表 55 年齢層別インターネット利用上の保護者とのルール(2013年)(単位:%)367
回 答 3-4歳 5-15歳全員 5-7歳 8-11歳 12-15歳
ルールあるいは制限がある 84 79 92 86 65
子供が何をしているか定期的に確認する 25 45 44 51 41
一定の時間後はしない 28 32 33 36 28
インターネットでの買い物をしない 10 27 23 34 24
利用時間が決まっている 13 21 23 28 13
子供向けウェッブサイトのみ 44 19 44 22 4
監督下あるいは大人がいる時だけ使う 42 19 37 22 7
SNSを利用しない 9 18 19 28 9
PIN/パスワードが必要かすでに許可された場合 14 15 17 18 11
知っている人だけとのトーク/チャットのみ 2 13 13 18 10
インスタントメッセージ/MSNを使わない 5 11 17 17 3
子供お気に入りリストに保存されたウェブサイトだけ 10 9 12 12 4
宿題のためにだけ使う 0 5 5 7 3

(出典:Ofcom)

携帯電話を所有している5歳から15歳の青少年の保護者は、何かのルールを決めている場合が多い。これらのルールは有害なコンテンツより携帯電話の料金加算を考慮するものが多い。携帯電話のルールについては、年齢層の高い12歳から15歳に多い。8歳から11歳に多いルールとしては、「兄弟の利用の方法を定期的に確認する」(27%)、「許可した特定の人達だけと通話、テキストの送受信を行う」(25%)、「(データ利用をしないで)通話/テキストの送受信のみを行う」(19%)、「オンラインを使わない」(13%)となる。12歳から15歳ではスマートフォン所有者とそれ以外の携帯所有者との間でのルールの違いはあまりみられない。スマートフォン所有者のルールとしては課金の回数と(データ利用をしないで)通話・テキスト送受信のみの使用があげられる。この年齢層のスマートフォン所有者の保護者はスマートフォンでない携帯所有者の保護者より定期的にその利用方法を確認して、利用するウェブサイトを限定している368
表 56 年齢層別携帯利用上のルール (2013年)369
回答 8-11歳 12-15歳
ルールあるいは制限がある 73% 71%
携帯電話への入金回数の制限 38% 34%
プレミアムレート番号への通話をしない 24% 27%
プレミアムレート番号へのテキストを送らない 23% 26%
子供の携帯電話の利用を定期的に確認する 27% 14%
子供に携帯電話料金の支払いをさせる 8% 16%
親が同意した相手リストだけに通話/テキストをする 25% 7%
通話/テキストだけに使う 19% 8%
オンライン/インターネットウェブサイト/WAPブラウジング利用しない 13% 8%
app/アプリケーションのダウンロードをしない 12% 8%
決まったウェブサイトだけ閲覧できる 6% 5%

(出典:Ofcom)

ゲーム機の利用においては370、多くの保護者が、ルールあるいは制限を決めている。ルールが決められているのは5歳から11歳の青少年までが、12歳から15歳より多い傾向にある。3歳から4歳においては88%と、ほとんどの保護者がルールを決めている。3歳から11歳の子供の保護者の半数以上が年齢に適したゲームに制限するルールを決めているが、12歳から15歳の高い年齢層になるとこの割合は34%と低くなる。同じく、ゲームのコンテンツのタイプ(暴力・薬物使用・ヌード等)についても、3歳から11歳の保護者はルールを決めているが、12歳以上はこの割合が大幅に低くなる。12歳から15歳では女子(11%)のほうが男子(3%)に比べてオンライン上でのゲームをしないとするルールを持つ傾向が高い。

表 57 年齢層別ゲーム機利用上のルール(2013年)371
回 答 3-4歳 5-15歳全員 5-7歳 8-11歳 12-15歳
ルールあるいは制限がある 88% 74% 86% 81% 58%
適切な年齢制限のゲームのみ 56% 50% 62% 56% 34%
一定の時間後はしない 35% 34% 40% 39% 25%
子供が何をしているか定期的に確認する 35% 32% 38% 39% 21%
暴力のあるゲームはしない 35% 32% 40% 37% 19%
薬物を使用しているゲームはしない 34% 32% 40% 37% 20%
ヌード/性的コンテンツあるゲームはしない 33% 32% 39% 37% 20%
汚い言葉/罵りのあるゲームはしない 34% 31% 40% 37% 19%
オンラインゲームはしない 22% 15% 24% 18% 8%
知らない人とのオンラインゲームはしない注 15% 14% 19% 15% 8%
オンラインチャット/メッセージはしない 18% 12% 18% 16% 5%
監督下あるいは大人がいる時だけゲームができる 33% 11% 21% 11% 3%
大人/親が試したゲームだけできる 19% 10% 16% 12% 3%

(出典:Ofcom)

SNSサイト側で年齢制限を設けていることも多く、MySpaceでは14歳以上、Facebookは13歳から17歳の高校生もしくはカレッジの学生及び18歳以上の人にサービスを提供している372。ただし、これらのウェブサイトに最小年齢があることを知らない保護者もおり373、Facebookにプロフィールを持つ5歳から12歳の保護者では、その数は21%である。しかし、12歳から15歳の子供をもつ保護者では、2012年に比べて2013年はSNSの年齢制限があることを知らないという数は減っている。また、Facebookにプロフィールを持つ子供の保護者の27%は「13歳はSNSプロフィールを持つには早い年齢だ」と考えている。

図 119 保護者のFacebookにおける年齢制限の認識 (単位:%)374

(出典:Ofcom)